渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でJeezyのアルバム『Pressure』の中からJ.ColeとKendrick Lamarをフィーチャーした『American Dream』を紹介していました。
(渡辺志保)で、さっきもちょっと話に出ましたが、ここでまた私の推しチューンをお送りしたいと思うんですけども。同じく、リリースラッシュがワーッとありましたけど、そこで目が離せないのはヤング・ジージーことジージーですね。新しいアルバム『Pressure』をリリースしたということで。で、そのリードシングルがまたよくぞこのタイミングでこの2人を持ってきてくれました!っていう感じがするんですけども。J・コールとケンドリック・ラマーを招いた『American Dream』という曲があります。
もう聞いてらっしゃる方もたくさんいるかと思うんですけども、タイトルの通り、いまの情勢についてヤング・ジージーとJ・コール、そしていちばん最後のアウトロっぽいところでケンドリック・ラマーがラップをしているんですけども。やっぱりケンドリック、あんまりバースは長くはないんだけど、めちゃめちゃタイトなラップをしてくれています。っていうのと、『American Dream』っていう曲なんですが、ジージーはこの曲の中でも、いまの現政権の批判なんかをしているんだけど、遡ること約10年前。2008年にオバマ政権が誕生するタイミングで『My President』という曲をかつて発表していて。それはナズと一緒にやっていたんですけども。
Young Jeezy『My President ft. Nas』
で、これは「俺の大統領は黒人、俺のランボルギーニはブルーだ(My president is black, my Lambo’s blue)」みたいなことを冒頭からラップしている曲ということで。私は今回、この『American Dream』という曲を聞いて、過去にジージーがリリースした『My President』をすごい思い出したりもして。やっぱり常にこういうトピックっていうのは、ヤング・ジージーも普段はハスラーじゃないですか。で、サグ・モチベーションみたいな感じでラップしてますけども。そういう彼でも、こういうポリティカルな視点というのはずっと忘れていないトピックのひとつなんだなと改めて感じたというのと。
で、今年は1年間、そういうラップ作品がすごく多かったと思うんですね。現状への不満、ひいては政権への不満であるとか、アメリカという国全体に対しての自分のいろんな思いというのは、それこそケンドリック・ラマーもそうだし、ジェイ・Zもそうだし、ジョーイ・バッドアスなんかもラップしてきたトピックだと思うんですけど。で、ちょっとファッション的にこういうことを取り入れるようなラッパーの人ももしかしたらいるかもしれないけども、それにしてもやっぱり、今年をすごく象徴するトピックのひとつだったと思いますし。そういうところがヒップホップのヒップホップたるところっていうかね。まあ、社会的にマイノリティーであっても、こういう風に声を上げればいいんだよ、みたいなことをすごく感じが曲でもありますので。
この年末のタイミングでまたこういう曲が1曲、シーンに出てきたということはすごいなと。すごく、軽々しく受け止めちゃいけないな、みたいなことを思った次第です。というわけで、さっそく聞いていただきましょう。ジージー feat. J・コール&ケンドリック・ラマーで『American Dream』。
Jeezy『American Dream feat J. Cole & Kendrick Lamar』
はい。いまお聞きいただいておりますのはジージー feat. J・コール&ケンドリック・ラマーで『American Dream』でした。
<書き起こしおわり>