堀井雄二さんと坂口博信さんが2023年12月25日放送のJ-WAVE『ゆう坊とマシリトのKosoKoso放送局』の中で長年、ゲームを作り続けている理由やモチベーションについて、話していました。
(鳥嶋和彦)そこから坂口さん、FFはいくつまで関わったの?
(坂口博信)僕は9まで深く関わって。10は実はそれほど関わっていないんですけども。で、11を立ち上げる時に、MMOを自分でやって。スタッフもやらせて。「オンライン、やろうよ!」って言いだしっぺですね。実制作には携わってないです。で、あと12を松野に「頼む」って言って辞めた感じです。
(堀井雄二)11も12も遊んだなー。
(鳥嶋和彦)今だから言えるけど。あの当時、プレイオンラインっていうソニーの技術。ソニーがもっとちゃんと取り組んでくれていたら、通信ができたんだよね。
(坂口博信)まあ、いろいろ弊害はありましたけどね。ちょっと早すぎたってのもあるし。モデムみたいな部分でちょっと協力を得られなかったっていうのもあって。
(鳥嶋和彦)今だから言うけどあの当時、そこでジャンプを配信しようっていう話になっていたんだよ。
(坂口博信)まあ、いろいろましたね。本当、ご迷惑をおかけました。
頓挫したプレイオンライン・少年ジャンプ配信計画
(鳥嶋和彦)もういい。もういいよ。でもあの時はね、本当に真剣に「オンラインで何ができるか?」っていう未来図を、ようやくこれでできるのかなっていうことで。それこそ「漫画をデジタルで読むってのは、どういう風にすればいいか?」っていうのをあの時に一番、真剣に考えたんだよね。
(坂口博信)ああ、そうですね。なんか右開き、左開きみたいなことも含めて。
(鳥嶋和彦)土曜日の深夜12時に月曜日発売のジャンプを送信するっていう、そういう考えだったんですよ。あの時ねー、スクウェアが傾かなければねー。
(坂口博信)傾いたわけじゃないですよ(笑)。
(堀井雄二)映画でね(笑)。
(鳥嶋和彦)誰かさんがねー、傾かせなければねー(笑)。
(坂口博信)いやいや、ちゃうちゃう。僕には何の罪もないですよ(笑)。さあ、もう1回『ウィザードリィ』に話を戻しましょうか(笑)。
(鳥嶋和彦)フハハハハハハハハッ!
(鳥嶋和彦)それで堀井さんはずっとやってきて、今はドラクエ12を準備中?
(堀井雄二)そうそう。
(鳥嶋和彦)で、坂口さんもあれですよね。『FANTASIAN』っていう。
(坂口博信)はい。『FANTASIAN』っていうのをやって。次、また新作ですけども。それはまだちょっと、何も発表してないので。はい。
(鳥嶋和彦)それでね、堀井さんはそれこそドラクエをずっと作ってきて。坂口さんもFF11、かかりつけでやって。その後、ご自分でやられてて。ここまでね『ウィザードリィ』でRPGを面白いと思ってから今、作ってるじゃないですか。そのモチベーションって、どこから来ますか?
作り続けるモチベーション
(坂口博信)ああ、なんでしょうね? やっぱり作ってないと暇ですよね。なんかつまんないですね。人生が。あとはほら、いろいろ、映画を作って失敗したりとか、いろいろやる中で改めて自分のフィールドがゲームだっていうのがわかったっていうのもあるし。そこに絞ってるんで。そこで動くことの快感みたいな。手慣れてくるだけじゃなくて、なんでしょうね? たぶん繋がってる人の数も違いますし。動くことで、他のいろんなものが同時に動き出すじゃないですか。その快感もありますよね。
(鳥嶋和彦)うん。やっぱり、好きなんだね。
(坂口博信)まあ、うん。というか、なんかやっていないと……あなただって、そうじゃないですか。
(鳥嶋和彦)まあまあまあ。
(坂口博信)結局、動いてないとなかなかね。まあ、半分は楽しみですね。仕事というよりは。
(鳥嶋和彦)やっぱり、あれですか。自分が関わっているゲームじゃない、人が作ったゲームをプレイしてると、「これは面白い」とか「これはどうだ」とか。さっき、ドラクエに刺激されてFFが動き始めたみたいなのもあるけれども。やっぱり、そういうので刺激される? 自分が作ってるゲームも。
(坂口博信)「刺激」っていうか、ダメ出ししたくなりますよね。どうしても。それは普段もそうやって作りかけの自分のものに対してやってるんで。「これ、ちょっと直らない?」って。もちろん、完成品なんですけど。
(堀井雄二)最近、やってるゲームってあります?
(坂口博信)最近はFF14ばっかりなんですけど。ただ、なんだろう? ダメ出ししちゃ終いなんで、グッと心にしまい……。
(鳥嶋和彦)グッと心にしまう? 大人じゃん!
