渡辺志保 ドレイクへの2パック遺族からの抗議と『Taylor Made Freestyle』取り下げを語る

渡辺志保 ドレイクへの2パック遺族からの抗議と『Taylor Made Freestyle』取り下げを語る INSIDE OUT

渡辺志保さんが2024年4月29日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中でケンドリック・ラマー、フューチャー、メトロ・ブーミンの『Like That』に端を発するドレイクに対するディスについてトーク。ドレイクがアンサー曲『Taylor Made Freestyle』でAI技術を使用してあたかも故2パックが歌っているかのようなラップを披露したことで2パックの遺族団体から抗議を受け、結局楽曲を取り下げることになった件について話していました。

(渡辺志保)もう1個、最初に話したいのがあって。というのも先週、一連のねドレイク、フューチャー、ケンドリック・ラマー、J・コールあたりのビーフの話をしたわけなんですけれども。先週話した内容でドレイクが『Taylor Made Freestyle』という、AIの機能を駆使したトンデモディス曲というか、なんて言うんですかね? ケンドリック・ラマーけしかけ曲をリリースしたわけなんですけれども。AIの技術を使ってドレイクが2パックの声でラップをする。そして2バース目はスヌープ・ドッグの声でラップをするっていう離れ技をやってのけたんですけれども。

その後、2パックの遺族団体の方々から正式に抗議を受けまして。その2パックエステートの団体の方たちが公式に書面で文章を発表したわけなんですけども。それと同時にドレイク宛に通達っていうか、勧告の文書も送ったということで。「24時間以内に『Taylor Made Freestyle』を取り下げないと、法的措置に移りますよ」みたいな警告、勧告をしまして。それでドレイクさん、取り下げてらっしゃいましたね。

(DJ YANATAKE)ねえ。

2パックの遺族団体がドレイクに取り下げを勧告

(渡辺志保)これ、勧告を無視してずっと公開してたら本当に人間性を疑うなとか思ってたんですけど、取り下げられて。それでファット・ジョーがそれもインスタライブだったかな? そこでコメントしていたんですけど。「ドレイクが反撃してその後、もうケンドリック・ラマーアンサーしてないじゃないか。3週間、4週間かけてアンサー曲を書くような感じでもないだろうから、このビーフはもうこれで終わりなんじゃないか?」っていう風にファット・ジョーは見解を述べてらっしゃって。「ああ、そうなのかな」ってちょっと思いました。私も。

(DJ YANATAKE)俺もそう思います。なんか今、もう1回またケンドリックが返して、そんなにプラスに転ぶような……まあ、よりケチョンケチョンにするっていう可能性もあるけど。でもなんかあんまり、ここに乗っかってくるタイプでもない気がしますよね。

(渡辺志保)ねえ。だからその2パックの遺族の方たちがああやって正式に「我々は困ってるし、これはもう冒涜だ」みたいに言ってくださったのがいい釘の刺し方になったのかなと思ったり。

(DJ YANATAKE)それで結構、言われてるのがかつて、ドレイクも自分の声を勝手に、AIみたいにされて。「ウィークエンドとの新曲が出ました」みたいなので。嘘の曲だけど。「ドレイクとウィークエンドの新曲です」みたいなのが出て。それに対してドレイクが「訴えるぞ」みたいなことを言ったことがあるらしいんで。ブーメランが返ってきちゃったっていう。ただ、あれをなんでやったのかな?っていうことで、これは誰かが言っていて「なるほどな」と思ったんだけども。その2パックの声を使うことで、まあドレイクがラップをしてるんだろうけど……2パックの立場にならないと言えないようなワード、言葉とかを言うためになんじゃないか?っていうことで。アイディアという意味では「なるほどな」と。

