えのきどいちろうさんが2023年12月2日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中でNHKの子会社の派遣社員がインタビュー取材した際のメモをインターネット上に流出させた事件について話していました。
(出水麻衣)金曜日です。NHKは記者が取材したインタビューの内容がわかるメモなどを子会社が契約する派遣スタッフがインターネット上に流出させたとして陳謝しました。流出させたのはテロップなどの制作に関わっていた30代のスタッフで、取材とは無関係だったものの、興味本位で専用端末にアクセスし、印刷。第三者に提供し、漏洩させたと認めたということです。
(中略)
(えのきどいちろう)僕、このニュースの中でこのNHKのやつを入れてもらったんですよ。さっき。「ぜひ、入れてください」って。
(土屋伸之)これ、どういうことなんですか?
かつてのオウム・TBSビデオ問題の構造と似ている
(えのきどいちろう)構造は昔、筑紫哲也さんがTBSで「TBSの報道は死んだ」って言った事件……オウムの幹部に坂本弁護士のインタビューのビデオを見せていたっていう。あの構造にすごく似ているんですけど。僕ら、ライターで言うと「ネタ元を守る」っていうことはすごい重要なんですよ。情報源を守るって、すごい大事で。もう基本中の基本なんですけど。それで、この話はどういう話か?っていうと、ものすごく大雑把に言うと誹謗中傷を受けていた人がいて。その人に対して誹謗中傷をしていた人にNHKが取材に行ったりしていて。「どういう感じで誹謗中傷していたの?」っていうのを……つまり「誹謗中傷していた側がこういうことを言ってましたよ」みたいなのが流出して、その他の誹謗中傷をしていた人がそれを知ってしまうと、ネタ元を守らない状態になってしまうっていうことなんですね。
で、僕がこれ、ちょっと腹が立ったのはNHKは割と火消しを図っている感じで。NHKって公式のTwitterのアカウントだと、フォロワーが200万ぐらいいるんですよ。そんな公式のアカウントがあるんだけれども、そこは使わないで「どーも、NHK」っていうフォロワーが3000人ぐらいしかいないところでこの件の謝罪をしているんですよ。
NHKの記者が、先月、取材したインタビューの内容メモなどが、インターネット上に流出したことが分かりました。
取材にある情報が外部に流出したことは、取材対象者との信頼関係を損なうだけでなく、NHKに対する視聴者の皆さまからの信頼を損なう、あってはならないことで、深くお詫び申し上げます。 pic.twitter.com/RG4F09gUSf
— どーも、NHK (@nhk_domo_nhk) December 1, 2023
(土屋伸之)じゃあ、あんまり広めたくない?
(えのきどいちろう)それからこれ、興味本位っていう感じがあるんだけど。これ、そのとあるインフルエンサーみたいな人が割と誹謗中傷みたいなことをやってたっていうのが裁判なんかで割と明らかになっている件なんだけど。そのインフルエンサーの側に、インフルエンサーに丸め込まれた感じの人が……これ、まだわからないんですよ? NHKはまだ、そこのところは「わからない」っていう風に言っているんだけども。
丸め込まれた……だからインフルエンサーみたいなのも、基本的には信者みたいな人を作っちゃうじゃないですか。味方をする人を作っちゃうじゃないですか。で、そういう人がNHK子会社の派遣社員の中にいて。情報にアクセスができて。で、それをそのインフルエンサーの方に流しちゃうみたいなことをして。だから本当だったらNHKとか、報道だとか。そういったものに対しての忠誠心、ロイヤリティがあるべきで、倫理を守るべきなんだけど。だけど、この派遣社員の人はつまり、自分の業務の上の倫理よりも、そのインフルエンサーに味方したいっていう。「これを流したら、ウケるんじゃないかな?」みたいな。で、これはたまたま、そのインフルエンサーの人がネットで公開したので。「これ、情報が全部、筒抜けになっている!」っていうことがバレたわけですけども。これ、他にもそういうルートがあるんじゃないかっていう説もあって。だから、要するにマスコミのそういう倫理みたいなものが今、底抜けになっちゃっているっていうことなんですよ。
(塙宣之)なるほどね。
(えのきどいちろう)だから僕ら、ライターとかからすると、ネタ元が守れないっていうことは最低だから。なのでこれ、TBSの坂本弁護士のビデオの時は本当にもっと大火事になって、燃え広がって。それで社長さんが辞任したみたいなことになったんだよね。だからこれ、本当にもっと……NHK史上に残る出来事になっても全然おかしくないんだけど。今のところはまだ……でもたぶん来週、これはどんどん火が広がっていくと思うんですけど。
これからさらに火が広がる可能性がある
(塙宣之)インフルエンサー同士でね、たとえば炎上商法で、喧嘩みたいなのとか、やったりするじゃないですか。で、そういう時にその信者の人たちがよかれと思って、わけがわかんないようなことをやったりするっていうのはよく聞くんで。本当に怖いっすよね。今の時代がね。こっちはそんなに本気でやってないのに。信者の方は信じちゃって。
(土屋伸之)そっちはね、止める人がいないからね。
(塙宣之)止めれないでしょう? そういうことってあるじゃないですか。たまにね。本当、怖いですよね。
(えのきどいちろう)本当にこれはちょっと……非常に今日的もあるし。それから、守るべきはそういう倫理的なことだと思うんですね。
(塙宣之)たしかに。
<書き起こしおわり>