星野源『ヘアスプレー』とジョン・ウォーターズ作品を語る

空気階段『ヘアスプレー』でミュージカルの面白さに目覚めた話 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年10月4日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でミュージカル『ヘアスプレー』を見に行った際の模様を紹介。さらにはジョン・ウォーターズ版の『ヘアスプレー』やその他のジョン・ウォーターズ作品について話していました。

(星野源)それでこの間、あれなんですよ。『ヘアスプレー』を見に行ってきたんですよ。渡辺直美さんがね、主演で。久しぶりちょっと舞台を見に行けて、すごく嬉しかったんですけども。あのね、なんか本当にとても素晴らしい席がたまたま取れまして。ずっと前から……コロナが流行る前に、本当は上演する予定だったんですけど。だからその時から、すごい楽しみにしてたんですけど。コロナで一旦、中止になっちゃったのがやっと上演することになったようで。もうずっと、楽しみにしてて。ギリギリ、東京最終日のちょっと前に行けたんですよ。

あの、非常に、めちゃくちゃ素晴らしかったんですよ。で、これからね、見に行く方。これからの大阪とか、いろいろ、いろんなところであると思うんですけども。ぜひ、楽しみにしていただきたいなと思うんですが。なんかね、音楽も素晴らしかったし。出演者の皆さんもめちゃくちゃすごかったし。何よりもやっぱりね、渡辺直美っていう人のすごさみたいな。いや、すごい。「すげえ!」と思いました。トレイシーという役なんですけど。そのトレイシーの、なんていうか、渡辺直美とトレイシーが元々持つ、見てるだけでも幸せになるっていうか。

本当に、見ているだけでなんか笑っちゃう。ニコニコしちゃうみたいなね、その感じがですね、渡辺直美であり、トレイシーであり、みたいな。そういう感じがしてですね。歌も超素晴らしかった。すごかったし。ダンスも素敵だったし。これをね、もう何十公演やるっていう。なんていうか、ミュージカルだから歌って踊るわけですけど、ほぼノンストップで。セリフももちろんあるんだけど、ずっと歌って踊ってってやってるから、もう本当に「体力、大丈夫かな?」っていうぐらい。でも、本当に出演者の皆さんも直美ちゃんもですね、もう全力で最初から最後まで踊って。当たり前ですけど。「こんなに体力があるのか!」っていう。

それを1日2回公演とかね。しかも1ヶ月ぐらいずっとやってるっていうのもすげえなと思ったし。楽曲も……元々、ブロードウェイミュージカルの曲だというのもあると思いますけど。めちゃくちゃ曲がよくてですね。もうなんか、後半のとある1曲で、なんですかね? まあ、感動する部分もうあるんですけど。なんかいわゆる、泣かせるようなシーンじゃ全然ないんですけど。なんか気がついたらもう、目の下がビショビショになっていて。なんですかね? しかも出ている皆さんがめっちゃ楽しそうなんですよ。皆さんがなんか生命を爆発させているっていうか。なんかさ、あんまり堅い話をするつもりないんだけど。

なんか、1日1日、生きていて。不安になる時も……「いつか死ぬ」って思うと。僕は今、40をもう超えてさ。やっぱり、なんだろう? なるべく長生きを超したいけど。なんていうか、「やりたいことをできるだけやりたいな。でも、どれぐらいできるのかな?」みたいな感じで、不安になったりしてたし。あとコロナの後にも、結構落ち込んだりもしてさ。「健康的に生きたいな」なんて思ったりしていく中で、生命を爆発させてさ。でも、「命を削ってる」ってよりかは「生命を爆発させてる」みたいな。パッションがすごいあって。「ああ、こういう風に生きたいな」と思ったんだよね。

