星野源と寺坂直毅 ラジオ業界への入り方を語る

星野源と寺坂直毅 ラジオ業界への入り方を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年9月27日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で就職活動でラジオ業界に入りたい人が増えているという件を紹介。作家の寺坂直毅さんとラジオ業界への入り方について話していました。

(星野源)さっき、ちょっと興味深い話をね、作家の寺ちゃんとしてたんで。ちょっとその話を僕も聞いてみたいんだけども。今日、ADをやってくれていた研修中のね、小笠原くん。小笠原くんが今日、最後で。お疲れ様でした。これから違う番組にね、研修にまた行くということで。ただ、その研修が終わったらまたこの番組に来いたりするかもしれませんから。これと永久にさようならというわけではないんだけれども。今日、一旦研修が終わりで。

で、また別の研修の方が……岩田さん、よろしくお願いします。岩田さんが来てくれました。なので来週からは岩田さんということで。それで、その話をしてたら僕の前にいる作家の寺ちゃんが今、ニッポン放送とか制作会社のミックスゾーン。ディレクターの野上くんとかも入っているミックスゾーンなんかも、すごい入社したいという希望者が増えてるらしくて。「ラジオ業界に入りたい」っていう人がすごい増えてるんだってね。ああ、大人気なんだ? そうなんだね。それで、前は学歴とか、そんなに関係なかったんでしょう?

(寺坂直毅)専門学校とか。

(星野源)専門学校卒とかでも全然入れたんだけど、割となんか今は大学出とかで。学歴とかもあるんだね。まあ、あるのか。

(寺坂直毅)競争倍率が高くなっているみたいですね。

(星野源)そうなんだね。そこでちょっと思ったのが、昔ははがき職人でね、いろんなネタメールとかネタはがきとかを出して。そこから気に入られて、作家になるみたいな人もいたじゃん? で、「そういう人、今はいるの?」みたいな話をしてて。今って、いるの?

(寺坂直毅)あの、いらっしゃるとは思うんですけど、あんまり聞かないんですよね。その、作家オーディションみたいなものとか、あとはそれこそ今ではやってはいけないことですけれども。ニッポン放送とかで出待ちみたいなのをして。「作家にさせてください」って直談判をする方とか。今ね、もちろん出待ちもできないですし。だからなかなか聞かないですよね。

(星野源)そういうの、昔は結構聞いたけど。今、作家に……ラジオが盛り上がっていて、作家になりたい人だってたぶん、すごいいるじゃん? ラジオ業界で働きたい人もいるし。だから、なんて言うの? ラジオを取り巻く環境って、すごい変わったよなと思って。寺ちゃんって、どうやって作家になったの?

(寺坂直毅)僕は放送関係の専門学校に行きまして。で、求人票で、放送作家募集っていう風に書いてあったんでそこに受けに行ったら、「放送作家なんか甘いんだよ」って言われて。

(星野源)「甘い」?

(寺坂直毅)「そんなにすぐになれると思うなよ」って言われて。「AD、アシスタントディレクターをやれ」って言われて、テレビのADを5年、やってました。

(星野源)5年もやったの? そうなんだ。5年、やってから……。

(寺坂直毅)で、ちょくちょく、いろんなプロデューサーさんに「僕は本当は作家をやりたいんですよ」って言って。「じゃあ、ちょっといろんな番組、ノーギャラでついてみる?」って言われまして。ノーギャラでやってましたね。はい。

(星野源)へー! でもやっぱりそこでちゃんと自分で「作家をやりたいんです」っていうアピールをちょこちょこしてたんだね。

ADをしながらアピールを続けて作家になる

(寺坂直毅)そうですね。で、その時も「デパートが好き」とか「紅白歌合戦が好き」とかってことをいろんな人に話していたら、そういう……たとえば「昭和のアイドルが出る番組をやるから、手伝う?」とか。そういう感じでお仕事をいただくようになって。

(星野源)素晴らしい。ちゃんと自分でさ、活動をしてるってことだよね。そういうの、大事だよね。その、作家になれなかったけど、でもとりあえずアシスタントディレクターをとりあえずやってみるみたいな。でも、その中でもそこで止まらずに……みたいなことでしょう?

(寺坂直毅)そうですね。そこで誰かと接点ができるから。ADということで。とりあえず、まずは業界に入ることが大事なんで。

(星野源)そうだよね。だから寺ちゃんの時点で、やっぱり作家さんになるっていうのは大変だったっていうことだよね?

(寺坂直毅)大変でしたね。だって別に会社じゃないので。みんな、フリーランスだし。

(星野源)ああ、そうか。でも作家さんがいる会社もきっとあるよね?

