オードリーのお二人が2023年6月10日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中でドラマ『だが、情熱はある』で髙橋海人さんと戸塚純貴さんがM-1グランプリ2008の敗者復活戦での漫才を完コピ再現していたシーンについてトーク。そのすごさを語っていました。
(若林正恭)でも俺さ、これね、春日もキサラに出てたからわかると思うんだけど。コンビの芸人のそっくりさんが、そのコンビの漫才をやる場合……キサラでね、そっくりさんがやる場合よ? 受けてるの、見たことないですよ。漫才とかをやって。そっくりさん同士のコンビで。で、やっぱり間が難しいんだと思うんだよね。間って、その漫才を見てコピーすればいいわけじゃなくて、目の前の客との間だから、結局腕がいるんだと思うのよ。
(春日俊彰)なるへそ。
(若林正恭)だから、見たことないよね。コンビの漫才で笑いを取ってるそっくりさんを。
(春日俊彰)そうね。そっくりさんの場合はやっぱり出がピークだよね。出てくる時はもちろん受けるけど。ネタをやると、だんだんだんだん、やっぱりね。
(若林正恭)あとピンの人は、1人の人は受けるのよ。結構。でもね、漫才となると受けている人、そっくりさんで見たことなくて。元々、『だが、情熱はある』は森本くんと富田さんの南キャンもそうだし、海人くんの戸塚くんのオードリーもそうなんだけど。漫才部分は役者さんはできないだろうから、なんか後ろ姿とかだけでいこうっていうのだったんだって。最初は。
(春日俊彰)へー。やってる風というか。
(若林正恭)そう。そしたら、あの4人がすごすぎて。なんか「似てる」って話題にもなったし。できちゃうから。それで「じゃあ、フルで漫才をやろう」って途中からなったんだって。「だから役者さん自体は熱を込めてやってくれてるけど、役者さん周りの大人は『話が違うじゃないか!』って怒ってると思いますよ」ってドラマのスタッフさんが言ってて(笑)。
(春日俊彰)なるへそ。やっぱり大変だもんね。
(若林正恭)4人とも、めっちゃ稽古してるから。
(春日俊彰)時間もかかるだろうし。労力もね。
当初はフルでやる予定ではなかった
(若林正恭)それで撮るけど、それこそ1分とかにしようと思ったのが「もう、フルでいこう」ってなったんだって。それで俺もね、海人くんが連絡が来て。「2008の敗者復活はネタ、どういうネタをやったんですか?」って来たの。で、俺は、「あれはM-1の決勝の1本目と一緒なのよ。全く一緒なのよ」って言ったの。そしたら「あの、たとえば春日さんが噛んでた場所。あれ、敗者復活でも噛んでるんですか?」みたいな。
「いや、あれはガチで噛んでるから。敗者復活では噛んでいないよ」「ああ、そうなんですか。じゃあ、ネタは一緒だけどちょっと中身が違ったりする感じなんですね?」って。そこら辺で、「ああ、撮るのか!」ってようやく気づいたの。で、「素材がないのか」っていうことにも、3ターンぐらいやってから気づいて。遅いんだよ。
(春日俊彰)敗者復活戦って、ないんだよね。
(若林正恭)ああ、そうなの?
(春日俊彰)たしかに、ないんじゃないかな? 素材が。あるんだっけ? 配信とか……決勝はもちろんあるけど。DVDとかになってるからね。敗者復活のやつは……。
(若林正恭)で、俺さ、そういえば敗者復活のってあの日以来、見たっけな?って思ってさ。
(春日俊彰)はいはい。そうでしょう? そうなんだよね。私も。
(若林正恭)なんでかっていうと、決勝の1本目は見るんだよね。2本目はあんまり見ないけど。
(春日俊彰)はいはい。まあ、2本目はね。
(若林正恭)2本目はね。うん。
(春日俊彰)まあまあ、いいじゃない?
(若林正恭)真ん中らへんで「あれっ?」って思ったからね。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! そうだね(笑)。
(若林正恭)それで、「敗者復活、事務所にあるのかな?」と思ったら、事務所にはあって。それを送ったのよ。それで、だからそのぐらい……そんな「M-1の1本目と一緒だよ」って言ったら「ああ、わかりました」でもいいところを、「敗者復活をちょっと2人で見たいってなっています」って。海人くんと戸塚くんで。
(春日俊彰)ああ、なるほど。場も違うし、お客さんの感じとかも。
(若林正恭)で、やってくれてさ。あれ、すごいよね。
(春日俊彰)すごい! だから本当にみんな……2人もすごいけど。その「再現をする」っていう熱というか。ちゃんとやるっていうのが現場ですごいらしくて。村上くんもさ、やってくれていたじゃん? 藤井さんの役を。
(若林正恭)村上くんね。『だが、情熱はある』の芸人1のファンらしいよ? てくれているっていう。
(春日俊彰)そうでしょう? で、聞いたら「この時の春日、この時の若林さんはどういう動きをしてるんだろう?」っつって。現場で、何を見てるのか、わかんないけど。
(若林正恭)ああ、発表される時とかね。
(春日俊彰)で、「これはどこを探してもなかったんですけど」っていう風に村上くんが言っていて。それは、発表されて、東京無線のタクシーに乗るじゃない? で、そこまでの間の映像がないんだって。だからそこの時に、春日は春日でゆっくり歩いてタクシーまで行ったのか? でも、「時間がないんで急いでください!」って言われてるから。普通に走っていったのか。これはどっちなんだろう?っつって、だいぶ現場で話し合いになったらしいんだよね。たしかあそこ、ないじゃない?
