DJ YANATAKEさん、渡辺志保さんが2024年2月26日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中でBAD HOPの東京ドーム解散ライブの模様を振り返っていました。
(渡辺志保)月曜日、19日。BAD HOPのね東京ドーム公演がありましたということで。急いで生放送に間に合うかもしれないけど。「最後だから、最後までちゃんと堪能しようじゃないか」ということで。
(DJ YANATAKE)志保さんもよくあるけどね。「間に合わないから途中で出なきゃいけなかった」とかね。でも、そういうのはやめてね。我々、ちゃんとチケットを買ってね、最後を見届けようということで行ってきて。まず、どうでしたか? 志保さん。率直な感想は?
(渡辺志保)本当になんかも、BAD HOPにはもう「ありがとう」という言葉しかないなというね。「お疲れ様でした。ありがとう!」みたいな気持ちですかね。「いい夢、見させてもらったぜ!」みたいな。そんな気持ちかな?
(DJ YANATAKE)僕はやっぱりまず、自分でも大きい会場で最近、MCバトルとかさ。バックのDJとかでやらせてもらうことが多くなってきたんですけど。そうだな。武道館ってやっぱりすごい特別な空気があって。ちょっと身が引き締まる緊張感みたいのが裏の空気にやっぱりあるのよ。なんかあるなと思って。で、さいたまスーパーアリーナをやらせたこともあるんですけど。なんか、でかすぎてあんまりリアリティーがないな、みたいな感じだったんですよね。
(渡辺志保)なるほどね。3万人とかの規模になるとね。
(DJ YANATAKE)そうそう。だけどドーム……俺、チケット買って。アップグレード券っていうやつも買って。アリーナで本当に東京ドームのマジでど真ん中だったの。上を見上げると、なんかど真ん中のマークみたいなのがあって。「ああ、これは本当にど真ん中だ」と思って。それでグルッと見渡した時に、ちょっとそれどころの規模じゃなくて。あまりの大きさにちょっと、「本当にここ、入るの?」と思ったんだけど。徐々に……俺、すごい開場してからめっちゃ早く入ったんですよ。1時間半前ぐらいに入ってずっと見てたんですけど。本当にずーっと埋まっていってさ。開演する時には「うわっ! マジでフルパンじゃん! 本当に完売してるじゃん!」と思って。
(渡辺志保)すごかったですよね。だいたいキャパが5万人とか、5万5000人とかって書いてあって。私、自分のラジオ番組でも先週、ちょっと話しちゃったんですけど。その5万人が『Kawasaki Drift』を合唱するとか、5万人がBAD HOPなり、あとはそのAwichさんとかJP THE WAVYさんが出てきて『GILA GILA』とか。5万人が日本語ラップのリリックを合唱する姿っていうのを私だけじゃなくて、たぶんあそこにいた人全員が初めて、その場の目撃者になったわけじゃないですか。だからなかなかすげえな、歴史的瞬間だなっていう。そういう気持ちにはやっぱり何度も何度もなりましたよね。
(DJ YANATAKE)本当に最後の『Kawasaki Drift』はマジで全員、大合唱だったと思うし。あと俺、アリーナにいたせいもあると思うんですけど。結構マニアックな曲とかも周りみんな、歌っていて。
BAD HOPの楽曲を歌いまくる観客たち
(渡辺志保)でもヤナさん、私もね、後ろから3列目ぐらいの席だったの。本当にドームの一番端っこの。なんだけど、それでもみんな、めっちゃ合唱してました。最新アルバムからの曲も……『Locker』とかもみんな。「えっ、みんな、いつの間にリリック、覚えてんの? 授業中とかにみんな、リリックを覚えてきてたの?」みたいな。
(DJ YANATAKE)G-k.i.dがさ、「みんな、歌ってくれよ!」とかって言ってさ、「5万人が本当に歌っているじゃん!」みたいなさ。
(渡辺志保)マジで本当に歌ってた。びっくりしちゃった。
(DJ YANATAKE)だからもう、夢に見た光景ですよ。
(渡辺志保)本当ですよね。あと、私も端っこの方の席だったんですけど。それはそれで結構周りをよく観察することができたというのもあって、ある意味すごいいい席だなって思って見てたんですね。で、私もヤナさんも、何て言うんだろう? ヤナさんの方がたぶん関わりは濃くて深いかもしれないけど。私はなんか、つかず離れずみたいな距離感でずっとBAD HOPのメンバーを見てきたというような立ち位置なんですよね。で、東京ドームのライブにおいて初めて「ああ、もう10年も経つんだ」みたいな。なんか、体感的には5、6年みたいな。5年ぐらいの感じだったんですけど、もう10年も経つんだと思って。
