みうらじゅん 老け作りと比較三原則を語る

みうらじゅん 老け作りと比較三原則を語る 安住紳一郎の日曜天国

みうらじゅんさんが2024年6月16日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で「老け作り」でヒゲを伸ばしていることや「比較三原則」について話していました。

(安住紳一郎)それでは今日のゲストです。みうらじゅんさんです。おはようございます。

(みうらじゅん)おはようございます。よろしくお願いします。どうも。

(安住紳一郎)15回目の出演ということで。

(みうらじゅん)ああ、そうですか。長かったですね。15年も経ったんですよね。経ちましたよね。そりゃあ、歳も取りますよね。はい。

(安住紳一郎)今はみうらじゅんさん、若作りならぬ、老け作り中ということで。

(みうらじゅん)そうです。どうですか? 成果は。だいぶ、老けたでしょう?

(安住紳一郎)もう、見慣れてきました。最初、見た時はマスクしていて。で、スタジオでパッとマスクを取ったら結構、ヒゲをたくわえていて。

(みうらじゅん)ヒゲがちょっとね、白髪が混ざってるんですよ。僕、鼻毛とヒゲしか白髪がなくて。髪は染めてないんですよ。白髪、あることはあるんですけど、少ないもんで。老け作りにはそれは適さなかったんで。

(安住紳一郎)ヒゲはね、較的結構、黒白半分なので。しかもね、伊藤博文ぐらいの。

(みうらじゅん)博文さんまではまだ、なかなかね。僕もやっぱり田辺一鶴さんぐらいな……後ろから見ても、ヒゲが顔からはみ出してるぐらいにならないと、本当はいけないんですけど。

(安住紳一郎)そこまで挑戦しようとしてるんですか?

(みうらじゅん)いや、結構コロナ渦はかなり伸びてたんですけども。ほら、やっぱり納豆とかを食べる時に、つくんですよね。やっぱりヒゲを始めようと思って、それをやめた人の第1の理由は納豆ですよね。納豆&ミルクでしょうね。ついて、ネバネバもつきますんで「嫌だな」と思ったんですけど。まあ、それを我慢して食べていたんですけども。ある時、また納豆を食べていたら、ヒゲの中にネバネバじゃなくて粒が入ってるってことにまでなりまして。「これはもう、こっちのもんだ」みたいな。納豆を取り込んだっていうか。粒を入れたらもう、こっちの勝ちですからね。それからもう、ヒゲを伸ばすことも全然平気になりました。

(安住紳一郎)アハハハハハハハハッ! ひとつ、なにか超えたんでしょうね。

小粒納豆がヒゲから出てきたら「勝ち」

(みうらじゅん)超えましたね。「なんかあるな」と思って、出したら出てきた時にもう「勝ったな!」っていう感じはしましたね。

(安住紳一郎)「皮膚にできものができたのかな?」とか思いますよね。

(みうらじゅん)違和感はちょっと、しばらくあったんで。「おかしいな」と思ったら……でも小粒の方でしたけどね。僕、納豆は小粒を買ってもらっているんで。大粒だとちょっときついですけども。

(安住紳一郎)ああ、小粒の方で?(笑)。どれぐらい食後、時間が経っていたんですか?

(みうらじゅん)しばらくわかんなかったんですけども。匂いはもう、だいぶ慣れっこになってましたんで、あれでしたけども。なんか触るとグリグリッとしたもんがあって。「イボでもできたのかな?」みたいな感じでした。それは。

(安住紳一郎)「取れるな? 取れるぞ?」みたいな(笑)。

(みうらじゅん)そうですね。まあ、そこを超えていただければヒゲはスムーズに……ヒゲラルキーはいけると思います。

(安住紳一郎)ヒゲラルキー(笑)。あれ、ヒゲラルキーっていうのは、なんなんですか?

