宇多丸 プロハンバーガー「架空昭和史」を絶賛する

宇多丸 プロハンバーガー「架空昭和史」を絶賛する アフター6ジャンクション

プロハンバーガー(Ex.高野政所)さんが2023年5月23日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さんがプロハンバーガーさんの最近の活動「架空昭和史」を絶賛していました。

(宇多丸)ということで、改めてプロハンバーガーさんのご紹介を宇垣さんからお願いします。

(宇垣美里)はい。90年代、ユニット・レオパルドンとして活動。2005年から2015年、東京にあった伝説の小箱、アシッドパンダカフェの店長を務めながらDJ、トラックメイキングなどの音楽活動を続ける。2010年、インドネシアのローカルダンスミュージック、ファンコットを発見し、日本に紹介したファンコットの伝道師。その後、いろいろあって、2021年7月に突如、プロハンバーガーに転生。

音楽活動以外にも、AIを駆使した絵物語シリーズ「架空昭和史」など、アンダーグラウンドな表現活動をされています。先月、デジタルリリースされた「中年デトロイトテクノ隊」のコンピレーションアルバム『UNCOUNTABLE POSSIBILITIES』に参加。また今週土曜日、27日に初の写真展「架空昭和史写真展」が赤坂にあるギャラリー、パシオン・アカサカにて開催されるということです。

(宇多丸)はい。もう何から話していいのやらといったところですけども。ちなみに今日のミックスとも関係してると思いますが、『UNCOUNTABLE POSSIBILITIES』。音源を拝聴して。めちゃめちゃかっこいいよ!

(プロハンバーガー)ありがとうございます。

(宇多丸)すげえいいです。僕、すごい好き。

(プロハンバーガー)ああ、本当ですか? 一応、ブラックミュージックを基礎としたテクノミュージックなので。デトロイトテクノは。

(宇多丸)シカゴハウスからの流れで進化していったデトロイトテクノですもんね。元々、好きではあるんですけども。日本チーム、しかもいい歳をしたおっさんチーム、本当に最高でした。でですね、もうひとつの情報であります架空昭和史写真展。架空昭和史写真とはなにか? 改めてプロハンバーガーさん、ご解説をお願いできますか?

(プロハンバーガー)これはですね、皆さん、今話題のAIってご存知だと思うんですけども。AIで、お絵書きができるんですよ。

(宇多丸)いろんなね、ソフトとかに情報を入れると、それっぽい絵ができちゃうっていうね。

(プロハンバーガー)それで今、Twitter上だとかだと、そのAIのアートって、セクシーな女の子の画像を出すのが流行ってるんですけど。僕は普段から「昭和の時代にこんなのがあったら面白いな」っていうのを妄想してまして。で、それが文字を入れると絵になるってことに気づいてしまい。

(宇多丸)しかも、まあまあなクオリティーの絵になる。

(プロハンバーガー)それで、普段から考えている妄想に絵をつけるだけで、こんなにバズるんだっていうことで。自分でもびっくりしております。

(宇多丸)これ、要するに設定チックな……たとえば「○年代の△△の※※」みたいなのを入れると、こういうAIが生成してきた絵が。しかも結構、本当っぽいとか。写真みたいなのが出てくるっていうことですよね?

(プロハンバーガー)「photo realistic」って入れると、写真画質になるんです。

(宇垣美里)へー!

(宇多丸)ああ、そうか。だからその指定の仕方がやっぱり重要なんですね。

(プロハンバーガー)そうですね。プロンプトっていうやつがあるんですけど。言葉を入れていくと。

(宇多丸)これ、まずちょっと言っていい? あなたは本っ当に面白いことを考える! 常に政所くん、常に面白い! やっぱり。僕はね、もうちょっとこのアイディアには脱帽でした!

(プロハンバーガー)ありがとうございます。

(宇多丸)面白すぎます!

(プロハンバーガー)そんな風に言っていただけるとは。

(宇多丸)しかも、その出てきた写真とキャプションが面白くて。たとえば、どんな感じのものがあるか、説明してもらえますか?

(プロハンバーガー)そうですね。これは、おばあさんとかおばさんがすごい手作りのヒーロー衣装みたいのを着てポーズをしている写真があると思うんですけども。これは「ジャスティス母さん倶楽部」っていうので。「70年代特撮ドラマの『変身ブーム』が影響を与えたのは子供達だけではなかった。町内会のお母さん達が次々に手製のコスチュームで『変身』して防犯や清掃などに活躍した。この運動は『ジャスティス母さん倶楽部』として各市町村で流行した」っていう風に、見ていないとさっぱりわからないと思うんですけども。

「ジャスティス母さん倶楽部」

(宇多丸)写真をあわせて見ると、絶妙な衣装と……また「ジャスティス」というのはね、あれですものね。アシッドパンダカフェの名企画、ジャスティスナイトとも通じる……何をやっていたのか?っていうのは皆さん、ぜひ調べていただいて。街の治安を守るためにいろんな活動をしていたという。これ、絶妙! なんか素材とかさ、着てるものとかも完璧じゃない? これ、チョイスとか。

(プロハンバーガー)絶妙なのが出ましたね。これはね。

(宇垣美里)手作り感がすごい!