(若林正恭)ああ、見たことないな。
(春日俊彰)「あれって実際、どうだったんですか?」って聞かれて。「いや、覚えてないな」なんつって。そのレベルで現場であれしてるんだって。「乗り込むのは、どっちが先だ」とかさ。
(若林正恭)結局、なんか遅く歩いていて。あまりにも春日が来ないから。それで後頭部をスコップで殴られて、ぐるぐる巻きにされて、トランクに乗せられたんじゃなかったっけ?
(春日俊彰)そんなバラエティ、できるかよ! あの現場で。こっちも、やる方も。そんな風に、そんな……誰もそんな余裕ないよ(笑)。
(若林正恭)クールポコの杵でやられたんじゃなかったっけ?
(春日俊彰)「早く歩けよ!(ガーン!)」って?(笑)。そんな余裕、あの現場で誰にもないよ(笑)。
(若林正恭)「100t」って書いてあるやつで(笑)。
(春日俊彰)『シティハンター』ね(笑)。それを、なんか現場の方々もすごいやってくれていたんだって。
(若林正恭)でもさ、こう言っちゃなんだけど。戸塚くん、すごかったけど。春日の再現度、すごかった。で、俺ね、たけしさんに初めて『誰でもピカソ』でズレ漫才を見てもらった時に、「この左っかわの子はさ、自分の話すリズムキープと、相方が入ってくる時の間を2個、走らせてなきゃいけないから。大変だよな。難しいよな」って言われたの、覚えてる?
(春日俊彰)うーん……?
(若林正恭)まあ、いいんだけど。で、思うに俺、いろんなタレントさんが春日の格好をして。それと漫才やるっていうのをめちゃくちゃやってきてるの。特に出たての頃。でもね、あの漫才って俺がしっかりしてたら、何とかなるんだよ。
(春日俊彰)なるへそ。
(若林正恭)でも、俺の方が違う人だったら……うまくいってるの、見たことありますか?
(春日俊彰)ああ、ないかもしれない。あんまりないしね。
(若林正恭)だから何が言いたいかっていうと、春日の方は簡単なんですよ。
(春日俊彰)おいっ! そういう話だったのか……。わからんかった!
(若林正恭)でもそれは、証明してるじゃん? 俺がいろんな人とやってきて成立してることで。それだから二つ、リズムを取っていなきゃいけないのよ。で、そういう漫才って本当は結構あるんだけどね。だけどそれを経験のない人がやることは、すごく難しいと思うんだよね。引越しの話を引っ張りながら、入ってくるのに返していくから。で、またそっちの話のリズムキープに戻っていくから。これ、マジですごいと思ったね。海人くん。
(春日俊彰)はいはい。そうね。
二つのリズムをキープする難しさ
(若林正恭)でも、ちょっとフォローすると春日が入ってくるところはズレ漫才っていうだけあって、間が合ってなくてもいいのよ。春日がツッコミで入るから。なんなら、ちょっと外れていた方が間違えてるっぽくていいのよ。だから、幅広いのよ。どこで入っても笑えるようになってないけど……すごい細かく言うと、タイムラグがあって。「ただ、お前は」とか、「俺のこと、嫌いなのか?」って入るところ。あそこは結構、技術いるんだよね。ちょうど遅いっていうところで入ってくるっていう。わかる、意味?
(春日俊彰)うーん、まあまあ。そこの方はちょっと難しいってことね。
(若林正恭)そこはここの間の方が受けるみたいなところで戸塚くんが入ってるから。わからない。戸塚くんと海人くんがすごいのか、オードリーがすごいのか、ちょっと……俺はわからないけど?
(春日俊彰)フフフ(笑)。まあ、両方だろうね(笑)。
(若林正恭)フハハハハハハハハッ!
(春日俊彰)いや、でも面白かったもん。漫才を見てて。普通にクミさんと見ていて、笑ったもんね。
(若林正恭)それはおかしいだろう?
(春日俊彰)「面白えな!」と思って。本当に(笑)。
<書き起こしおわり>