渡辺志保さんが2022年10月31日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中で様々な問題発言によりバレンシアガ、GAP、JPモルガン、アディダスといったパートナー企業から契約を打ち切られ、20億ドル(約2800億円)の資産を失ったと言われているカニエ・ウェストについて話していました。
(渡辺志保)あとはその嫌な方向にエスカレートしないといいなというのは、まさにカニエ・ウェストさんを巡るシチュエーションですね。
(DJ YANATAKE)ここまで行くとは、予想していなかったね。
(渡辺志保)1日で20億ドルを失ったみたいな。
(DJ YANATAKE)じゃあ、ちょっとサクッと経緯を説明してほしいなと思って。
(渡辺志保)そうですね。話すと本当に本当にそのキム・カーダシアンとの離婚云々みたいなところまでさかのぼっちゃうんだけど。今月、10月の1ヶ月だけでカニエさん、カニエ・ウェストは自分が築き上げてきた帝国がガラガラッと音を立てて崩れてしまったというようなことになってしまいまして。で、いろんなきっかけがあるはあるんですけれども、ひとつ大きなきっかけになったのは少し前に『Drink Champs』っていうめちゃめちゃ有名なポッドキャスト番組があって。次回はN.O.R.E.なんですけども。その『Drink Champs』に何度目かの出演を果たしたんですね。
で、カニエがそこで結構はっきりとユダヤ人差別……アメリカの記事とかを読むと「Antisemitic」っていう風に書いてありますけれども。その反ユダヤ人主義者であるということをワーッと話して。かつ、その『Drink Champs』のインタビューではジョージ・フロイドさん。Black Lives Matterがさらに大きなムーブメントとなったきっかけでもあるジョージ・フロイドさんの事件がありましたけども。彼は白人の警察官に首を押さえつけられて、それで窒息死したということになってますけれども。カニエさんは「そうではなくてジョージ・フロイドさんは処方薬の一種の中毒で。それが原因だったんじゃないか」みたいなことを言っていて。それがまた、非常に論争を呼び起こすことになったんですよね。
(渡辺志保)で、『Drink Champs』はそのカニエが出た回をまず、どのポッドキャストも同じですけれども。Apple MusicとかSpotifyを通じて配信してたんですけれども。まず、その配信を取りやめたんですよ。カニエが出演していた回の。ただ、YouTubeにはまだそれが残っているような状況だったんですけれども、YouTubeからも取り下げて。それに関してはジョーイ・バッドアスなんかも「ずっとカニエのコメントを利用していたのに、自分のプラットフォームにカニエを呼んでおいて不都合な発言をしたからって削除するっていうのはあまりにも勝手すぎやしないか?」という風に苦言を呈していたりもして。私もそれは一理あるなって思っていて。
そういうことがあり、「カニエをキャンセルしろ!」みたいな波がまた一段と大きくなりまして。で、まずバレンシアガとかGAPとかあとはJPモルガンですね。それらの企業が「今後、カニエさんとは取引しません」ってなって。JPモルガンは「カニエにはもうお金を貸しません」という宣言をして。あ、ごめん。ちょっとね時系列が逆になっちゃった。まずJPモルガんがカニエに対してそういう宣言をして。その後に出た『Drink Champs』でカニエがジョージ・フロイドさんの話とかをして。
それでカニエは「俺がいくらユダヤ人蔑視的な発言をしても、アディダスは俺とは契約を切れない。ワッハッハッ!」みたいな感じで話していたんですよ。そしたらバレンシアガとGAPに続いて、あのアディダスもカニエ・ウェストとはもう決別したということが発表されて。で、今のカニエさんの収入を見ると、そのパーセンテージ(割合)が一番でかいのはアディダスらしいんですよ。ちょっと今、ちゃんと手元に数字とかはないんですけども。私も調べて準備すればよかったんですけど。
(DJ YANATAKE)なんか噂によると2200億円ぐらいの損失があったって。
(渡辺志保)だから2Billionとかって書かれていて。それでアディダスも「四半期の売り上げを全く失ったとしてもカニエと今、こうしてパートナーシップを続けることの方が会社にはダメージが大きい」ということで契約を切った。でも、そうしたら逆にカニエが自分の一番デカいスポンサー……どんなに自分がめちゃくちゃなことをしても離れないという風に豪語していたほどのスポンサーが実際、自分の元を離れてしまったから、ここ数日はちょっとしおらしいカニエになっていて。
アディダスまでもが契約を打ち切る
*ADIDAS PLANS TO END KANYE WEST PARTNERSHIP OVER 'OFFENSIVE BEHAVIOR' – https://t.co/FlCcpyHB39 pic.twitter.com/N7uCEWXeBM
— Investing.com (@Investingcom) October 25, 2022
(渡辺志保)「神様のおかげで今、俺はHumble(謙虚)な気持ちになってます」とか「ジョージ・フロイドさんの件も申し訳なかった」みたいな。「俺も今回、自分の首を締め付けられるような、同じ痛みを味わった」みたいなことをいきなりInstagramに書いていて。「あらららら……」みたいな。
(DJ YANATAKE)なんか本物かどうか、わからないんだけども。さっき見たんだけど。アディダスが発表した1枚の広告、見ました?
