渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんが2024年4月15日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中でフューチャー&メトロ・ブーミンのアルバムでのケンドリック・ラマーをフューチャーした『Like That』でのドレイク&J・コールへのディスを発端とした諍いについてトーク。J・コールのアンサー曲撤回やドレイクのリークされたアンサー曲の内容などについて話していました。
(渡辺志保)J・コールとドレイクとフューチャーなどを巡る話はbayfmの『MUSIC GARAGE:ROOM 101』の方でゆっくりと……。
(DJ YANATAKE)まずいよね。一番、しなきゃいけない話なのに(笑)。
(渡辺志保)ちょっと話したくてウズウズだったんですけどね。リック・ロス、どうした?っていうところまで……ちょっとドレイク個人への集中攻撃みたいになってる向きが嫌だなと思っていて。今日の日本時間のお昼ぐらいにあのチャック・Dも「なんてこった」みたいなことをポストしておりましたので。まあまあ、これからまたちょっとね、アメリカのヒップの地図というのが大きく動くのかな?っていう風に思ってもいますので。
(DJ YANATAKE)でも歴史的に見ても、こんな大物同士が争ってるのって、なかなかないんじゃないかな?って。
(渡辺志保)でも、考えれば考えるほどそもそもなんでケンドリックが『Like That』であんなバースを蹴ったのか、本当によくわからんわって思って。で、J・コールも結局、ケンドリックへのディス曲というか、アンサー曲をもうこの週末で取り下げましたし。あと、本当にドレイクさん、アンサーソングがリークされたみたいになってるんですけど。しょっぱなから「俺は日本でも人気があるから東京に呼ばれた」みたいなことをラップしてて。
(DJ YANATAKE)でも実際、来てたのはケンドリックなんだけどね(笑)。
「俺は日本でも人気があるから東京に呼ばれた」(ドレイク)
(渡辺志保)「いや、あなた本当にこの円安をどう思ってるの? 来るんだったら自分のポケットマネーで来てよ?」みたいな気持ちとか、いろんなことを話したかったんですけども。あれあれがあれな感じなので。
(DJ YANATAKE)後半、最後に時間があったらまたちょっと、話しましょうかね。
(渡辺志保)まあ、そうね。というわけで、この間の金曜日に出ましたメトロ・ブーミンとフューチャーのコラボアルバムの続編『We Still Don’t Trust You』。「俺らは結局、お前らのこと、いつまでたっても信用できないままだ」っていうアルバムです。その中にね、ASAPロッキーもドレイクのことをディスってる曲なんかがあって。またさらに話題になっているんですが。ひとまずですね、J・コールが参加してるこの曲をお届けしましょう。『Red Leather』です。
Future, Metro Boomin, J. Cole – Red Leather『Red Leather』
(中略)
(渡辺志保)そうそう。なので、フューチャーとメトロ・ブーミン、あのへんがどうなっちゃうのか……ドレイクとかね。
(DJ YANATAKE)その、いろいろ細かい説明は割愛して。今日の時点で志保さん、今これをどんな風に見てますか?
