清春 歌詞の聞き取りやすさを意識しない曲作りを語る

清春 歌詞の聞き取りやすさを意識しない曲作りを語る ザ・ラジオショー

清春さんが2024年4月15日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』にゲスト出演。『水曜日のダウンタウン』のきしたかのさんによる清春さんの新曲歌詞聞き取り企画などで「歌詞が聞き取りづらい」と話題になった清春さんが、そもそもあまり歌詞の聞き取りやすさを意識せずに曲や歌詞づくりをしていると明かしていました。

(塙宣之)歌詞がやっぱり……国語の授業とか、得意だったんですか?

(清春)なんか、国語の授業は作文が得意だったかも。あと、その歌詞を書くようになって。ボーカルになって。特にここ10年、20年ぐらいは言葉の検索をすごいします。

(塙宣之)国語辞典とかを調べるんじゃなくて?

(清春)今だったら難しい言葉とか……とにかく、わかんない言葉。読めないとかは、調べますね。

(塙宣之)じゃあ、気になる人なんですね。

(清春)でもたぶん、この間もそうだと思うんすけど。『水曜日のダウンタウン』、オンエアーでは本当2、3分しか流れないんですけど。彼らと本当は20分ぐらい、話したんですよ。

(土屋伸之)ああ、あのヒントコーナーで。だから清春さん本人を呼んでっていう時に。

(清春)だから、歌詞で言うと母音が中心なんですね。母音をずらさないっていうか、母音は変えずに子音だけで言葉の意味を変えていくんですね。で、歌詞の頭は「あ」とか「お」が多いんですね。声の響きで。で、言葉の意味自体は割と最後の方なんですね。

(土屋伸之)ああ、そうなんですか。

声の響きを優先して、言葉の意味は後回しに

(清春)うん。それで接続詞を変えちゃうとか。たとえば「君の(きみの)」とかっていうと「き」がアタックオンなんで「み」がちょっと奥まるんですね。「君の」で言うと。だからその「君の」を変えちゃって「意味の(いみの)」にしちゃいます。意味とか。

(塙宣之)ああ、「あいうえお」の「い」にしちゃう?

(土屋伸之)じゃあ、その子音の並びが結構大事なんでね。

(清春)あと「君の(きみの)」が嫌なんで「君と(きみと)」にしちゃうとか。

(塙宣之)僕が一番得意な言い間違いは「肛門見えても(こう見えても)」っていうやつなんですけども。それも、理にかなってますよね?

(清春)でもそれ、近いと思うんですよ。

(土屋伸之)近い? 「肛門見えても」に近いんですか?(笑)。言いやすいボケとか、それと一緒っていうことですかね?

(塙宣之)ああ、なるほど!

(清春)だから、なんですかね? ライブの時とか、レコーディングの時とかに口がもつないっていうか。

(土屋伸之)ああ、なるほど。自然と歌えるかっていう。

(塙宣之)要するに、噛まないみたいな?

(清春)はい。

(土屋伸之)で、その後に意味がついてくるから余計にきしたかのは難しかったっていう?

(清春)そう。歌い方もそうですけども。「普通の人はわかんないだろうな」と思うんですよね。で、僕もそのわかんないことは悩んでないので。

(塙宣之)なるほど!

(清春)わかんない方が逆に嬉しいというか。

(塙宣之)じゃあ、「歌詞が刺さった」って言われなくても別に、そんなに気にしてないっていうか。刺さったら刺さったでいいし、みたいなことですね?

みんな、歌詞を気にしすぎている

(清春)昔、ちょっと前に、甲本ヒロトさんとかもテレビで言っていたと思うんですけど。みんな、歌詞を気にしすぎだと思うんですよ。日本だと、特に。だから外人……この間も僕、オーストラリアでツアーしたんですけど。歌詞って、英語圏の人でも英語の歌詞なんて、わかんないらしいですよ。ライブで歌っていて。歌詞、見ればわかりますけど。だから「歌詞で刺さる」とかっていうのはもう、僕の中ではミュージシャンとしては、ちょっと終わってるなと思いますね。

(土屋伸之)なるほど!