(渡辺志保)見てない、見てない。
(DJ YANATAKE)アディダスのロゴが入ってて「BYE」って入っているのね。で、「B」だけ色が違くて「YE」は別の色なの。めっちゃ洒落た広告だって今、バズッているんだけど。
(DJ YANATAKE)要するに「YE」のところだけ色が変わっていて、アディダスのロゴが入っているっていう。
(渡辺志保)で、カニエも今、消しているけども。Instagramでちょっと前にそのYeezyの商標っていうのはカニエが持ってるらしくて。「だからアディダスが離れたとしても、あなたはいつ、どこででもすぐにでも、またYeezyを始められますよ」みたいな、たぶん弁護士か誰かからのショートメッセージをスクショしてインスタに上げていて。その後、たぶんカニエ、スケッチャーズに行ったらしいんだよね。
(DJ YANATAKE)スケッチャーズにね。
(渡辺志保)で、スケッチャーズで門前払いされたっていう。それで、そんなカニエさんに対してアリ・エマニュエルさんっていうアメリカの総合格闘技UFCのオーナーである、すごい超ビジネスマンの方。彼はシカゴ出身だそうなんですけど。アリ・エマニュエルさんがファイナンシャルタイムズかなにかに特別寄稿をしたんですよね。で、このアリさんはユダヤ系のビジネスマンということで。「カニエさん、ちょっといい加減にしないとあんた、痛い目を見ますよ」みたいな特別寄稿をしていて。で、「カニエとパートナーを結んでる企業は自分の意見を表明しろ」的なことを書いたら、今度はカニエがそれに対してInstagramで反撃して。
で、「僕はまるで今、ソーシャルメディア上でリンチを受けているような状態なんです。アリ・エマニュエルさんよ、俺のことをどうにかしてくれ。リンチを受けている俺を助けてくれ」みたいな。で、カニエはドンダ・アカデミーっていう学校もちょっと前に作ったんですよね。で、ドンダ・アカデミーも今回のバックラッシュを受けて、今期は休校するということで。それで今、その60人の子供たちの転校先を探していて、めちゃめちゃ困ってるというようなことを書き連ねていて。で、そこに「あなたの兄弟のラーム・エマニュエルさんにもお願いしたい。ラーム・エマニュエルさん、俺の状況をどうにかしてくれ」っていうような手紙をInstagramのポストにしてるんですけれども。
私さ、ちょっと今回の事件ですごい調べちゃったんですけど。ラーム・エマニュエルさんって、何を隠そう今、日本にいらっしゃるアメリカ大使の方なんですよね。で、今日本にお住まいなのよ。今年の1月から。で、元々オバマ前大統領の側近という方で。シカゴ出身で。シカゴの政治家は「このラーム・エマニュエルさんの書いた本を政治家なら絶対読め」と言われているほどに素晴らしい功績を成し遂げた方で。
かつ、日本のアメリカ大使館のホームページをさっき、読んでたんですけど。ラーム・エマニュエルさんはシカゴの学校教育を改善して非常に高い評価を得た偉大な政治家の方ということなんですよね。だからこそ、彼に対して「ドンダ・アカデミーの子供たちをどうにかしてくれ」という風にお願いしてるのかなって思うんですけれども。今、日本にいらっしゃって。つい最近まで沖縄を訪問していらっしゃったラーム・エマニュエル在日米大使。彼は何かアクションを起こされるんでしょうか?って思って。
でも、カニエさん、私はもう本当にゆっくり休んでほしいなという風に思うんですね。で、今日もコンシークエンス……カニエを本当にデビュー前からずっと支えていたカニエの右腕というか両腕とも言いたくなるような、もうほぼほぼカニエの全てのアルバムに楽曲に関してもライティングでも携わっていて。公私ともにずっと付き合いのあるコンシークエンスがG.O.O.D.ミュージックのみんなに「なんでみんなカニエをサポートしないんだ? みんな、ちゃんと公にコメントを出してくれよ? なんで俺の名前しかニュースに載っていないんだ?」みたいな感じでアーティストに呼びかけていて。
