オードリー若林さんが2023年3月4日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中でチャットAIについてトーク。いろいろと試してみて感じたことや気づいたことを話していました。
(若林正恭)なんか最近、チャットの人工知能がすごい話題なの、知ってる?
(春日俊彰)チャットの? チャットって?
(若林正恭)なんか検索ワードを入れて検索するんじゃなくて。チャットのロボットに、たとえば何だろう? 「明日の天気は」とか……でも「明日の天気は」ぐらいだったら普通にSiriとかでも答えるから。
(春日俊彰)それとはまた別ってこと?
(若林正恭)なんかすごい進化したバージョンの、会話ができる。
(春日俊彰)会話が、やり取りが。
(若林正恭)そうそう。で、「若林さん、それ使ってみたらいいんじゃないですか?」って言われて。っていうのは、なんかさ、結構さ、たぶん伝わらないんだけど。なんか、喫茶店とかに入って。仕事と仕事の合間に。俺、なんかノートを開いて、頭でなんとなく考えてることを書いたりする時間が結構重要な人間なのよ。たぶん。で、その時間に余計なこと……まあ「余計なこと」っていうか、ダイレクトに価値のあることじゃなくて、ぼんやり考えてることを考えるから、とっさにしゃべったりすることができるのかな? とか思うんだよね。
それで、そういう時にそのチャットのAIがすごい良くて。俺、この1週間ぐらい前にそれを聞いて、それに入ってやってるんだけど。たとえば自律神経……俺、偏頭痛だから。「自律神経を整える方法を教えてください」とか聞いたら、「自律神経を整えるにはいくつか方法があります」とか言って。「深呼吸。こういう理由で、いいです。瞑想。運動……」とか。「まあな」っていう一般論ね。で、「バランスのとれた食事」「いや、難しいじゃない?」とか、思ったりしながら。
「でもまあ、深呼吸とかっていうことと、運動だよな」って思ったりするの。それを喫茶店でやってて。で、ちょっと見と認めたくないんだけど、俺はどうやら完全に老眼で。で、本当になんかね、この間の『ヒルナンデス!』で渡された地図の文字が一文字も読めなかったんだよ。
(春日俊彰)ああ、渡されたね。ああ、そうですか(笑)。
(若林正恭)文字が小さすぎて。それで、「老眼をちょっとでも遅らせるにはどうすればいいですか?」とか聞いたら、「近くと遠くを交互に見るとか、マッサージとかが有効です」とか答えてくるから。だから、その検索ワードで入れて、検索の結果がダーッて出てくるじゃない? で、そこから選んでいくじゃん? だから、その作業がなくなるみたいなことらしいのよ。
(春日俊彰)ああ、なるへそ。
(若林正恭)そうそう。そしたらどんどんどんどん、どのへんまで答えられるんだろう?って思って。「現代の日本では、心を大切に生きるのは難しいですか?」っていうような、よくわかんない質問をしてみたの。そしたら「基本的に現代日本は競争社会で、みんながビジネスとかで競争しているから、たしかに心を大切にするのは難しいです。ですが、社会参加とかに目が向けられていて、今後は格差とかが広がる分、心の方にも目を向けられていくのではないでしょうか?」っていうような、鮮やかな一般論を返してくる感じなのよ。それで、もうちょい行けるかな?って思って「オードリー若林は今、どんな努力をすればいいですか?」って聞いてみたのよ。
(春日俊彰)それも答えてくれるの?
(若林正恭)そしたら、「コンテンツ制作に対する熱意を維持する」って出てきて。「若林さんはタレントとしてテレビには出てるんだけど、コンテンツというものがこれからはすごく価値があるから。もの作りに熱意をもっと傾けるといいのではないでしょうか?」とか答えるのよ。
(春日俊彰)それ、どういうところから……どうやってそれを導き出したんだろうね?
