ナイツ塙さんが2023年7月8日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中で毒蝮三太夫さん主催のマムちゃん寄席で自身が23年前、交通事故で大怪我を負った時に手術をしてくれたお医者さんと再会したという話を紹介。そこで自身がかなり危機的な状況にいたことを再認識したと話していました。
(塙宣之)昨日、マムちゃん寄席で。
(出水麻衣)大盛況!
(塙宣之)大盛況。見に来てたんですね?
(出水麻衣)見ましたよ。
(塙宣之)そうなんですか。言ってましたもんね。「来る」ってね。
(出水麻衣)おかしいな。(外山)惠理さんはすぐ気づいてくださったんですけども。
(塙宣之)気づかなかったな。いつもだいたい、客席で気づくんだけど。
(土屋伸之)ああ、塙さんも気づかなかった?
(出水麻衣)ちょっと塙さんはおそらく背を向けがちな場所にいたかもしれないですね。
(土屋伸之)じゃあ、下手側に?
(出水麻衣)土屋さんはばっちり見える場所にいたんですけどね(笑)。
(土屋伸之)俺、客席の出水を見失いがちだから(笑)。
(出水麻衣)悲しいなー。大沢悠里さんもいらっしゃったんですか?
(土屋伸之)終わった後に、楽屋にね、結構お客さんがいっぱい来て。ご挨拶をしていたんで。
(出水麻衣)そのシステム、知らなかったな(笑)。ファミリーなのになー。
(土屋伸之)結構……増田明美さんとかいらっしゃっていたし。客席も結構豪華だったんだよね。出水さんもいて、増田明美さんとか。
(出水麻衣)生島淳さんもいらっしゃいました。
(塙宣之)生島淳さんはわかったな。
(土屋伸之)だからもうTBSラジオの錚々たる方々が見に来てくれていて。
(塙宣之)面白かったよ。マムシさんも元気でさ。それで俺、すごいなって思ったのが終わった後、人が来るじゃないですか。それでギョロっとした目の、ちょっと色黒の人がいて。「この人、どこかで絶対に会ったことがある」と思ったんですよ。そしたらマムシさんが「ああ、先生。こっち」とか言うんですよ。「じゃあ、放送作家の先生なのかな? 昔、ネタ見せとかしたことある人かな?」と思って。「でもなんかちょっと違うような……もっと前だよな?」とか思っていたの。
で、その先生が名刺をみんなに配っていて。俺も「ああ、塙さん。よかったら」って。そしたら、赤坂の整形外科の先生だったの。根元先生っていう。で、その根元っていう名前はちょっとわかんなかったんだけど「整形外科」って言った瞬間に、「あっ、俺の手術をした人だ!」って。
(出水麻衣)ええっ? あの大怪我の?
(土屋伸之)2000年ぐらいの事故の?
(塙宣之)2000年の6月に交通事故で救急車で夜中に運ばれた時に手術をしてくれた……。
(土屋伸之)大変なね、足の怪我で。
2000年6月に交通事故で運ばれた病院
(塙宣之)で、その時に「小倉病院っていう世田谷の病院にいませんでしたか?」って聞いたら「ああ、いた」って。で、先生は覚えてなくて。それで「ああ、俺、小倉病院にいたよ」ってなったから「ああ、やっぱり! 小倉病院にいましたよね?」って。「僕、その小倉病院でマムシさんとも知り合いになったから」って言っていて。「じゃあ絶対にそうです」ってなって。小倉病院の副院長をやっていたらしいから。
「僕、覚えてないですか?」って聞いたら、「いや、毎日いろんな人を手術していたから、あんま覚えてないけど……その後、もう大丈夫ですか?」「いや、もう先生のおかげで」って話をして。
(土屋伸之)もう大恩人じゃん!
(塙宣之)大恩人よ。それで「ちょっと見ますか?」って傷跡を見せたら「ああ、これは僕だ」って。
(土屋伸之)ああ、傷跡を見て思い出したの? すげえ!
(塙宣之)で、すごい名医の先生だったの。
(土屋伸之)だってマムシさんの今の主治医なんでしょう? すごい偶然だね!
