清水ミチコとナイツ「水ダウ」スベリ−1GPを語る

清水ミチコとナイツ「水ダウ」スベリ−1GPを語る ラジオビバリー昼ズ

清水ミチコさんとナイツのお二人が2023年12月7日放送のニッポン放送『ラジオビバリー昼ズ』の中で『水曜日のダウンタウン』で放送されたスベリ−1GPについて話していました。

(清水ミチコ)はい、カッキー、熊さん、お疲れ様でした。中身も緊張感もないという断捨離のね、いい放送を聞かせていただきまして。

(土屋伸之)断捨離ですか?(笑)。SDGsですか?(笑)。中身、ありましたよ。

(清水ミチコ)私たちはありますからね。

(塙宣之)ないですよ。

(土屋伸之)こっちの方がないです(笑)。

(清水ミチコ)残念(笑)。ここからは「ラジオビバリー昼ズ」でお楽しみください。木曜日の担当は清水ミチコとナイツの2人です。

(塙・土屋)よろしくお願いいたします!

(清水ミチコ)昨夜のS1グランプリ、滑り芸、面白かったですね? 新しいドアが。

(塙宣之)ちょっと僕、途中までしかまだ見れてないんですけども。

(土屋伸之)どういうルールなんですか? 「滑り」って、どうやって決めるんですか?

(清水ミチコ)芸歴で十数年経ってもまだ、ずっと受けを取れてない人たちのグランプリなんですけど。本人には知らせないわけ。知らせると「出ない」って言われちゃうから。

(塙宣之)そう。本人には知らせなくて。芸人があの推薦をして「この人が一番滑るだろう」っていうのを。

(清水ミチコ)「うちの事務所としてはこれです」とか。

(塙宣之)そういうので、たまたま推薦された人たちが全員、ピンだったのね。だから「ピンバージョンのTHE SECONDみたいな大会ができた」っていう嘘をついて。で、みんな16年以上やってるから。それで「S-1」っつって。「シングルワングランプリ」みたいなね。

(清水ミチコ)そう。上手にごまかして。本当は「スベリ−1」なんだけども。

(塙宣之)で、予選をやって。お客さんも知らないの。で、審査をして票数が少なかった人が勝つんだけども。

(土屋伸之)でもそれで2本目のネタやるのが……。

(清水ミチコ)2回目はもう、無理だよね。

(土屋伸之)それはもう、審査の結果はみんな見てないんだ?

(塙宣之)見てないの。だけどお客さんは「あれ? 私、そんなに押してないのになんで? こっちの方が滑っているのに?」ってなるから。

(土屋伸之)なるほど。「受けて勝ち残った」って思っているわけだ。

(塙宣之)でもお客さんは「あれ? おかしいな?」ってなるじゃん。だから、ちゃんと芸人の特別審査員みたいなのがいて。「特別審査員の点数が高かったから、2回戦に上がっている」っていうところまで、ちゃんと考えていて。

(土屋伸之)ああ、お客さんも騙して?

(清水ミチコ)ご本人もね、「あれ? 俺、ずっと滑ってましたけど……俺、勝ったんですか?」って。

(塙宣之)ゆきおとこさんが44票と7票……ゆきおとこさんには7票しか入ってないのに「勝利、ゆきおとこさんです!」ってなったら「ああっ?」みたいな顔をして(笑)。

(土屋伸之)本人、手応えがないからね(笑)。

(清水ミチコ)そうそう。ぽかんとした感じだったよね。勝った方も負けた方も。でも、人間的なものを見たっていう感じで、面白くってさ。だからあれ、第2回目は難しいよ。たぶん、逆に滑ろうとするから。

(土屋伸之)騙してやるのも、は難しいのかもしれないですね。

(清水ミチコ)面白かった!

(塙宣之)逆にでも、滑ろうとすることもできなさそうですけどね。ああいう、ピンの人って。「一生懸命やらない」ってなったら、どうなるんですかね? 一生懸命やっていて滑るから、難しいですよね。

(清水ミチコ)一生懸命やっていて滑るのは面白いけど。やる気ない感じで滑るのは、面白くないし。あと、お客さんの表情がすごいよかったよね。「なに、これ……?」って(笑)。

(土屋伸之)フハハハハハッ!