生命を爆発させている

(星野源)で、なんか音楽の良さも相まって、ビショビショに泣いちゃって。いや、素晴らしかったですね。で、なんで元々楽しみにしていたか?っていうと、ブロードウェイが評判だっていうのもあったし。そのブロードウェイを元に作られた、ジョン・トラボルタとかが出てる映画の『ヘアスプレー』が大ヒットしてたっていうのもあると思うんですけど。僕、そもそもその前の、ブロードウェイミュージカルが作られるよりも前に作られていた映画で『ヘアスプレー』っていう映画があって。それが原作なんですよ。

で、その映画がめちゃくちゃ好きで。ジョン・ウォーターズっていう監督が脚本・監督で作った映画なんですけど。ジョン・ウォーターズが僕は大好きで。もう20年前ですかね? 見て。「うわっ、めっちゃ好きだ!」と思って。そういうのもあって、とてもその世界がね、目の前で見れるっていうのもあって、非常に楽しみだったんです。で、見た後にもうなんか楽しくなっちゃって。家に帰った後も『ヘアスプレー』のブロードウェイミュージカルの人たちのキャスト版の『ヘアスプレー・ライブ!』っていう映像作品があったりとかして。それを見て。で、サントラを聞いて……みたいな。

(星野源)俺、なんかあんまりそういうの、したことがないですよ。なんか、映画を見た後にサントラすごい聞きたくなって、サントラを聞くとか。結構、その映画作品だったり、舞台だけで満足しちゃうことが多いんすけど。なんかすごいよ良かったし、楽しかったっていうのもあって、なんかサントラずっと聞いちゃったりとか。その映像を見たりとかね、していって。その中で、久しぶりに……「ちょっとしばらく見てなかったけど、ジョン・ウォーターズ版の『ヘアスプレー』を見てみよう」と思って見たら、もう本当に面白くて。

で、『ヘアスプレー』ともうひとつ……今ね、なかなかジョン・ウォーターズの映画がたとえば配信とかで見られなくて。DVDを買ったりとかしないといけない場合が多いんですけど。『ヘアスプレー』はたしか配信がね、なかった気がするんですよ。俺は見つけられなかったの。なんだけど、家にDVDがあるんで、それを見て。「いやー、やっぱり面白い!」と思って。

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(星野源)あと配信にある昔のジョン・ウォーターズの作品で……『ヘアスプレー』って80年代なんですよ。88年とかかな? なんか、そのぐらい作品なんですけど。で、その後に撮った作品だと思うんだけど『クライ・ベイビー』っていう作品があって。それも俺、めちゃくちゃ好きなんすよ。めちゃくちゃ好きで。それは配信にあるので、ぜひ見れる方は見てください。ジョニー・デップの初映画主演作だと思うんですけど。

もう、『ヘアスプレー』もそうなんだけど、なんかね、いまだに声を出して笑っちゃうんですよ。『ヘアスプレー』もヘアスプレー……とにかく髪型を盛ってダンス番組に出たいっていうティーンの女の子の話なんだけど。ヘアスプレーでね、髪を固めるわけですよ。で、そのジョン・ウォーターズ版のオープニングで「Hairspray♪」っていう曲あるんだけど。それがオープニングで流れながらヘアスプレーをみんな、かけるんだけども。そのかけかたの量が尋常じゃないですよ。

もう、ちゃんと固まってるのに、「これでもか!」ってぐらいかけるんだけど。主人公のトレイシーっていう女の子の相手役のリンクっていう男の子がいるんだけども。その男の子がスプレーをかける時にもう、いっちゃいそうな顔をしていて(笑)。すごいいっちゃいそうな顔しながら、延々と髪の毛にスプレーをかけているシーンとかが結構長く映ったりとかして。もう声を出して笑っちゃうし。

あと『クライ・ベイビー』も、とにかくワルなんですよ。ジョニー・デップが不良なんですよ。で、学校一の清楚って言われてるお嬢様みたいな女の子が恋に落ちるみたいな話なんだけど。で、なんかもう不良側にめちゃめちゃ魅力を感じてしまって、不良たちが集まるライブハウスとかに行っちゃうみたいな話なんですけど。どっちもその社会的弱者だったり、のけ者にされてる人たちの魅力に全体が負けてなだれ込むみたいな話なんですよ。