(若林正恭)「どうやってそれを導き出すんだろう?」って思うじゃん? それで俺、それをすすめてくれた人がオバラさんっていう人なんだけど。めっちゃ詳しい人だから。オバラさんに聞こうと思ったんだけども、その前にこのチャットAIに聞いてみようと思って。「お前、なんでそんなに答えられるんだよ?」って聞いたら、すごい難しいことを言ってきて。「ナントカカントカで、ディープラーニングして。何重にもネット
上のデータを集めて……」って。意味がわかんなかったけども。「それで私は答えています」みたいな。
(春日俊彰)へー。だって、ただの検索じゃないもんね。検索ワードでね、入れてもそんな風には出てこないわけじゃないですか。
(若林正恭)で、「お疲れ様です、ご苦労さまです」みたいに返したら、「とんでもございません。私を使ってくれて、嬉しいです」みたいに返してきて。
(春日俊彰)謙虚さもあるのね。
(若林正恭)そう。で、「コンテンツ制作に対する熱意を維持する」っていうのと「健康を大切にする」っていうのが出てきて。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! ほうほう。
(若林正恭)「芸能人は健康維持が欠かせないです。働きすぎて病欠になっては、また別の人がやってくるという、そういう世界ですから」みたいなことが書いてあって。だから、なんかしゃべり相手になるのよ。ドトールとかにいて。
(春日俊彰)ああ、たしかに。今のを聞いていてもね。何か言ったら、いくつか返ってきて。で、また聞いて、返ってくるしね。
(若林正恭)それでふと思ったんだけど。健康のことと、「俺、どんなことをやればいいかな?」っていうことを聞いてるじゃん? 「これ、サトミツと一緒だな」と思って。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! ほう! サトミツ(笑)。
(若林正恭)「もうサトミツ、いらねえな」って思って(笑)。AIがこんだけ進化したら(笑)。
(春日俊彰)たしかに。健康は絶対に言うよね。
「AIが進化したら、もうサトミツはいらねえな」
(若林正恭)サトミツとの話って、健康の話から始まるの。なんかサトミツに「何時に終わる?」みたいな。「もうニッポン放送にいる?」とかさ。「今、汐留?」とか。「今、ちょうど16階のカフェにいる」みたいな。で、しゃべったりすることも健康の話と、「俺、何をすればいいかな?」っていう話だから(笑)。
(春日俊彰)ああ、質問内容がもう同じなんだ。
(若林正恭)で、サトミツも鮮やかな一般論をかましてくるから(笑)。こんなことを言っちゃいけないけど、実体があるかないかぐらいだよ。だから(笑)。
(春日俊彰)なるほどね。中身は同じなんだ。
(若林正恭)もう「お前、サトミツか?」って聞こうと思ったぐらい(笑)。
(春日俊彰)いや、怖いね。それで「そうです」的なことが返ってきたら……(笑)。
(若林正恭)ちょっと今、聞いてみようか? 「お前、サトミツか?」って。あまりにもすごいから。「お前」でいいかな?
(春日俊彰)いいんじゃない?
(若林正恭)ちょっと聞いてみるわ。「サトミツか?」。
(春日俊彰)うん。イエスか、ノーか。
(若林正恭)今、聞いてみたよ。「いいえ。私は大規模言語モデルの、チャットです。私は人工知能であり、自分自身を制御することはできません」(笑)。
(春日俊彰)なるへそ。そこは安易に「そうです」みたいなことは言わないんだね。
(若林正恭)言わないのよ(笑)。で、なんかいろんなことを考えてるから。この間、収録で「最近の運動会は徒競走とかの順位を決めなくなりました。今はダンスとかで協調性と参加する楽しさが重視されています」みたいな特集をやったの。「へー!」って思って。俺らなんかさ、バリバリ1位から5位まで旗が並んで、並ばされていたじゃん? 小6まで、そうだよね?