(塙宣之)僕も子供の頃に「この曲、いいな」って思っても、その時ってまだ恋愛経験もないじゃないですか。だけど、それは結局メロディーだけだったりとか。

(清春)まあ、結局いろんな曲があって。歌謡曲とかもそうだと思うんですけど。いろんな曲があって。最終的に、似たような曲になるから歌詞がピックアップされていったんだと思うんですね。みんな最初、そこから行っているわけじゃなくて。だとしたら、小説家とか、詩人とかになった方がいいのかなって。

(塙宣之)ああ、そこだけをピックアップするんだったらっていう。

(清春)で、僕の場合も特に世代が古いから。若い子たちみたいになんかTikTokとかで映像に歌詞が出てくるみたいな。ああいうのって、寒気がしますね。「ああ、また来た」みたいな。「先に歌詞を刺す」みたいなのは……「いやいや、先に音楽でしょう?」って思うんですけども。

(塙宣之)はいはい。なんかすごいうまくお笑いにたとえたいな!

(土屋伸之)「寒気がする」とか言いたいね(笑)。だから、その歌詞が伝わらなくてもいいっていうか?

(清春)伝わらないっていうか結局、ファンの人は何回も聞いて、歌詞カードもあるし。それで伝わるので。なんていうのかな? あんまり……だからあの番組、取り上げられるのは3回目なんですよ。

(塙宣之)ああ、『水ダウ』で。

(清春)なんですけども。1回目は自分でも見てて「なんのこっちゃ?」と思ってました。ファンの人はSNSとか見ていたら、全然聞き取れる。で、僕も……たしかに1回目は、昔の僕が30歳ぐらいの時の歌のバージョンをかけてもらって。『IWGP』っていうドラマのやつ。で、それはたしかに今よりもクセが強いから、聞き取りづらいなとは思うんですけども。でもなんか、なんでも取り上げてもらうことは嬉しいんですけど。でも、自分で歌ってるやつだから、聞き取れるから(笑)。

(土屋伸之)まあ、そりゃそうですよね(笑)。自分はわかりますよね(笑)。

(清春)自分はわかって。あと、ファンの人はわかってるから。その、境界線というか、世界線が違うっていうか。

(土屋伸之)ああ、「聞き取れないものなんだ」っていうのをそこで初めて意識したというか?

(清春)いや、意識っていうか……僕らの世代。たとえば、そうだな。僕らの世代で言うと、たとえばHYDEくんとか、LUNA SEAもそうですけども。みんな、同じ歌い方……パワーヒッター的な歌い方をしてて。ちょっとオーバーに歌うっていう。そうじゃないと出てこれなかった時代というか。

(塙宣之)ああ、なるほど!

ちょっとオーバーに歌うのが当たり前の世代

(清春)今の子たちの歌は、別に悪くないし。うまいですけど、カラオケみたいじゃないですか。だから一発で誰が歌っているか?っていうのがわかりづらいっていう。僕からすると。だから、その歌詞は結構……もちろん、一生懸命書いて。歌詞にも文章にも自信はあるんですけど。うーん。歌詞はもう、3番目以降ですね。大事さでいうと。

(塙宣之)じゃあ、94年デビューですけども。要するに、当時のレコード会社の人とかはそういうところに目が留まって。「こいつ、ちょっと面白いぞ」みたいになったってことですかね?

(清春)でもレコード会社の人……当時、今のよりもディレクターとか、厳しかったですけど。僕も若かったですし。「もうちょっとこういう風に歌ったら?」とか「歌をもっとかっこよく……ピッチが外れてるよ」とか、そういうのはあったけど。「歌詞が聞き取れないよ」っていうのは、時代的に言われたことがなくて。

(塙宣之)一番最初、子供の頃は誰とかが?

(清春)僕は世代的にジュリーが好きでした。沢田研二さん。あとは西城秀樹さんとかが好きで。最初に買ったレコードは『傷だらけのローラ』でしたね。

(塙宣之)たしかに、西城秀樹さんも……。

(土屋伸之)ああ、歌い方とかね。

(塙宣之)だって『YOUNG MAN』を学校で「ひやま」って。檜山くんっていうのがいて「YOUNG MAN♪」を「ひやまっ♪」って歌ってましたよ。

(土屋伸之)ああ、そういう風に聞こえてきたっていう。ちょっと独特の言い回しがあるからね。なるほど。

<書き起こしおわり>

清春『水ダウ』きしたかのの清春新曲歌詞聞き取り生活を語る
清春が2024年3月14日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』にゲスト出演。『水曜日のダウンタウン』で2週に渡って放送された、きしたかののお二人が清春さんの新曲の歌詞を全て聞き取るまで部屋から脱出できない企画について、話していました。
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