(宇多丸)これ、でも当然、何が出てくるか?っていうのは打ち込んでみないと……。

(プロハンバーガー)本当にガチャですよね。ほとんど。ガチャに近いんです。ただ、もうドンピシャのが出た時は脳汁がヤバいんです。本当にヤバくて。もう今、他のエンターテイメント、いらないです。俺(笑)。

(宇多丸)っていうことはさ、これ要するに、その中でも出来がいいやつを並べてるわけで。ボツ系もあるの?

(プロハンバーガー)全部でたぶん100個ぐらい考えて。毎日毎日、上げているんですけれども。その中でも、ちょっとインパクトがあるやつとか、面白いやつをやっていて。

(宇多丸)僕、この「あつまろうボックス」。これ、めちゃくちゃ完成度が高いと思うんだけど。

(プロハンバーガー)これですね。中央に謎の機械が置いてあって。そこにぎっしり、周囲に子供が集まってる写真で。

(宇多丸)なんか音みたいなのを聞いてるみたいな感じでね。

(プロハンバーガー)あつまろうボックスっていうのは……「80年代の小学校では、生徒を効率よく管理するため、ある年齢以下の子供が好む周波数の音を出す装置が設置された。『あつまろうボックス』と呼ばれるこの装置が作動すると半径700メートルの子ども達が自然と集まってくる事を利用して、迷子防止、防災や教室移動の際に役立てられていた。しかし、丸一日、装置を作動を解除し忘れる事案がたびたび発生し『子供が家に帰ってこない』というPTAからのクレームや、一台あたりの価格が650万円と高価だったため、次第に姿を消していった」っていう。嘘の歴史ですけど(笑)。

「あつまろうボックス」

(宇多丸)嘘よ? ただ、これが嘘なんだけど、この装置のデザインとか、絶妙じゃない?

(プロハンバーガー)昭和感が出てると思うんですけど。

(宇多丸)これ、たとえば……企業秘密なっちゃうのかな? これって、たとえば「80年代、昭和、日本、子供、遊具」とか。わかんない。そういうような感じの打ち込み方?

(プロハンバーガー)そうですね。だいたいそんなような感じ。年代を指定して、画質を出を出したりとか。

(宇多丸)あと、集まって子供たちのさ何とも知れない、泣いてるような顔。これ、怖いのよ。

(宇垣美里)真っ暗な目をしているのよ。子供たちが。

(プロハンバーガー)完全に不気味の谷ですよね。

(宇多丸)ちょっと不気味の谷感があって。どの写真もちょい怖さが常にあるよね。それがまたいい味だよね。

(プロハンバーガー)これ、なんでこうなったか?っていうと僕、水木しげるの『妖怪図鑑』が昔、大好きで。それをイメージしてるうちに、こうなった感じですね。この文章とか。文章は自分で考えてるんですけども。

(宇多丸)ああー。たしかにあれも、人の想像力みたいなものをさ、なんかその設定を細かくしていくことで、実在感というかさ。そういうのも、あるもんね。

(プロハンバーガー)そうなんですよ。こんなに嘘をついて、みんなが喜んでくれるなんて初めてで。すごい嬉しいですね。

(宇多丸)あとなんかさ、その作品の中に写真としての単純に抜けがいいっていうさ。この「疾走族」とかさ。写真としての抜けがいいっていう。

「疾走族」

(プロハンバーガー)これは、なんですかね? ポロシャツ、短パンの男が笑顔で全力疾走っていう。

(宇多丸)暴走族ならぬ、疾走族。

(プロハンバーガー)「白昼堂々と乗り物に乗らずひたすらに生身で街を疾走する。通行人を跳ね飛ばしたり、店先の商品を破壊したりとかなりの迷惑行為だったので85年の疾走族取締法により激減」みたいな、そういう……(笑)。

(宇多丸)「札束風呂」とか、ヤバいんだよ。ちょっと。

(宇垣美里)これ、怖いよ、ちょっと。

「札束風呂」

(宇多丸)なんかちょっとSF的でもあり。だから今の技術がそういう意味ではSF的な想像力に追いついちゃったっていうのもあって。なんともしれん気持ちになる……めっちゃ笑える上に怖くて。でもなんかちょっと本当に面白いっていうか。本当にあなた、すごいですよ!

(プロハンバーガー)暇なだけですよ(笑)。

(宇多丸)だとしたら、暇が生み出すクリエーションですよ。マジで。脱帽でございます。ということで、こちらの写真展は27日(土)にパシオン・アカサカで開かれるので、ぜひ皆さん、ブツを見に行ってください。

<書き起こしおわり>

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