(みうらじゅん)ヒゲラルキー、去年言いませんでしたっけ? 僕も何をしゃべったのか、覚えてないんですけども。ヒゲラルキーっていうのはやっぱり、博文さんもそうですけど。ものすごい伸ばしてる人と、まあまあ伸ばしてる人と、少し伸ばしてる人がいるじゃないですか。ちょびヒゲとかね。前から「なんでかな?」と思ってたんすけど。それにはなんか、ヒゲラルキーっていうのもあるんじゃないかと僕、伸ばして気がついたんですけども。やっぱり先輩の方がそんなに伸びてないのに、後輩がボーボーっていうのは失礼に当たるのかな?って思ったんで。それでいろいろ調べてきたんですけど。俺の友達もやっぱりコロナ禍で結構、ヒゲを伸ばしてまして。下の方がボーボーに伸ばしてることもありましたんで。やっぱり「ヒゲラルキーはない」っていうことがわかりました。

(安住紳一郎)ああ、そうですか。

(みうらじゅん)ヒゲにはヒゲラルキー、ないです。はい。

ヒゲラルキーはないことが判明

(安住紳一郎)でも、なんか昔の明治の軍人とかを見ると、もう本当にみんな、ことごとくヒゲを伸ばしていましたよね。

(みうらじゅん)ことごとく、やってますよね。だからやっぱり偉い人が伸ばした方がいいのかなとは思ってたんですけど、そこはフリーでした。

(安住紳一郎)へー! いろいろね、みうらじゅんさんと話をしてると、言葉の使い方で急に思い出すこと、ありますよね。私、「老いるショック」はね、結構使ってます。

(みうらじゅん)ああ、ありがとうございます。老いるショック……今、老いるショックからの老け作りですから。第2段階ですから。安住さんもそろそろ、始められた方が。

(安住紳一郎)ああ、老け作りをですか?

(みうらじゅん)はい。

(安住紳一郎)老け作りって、何なんですか?

(みうらじゅん)まあ、より老けて見えるような気持ちっていうか。そこも大切じゃないですか。気持ちを老けていこうっていうことですよね。

(中澤有美子)老けて見える方がいろいろ、いいことがある?

(みうらじゅん)みんな、やっぱり歳を取ると若作りしがちっていうか、みんなしますでしょう?

(安住紳一郎)いや、日本の商業はもう全部、若く見えるための「若見え」っていう。

(みうらじゅん)若見えになると、やっぱりそこでも勝負が出るじゃないですか。「あの人の方が若く見える」とか。そこにやっぱり、そういうなんか比較三原則じゃないですけども。比較三原則がそんな、若作りにも出るんですよ。やっぱり。だから、それはいけないっていうことで。老け作りをすれば、対抗馬は今のところ、いませんし。いたのは笠智衆さんとか、樹木希林さんとか、そういう方じゃないですか。まだ一握りですよ。だから、ここには比較三原則は生まれないし。で、老け作りをしてて「ああ、なんかすごい急に老けたけども。いくつだっけ?」って聞かれた時に僕、今66なんですけど。「66」って言ったら「まだ若いね!」って。逆転の発想というか、出ますよね。

(安住紳一郎)なるほど。じゃあ、まだ人が行ってないところに行って。そして、若く見えるためには逆に老けて見えた方が実際、周りの人は「いや、若いね」っていう結論を出してくれるという。

(みうらじゅん)そうですね。だから僕はいつも考えてることは基本、1人相撲ですよね。1人相撲をするっていうことで勝負はなしっていうことなんですよ。

(安住紳一郎)あと「比較三原則」も初めて聞いた人、普通に核兵器のことだと思うと思うんですけども。

(みうらじゅん)ああ、違うんです。親と比較しない。過去の自分と比較しない。それと、兄弟がいる人は兄弟もねありますけども。それから、他人ですね。その三つですね。それと比較をしないことを心がけていただくと……まあ、無理なんですけどね。無理なんですけども、無理を押して修行をするっていうことですよね。

(安住紳一郎)みうらじゅんさんって、思いついた時がピークなんで。意外にね、定義がその後にブレブレになる時があって。

(みうらじゅん)今、ちょっと忘れてました。

(安住紳一郎)比較三原則がブレるのは……(笑)。

親、過去の自分、他人と比較をしない「比較三原則」

(みうらじゅん)だいぶ前だったんで。比較三原則を考えたのは。そうでした。出なかったです。ごめんなさい。

(中澤有美子)でも、いい言葉ですよね。比べるのはやめるところから、全て自由になりますからね。

(みうらじゅん)そうですね。はい。

<書き起こしおわり>

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