宇多丸さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でマーベル・シネマティック・ユニバース最新作『キャプテン・マーベル』の予告編公開について話していました。
Here's your first look at the teaser poster for Marvel Studios’ #CaptainMarvel, in theaters March 8, 2019. pic.twitter.com/hnTX8yoRIu
— Captain Marvel (@captainmarvel) 2018年9月18日
(宇多丸)この番組、カルチャーキュレーション番組っていうことなんで、ちょっとカルチャー情報的なところをね、フラットに久々に入れさせていただきますと……映画周りで言うとMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)。マーベル映画。アメコミ映画の大主流、エンターテイメント映画のメインストリームですけども。日比さんって見ている? マーベル映画は。
(日比麻音子)ああ、意識的に「マーベル大好き!」っていうタイプではないので、「見ている気がする」っていう程度ですね。
(宇多丸)いま、マーベル映画は10年目で一大転換期を迎えておりまして。先日の『アベンジャーズ』の三作目、『インフィニティ・ウォー』という作品で……まあ、まだご覧になってない方もいらっしゃるかもしれないので一応ぼやかして言うけど、まあとんでもないことになって話が一応宙吊りで終ってる状態なんです。結構とんでもないことになっていて。「えっ、どうすんの、これ?」みたいな感じの終わり方になってるわけです。で、若干マーベルのお馴染みのやつで終わり、エンドロールとかでおまけ映像で「この後にこういうのが続きますよ」っていう暗示がポンポンと出るっていう。
この間の『アントマン&ワスプ』でもその『インフィニティ・ウォー』につながるような暗示がされていたんですけど……。その中で、この間の『インフィニティ・ウォー』の最後に暗示されていたあるキャラクターで、新しいキャラクターのキャプテン・マーベルっていうMCU初の単独女性ヒーロー。女性ヒーローが主演のキャプテン・マーベルっていう女性ヒーローの映画が今度、できるんですけど。それが2019年3月8日にアメリカ公開なんですが、それの予告映像が出ましたよというような情報がございます。
(日比麻音子)ついに新しいキャラクターというか。
(宇多丸)だから日比さんとかみたいにあんまり熱心に見ているわけじゃないんだけど……っていう人にとってすごいさ、いまハードルがめちゃめちゃ上がっちゃっている状態じゃないですか。
(日比麻音子)本当、その通りです。いまさら「知らない」とも言えないし。だけど、見たいけどもどこから見たらいいのかもわからないっていう。
(宇多丸)ねえ。まあちょいちょい、前に光岡三ツ子先生を呼んで「この順番で見ればいい」とかって。光岡先生も「極論、『インフィニティ・ウォー』から見ればいい」みたいなことを言っていましたけど。それもまあ、間違いじゃないと思うんだけど。ある意味、でもこの『キャプテン・マーベル』は時代が1990年代に戻って。だからいままでのMCUの中では『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に次いで二番目に昔の時代の話で。古い時代に戻って新しいヒーローなので、ここから始めるのありじゃない? 女性ヒーローだし、みたいな。
(日比麻音子)ああ、なるほど。じゃあちょっと新しい入口というか、そういう風にも捉えられる。
(宇多丸)そういうことなのかな? もちろん僕らが予告を見ると「ああ、この人、若い!」みたいな。たとえばサミュエル・L・ジャクソンがやっているニック・フューリーっていうヒーローたちをまとめ上げていく役。彼はずっと眼帯をしている役なんだけども、この予告編を見ると「あれっ? 両目がある。若い!」みたいな、そういうのがあったりする。あとはシールドっていう組織のエージェント・コールソンがまた出てくる!っていうあたりとかがあったりするわけですけども。
(日比麻音子)ほうほう。
(宇多丸)主役を演じている女優がブリー・ラーソンさん。彼女は『ルーム ROOM』で一躍脚光を浴びた若い女優さんで。アカデミー賞をとったりね。で、監督・脚本が非常に珍しい。男女コンビ監督で、アンナ・ボーデンさんとライアン・フレックさんという方。これ、日本だと名前だけ聞いてもピンと来ないと思いますけども。ライアン・ゴズリングが前にアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『ハーフネルソン』っていう、これは日本では公開されていないのかな? それとか、テレビシリーズで『ビリオンズ』っていうのがあるんだけど。これの監督とかをやっているような人で。
(日比麻音子)ほう。
(宇多丸)いま、アメリカだとテレビシリーズで俳優さんもそうですし、作り手もそうですけど。そこでいいのを撮った人が抜擢されるわけなんで。まあ、そういう流れですかね。みたいな感じで、これは結構楽しみ……毎回、MCUとか「もういいよ、そんなユニバース物はさ!」って。僕でさえ「もういいよ、そんなつながりが……」みたいな風にやるんだけど、結局今回の『キャプテン・マーベル』の予告を見たら、ぶっちゃけ面白そうでした。とっても面白そうでした。
(日比麻音子)アハハハハッ! やっぱりワクワクするような?
「ぶっちゃけ面白そうでした」(宇多丸)
(宇多丸)うん。特に初の単独女性ヒーローっていう。やっぱり『ブラックパンサー』っていうこの間の黒人ヒーロー物で、ちょっと前だったら「黒人ヒーローを単独で」っていうこと自体がありえないし、それがもうマーベルの中でもトップクラスのヒットになるっていう。単独ではトップ。『アベンジャーズ』とかを除けばっていう。そんなこともちょっと前は考えられなかったことなんで。
だからいままでだったら「女性ヒーロー物は受けません」って。そういう公式もたぶんあったと思うんですよ。『スーパーマン』の後の『スーパーガール』とか、いろいろとあったんだけどさ。なんだけど、「こういうのが受ける」っていう公式が外れてきている時代なんで。非常に時代にもあってるというか、僕は楽しみなラインです。
(日比麻音子)これが公開されるのが……?
(宇多丸)アメリカでは来年の3月8日。日本公開日時は未定ですが、まあMCUともなればかなり同時に近い状態だったりするんじゃないですか? そんなに間があいたりしないんじゃないですかね。で、その後にさっき言った『インフィニティ・ウォー』。『アベンジャーズ』三作目のとんでもない終わり方をした……結構ショッキングな終わり方をするんですけど、その続きの部分がその後に来るということでしょうね。まあまあ、『インフィニティ・ウォー』の結末を見て、そうすると「この状態をひっくり返すには、この要素とこの要素とこの要素でしょ?」って……まあ、ありますけどね。まあまあ、このあたりは『インフィニティ・ウォー』を見てない方もいますんで、置いておきますけども。
(日比麻音子)ああ、そうですね。
(宇多丸)日比さんもぜひぜひ、この『キャプテン・マーベル』を。
(日比麻音子)やってみようかな? 始めてみようかな?
(宇多丸)大丈夫。全部は見なくていいから。
(日比麻音子)ちょっと気後れしちゃうぐらいあるから……。
(宇多丸)21作目。もう10年経っちゃっているから。
(日比麻音子)そんなにあるんですね!
(宇多丸)いや、ポイントを言いますから。来年3月、その春ぐらいまでには……ということで。楽しみでございます。
<書き起こしおわり>
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