(塙宣之)で、腕がすごいからいろんなところの病院を転々として。今、自分で開業をして。だから本当にあの時、この先生じゃなかったら下手したら、本当に危なかったから……。
(出水麻衣)幸運でしたね。
(塙宣之)それで、その時に先生が「とりあえず緊急手術が終わったから。もうこれで一段落だよ」って言うんだけど。その後に……まあ今だから言えるんだけど。「これ、ちょっとあれかもしれないですね。切断しなきゃいけないかもしれないですね」っていう、そんな先生が1人、いたのよ。それで俺、ちょっと嫌だったのね。「もう治せないですね」みたいなことを言う人がいて、すごい嫌だったの。それで、そしたら先生が変わって。なんかすごい、眼鏡をかけて細い、ホウキ先生みたいな人になって。
そのホウキ先生っていう人が「ああ、僕が絶対にやりますよ」って言ってやってくれて、結局無事に手術が終わったっていうことがあって。で、それをその根元先生に言ったのね。そしたら「あのホウキは俺の弟子だから。あいつ、腕がいいんだよ。その前のやつもなんとなくわかるけど。あいつは俺もよくないと思っていたから、辞めさせたんだよ」って言っていて。だから根元先生がいなかったら、下手したら危なかったんだよね。
(土屋伸之)じゃあ、その手術は根元先生が担当してくれて?
(塙宣之)最初の手術は根元先生で。2回目の手術をそのホウキ先生がやってくれて。
(出水麻衣)緊急の一番危ない時に根元先生が担当してくださって。
(塙宣之)だから俺がさ、本当に漫画みたいに……その運ばれた時は麻酔してるから覚えてないんだけど。朝、起きたらもう家族がみんな、見ていて。その時に、あのギョロっとした顔で……一番最初に見たギョロっとした顔で「大丈夫だよ」って言ってくれて。それをすごい覚えていて。で、昨日、「あれ? この人、なんだろうな? 夢で見た変なキャラクターかな?」みたいに思ってさ。
(土屋伸之)なんか、モズみたいな?(笑)。
(塙宣之)そうそう(笑)。って思っていたら、すごい偶然で。
(出水麻衣)20年越しの再会で。
(塙宣之)23年前。
(出水麻衣)マムちゃん寄席で。恩人ですね。
(塙宣之)大恩人だよ。
(土屋伸之)すごい縁ですよ。それが今、マムシさんの主治医でね。
(塙宣之)それで普段、終わったら帰っちゃうからさ。昨日、最後まで残っていてよかったなって。珍しくマムシさんから「最後までいろよ! 帰るなよ!」って言われてさ。
(土屋伸之)「いるんだろ?」って言われたからね。いてよかったね。それで再会できたんだ。
(塙宣之)大沢悠里さんとかにもお会いできて。こういうこと、あるんだなって。すごい偶然だよ。本当に。
(土屋伸之)先生も元気そうでよかったですね。だって20何年前でしょう?
(塙宣之)でも俺、その覚えていた時っていうのが、その時から今と同じような感じだったから。だから、俺の中の先生ってもう80歳ぐらいかな?って思っていたんだけども。たぶん当時、40代ぐらいだったんだよね。だって今、あの先生って60代ぐらいでしょう? 70行ってないぐらいでしょう? だからたぶん、そうなんだろうな。俺も若かったからっていうのもあるんだろうけど。
(出水麻衣)手術の痕を見て「俺だ」ってわかるっていうのも、名医のお言葉って感じ、しますよね。
(土屋伸之)料理人が自分の料理を見て気づいたみたいなことなのかな? インスタとかを見て、気づいたとか……いや、ちょっと違うな(笑)。
(出水麻衣)すぐ引っ込めましたね(笑)。
(土屋伸之)もっとなんか、かっこいいたとえがあるな。その、傷口の痕ね。だから、そうだな。リフォーム会社の人が……(笑)。
(塙宣之)いや、それはわかるだろ! だいぶリフォームって長いことをやるぞ? まあ、何時間だけだからね。たぶん運ばれてきた1人の青年だから、あんまり覚えてはなかったんでしょうけど。たぶん喜んだと思うよ、先生も。「なんかあったら、いつでも来てよ」って言ってくれたから。
(出水麻衣)でも1人の先生が諦めるぐらいの大事故だったっていうのを今、改めて。
紙一重で危なかった
(塙宣之)その先生、諦めていたからね。2人目の人。「ちょっと、できないな」みたいな。「できない」じゃないだろう?って。で、「あいつ、やばいやつだから辞めさせた」って言うんだもん。よかったよ、本当に。いたんだよ。裏が取れてよかったよ。「嘘だろう?」って思いながら俺も過ごしていたからさ。紙一重ですよ、本当に。
<書き起こしおわり>