朝井リョウ ドンデコルテ渡辺銀次に『災 劇場版』を勧める

朝井リョウ ドンデコルテ渡辺銀次に『災 劇場版』を勧める ウチらと世界とエンタメと

朝井リョウさんとドンデコルテ渡辺銀次さんが2026年8月10日放送のNHK AM『ウチらと世界とエンタメと』で対談。ホラー好きな渡辺銀次さんに映画『災 劇場版』をおすすめしていました。

(朝井リョウ)私、そのホラーがすごくお好きっていうのも伺ったというか、まあ勝手に調べて。情報として出てきたっていうのもあって。ぜひ、ちょっとホラー好きな渡辺さんにおすすめしたいものがあったので、いいですか? お返しというか。これは『災』と書いて「さい」と読むんですけれども。これ、WOWOWの連続ドラマがあってそれが映画として今回公開された映画『災 劇場版』っていうものをお勧めしたくて。で、この『災』っていうのは連作ドラマのような形をしていて。主人公、語り手が毎回変わるんですね。

(渡辺銀次)うんうん。

(朝井リョウ)なんですけど。で、全然別の時系列だし、別の土地で起こる……初めはその本当に語り手の人生を丁寧に追っていくというか。そんな感じの話なんですけれども。どの話にも同じ男があるタイミングで登場するんですよ。

(渡辺銀次)ああ、面白い!

(朝井リョウ)で、その男が登場すると『災』という名前の通り理由のつかない絶望だったり不幸みたいなものがどこからともなくやってきて。丁寧に積み上げていった語り手の人生っていうものが崩落するっていう話なんですね。で、「5月」っていう監督チームの方が監督されていて。

(渡辺銀次)ああ、チーム名なんですね。この5月っていうのが。

(朝井リョウ)この方々、また撮り方がすごく面白いなと思っていて。

(渡辺銀次)撮り方?

(朝井リョウ)内容よりも、まずそのシステムというか。その「ある共通の男が現れたら人生が崩壊する」っていうシステムをまず先に作って。その撮り方が最も映えるように中身を構築していくって話をされていて。私、『古畑任三郎』とかもそうだと思うんですけど。もう、構造は知っている。「犯人が最初に出てきて追い詰められていく」みたいなその構造は知ってるけれども、その構造がものすごくよくできているから。このシステムで1000話とか、できるんじゃないかなと思ったんですね。とっても丁寧に語り手の人生が語られていくので、結構感情移入をして。たとえばアルコール依存症の方が頑張って治そうとする様を30分とかを見せられるというか、鑑賞をして。「ああ、この人、うまくいってほしいな」って思ったタイミングでその男が現れるんですよ。

(渡辺銀次)最悪ですね……。

(朝井リョウ)最悪なんですよ! 本当に最悪で。

(渡辺銀次)「うわっ、出た、こいつ!」って。

(朝井リョウ)で、もう途中、何話目かからはその現れた瞬間から「はあ……」ってもう絶望。本当、肩がガクッて落ちてしまうような絶望に襲われてっていう。だからホラーを見てるっていうのを途中まで、ちょっと忘れさせてくれるんですよね。

(渡辺銀次)うんうんうん。その人生を追うところで。

(朝井リョウ)追うところで。それで「そうだ。これ、最悪だった」っていう風にその男が登場した時に思い出させてくれて。そこから本当にもう、最も起きてほしくないタイミングで最も起きてほしくないことが起きるっていうことで、どんどん突き落とされていくようなお話なんですよ。

(渡辺銀次)ああ、面白いですね!

(朝井リョウ)そうなんです。撮り方が本当に私はめちゃくちゃこだわりがある方々なんだろうなと思っていて。で、結構、昔の作品ってちゃんとその被害に遭った人間の姿っていうもの。亡くなってしまった人間の姿っていうものが映っていたなと記憶してるんですけど。最近のドラマってやっぱりちょっと、それも映さないで表現をしていくっていう形だったと思うんですが。この作品は本当にまあ、死体の撮り方にものすごい私はこだわりを感じていて。人間の死体をどこから、どのタイミングでどういう風に撮ったら最も不気味に映るか?っていうことにものすごく労力を注いでいると私は思っていて。で、見ちゃいけない……本当は長時間、見たくないもののはずなのに見させられてしまう。それこそ集中力をすごく発揮させられてしまうシーンがものすごくたくさんあって。

(渡辺銀次)朝井さんがそうおっしゃるなら、朝井さんにはななまがりさんのネタをお勧めしたいですね。

(朝井リョウ)ああ、すごい角度! びっくりしました。ななまがりさんの死体の?

(渡辺銀次)めちゃくちゃ面白いネタがあって。でもこれ、面白さを説明するには全部、言っちゃうことになるんですけど(笑)。バディ物みたいなミニコントがあって。本当ショートコントなんですけど。死にそうな……「死ぬな!」みたいな状態で。初瀬さんを森下さんが「おい、初瀬! 死ぬな!」「最後にあいつには、こう伝えてくれ……」「おい、おい、初瀬っ!」って言って。それでカクッて初瀬さんが亡くなって。それで森下さんが「ひぃ……し、死体だ」って言うんですよ(笑)。

(朝井リョウ)すごい(笑)。

(渡辺銀次)それがめっちゃ面白くて(笑)。

(朝井リョウ)急に?(笑)。

(渡辺銀次)こうやって抱きしめていた森下さんが「ひぃ……」って(笑)。その、なんとなくみんなが思ってはいるけど……。

(朝井リョウ)たしかに(笑)。

(渡辺銀次)そうなんですよ。あれも逆に全くこだわらないというか。そういうこだわりがあるかもしれないです、あのネタは。びっくりしましたね、あれを見た時は。

(朝井リョウ)ちょっとそれをお勧めしたかったなと。

(渡辺銀次)うわっ、ありがとうございます。『災』、覚えておこう。

(朝井リョウ)ぜひ。

『災 劇場版』本予告

ななまがり・バディの死

『災 劇場版』、めっちゃ不穏ですね。『古畑任三郎』のようなシステム、おもしろい! そして銀次さんが話していたななまがりのネタも最高でした(笑)。

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教会よりも神社や日本の土着信仰に基づくものの方が距離感が近くて怖いというお話、なるほどと思いました!

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