で、その『クライ・ベイビー』もなんかライブしてロックして、ジョニー・デップがもうめっちゃかっこよく、プレスリーかのごとく歌うんだけど。その後に夜、野原でカップルたちがずっと、寝ながらチューしてるわけですよ。その隣の野原で。で、ジョニー・デップももうすごい愛撫をするんだけど。その女の子が「私はディープキスしたことがないんだ」って言うと「教えてあげる」って言ってキスをするんだけども。そのディープキスの仕方がもう、なんて言えばいいんだろうね? イジリー岡田さんなんだよ。フハハハハハハハハッ!

もうそこで声を出して笑っちゃうぐらい、ベロベロベロッ!みたいな。でも、それを「めちゃめちゃセクシーだろう?」っていう感じで演じてて。もちろん、コメディだから笑っていいんですけどし。もう本当に超真面目にコメディやってる感じがあって、最高なんですよね(笑)。

(星野源)なので今、ちょっとジョン・ウォーターズが……それこそね、20年前ぐらいに川勝さんの本で知って。私はもう、川勝チルドレンですから。それでもう夢中になって……みたいな。その頃、まだ大人計画に入る前で。90年代の松尾さんとジョン・ウォーターズって、なんかその時は近しいものを感じてたんですよ。今は松尾さん、ちょっと全然違う感じになってると思うんすけど。だからなんか、そういうのもあってすごい夢中になって見ていて。で、ことあるごとに見直すんですよ。

で、ジョン・ウォーターズの何がいいかって、もう流れてる曲も全部かっこいいんですよ。もう、変な曲とか一切、流れないっていうか。まあ変な曲が流れる時もあるんだけど、それもめっちゃかっこいいみたいな。もう、音楽がどう考えても大好きだろうなって感じだし。そこは趣味の……まあ「悪趣味の帝王」みたいな言われ方をされてるんですよ。ジョン・ウォーターズって。でも、なんかやっぱりセンスの塊。センスの良さっていうか。悪趣味という分野であっても、超趣味がいいっていう、なんかそこらへんの感じがめちゃくちゃ好きでですね。

で、今日は『ヘアスプレー』の原作の、元々の方。だから原作はミュージカルの部分もちょっとあるけど、いわゆる今回の舞台でやってた曲っていうのは1曲も流れないんですよ。なので、それはブロードウェイミュージカルからの歌なので。『ヘアスプレー』の歌っていうのは。で、元々のジョン・ウォーターズ版のオリジナルの『ヘアスプレー』っていうのは50年代から60年代に変わって、若者たちが時代をいろんなものを巻き込んで変えていくみたいな話なんですよ。なので、60年代の一番かっこいい音楽っていうのがめちゃめちゃ詰まっていて。

だからそれは、その当時流れてた音楽とか、レコードっていうのがめちゃめちゃオリジナルとして流れるんですよ。なので、今日はそこで流れてる曲を結構選曲していこうかなと思っております。で、この番組でたぶん1回流したかなと思うんですけど。僕はこの曲を一番最初に聞いたのは『ブルース・ブラザーズ』っていう映画のレイ・チャールズのカバーなんですよ。で、それの元になった曲で、アレンジもね、たぶんここから来てると思う。まあ、いろんな人がカバーした曲ではあるんですけど。それをまず、今日の1曲目としてかけたいと思います。The Five Du-Tonesで『Shake a Tail Feather』。

The Five Du-Tones『Shake a Tail Feather』

(星野源)お送りしたのはThe Five Du-Tonesで『Shake a Tail Feather』でした。で、この曲はジョン・ウォーターズ版の『ヘアスプレー』の中で割と最初の方に流れるんですけど。そのダンスシーンもめっちゃかっこいいんですよね。それもぜひ見ていただきたい。

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