それで私が座った座席は周りが結構若い方ばっかりだったの。だから、ぶっちゃけその初期の曲……たぶんT-PABLOWくんが最初の方に『Super Saiyan』をやったじゃないですか。とかよりも、やっぱりその一番最後の、今のアルバムの曲の方がみんな反応が良くて。だから『2018』とか、Tiji Jojoくんの『White T-shirt』とかは、私と旦那が一番周りが盛り上がってて(笑)。「2018♪ 2018♪」みたいな感じだったの。だからその、やっぱり10年活動をしてきて。今もずっと、その新規のファンが増えていってるんだなっていうことにもちょっとびっくりっていうか。当たり前だとは思うんだけど。
(DJ YANATAKE)まあまあ、5万人までたどり着いたわけだからね。
(渡辺志保)そうそうそうそう。「なるほど!」みたいな。周りにそんな、「今年からBAD HOP、好きになったんです」みたいな子とか、やっぱりいないから。なんかそういうところもいちいち、新鮮だなって感じでしたね。
(DJ YANATAKE)で、まあとにかく、なんだろう? MCなしで2時間半、とりあえずやれる曲をやれるだけやろうみたいな感じで。なんか……でも、それで本当よかったなと思って。なんか余計なものが何もなくて。すごい最後まで、自分らの曲をどこまで届けられるか、みたいな姿勢がめちゃくちゃよかったのと。ゲストのみんなが豪華だったけど、みんな気合入っていてね。あれはやっぱり、さっきの箱がそういうバイブスを作るっていうのはあるなと思って。やっぱりドームは特別の思いを作らせる場所なんだなっていうね。
(渡辺志保)そうですよね、たぶんみんなが……ステージに立ってらっしゃった若手の方から、ベテランの方までいるわけじゃないですか。Bonberoくんとかeydenくんみたいな若手もいれば、ZeebraさんとかAKさんみたいな方たちもいて。たぶんみんなが「BAD HOP、ありがとう!」っていう、そういう思いをかみしめていらしたのではないかと。勝手な推測ですけれども。
誰も見たことがない景色を見せたBAD HOP
(DJ YANATAKE)でも、その先輩たちさえも見たことがない景色だったわけで。そこにBAD HOPがみんなを連れてきたみたいな感じがあって。だから最初から最後まで、こんなに2時間半集中して……マジで、ほら。自分で買ったから、周りに知り合いもいないし。マジで2時間半、集中してずっと見ていて。それがすごい自分的にもよくて。最後の方、足とかガクガクなんだけども(笑)。でもね、ちゃんと……1時間半前に入ったから、アリーナとかウロウロしてたらさ、昔にWREPっていうラジオで『リバトーク』っていう番組をやっていて。それは観覧が自由だったんですよ。で、最初の頃なんて数人しかいないっていう感じで。徐々に人が増えてきて。終わる頃はもう毎回、観覧する人が入りきらないぐらいになっていたけども。
(渡辺志保)一番最後、すごかったっすもんね。『リバトーク』の最後ね。
(DJ YANATAKE)で、その観覧に本当に初期から来てたような子たちにやっぱり会うんだよね。そういうところで。「ヤナさーん!」とかって言ってくれて。「おおーっ!」なんてさ。だから久しぶりに「みんな、変わらず追いかけているんだな」って思って。そういうのもすごいよかったし。あと、これはラジオかなんかで話したことがあるんですけど。BAD HOPってみんな、今が27歳ぐらいなのかな? それで、志保さんとかもあんまわかんない話をしちゃうかもしれないけど。バンドのBOØWYっていう……氷室京介さんとか布袋寅泰さんのBOØWY。
(渡辺志保)ああ、はいはい。
(DJ YANATAKE)まあ、伝説的な日本のロックバンドなわけですよ。もう日本の本当にトップのバンドが『LAST GIGS』っていう解散ライブを東京ドームでやったんですけど。その時がね、27歳なんですよ。
(渡辺志保)ああ、そうなんだ。
(DJ YANATAKE)だからなんかさ、まあ「27クラブ」はちょっと違うけど。そのぐらいの歳がやっぱり伝説を作る頃なんだなと思うんで。その人気絶頂の時に解散するっていうのはBOØWYもBAD HOPも同じようなことを言っていて。パブロとかも「逆にBAD HOPを残すために解散する」みたいなことも言っていて。で、BOØWYも残ってるわけじゃない? BOØWYの伝説も。だから、そういうことなのかなみたいなことは勝手に重ねながら見てたんですけどね。
(渡辺志保)でもね、去年の3月に「終演」したKANDYTOWNもまさにそういう感じだったじゃないですか。「自分たちの手で終わらせる」みたいな。だからそこの決断力っていうか、覚悟みたいなのもすごいですよね。
(DJ YANATAKE)すごいよなー。絶頂の、だから一番いいところに置いておくって感じなんだろうね。そこに残しておくっていうか。
(渡辺志保)綺麗なままで、みたいなね。本当っすよね。なんか私、個人的には途中のG-k.i.dくんのワンマンショー。あれがめっちゃアツかったっすね。もう脂がのりのりまくってたG-k.i.dくん。あんなにいい声で歌うG-k.i.dくん、いやー、ソロも楽しみだなって。そういうところも見るにつけ、「やっぱりBenjazzyくん、ラップ上手いな!」とか、そういうのも見るにつけ、もちろんBAD HOPは解散するけれども、今後のソロ活動っていうのもやっぱり同じぐらい楽しみだなって。