(塙宣之)「この大会って……?」って(笑)。

(土屋伸之)その表情をまた、カメラが抜いているわけですね(笑)。

(清水ミチコ)抜いているの。「まさにこの人!」っていうような人を抜いていたよね。

(塙宣之)ピンの人って、結局相方がいない人になっちゃうっていう人が多かったですね。

(土屋伸之)やっぱりだから、共感を得るのが難しいのかな? 相方がいると……それはよく「R-1の1回戦が一番ひどい」って言うもんね。

(清水ミチコ)相方がいると客観視できるからね。

相方がいれば客観視できる

(土屋伸之)そう。キングオブコントとかM-1は相方がいるから。まだ「このネタはやめよう」っていう人がいるからなんとかなるけど、1人でそこに出てきちゃう人はもう、止める人がいないから(笑)。

(清水ミチコ)はっきり言うと、そうかもね(笑)。でも一様にちょっとプライドがちゃんと残っているのが印象的だったね。

(塙宣之)煽りVとかで「まあ、正面突破できますよ!」とか。

(土屋伸之)フハハハハハハハッ! ああ、敗者復活とかじゃなくて?

(清水ミチコ)ずっと戦ってきて、いい位置にいるみたいな(笑)。

(塙宣之)「そんなの、32年やったものを見せてやりますよ!」とかさ、なんか言っているのがすげえ面白くて(笑)。

(土屋伸之)それは決勝のメンバーを見て「おかしい」とは思わなかったのかな?

(塙宣之)予選なの。それは「予選」っていうことになっていて。「予選だけども、一応番組が入っていますよ」感を出していて。それもうまいんだよ(笑)。

(清水ミチコ)うまいよね! 感動したよ。あれは。

(塙宣之)THE SECONDがあったから、全然みんな疑ってないんですよ。で、芝くんが3日ぐらい前、一緒に車に乗ってた時に「すごい面白かったです。システムが完璧なんですよ」みたいなことを言っていて。モグライダーがプレゼンターだったじゃないですか。そう言ってて。それですごい楽しみにしていて(笑)。

(清水ミチコ)私も楽しみだと思う。始まる前が。

(土屋伸之)よく考えましたね。

(清水ミチコ)よく考えたよね!

(塙宣之)東洋館とか、めちゃくちゃいますけどね。あのレベルの人は。

(土屋伸之)そうね。でも、賞レースに出るっていうモチベーションすらないからね。THE SECONDみたいなのができたって聞いて「よし、じゃあ頑張ろう!」っていうモチベーションじゃないよね。東洋館で滑っている師匠は。

(塙宣之)ガラパゴス芸人みたいな。あんまり世間で何やっているのか、よくわかんないっていう。

(清水ミチコ)じゃあ、本当の王者はそっちにいるかもしれないんだ(笑)。

(塙宣之)だって東京二師匠とか、ダウンタウンさんとかもいまいち知らなかったりとか。ますだおかださんが東洋館に来た時に「君たち、何年やってんの? ちゃんとナイツの漫才見て、勉強しなさい」ってますだおかださんに言って。

(土屋伸之)M-1チャンピオンなのに。

(清水ミチコ)すごいね! トンチンカンぶりがすごい(笑)。

(土屋伸之)テレビ、全然見てないからね。

(塙宣之)地下とか、ああいうところにいると、そういう人がいっぱいいるから。

(清水ミチコ)でもあんなこと、日本でしかできないよね? 海外だと「滑る」っていう味わいもさ、絶対にないと思うの。

(土屋伸之)そうですね。なんかブーイングとか、起こりそうですもんね。海外って滑っている芸人に対してね。ブーイングが来てるのに勝ち残ったら、おかしいですもんね?

(清水ミチコ)本当だね。ブーイングがあったら、やめる人が続出かも。よかった。このおとなしい国民性で。

(土屋伸之)だからブーイングとかはしないけれども、滑ってる空気は感じるっていう。これは日本ならではですよね。

(清水ミチコ)そう。アップのお客さんの表情ですごくわかるっていう(笑)。

(塙宣之)一番笑うと言われている女性の人ばっかりなのにね。そこがはまらないっていうね(笑)。

(清水ミチコ)そうそう(笑)。女性がもう、苦しいっていう。

(土屋伸之)ゆきおとこさんで女性は笑わないでしょう(笑)。若い女性とかは。

(清水ミチコ)なんで立ち上がろうとしたのかな? なんでやったのかな?っていうような人もいたもんね。あと、「基本は何を言っているのかがわかること。それが一番大事なことだ」って、よくわかった。

(土屋伸之)なるほど。何を言っているのかわからない人がいた?