(坂口博信)大人ですよ。何を言っているんですか?(笑)。もう60を超えましたよ(笑)。
(堀井雄二)ああ、超えた?(笑)。
(坂口博信)今、還暦ですね。いや、まあちゃんとユーザーになって遊んだ方がいいなと思って。作り手としての自分はグッと。
(鳥嶋和彦)抑えて。ユーザーに徹してやってる?
(坂口博信)それで遊んでる感じですね。最近はね。そのニヤニヤした顔(笑)。
(鳥嶋和彦)でも、本当に面白いものをやると、腹立たない? 「やられた」とかさ。
(坂口博信)ああ、最近はあんまりなくないですか? そういう作品って、あります?
(鳥嶋和彦)いや、ない。
(坂口博信)でしょう?(笑)。
(堀井雄二)俺はゼルダを結構やって。すげえなって思ったけどね。
(坂口博信)まあゼルダはね。たしかに、そういうものはありますね。
(堀井雄二)しかもあれ、バグがいっぱいあって。それが楽しくて(笑)。
(坂口博信)そういうのばっかりじゃないですか(笑)。また改造してるんじゃないですか?(笑)。
(堀井雄二)改造はしてないよ(笑)。
(坂口博信)「なんでこれ、最初から持っているんですか?」みたいな(笑)。
(堀井雄二)でもね、バージョンアップするとそれがなくなっちゃうんで。バージョンアップをしないようにしてね(笑)。
(鳥嶋和彦)ああ、たしかにね。アップデートするとなくなるね。なるほどな。
(堀井雄二)ゲームはやっぱり楽しいよね。
(鳥嶋和彦)堀井さん、ここまで作り続けているモチベーションはどのへんにありますか?
(堀井雄二)なんだろうな? やっぱり、やめたらつまんないってあるよね。
(鳥嶋和彦)ああ、同じか。
やめたらつまんない
(堀井雄二)ゲーム、好きだしね。でも今、思うとなんか自分1人でコツコツ、プログラムをやっていた時は楽しかった気がするけどね。1人で作っている時は楽しかったね。プログラムして。何でも自分でできたから。今はなかなか大勢になって、小回りがきかないのが、ねえ。
(坂口博信)そうですね。たしかにね。まあ、小さいものもいいですよね。ゲームって、何か。今ね、それはそれであるから。
(鳥嶋和彦)もう1回、やっぱり10人ぐらいのチームでシンプルに作れたらと思う?
(堀井雄二)思うね。なんかね。
(坂口博信)じゃあ、シンプルな『クロノ・トリガー2』でも作りましょうか?(笑)。
(鳥嶋和彦)『クロノ・トリガー2』(笑)。Switchでやれるような。
(坂口博信)シンプルな……「シンプル」って言いながらまあまあ、「なんだ? 最後これ、力入ってるじゃん?」みたいな(笑)。
(鳥嶋和彦)スマホでできるみたいな。今だとドラクエ、何人ぐらいの体制なの?
(堀井雄二)いや、多いよ。
(坂口博信)CG周りがいるわけですよね?
(堀井雄二)外部もいっぱいいるしね。スタッフロールがとんでもないよ。
(坂口博信)ああ、スタッフロールはすごいですよね。
(鳥嶋和彦)映画のように。
(堀井雄二)エンディングの曲が足りなくて、何回も回したりしてるから。
(鳥嶋和彦)それぐらいスタッフロールが長いっていう。ああ、なるほどね。
(坂口博信)全員、出しますからね。直接じゃないにしても。モーションとか、モーションアクターまでいたりとか。全部出てきますからね。
(堀井雄二)作っている方もね、一部しか見てないんで、つまらないんじゃないかと思ってね。作り手もね。
(鳥嶋和彦)全部、パーツパーツでやらなきゃいけないから。
(堀井雄二)完成を見れなかったりとかしてね。時間も長いしね。
(鳥嶋和彦)ドラクエ1ってプレイ時間、だいたいどのぐらい?
(堀井雄二)20時間ぐらい。
(鳥嶋和彦)20時間ぐらいか。今、もうそれじゃできないもんね。
(堀井雄二)プレイ時間はでも、そんなに長くしないよ。長いとね、つらいかなっていうんで。せめて、長くても50時間ぐらい。
(坂口博信)まあ、そんなもんですね。4、50ぐらいですね。
(堀井雄二)まあ、やり込みで100時間、200時間遊ぶぐらいは別にいいんだけど。今、でもゲーム以外にもね、結構面白い遊びがいっぱいあるからね。若い人にはね。YouTubeを見たりとかやってるしね。TikTokをやったりとかね。
(鳥嶋和彦)なるほどね。時間をどう取り合うか。
(堀井雄二)そうそう。だからあんまり長いのはね、逆にしんどいから。
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<書き起こしおわり>