みうらじゅんさんが2025年2月9日放送のTBSラジオ『日曜天国』に出演。近年、老けづくりを続けるみうらさんが「老いるショック」「老けづくり」「アウト老」へと至る流れを紹介していました。
(安住紳一郎)昭和33年ですから……えっ、60になった時にあのポール・スミスのちゃんちゃんこを着て。
(みうらじゅん)やりました。
(安住紳一郎)あの時からもう7年、経ってるんですか? すごいですね。見えないですね。
(みうらじゅん)そうですね。それはちょっと悔しい。っていうか、ほら。今、老けづくりをやってるから。「老けましたね!」って言われるために頑張ってヒゲも伸ばしているし。
(安住紳一郎)ですね。やっぱりその老けづくりが功を奏して「老けた見た目よりも若い」っていうか。なんて言うんですかね?
(みうらじゅん)ああ、頭で想像したやつよりも、老けづくりをしてると……「意外と歳から考えたら若いですね」ということで。逆の効果が出るんですよ、老けづくりは。だから、老いるショックを迎えたら老けづくりを始め、結論としてアウト老になっていくっていう三題噺なんですよね。
(安住紳一郎)もう一度、ゆっくりいいですか?
(みうらじゅん)はい。一番初めに「老いるショック」を迎えますよね。
(安住紳一郎)だいたい、ちょっと自分の膝が痛いとか。
最初に来るのは「老いるショック」
(みうらじゅん)ちょっと痛いなとか思った時、指差し確認で自分の膝を指さして「老いるショック!」って。まあ、そりゃ言いますよね。
(安住紳一郎)フフフ(笑)。それは、あれですよね。老いていく自分を肯定的に捉えて。落ち込むなと。
(みうらじゅん)っていうか、誰でもなることですから。そこは陽気に指差し確認していくと、もっと指差し確認をしたくなるじゃないですか。その時に「ああ、首がちょっと痛いな……老いるショック!」って。またそれを自分の体の中に見つけていく楽しみっていうのが老いるショック効果なんですよね。これが。
(中澤有美子)なるほど(笑)。
(安住紳一郎)それは『クイズタイムショック』から?
(みうらじゅん)そうでしょうね。たぶん、その言い方はね。
(安住紳一郎)田宮次郎さんでしたっけ?
(みうらじゅん)そうですね。でも、なかなか人前ではちょっと、言うことははばかられるっていうか。でも、できる限りやっぱり声を出して。声出し確認が必要だってういことで。
(安住紳一郎):なんかメールでね、よく来ます。「それを聞いてから落ち込むことなく、ちゃんと前向きに変化を受け入れられる」っていう。
(みうらじゅん)やりましたね。で、その次がもう「老けづくり」ですから。若づくりをするっていうことは有名ラーメン店に並ぶみたいなことじゃないですか。ねえ。それは良くない。やっぱり。
(安住紳一郎):そうですか。
「若づくり」ではなく「老けづくり」
(みうらじゅん)うん。人が行かないような店に並んでいれば、一番になれるわけですから。ということは、老けづくりはほとんどの人がしませんから。僕、たぶん老けづくりは一番だと思うんですよね。誰よりも早く老けづくりを……自分の実年齢よりもさらに老けるような行動とか、白い部分を増やしていかれるとか。
(安住紳一郎)そうですよね。だいたいヒゲを……いわゆるその伊藤博文風のヒゲ、もう長いですよね。
(みうらじゅん)長いです。僕ね、ちょっと辛抱がたまらず切っちゃう時があるんですけど。本当は仙人みたいに伸ばされる方がアウト老には近くなりますよね。
(安住紳一郎)アウト老っていうのは老人の「老」ですね?
(みうらじゅん)はい。アウト老。去年、たぶん僕、自信なさげに言ったと思うんですけど。もう堂々と言います。アウト老です。アウト老を目指していく。はみ出し老人のことですよね。
(安住紳一郎)他の人とは違う。
(みうらじゅん)「普通の老人にはなってたまるもんか」っていう気持ちですよね。
(安住紳一郎)ロックンロールですね。
「普通の老人にはなってたまるもんか」でアウト老
(みうらじゅん)そうですね。僕はだからそういう意味では「マイブームじいさん」として今後、ずっとやっていかなきゃなって。
(安住紳一郎)いいですね。でも哲学を感じます。すごく。
(みうらじゅん)まあ哲学じゃなくて、受けるために言ってるだけなんですよね。結局。哲学はないです、僕。ノン哲学です。
(安住紳一郎)そんなことないですよ(笑)。京都の東山高校、浄土宗でお坊さんの学校で本当にね、そういう話も詳しいので。やっぱりね、こういう冗談話しててもなんかね、勝手に聞いてる方が……聞いてる方が勝手に奥行きを見出すっていう(笑)。
(みうらじゅん)ああ、そうですか。ありがとうございます。
(安住紳一郎)それででも、あんまり評判良くないって聞いたんですけど?
(みうらじゅん)ああ、評判はよくないですよ。今のところ。でも、評判が良くないのが、そこがいいんじゃない?っていうところもありますよね。そんな評判いいのはすぐ批判されますから。
(安住紳一郎)そうですね。でもご実家に帰った時、ご両親に反対されたっていう?
(みうらじゅん)90半ばぐらいの両親に「もう、そんな汚いものは切れ」っていう。僕、その時に初めてちょっと、反抗期っていうのかな? 67にして迎えました。イラッとしましたけども。
67歳ではじめて迎えた反抗期
(安住紳一郎)なかったんですか? 思春期の10代、20代の頃には?
(みうらじゅん)「もうかわいいじゅんちゃんじゃないんだぞ!」っていうことを僕は言いたかったんですよね。
(安住紳一郎)いくつですか?(笑)。
(みうらじゅん)67です。親ってね、やっぱり「ちゃん」なんですよね。「俺はもうじゅん爺なんだぞ!」っていうことをはっきり親に言いたいなとは思いました。
(安住紳一郎)お父さん、お母さん、90を過ぎてかわいいじゅんちゃんがなんで自分よりもヒゲを生やしているんだろう?っていうね(笑)。
(みうらじゅん)だと思うんですけどもね。
みうらじゅんさんの老いるショック、老けづくりとアウト老の三題噺、最高ですよね。だんだん歳を重ねていく中で「歳を取るのも悪くないぞ」と言われているみたいで元気が出てくる言葉です。老けづくりで伸ばしたヒゲを90歳を超えた親に言われてはじめて反抗心を抱いたという点も含めて、やっぱりMJはグレートだなと感じた次第です!(笑)。
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