「何を言っているかわかること」が一番大事

(清水ミチコ)うん。やっぱりピンだとそういうところ、あるんだよね。自分だと聞こえているから。「それ、聞こえないよ。伝わらないよ」っていう意見もあんまり聞けないから。すごい勉強になった。

(塙宣之)「BE TOGETHER」って言ってた人、いたじゃないですか。あの人もずっと何を言っているのか、わからなかったですよ。「ビトゥギャダ、ビトゥギャダ……」って。

(土屋伸之)「BE TOGETHER」の発音がいいっていうこと?

(塙宣之)いや、「ビーチジョジョ」とか。

(清水ミチコ)そう。滑舌も悪いし、人前だからちょっと恥ずかしいっていうのもあるし。

(土屋伸之)なんで芸人やっているんだよ(笑)。聞き取れなくなるぐらい恥ずかしがっちゃって?

(清水ミチコ)だから松ちゃんをはじめ、スタジオでもね、「今、なんて言った? なんて言った?」「BE TOGETHERじゃないですか?」って。

(塙宣之)「こいつ、なに言うてるの?」って浜田さん、言ってましたよ。

(清水ミチコ)はっきり言う(笑)。いやー、あれはいいものを見た。テレビのナントカ賞をあげたいよね。発明があるんだから。

(塙宣之)本当だ。たしかにそうだ。

(土屋伸之)で、後からネタばらしですか? 「これはスベリ−1でしたよ」って。

(塙宣之)今週で終わらなかったから。来週に続くので。今週は1回戦だったみたいで。僕もまだ最後までは見てないですけども。で、来週に優勝者が決まるみたいです。

(土屋伸之)へー! ゆきおとこさんは勝ち残っているんですか?

(塙宣之)ゆきおとこさんは勝った。だから、滑った(笑)。

(土屋伸之)フハハハハハハッ! ややこしいけど(笑)。

(清水ミチコ)ややこしいよね!

(塙宣之)その、みんな滑っている時に袖にいる芸人とかがモニターで「強いなー!」って言うんだよ(笑)。

(清水ミチコ)そうそう(笑)。「ああ、俺、負けたかもしれない」って(笑)。

(土屋伸之)本当のM-1の暫定ボックスみたいに?(笑)。

(塙宣之)「いや、これは強いでしょう」って(笑)。

(清水ミチコ)でも、本当にメンタルは強いなとは思ったよね。自分だったらいたたまれないっていうかさ。

(塙宣之)だから、やっぱり滑っている人って、なんかちょっと受けた時に「めちゃくちゃ受けた」って言うんですよ。それがやっぱりもう、感覚がちょっと……。

(清水ミチコ)ああ、平均点が?

(塙宣之)本当に受けたことがないから。

(土屋伸之)かわいらしいですよね(笑)。

(清水ミチコ)そういうところ、すごい清純だよね(笑)。

「受けている」の基準が普通と違う

(塙宣之)今、漫才協会の映画、3月公開のやつ、編集作業をしてるんですけども。何回見ても……100回見ても100回笑えるシーン。ドルフィンソングっていう若手の芸人が東洋館の舞台に出て。それを撮っているんですけど全く受けてないんですよ。で、袖に戻ってきた時に密着のカメラに「やや滑りでした」って言うところがあって(笑)。俺、それを何回見ても面白くて。「やや滑りでした」って(笑)。

(清水ミチコ)「やや」じゃない!

(塙宣之)「やや滑りでした」って(笑)。

(清水ミチコ)まだ自分に甘い(笑)。

(塙宣之)「やや滑りじゃないだろ!」っていう(笑)。編集してる時、みんなそれで……「またここ、見ていいですか?」って(笑)。

(清水ミチコ)やめなさいよ!

(塙宣之)「やや滑りでした」って(笑)。

(清水ミチコ)自己評価がちょっと高い人が多いのかな?

