安住紳一郎さんが2023年6月4日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でキノコについてトーク。エリンギがまだ知名度がそんなに高くなかった時代に桑田佳祐さんが「エリンギにハマっている」と言い、ポケットからエリンギを取り出したことによって一気に認知度・知名度が高まり、流通量が増したという話をしていました。
(安住紳一郎)エリンギなんかは、(普及したのが舞茸よりも)もっともっと後ですもんね。若い人はきっとエリンギって、ごくごく普通にあるのかな? でも私たちなんかはいまだに、恐る恐るだよね?
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
(安住紳一郎)えっ、違う? そこまでじゃない? ごくごく当たり前?
(中澤有美子)たしかに。ちょっとそういうところ、ありますね。
(安住紳一郎)まだ、半信半疑っていう。ちょっと言い方、きついけどさ。でも、そういうところ、あるでしょう? 「うん? エリンギ……ああ、エリンギ使うんだ」とかね。なんか、うん。「えっ、ここにエリンギを入れて、美味しいの?」とかさ。
(中澤有美子)ああ、そうですね。いろいろと発見があります。
(安住紳一郎)「なにこれ?」みたいな時、あるよね。「エリ……?」なんてね。ちょっとね、そういうところ、ありません? 20代ぐらいの方はないか。でも、私は本当にちょっとそういうところ、あるな。
(中澤有美子)そうなんですね。白くて輪切りにして入ってたりすると、一瞬なんだかわからない。「山芋?」みたいなね。
(安住紳一郎)そうそう。「うん? これは何だろう? かんぴょうかな?」とかね、思ったりとかしたりして。あとまだ今ひとつ……まあ、主婦の方とかね、普段料理されてる方はよくわかるかもしれないけれども。適正な値段がわかんないから。なんて「うーん。高いのか安いのか、わかんない」みたいな。ねえ。エリンギはね、最近ですよね。
(中澤有美子)やっぱりそうなんですね。
(安住紳一郎)2000年代に入ってからじゃないですか? そんなことないか? 1993年って書いてありますね。ごめんなさい。エリンギ。1993年からエリンギが日本でも栽培されるようになって、流通するようになったということですね。桑田佳祐さんね。そうそうそう。サザンオールスターズの桑田佳祐さんがエリンギを広めた大立者として。キノコ業界の中では「桑田佳祐さん」というともうみんな、「ああ、エリンギの桑田さんか」っていう。
(中澤有美子)そうなんですか。
「桑田佳祐=エリンギの桑田さん」(キノコ業界の人)
(安住紳一郎)ええ。桑田佳祐さんが音楽番組で「エリンギ料理にハマっている」って言って。で、みんながキョトンとしてる中でエリンギを自分のポケットから出したんですね。マイクみたいにね。で、「これがエリンギです」って言った瞬間にたくさんの人たちが「えっ、エリンギって、何?」って思って。
それで初めてエリンギを知って。「桑田さんが美味しいというなら……」ってみんなが「エリンギを食べてみよう」ってなって。それで流通量が一気に10倍とか20倍にドーンと膨れ上がったんですよ。なので、ものすごいそのPR効果があったっていうことで。キノコ協会の中ではもう、桑田佳祐さんっていうとサザンオールスターズではない。「エリンギを広めた桑田さん」っていう。
(中澤有美子)偉人ですね!(笑)。
(安住紳一郎)偉人だよね! いや、本当に桑田さんがそれを言わなければたぶん、いまだにエリンギ広まってなかったっていう。それぐらい、言われるんですよ。特に一番大事な時にね。一番、その消費量が上がってくれないと軌道に乗らないような時に、桑田さんがポケットからエリンギを出したっていう。ねえ。すごくない? 桑田佳祐さんってもう、ほとんど全員が「サザンオールスターズの桑田佳祐さん」でしょう? まあ「桑田バンドの桑田佳祐さん」って言う人もいるかもしれないけどね。
(中澤有美子)まあ、そうですね。
(安住紳一郎)原さんがお休みしていた時にね。でも、キノコ業界では違うんだよ。「エリンギの桑田佳祐さん」っていう。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)いや、本当なんですって。これはね。これね、私の話、大げさな話が多いですけど。これだけはね、本当!
(中澤有美子)ええーっ?
(安住紳一郎)本当に。正味、等身大の話として、これをお伝えしたい。
(中澤有美子)そうなんですね(笑)。
(中略)
(安住紳一郎)さて、今日エリンギの話をしましたが。この方は千葉の女性の方です。ありがとうございます。
(中澤有美子)ありがとうございます。
(安住紳一郎)「私は桑田さんがポケットからエリンギを出した瞬間をリアルタイムで見ていました。ポケットからさりげなく取り出したむき出しのエリンギをタモリさんに見せた瞬間を今でも鮮明に覚えています。当時、エリンギというキノコを見たことも聞いたこともない私にはそのずんぐりむっくりした姿が衝撃的でしたし、桑田さんのようなセレブの行くスーパーにはこんなキノコが売っているのかと羨望のまなざしで見ていました」。一番最初だもんね。エリンギを見た一番最初。
「この流れでこの話を付け加えるのはどうかと思いますが、その後、桑田さんがいただいた勲章をポケットから出して一部の方から批判を受けるということがありましたが、エリンギの1件を知っている私たちは『桑田さんは好きなものをポケットから出すんだよ!』と1人、モヤモヤしていました。今でもスーパーのエリンギを見る度に桑田佳祐さんを思い出す私にとって、今日の番組の放送はとてもよいものでした。ありがとうございます」。
(中澤有美子)よかったです!
(安住紳一郎)よかったです。そう思っていただけて。いや、もうあれでしょう? 桑田佳祐さんもエリンギも、それぞれ見方がこれから変わるよね?
(中澤有美子)そうですね。ポケットに対してもね。
(安住紳一郎)「ポケットに対しても」。たしかに(笑)。そうだ。うん。多様性だね。
(中澤有美子)はい。
さっき風呂上がりにテレビつけたらちょうどNHKのカネオくんでエリンギ特集やってて…
1995年に栽培を始めて、最初は売れなかったけど、2000年に桑田さんがMステにエリンギ持って現れて「エリンギにハマってる」って言ったらそこからメディアに取り上げられるようになって一気にメジャーになったとな? pic.twitter.com/IsBSaGinMT
— モモタロ&おやびん (@55momotaro) October 24, 2020
<書き起こしおわり>