なので、ちょっとこういうカニエを心配する方、擁護する方っていうのがちょいちょい出てくるのかなという風にも思っていて。だからぜひラーム・エマニュエル大使が何かアクションを起こされるのだとすれば、京都のお寺の宿坊とか、どうかな?って勝手に思っていて。カニエさん、以前から禅の世界とか好きだから。日本のね、そういうところでゆっくりされるのもひとつのプランではないかという風にも感じたところです。まあ、これは別に冗談半分だけど。ただ、13時間前にカニエがポストしたInstagramだと「Donda Doves Atlanta Homecoming Sunday」っていうのを11月6日。今週の日曜日にアトランタにあるモアハウス大学でやる。
で、モアハウス大学って本当に超名門の黒人大学で。スパイク・リーとかもモアハウス大学出身なんですよね。そこでホームカミングの何かこれは催しなんですかね? それをやるということで。「皆さん、全身黒い格好でお越しください」ということで。これ、どういう流れになるのか?って。他にもね、ジョージア州の共和党の議員さんの写真なんかも上げていて。どういう流れなのかな?って。
(DJ YANATAKE)まあ、なかなかね、志保さんもすごい大ファンだから。なかなか言葉を選んでしゃべってるような感じですけども。でも、やっぱりダベイビーしかり、トラヴィスはまたちょっと例が違いますけど。やっぱりなんていうか、今、1個の失言で……まあ、カニエは1個じゃないですけど。でも、キャンセルカルチャーというものに飲み込まれていく状況っていうのがあるじゃないですか。これ、たぶん日本にいるのもやっぱりアメリカにいるともっと深刻に発言を受け止められてるような気はするんですよね。
(渡辺志保)それはそうよね。
(DJ YANATAKE)やっぱり、うーん……。これ、でもちょっと「反省しました」って言ってるぐらいじゃ、もう戻れないところまで来ちゃっているよね。今、正直ね。
(渡辺志保)そうですね。あと私はね、イギリスのガーディアンが今回の一連の顛末について書いた記事がちょっと前にアップされていて。それも読んだんですけど。やっぱりテイラー・スウィフトのアワードの授賞式に乱入しても、キム・カーダシアンを嫁にしても、そしてトランプとあんなに懇意になっても、やっぱりそのカニエの欲求(エゴ)は満たされないのだ、みたいなことが書いてあって。だから今後もっともっともっと深いところまで堕ちてしまうのか? みたいな、結構辛辣な記事が書いてあって。
(DJ YANATAKE)そう。だから結構調べてるとやっぱりさ、DJ的にもちょっとカニエの曲はしばらくかけられないんじゃないかな、とかさ。
しばらくカニエの曲はかけられない?
(渡辺志保)まあね、そうでしょうね。アメリカのラジオ局とかで実際、そういうことをしてる人がいるかもしれないし。している局とかパーソナリティー、DJの方もいらっしゃるかもしれないですよね。
(DJ YANATAKE)なんかそういう話をちょっとDJの間でしたりもね、しているんですよね。まあ、どうなっていくのか?っていう感じですね。
(渡辺志保)そう。でも本当、私がさっき例にあげたジョーイ・バッドアスの意見も一理あるよなって私は思っていて。で、今までカニエって自分のことをスティーブ・ジョブスとかディズニーとかと並べながら、本当に「クレイジーじゃない天才なんていない」っていうことを自分でも言ってて。で、周りもいわばそれを享受するというか。エンタメとして面白いねっていうのもそうだし。たぶんアディダスとかバレンシアガもその他の人にはない、すごい才能を求めてカニエと契約をしていたわけじゃないですか。それをなんか、ちょっとその枠をはみ出たら、何十億ドルもの損失をもたらすほどの契約打ち切りになるって、やっぱすごいなっていう。よくも悪くも……まあ「悪くも」なんだけども。
(DJ YANATAKE)まあ、そうだね。それぐらいのところにいた人だからってことなんですけどね。まあちょっと、時間がなくなってきちゃったんでね。また、動きは絶対あるから。またやりましょう。
(渡辺志保)ちゃんと私も下調べして話したいなと思います。ちょっと口からでまかせみたいな感じでしゃべっちゃったから申し訳ないです。
<書き起こしおわり>