(DJ YANATAKE)もちろんメンバーみんな、やっぱりパブロが出た時の「うわーっ!」っていう感じもあるしさ。Barkが支えているところも絶対にあるし。Vingoが飛び道具みたいに出てくるとか。あとはJojoの割合も本当にあれだけども。やっぱりね、YZERRがすごいなって思っちゃった。本当に。改めて、すごい分量が多くて。だから、DJとかだとワンバースしかかけないのとか、あるけども。「ああ、意外とこの曲、3バース目までやるんだな」とか。で、結構YZERRがちゃんと真ん中で全部動かしている感じがして。「ああ、本当にすげえな」って思いましたね。
(渡辺志保)本当ですね。もう誰が欠けても成立しないですしね。
(DJ YANATAKE)もちろんパトもよかったしね。
(渡辺志保)もちろん。この後……BAD HOPが東京ドーム5万人というところまで持ってきてくれたわけじゃないですか。だからこの後、どうなるんだろう?って思いますね。
(DJ YANATAKE)俺、マジで何も知らんけど。次の日にさ、KaneeeとKOWICHIくんのが出たじゃん? これも間に合っていれば、彼らも出たのかな? とかさ、思うじゃん。KOWICHIくんなんか特にさ、川崎さ、フックアップした先輩でさ。
(DJ YANATAKE)でも、いろんなことがあったんだと思うんだよ。あんだけ詰め込んだ制作のあれも大変だったろうし。俺、だからまだまだまだなんか、あるんじゃないかなと思って。仕上がってない曲っていうか。
(渡辺志保)きっと、あるでしょうね。
(DJ YANATAKE)で、なんかだからスーパーデラックス盤みたいな。デラックス盤までは出ているんだっけ? だからスーパーデラックス盤。すごいのが出るんじゃないかなって。
(渡辺志保)あとはラジオでもね、YZERRくんが『AH1』にはBAD HOPで出るって言っていたからね。そういう、そのポイントポイントでの楽しみっていうのは今後もあるでしょうしね。どうなっちゃうのか?って思ってしまいますね。
「東京ドームを借りた」ことの意義
(DJ YANATAKE)本当に東京ドームを借りるにあたって、すごく意味があったわけじゃない? ヒップホップ的に。そこにはすごい、まだなかなかヒップホップの人たちが東京ドームを借りるっていうことに対して、難しいこともあったらしいんですよ。で、いろんな厳しい条件っていうのが、他のと比べてもあった。で、それをクリアしないと東京ドームは貸してもらえないっていうんで、それを彼らは……そこにさえ、最後まで挑戦していったっていう。で、結果たぶんそこはクリアできているはずなんだよね。だからこれから、いろいろと後日談が語られてくると思うんで、あれなんですけど。それってもう、本当にヒップホップを背負ってやってるってことでしょう?
(渡辺志保)本当ですよね。ちょうど前日の夜、interFMでやっていた『#リバトーク』、私も聞いてましたけども。YZERRくんご自身もやっぱりそういうようなことをおっしゃっていて。そこへのプレッシャー……自分たちの解散ライブと同時に、その日本のヒップホップシーンにとっての新たな一歩になるわけだから。そのダブルのプレッシャーみたいなのがあったんだろうなって思うし。あと、さっきもヤナさん、おっしゃってたけど。MCとかなしで、タイトにひたすら曲をやっていくっていうスタイルだったじゃないですか。だから本当に1分1秒の緻密なセットリストとか、転換とかがないとあれは実現しなかったんだろうなと思うと……。
(DJ YANATAKE)それをあんだけ新曲ぶち込んでいるんだから。相当そこもいろいろと……。
(渡辺志保)だってもう、入れ替わり立ち替わりじゃないですか。だからもう脇でさ、どうやってみんなマイクを……マイクを置いては、マイクを取って。「これ、◯番マイクは△△さんです」みたいなやり取りがたぶんあったのだと思うんですけど。すごいなって。そこまで、何人の方々がかかわっているか、わかんないですけど。もう、作り上げた方々、本当にすげえなと思いましたね。
(DJ YANATAKE)本当ですね。ちょっともう、いくらでも話せちゃうんであれなんですけど。一旦、ここで……本当に結構後になっちゃうかもしれないんですけど。BAD HOPの作品のね、ラストアルバム『BAD HOP』の話も聞きたいし。東京ドーム後日談の話も聞きたいなと思うんで。いつかまた、ちょっとですね、この『INSIDE OUT』でもこの件は特集していこうかなと思いますので。皆さん、ちょっとお待ちください。僕もちょっと頑張ってるんで。気長に待っていてください。
(渡辺志保)お願いします(笑)。
<書き起こしおわり>