町山智浩『ジョン・ウィック4:コンセクエンス』を語る

町山智浩『ジョン・ウィック4:コンセクエンス』を語る こねくと

町山智浩さんが2023年4月18日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『ジョン・ウィック4:コンセクエンス』を紹介していました。

(石山蓮華)じゃあ、今日も町山さんにおすすめの映画をご紹介いただきたいんですが。今日は……?

(町山智浩)ええとね、アメリカ、韓国、日本でですね、殺し屋映画が今、大ヒットしているんですよ。で、春なんでね、春の殺し屋祭としてね。

(でか美ちゃん)私、そのツイートを見て、笑っちゃいましたよ(笑)。

(町山智浩)白いお皿がもらえたりするやつですね(笑)。

(でか美ちゃん)シールでポイント、貯めないですから(笑)。

町山」:そうそう。そういうね、ポイントを貯める話なんですけど。まずね、アメリカで今大ヒットしてるのはね、『ジョン・ウィック4:コンセクエンス』というタイトルの映画なんですよ。「コンセクエンス(Consequence)」っていうのは「結果」っていう意味ですけども。これ、『ジョン・ウィック』シリーズの4作目で。キアヌ・リーブスが世界ナンバーワンの殺し屋を演じていて。そのナンバーワンの座を奪おうとして、世界中の殺し屋が襲ってくるというですね、それだけのストーリーです。

(でか美ちゃん)殺し屋の、何だろう? そのトーナメントみたいになっちゃってるってことですよね?

(町山智浩)そうそう。トーナメントですね。だから彼を落とせば1位になれるってことで、非常に単純な話なんですけど。これの監督はね、チャド・スタエルスキという人で。この人ずっとキアヌ・リーブスのスタントマンをやってた人なんですね。スタントダブルっていうんですけども。

『ジョン・ウィック』の映画史的な記録

(町山智浩)で、とにかく延々とですね、この『ジョン・ウィック』シリーズ4作、キアヌ・リーブスがいろんな殺し屋を迎え撃つんですが。これね、映画史的な記録になってるんですよ。

(でか美ちゃん)なにがですか?

(町山智浩)というのはね、ジョン・ウィックがこのシリーズ4作で殺した数がですね、439人。

(石山蓮華)439人!? ええっ?

(でか美ちゃん)これ、原稿というか資料上、何人かは伏せてあったんですよ。「ああ、100人くらいかな?」とか思っていたら……全然超えてきた。すごいな。

(町山智浩)だから『13日の金曜日』とかに出てくる殺人鬼のジェイソンとかよりも、遥かに数が多いんですね。

(でか美ちゃん)とんでもないな。それだけプロフェッショナルなのか。その物語の中では。

(町山智浩)そうなんですけども。キアヌ・リーブスさんだから、ずっとやる気なさそうに、寂しい顔で1人1人殺していくんです。サクサクと。

(でか美ちゃん)フフフ(笑)。それもまた見たいですね。じっくりと。

(町山智浩)またね、哀愁のある表情で殺していくんですけど。今回、ちょっとすごいのはね、上映時間が3時間あるんです。

(でか美ちゃん)おっ、長い。『RRR』ぐらいある。

(町山智浩)そう。『RRR』ぐらいあるんですけど。それで140人、殺すんですよ。キアヌ・リーブスが。

(でか美ちゃん)じゃあ1時間あたり40何人ぐらいのペースで?

(町山智浩)そう。だからもう1分20秒ぐらいで1人殺してるんで、ドラマはほとんどないです。殺すのに忙しいから。

(でか美ちゃん)じゃあ、ちょっと痛快な作品なんですかね。それを見るのは。

(町山智浩)まあゲームみたいな感じですね。ずっと殺してるんで。もう、ほとんどゲームですね。

(でか美ちゃん)でも、4作目で「コンセクエンス」ってことは結末みたいな感じなんですか?

(町山智浩)ああ、まあまあ……それは言えないんです。

(でか美ちゃん)見てのお楽しみだ。

(町山智浩)まあ、言えないですけども。で、今回の最強の敵がドニー・イェンという香港のカンフースターですね。アメリカ育ちですけど。『スター・ウォーズ』とかに出てる人ですけど。その人が盲目の殺し屋でキアヌ・リーブスに挑戦するんですけど。あと、真田広之さんがですね、キアヌ・リーブスと友達のホテルの経営者という役で出てきます。で、これがすごいのはね、年齢なんですよ。キアヌ・リーブス、今年59歳ね。で、ドニー・イェンが今年還暦で、真田広之さんが現在、62歳なんですよ。で、彼らがものすごい格闘バトルを延々とするんですけど。これはね、僕が子供の頃に思ってた60歳と違う世界ですね。

(石山蓮華)たしかに!

(町山智浩)僕が子供の頃の60歳っていうのは、本当にのんびりとご隠居してると思ったんすけども。なんでこんなに一生懸命、この人たちは働いてるんだろうと思いましたね(笑)。

(でか美ちゃん)ゆったりね、「お茶でも……」っていうイメージが昔はあったけど。

(町山智浩)そう。汗水たらして働き続けてるんで、なんだろうと思いますけどね。しかもね、敵も味方もこれ、ジョン・ウィックの世界は防弾背広、防弾スーツを着てるんで。何発撃っても、もう頭を撃たない限りは死なないんですよ。

(でか美ちゃん)じゃあ、本当にシューティングゲームみたいですね。そういう意味でも。

(町山智浩)完全にシューティングゲームです。

(でか美ちゃん)だから撃っても、狙ってないと死なないっていうことだ。

(町山智浩)死なないんですよ。頭に当たらない限り。というね、まあとんでもない映画でね、見てるうちに麻痺してくるんですが。これがね、制作費で100億円以上かかっていますね。

(石山蓮華)100億円!?

(町山智浩)はい。ものすごいです。で、大ヒットなんですよ。どうかしてると思いましたけどね。

(でか美ちゃん)町山さん的にはやっぱり、1作目から順番に見てほしいなっていう感じですか?

(町山智浩)いや、どこから見ても同じようなもんです。はい(笑)。

(でか美ちゃん)アハハハハハッ! それはちょっと楽しみだな。

(町山智浩)途中から見ても全然大丈夫です。

(でか美ちゃん)日本ではね、ちょっとまだ公開されてなくって。9月公開予定ということみたいですね。

(町山智浩)そうですね。でもね、ネタバレとかそういうのは特にないですよ。大きなストーリーも(笑)。

(石山蓮華)でもやっぱり映画館の大画面といい音響で見たいですね。こういうのは。

(町山智浩)まあ、それはそうですね。でもテレビで見ると本当にゲームやってるみたいな気分なっちゃうと思いますよ。

(でか美ちゃん)面白そう。

(町山智浩)でね、今現在ね、それに対して韓国が『ジョン・ウィック』にぶつけてきたのは『キル・ボクスン』というタイトルの映画で。これはNetflixで3月31日から配信してて今、トップなんですよ。1位なんですよ。人気が。

(でか美ちゃん)おお、1位!

『ジョン・ウィック4』予告

<書き起こし終わり>

町山智浩『キル・ボクスン』を語る
町山智浩さんが2023年4月18日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『キル・ボクスン』を紹介していました。
町山智浩『ベイビーわるきゅーれ』を語る
町山智浩さんが2023年4月18日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『ベイビーわるきゅーれ』を紹介していました。
タイトルとURLをコピーしました