(渡辺志保)かつ結構、私もうネットの考察記事とかで見たのが、以前にケンドリックも2パックのインタビュー音声を使って『Mortal Man』っていう曲を作って。それはその2パックの生前のインタビューの音声を巧みに利用して。自分と2パックの対話みたいな曲を作り上げたわけですよね。でも、それはちゃんとした肉声であり。かつ、オリジナルの2バックの肉声に何ら、手を加えていない。改ざんしたりはしてない。だから、ケンドリックの2パックへのリスペクトの表れからあの曲が出来上がっていたわけなんですけども。今回のドレイクのは看過できないのではないか、みたいなことが言われていたりとか。

あと、これはXで私がフォローしてる音楽ジャーナリストの方がリポストしていて。「マジそれな」って思ったんですけど。なんかニューヨークの若いラッパー3名にそのジャーナリストの方が「今のビッグスリーのビーフ、どう思うか?」って質問したら。「いや、全然。俺らには関係ないっすね。躍起になっているのはみんな、アラフォーぐらいのラッパーの人たちばっかりなんで」っていう答えが返ってきたっていうポストをしてて。「いや、マジでそれな」って思いましたね。

(DJ YANATAKE)たしかに。

(渡辺志保)だから日本のこういうUSのラップを追いかけている子でもさ、私みたいなケンドリックとかドレイクとかJ・コールが出てきたあたりをリアルタイムでワーッて心血を注いでウォッチしてきたようなアラフォーリスナーと、若い、リル・ウージー・ヴァートから聞き始めましたみたいな方では全くもって受け止め方が違うんだろうなとか思いながら先週、ウォッチしておりましたね。

若いリスナーたちの反応は薄い?

(DJ YANATAKE)それでカニエがその後、志保さんが教えてくれたけども。フューチャーに呼ばれてスタジオに入って。で、フューチャーにけしかけられてカニエもディス曲を書いたっていうので。フューチャーが「これでみんなでドレイクを引きずり降ろそうぜ」みたいな絵を書いてるっていう、あれはなかなか面白かったですけども。今日、エミネムが「ニューアルバム、出すよ」って言ったのに対してメトロ・ブーミンが「俺もそのアルバム、参加させてくれ!」みたいなのをSNSで言っていて。すごい大ファンなんだね。メトロ・ブーミンはエミネムの。で、それはそれで全然別軸の話だからいいんじゃん。そう思ってたんだけど、周りは「エミネムをつかまえて『Like That』のリミックスをやらせろよ」みたいなことを言っている輩たちもいて。またけしかけているっていう。

(渡辺志保)ああ、そうね。また今、ちょっとこのオンエアーの時点では状況が変わっているかもしれないけども。カニエの『Like That』もさ、あのフューチャーのバースがソニーの許可を得ていないバースだったから、カニエのYouTubeから取り下げられましたよね。

(DJ YANATAKE)ああ、なるほどね。

(渡辺志保)だから本当、2024年のビーフって難しいと思いながら。あと、ちょっと気になったのは前にも『INSIDE OUT』で紹介したけど。4Batzっていうね、ちょっとバズり始めているシンガーの方がいらっしゃって。彼はドレイク率いるOVO Recordsとサインして、そこからEPを出すということで話題になっていたわけなんですけれども。その4Batzさんも、言うたらドレイクにまさにフックアップしてもらっている最中なんですけども。その彼がカニエ・ウェストと一緒にスタジオに入った的な報道というか、写真というか、ビデオのフッテージが上がっておりまして。このへんの動きも……だからさっき言ったようにアラフォーだけが騒いでるのかもしれんけど。

(DJ YANATAKE)難しいよね。なんか、世の中に広まった感じだと、「最近、気になってるアーティストは?」っていうカニエに対する質問で「4Batz」って答えたっていう。それが出回ったのがドレイクよりも先だったもんね。

(渡辺志保)そうそう。だからちょっと、このへんも動きっていうか、派閥っていうかね。そのへんがどうなっちゃうのかな?って。

(DJ YANATAKE)味方につけるのか、みたいなね。

(渡辺志保)そんなことをちょっと思っております。

<書き起こしおわり>

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