(渡辺志保)なんか、やっぱりちょっと寂しいというか。ヒップホップとビーフとか。あと、コンペティティブであること。みんな、誰が一番になるのか? 誰がキングになるのか?っていう競争はもうずっとずっと続いてることじゃないですか。でも、2017年ぐらいからアメリカで一番聞かれている音楽ジャンル。一番、消費されている音楽ジャンルにヒップホップがなり。日本でもこれだけ今、ヒップホップの恩恵にあやかって。勇気をもらっている若者は増え、おじさん、おばさんも増えて……っていう感じなんだけども。そこに来て、やっぱり普通にセールス的にもトップ3、トップ4に入るラッパーたちが今のタイミングでなんで、こんな諍いをしているのか?っていう風にふと、冷静になってしまうというか。
(DJ YANATAKE)うんうん。
(渡辺志保)で、みんな年齢もね、そんな別に若気の至りとかっていうことではなく。さっきも言ったけど、なんでケンドリックがそもそも、ああいう風に攻撃をしたのかが本当によくわかんないなって思いながら……今日も私、アメリカのポッドキャストとかを聞きながら。「なんでだろう? なんだろう?」って思ってましたね。
(DJ YANATAKE)なんか、僕はJ・コールが謝った時に日本の世論的には「仲直りする感じで、いいじゃん」みたいなのがすごく多くて。先週、志保も話していたよね。だけど、アメリカは決してそういった受け取り方だけじゃないっていう説明も先週、志保さんしてくれたけども。誰かが……あれはGASHIMAくんだ。彼がなかなか面白いたとえをしていて。「朝倉未来と那須川天心が試合をやりました。みんな、その夢のスーパーカードに注目して、1ラウンド、2ラウンドとやったところ。この後、どうなるか?っていうところで『俺、やーめた。白旗』みたいな感じに見えちゃっているから。それは『このカードの続きが見たい!』っていう風に残念に思う人も多いんじゃないですかね」っていうことを言っていて。それを聞いて「なるほどな」と思ったんですけど。
(渡辺志保)うんうん。
(DJ YANATAKE)結果、そこからいろいろとあって。リック・ロスはドレイクに触ってもらって。なんかシーンの真ん中に戻ってきた感じでニヤニヤしてるのはいいですけど。ドレイクがこれをまた、『キル・ビル』のあれにたとえてアップしたり。結構、アメリカはアベンジャーズのたとえが多いですけど。サノスっていうめちゃくちゃ悪の親玉がいてさ。みんなで、いろんなスーパーヒーローが何人がかりで戦ってもなかなか倒せなかったのにたとえたりしていて。結構、ここに来て「やっぱりドレイク、すごいな」みたいな(笑)。そんなのもあるように見えて、面白いような気もするんですけど。
自分をサノスにたとえるドレイク
Drake on his Thanos arc right now.#drakediss #drake #Kendrick #Thanos #rap pic.twitter.com/efRvqO7emw
— SPDRMNKYXXIII (@Spdrmnkyxxiii) April 14, 2024
(DJ YANATAKE)でもなんか、そのフューチャーとメトロ・ブーミンのアルバムがディスの話ばっかりで、他の話題が出てこないのはちょっと寂しいなとも思いますね。
(渡辺志保)そうですね。でもすごい……だから結構、私が見ている評論とかは「ディスの話が盛り上がってるけど、アルバムとして本当にすごいいいし。フューチャーもめっちゃ脂が乗っている」みたいな評はよく見かけるなっていうのと。あと先週、私も『INSIDE OUT』で話したけど。それで話し足りず、Moment Joonくんがスペースをやってるっていうので。「スペースをやってるんですよ。聞きたいな」っていう風に放送中にも話したんだけど。『INSIDE OUT』が終わった後もまだMomentくんがスペースをやってらっしゃったから。そこにちょっと割り込んで。「私もちょっと話したい」みたいな感じで。で、たぶんMomentくん、そのスペースをまだ残してらっしゃると思いますので。興味がある方はそのスペース聞いていただければとも思うし。
あと私は週末、オーガナイズド・ノイズのメンバーだったリコ・ウェイドっていうアトランタの名プロデューサーが亡くなったっていうのも結構ショックがデカくて。という週末を送ったんで。そのリコ・ウェイド然り、この『Like That』を発端にしたビーフの話然り、それはまたもう1個のラジオ番組の方で話したいなっていう風に思っておりますので。今日は最後、ティナーシェ。まあ彼女のステージも素晴らしかったですよね。ティナーシェの『Nasty』という新曲、ミュージックビデオもすごい出来なので。こちらをぜひぜひお聞きいただきたいと思います。また来週、お会いしましょう。おやすみなさい。
Tinashe『Nasty』
<書き起こしおわり>