ドンデコルテ渡辺銀次 池波正太郎『剣客商売』を語る

ドンデコルテ渡辺銀次 池波正太郎『剣客商売』を語る ウチらと世界とエンタメと

朝井リョウさんとドンデコルテ渡辺銀次さんが2026年8月10日放送のNHK AM『ウチらと世界とエンタメと』で対談。大好きな時代小説・池波正太郎『剣客商売』について話していました。

(渡辺銀次)『剣客商売』という時代小説が本当に好きで。

(朝井リョウ)ああ、これ、小説で挙げてくださってたんですね?

(渡辺銀次)そうです。出汁の効いたおすましみたいな。スッススッス入ってくるけど濃いなっていうような印象なんです。『剣客商売』を読んでいくのって。

(朝井リョウ)へー。あんまりじゃあ、なんだろう? こっちの体調とか気持ちとか関係なく読めるというか?

(渡辺銀次)そうです、そうです。で、自分が好きなものがいっぱい詰まってるというか。主人公が頼まれてもないのにチップを渡すんです。で、「いいから、いいから」みたいなのとかも言わないでスッと渡すだけ。で、受け取る方も黙って受け取るみたいな、その関係性。お客さんである主人公といつも来てもらってるお店のこの信頼関係が見える書き方とか、すごい好きで。

(朝井リョウ)それもあえて書きはしないけど、読ませるというか。

(渡辺銀次)感じるというか。こっちが勝手に読んでるのかもしれないですけど。

(朝井リョウ)それがね、そうさせてますよね。絶対にそれは。

(渡辺銀次)で、あと主人公がもう年を取ってるっていうのもいいですね。だから説得力がなんかあるというか。

(朝井リョウ)それ、芸人さんって本当におっしゃいますよね。年齢とか体型とかの説得力問題というか。

(渡辺銀次)あります。本当にありますね。だから、なんならやってることは変わってないのに、ようやく受けるようになったとかっていうのもありますし。やっぱり、そのデビュー直後の20歳の芸人が「コンビニ店員をやりたいんだよね」って言うと、芸人を20年やってる人が「コンビニ店員、やりたいんだよね」って言った時って全然、違うというか。

(朝井リョウ)別の感情がよぎってしまいますよね、たしかに。

(渡辺銀次)「40歳でコンビニ店員をやりたい? 何があったんだ?」ってやっぱりちょっと言っちゃうというか。

(朝井リョウ)やっぱりちょっと考えちゃいますよね。渡辺さんの今のたとえばお話の仕方とか……なんかいろいろコンビも変えられたりとか、ボケとツッコミも違う時代があったっていうお話なんですけど。今のやり方はこれから、ますます合っていくわけじゃないですか。恐らく。

(渡辺銀次)アハハハハハハハハッ! そうかもしれないですね(笑)。

(朝井リョウ)年齢や風貌も含めて。すごくいいですよね!

(渡辺銀次)そうかもしれないですね(笑)。息が長いかもしれないです。あのネタは。

(朝井リョウ)ますます、だからむしろ渡辺さんがその、出したくないレベルの説得力も出てくるっていう。お客さんが本当にその話を聞いちゃう、みたいな(笑)。

(渡辺銀次)そうなんですよ。本当にあるんですよ! 本当に環境によっては……「あっ、違う、違う! 笑ってほしかっただけなんだ……」っていう。

(朝井リョウ)もう大納得で立ち上がります、みたいな。

(渡辺銀次)「そうそうそうそう!」とかって言われたら困るんで(笑)。

(朝井リョウ)ぴったりの状況にどんどんどんどんなっていきそうな感じもあるんですけど。なんか、これは池波正太郎の時代小説ですけども。こういうのは、いつから? 時代小説お好きなイメージもあるんですけど、いつぐらいからそれはそうなんですか?

(渡辺銀次)時代小説はたぶん、中学校の時に初めて読んだのが『燃えよ剣』という司馬遼太郎さんのやつだったんで。あれからなんかハマった気がしますね。

(朝井リョウ)だいぶ入り口としてハードルが……「読み切れるかな?」みたいな感じがあると思うんですけど。中学生の時って。

(渡辺銀次)本を読むのはなんか元々、なんか癖づいてたかもしれないですね。

(朝井リョウ)そうだったんですね。それはご両親の影響とかもあるんですか? 環境が?

(渡辺銀次)そうですね。なんか家に本棚があって。そこにバーッってあったんで。

(朝井リョウ)それは一番、大事ですよね。

(渡辺銀次)なんか読むものなのかなっていうか。で、親父が何にもない日とかにゴロンってなって読んでたので。「面白いもんなんだろう」っていう、なんとなくの刷り込みがあったんだと思います。

(朝井リョウ)すごく今、親世代の方から「どうやったら子供が本を読むようになりますか?」って言われるんですけど。「あなたが読むしかないです」ってすごい思うので。

(渡辺銀次)アハハハハハハハハッ! そうですね(笑)。

(朝井リョウ)本当にその通りです。

(渡辺銀次)読まない人の子供は読まないですよね。「面白そう」と思わないですもん。

(朝井リョウ)それからじゃあ、時代小説は割とずっとお好きで?

(渡辺銀次)そうですね、はい。やっぱりチャンバラとかは……もっと小さい時はそれこそ、じいちゃんの横で時代劇とか見ていたんで。その、わからない単語が人より少なかったのかもしれないですね。時代小説を読むにあたって。

(朝井リョウ)なるほど。それもでかいですね。たしかに。

(渡辺銀次)月代とか……。

(朝井リョウ)いや、それわかんないです。

(渡辺銀次)ここのちょんまげの下のハゲてる部分。あそこの名前とかも知ってたので。

(朝井リョウ)それはわからない(笑)。

(渡辺銀次)なんか読むのに調べる量が少なかったのかもしれないですね。

(朝井リョウ)なんかやっぱりその昔ながらの……何て言うのか、その古き良きじゃないですけど。そのさっきの言葉にしないでも人間の関係性が伝わってくるようなものに粋を感じるタイプなのかなって。

(渡辺銀次)ああ、そうですね、憧れますね。粋とか憧れますね。

(朝井リョウ)粋ね、かっこいいですよね、本当に。

(渡辺銀次)粋とか、なんか雅とか。侘び寂びとかもそうですけど。乙とか。なんかそういう響き、いいですね。

(朝井リョウ)やっぱりそういうのがお好きなのが……でもそれが所作から伝わってくるというか。それがすごく私は好きだなと勝手に思っております。

(渡辺銀次)嬉しいです。

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『剣客商売』、僕も大好きなシリーズです。秋山小兵衛、かっこいい! 心づけとかサラッと渡せるおじさんになりたいものです(笑)。

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