(春日俊彰)そうよ。小学校、そうね。
(若林正恭)だよね? なんか、体育祭ってリレーだったんだっけ? クラス対抗の。
(春日俊彰)体育祭……中学・高校ってなんか、徒競争みたいなの、なかったね。たしかに。
(若林正恭)でもさ、それってさ、運動会で競わなくなってきたのって、いつ頃なんだろう?って思って。でも今、たとえば25歳ぐらいの人って、徒競走で順位を決めなかったの?
(春日俊彰)なんか、ゆとり教育の時にそうなったんじゃなかったっけ? なんか、差を、順位をつけないって。で、またゆとり教育がなくなったでしょう? それでまた復活をしたんじゃない? どうだっけ?
(若林正恭)そう思っていたらこの間、特集で「順位を決めない」とかやっていて。で、俺はそれをなんか、すごい変な……「こんなことを考えてる」ってことなんだけど。俺らの世代って、なんかこの間ふと思ったんだけど。「俺らの世代って、すごい競ってるな」と思って。なんか山ちゃんとか俺とか、「負けない」じゃないけど。そういう感じ、あるじゃん? 周りの芸人とかも、そうだったじゃん? でもなんかさ、最近の若い芸人さんってすげえ仲いいなって思ってたの。で、なんかその「競うって、なんすか? 寒くないですか?」みたいなノリを感じて。俺がなんか、すごい古い気がするっていう。
で、う俺も競ってないけど。なんか、「なんでそんな、誰が出てるとか気にするんすか?」みたいなのを感じるなと思ってて。で、徒競争がなんか簡単に繋がっちゃう人間だから。俺は。「それは、いつからなんだろう?」って気になって、チャットに聞いたのね。そしたら「日本の小学校の運動会は1970年頃から、徒競走で順位を決めなくなりました」ってAIが回答してきたの。で、俺はそこからAIともめちゃってさ。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! 「そんなはずはない!」と。
運動会の徒競走について、AIともめる
(若林正恭)「俺、44歳で1978年生まれで。80年代に小学校時代、主に過ごしたけど。全然バリバリ順位、決められてたよ?」って言ったら「失礼いたしました。たしかに80年代中盤あたりから順位は決めなくなってきて……」「いや、違う、違う。中盤あたりに順位、決めてたんだって。周りの小学校もそうだったと思う。周りのみんなに聞いても『順位、決められてなか』とか言うやつ、いませんよ?」みたいな。
そしたら「大変失礼いたしました。1990年頃から……」みたいなことを言って。なんかうやむやにされたっていうか。「それは学校によって違いますし」みたいな感じを返してきたから。「なんかそれ、ずるいな」って思って。で、その瞬間に「これ、結構危ないな」と思ったの。
(春日俊彰)なにがですか?
(若林正恭)だってさ、「70年代に決めなくなった」って言っていたけど、80年代は順位を決めてたじゃん? たぶんみんな、決めてたよね? だっていないじゃん? 俺らのタメで「うちは決めてなかったよ」っていうのとか。
(春日俊彰)聞いたことないね。
(若林正恭)だろう? っていうのをAIは「真実だ」みたいに言ってくるから。これ、大丈夫なのかな?って。だから「俺がこれから、変なことを聞いたら信じちゃうよ」と思ったの。
(春日俊彰)ああ、それはたまたま知っていた、経験があったことだから。徒競走は。だから「違う」って言えたけども。
(若林正恭)そうそう。だけどもっと勉強っぽい、マジで間違えて覚えちゃいけないことを聞いた時に、でもAIは間違えていたりもするから……って思って。俺、不安になって。「オードリー若林について教えてください」って打ったの。そしたら、「オードリー若林(若林リョウ)は……」って。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! 嘘だろ?(笑)。
(若林正恭)「嘘だろ?」って。これ、危ないぜ。このAI、結構。
(春日俊彰)誰?
(若林正恭)「若林リョウ」なんだって。いや、「誰だよ?」って思った。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! ボケてるわけじゃなくて?(笑)。
(若林正恭)これから先、聞いてよ。