(塙宣之)めちゃくちゃ面白いんですよ。あそこが(笑)。

(土屋伸之)普通、映画監督はそういうの、切るんだよ(笑)。なにを気に入って100回見ているんだよ?(笑)。

(塙宣之)「楽屋で泣きます」とかって相方がなんか言っているんですよ。それも面白いんですよね。

(清水ミチコ)なんか、ピアノでもそうだけどさ、あんまり上手い人のだと、向上心がなくなるんだけど。「無理だ」って思って。でも、ちょっと下手な人とか、子供の演奏なんかを聞くと、やる気になったりとかさ。「ああ、自分もこういうところ、あるな」って思って、直そうっていう気になるから。結構私、いい灯火を見つけたなと思ったけど。

(塙宣之)だから見てる視聴者の人は、元気になったんですかね? こういう人たちもいるっていうのはね。

(清水ミチコ)そうなんじゃないかな? 「私、もっとできる」って思ったんじゃない?(笑)。

(土屋伸之)たしかに。こういう企画がないと、なかなか見れないですからね。まとめてはね。そういう滑る人をね。

(清水ミチコ)そうなんだよね。笑いしかダメだよね。歌もダメだもんね。

(土屋伸之)歌で滑りは……。

(清水ミチコ)「下手だなー!」っていう。

(土屋伸之)そうですね。もう明らかにわかりますもんね。

(清水ミチコ)ダンスはできるかな? ダンスが下手な人は。あんた、できるんじゃない?

(塙宣之)でも、ダンサーじゃないですからね。

(土屋伸之)そう。あれ、プロの芸人っていうところがいいんでしょうね。たぶんね。

(塙宣之)芸人って一番、訳がわかんないんですよね。みんなプロって言うから。

(清水ミチコ)不思議な職業だよね。特殊だよね。

(土屋伸之)塙さんがもし、紹介する側だったら誰を推そうとかありますか?

(塙宣之)僕はもう、もりあきのりさんっていう漫才協会の芸人さんと、あとはスガモ智之っていう。

(清水ミチコ)ここで名前を挙げられたら、すごいショックだよね?

(塙宣之)でも、プライドがあるんで。やっぱり嫌なんですよ。普段、「受けている」と思っているんで。だからそこが面白いんですよね。本人たち、全員が……。

(清水ミチコ)やや滑りだと思っている?

(塙宣之)やや滑りっていうか、やや受けだと思っているんで。それがね、タチが悪いんですよ。

(清水ミチコ)面白い(笑)。やめない理由?

(塙宣之)やめれないんですよ。そうなんですよ。だから、こういうラジオとかで紹介するじゃないですか。で、「面白いと思ってるから紹介してるんでしょう?」って思ってるけど、全然面白いと思ってないよ!

(土屋伸之)とどめを刺すなよ(笑)。

(清水ミチコ)心を鬼にして(笑)。

(土屋伸之)今まで、ちゃんと言ってなかった?

(塙宣之)はい。

(清水ミチコ)誰も言えないよ! 誰が言えるんだよ? どんな鬼でも言えないわ! 面白い(笑)。

(塙宣之)清水さんは誰か、いますか? そういう後輩とか。

(清水ミチコ)知り合いで? いや、いない。やっぱり女の人だと余計にいないかも。周りが言うから。ちゃんと言えるもん。女のネットワークは。

(塙宣之)「やめたら?」とかって。

(土屋伸之)女性のピン芸人はいなかったですね。

(塙宣之)いなかったね。やっぱりおじさんばっかりだね。

(清水ミチコ)本当だ。おじさんだ。やっぱり。

(土屋伸之)女性は周りから話を聞くんですね。

女性は周りの人の言うことに耳を傾ける

(清水ミチコ)あと、KYな人は意外とそんなにいない。空気を読む。

(塙宣之)本当ですね。たしかにそうだ。

(清水ミチコ)おじさんしかダメなんだ。だからあれ、別に差別じゃなくて。おじさん限定の……。

(土屋伸之)これはどうしようもない傾向ですよ(笑)。

(清水ミチコ)KYなんだから。読まないあんたたちが悪いんだから(笑)。

(土屋伸之)そうですね。たしかになー(笑)。おもしろい。

<書き起こしおわり>

清水ミチコとナイツ『水ダウ』スベリ-1GP決勝戦を語る
清水ミチコさんとナイツのお二人が2023年12月14日放送のニッポン放送『ラジオビバリー昼ズ』の中で『水曜日のダウンタウン』で放送されたスベリ−1GP決勝戦について話していました。
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