(寺坂直毅)ありますね。作家事務所もあるんですけど。別にそこに入ったからと言って、仕事がもらえるわけじゃないんですよ。あとは自分で頑張って、なんで。まあ、誰かに弟子入りをするとかはあると思うんですけども。基本はやっぱり、みんな自分で名刺を持って、歩き回ってお仕事をいただく仕事だとは思うんですけど。

(星野源)だからもし今、これ番組を聞いて。「ラジオ、ちょっとやりたいな」って思ってる人は……だからハードルはきっと今、高くなっちゃってると思うから。どこでも今、大変だと思うんだけど。なんか今、盛り上がってるもんね。だから僕がオールナイトニッポンをやらせてもらうようになった時と、雰囲気がもう全然違うよね。雰囲気、違うんだよ。ニッポン放送の雰囲気も違うんだよ! なんか。

でも、やっぱりあの時でさえ……2016年か。でさえ、昔はもっとだったと思うんだけど。やっぱりね、殺伐としてて。「殺伐と」っていうか、なんかやっぱり1放送1放送が勝負な感じ。いつ終わるかわかんないみたいな感じはやっぱり……まあ、今もありますけど。前はもっとあって。やっぱり、他の番組ともなかなか仲良くするみたいな感じでもないみたいなのはあったよね。あと、他局に出るっていうのが全然できなかったじゃない?

(寺坂直毅)そうですね。

(星野源)僕はバナナマンさんのお二人の番組にずっと、誕生日の時に出させてもらっていたから。「それをやらせてください」って言ってやらせてもらえたのが、たぶんかなり快挙だったと思うんですよね。

(寺坂直毅)本当にそうです。あれはちゃんと話し合って。「ぜひぜひ」という。

(星野源)そうそう。だから今では普通に日村さんがこっちに来てくれたりね、設楽さんもオークラさんも誕生日をお祝いに来てくれたり。僕も変わらず毎年、行ったりするけど。だから2016年ってこの間じゃん? もちろん、数年前だけども。だからもう全然変わったなと思って。で、自分は前から「なんでテレビ局でテレビのレギュラーを持ってる人は各局でレギュラーを持ってるのに、ラジオは各局でレギュラーを持てないんだろう?」ってすごい思っていたんだよね。

なんかやっぱりあっちのラジオ局に出ると「ああ、あっちに出るんだ」みたいな感じが……それは会社の中の人たちだけじゃなくて、リスナーが特に「あっちに出るんだ。裏切り者!」みたいな。だって、そういうメール来たもん。J-WAVEが好きで聞いてた人から。だからすごい悲しかったのを覚えてるの。「なんでそんなことを言うんだろう? だって、同じラジオじゃん?」みたいな。

だからなんか、僕はそのJ-WAVEをやらせてもらった時の気持ちって、すごいすごい素敵な番組だったし、大事だったからさ。でも、なんかそれが今はたぶん全然違うと思うんだよね。どの番組でも。もちろん、思い入れがある番組がある人はもちろん、いっぱいいると思うからあれだけど。でも、「こっちに出るならあっちには出るな」みたいな感じの人って、特にリスナーさんってすごい少なくなったんじゃないかなって。「触れられる場所が多いなら、それはそれで……」みたいな。だからすごい、いいなあと思ってますね。

そういう部分で……でも、ラジオ人気みたいなさ。なんか前よりさらに、ねえ。盛り上がってきているし。作家さんの本も出たじゃん? 『深解釈オールナイトニッポン』とかね。あれ、ヒカルちゃんが頑張って企画してやってるじゃん? そこらへん、盛り上げようとすごいしてるっていう感じもあるし。だから本当に皆さん、オールナイトニッポンにもしね、「入りたいぞ」なんて思ってる人がいたらぜひ、この番組を支えてもらいたいですよね。

(中略)

(星野源)最初のお話のリアクションが来ています。福岡県の方。「ラジオ関係の仕事ですが、『バナナムーンGOLD』のAD泥棒さんはラジオの仕事がしたくて滋賀から原チャリで10時間かけて上京してきたそうです。それぐらいの根性がないと、ラジオ関係の仕事には就けませんね」。そうだね。まあでも、電車で来ればいいなって思いますけどね(笑)。この原チャリで10時間かけるかどうかは本人のね、裁量ですから(笑)。そうですね。そういう風にエピソードを自分でさ、盛っていくのはちょっと面白いね(笑)。「ここまで苦労して、来たんですよ!」みたいなのはちょっと面白いね(笑)。いや、面白いですね。

でも本当に……今はね、またちょっと全然違うから。来ても何もあれもないってことの方が多いと思いますけど。当時はまだね、あったんでしょうね。面白いね。東京都の方。「私は今、大学3年生でエンタメ業界を目指して就活をしています。他の業界よりも、やはりエンタメ業界は人気が高く大変です。ちなみに、佐久間さんもニッポン放送に入りたかったけど入れなかったというお話されていて、ニッポン放送の人気は昔からすごい印象であります。いつか働けるように就活、頑張ります」。そうですね。頑張ってください。就活、本当にね。

大変だってね聞きますね。そう。自分が就活をしたことがないんでね。本当にもう、こういう……高校生の時に「今やってるこれを続けるしか、もう無理だわ。ちゃんと働くのは俺はもう全然無理だと思う。ここしかない」って感じだったのが、ありがたいことにね、いろんな運がよいのが重なって。自分が頑張ったのもあって今、ここにいれるとは思うんですけども。いろいろあるね。ちょっと就活……いろいろあるね。本当にね、いろんな道がありますよね。

本当にいろんな道がある

(星野源)なんか、「頑張っていくしかない」ってなって。でもそこがダメだった。「ギャー!」みたいになったら、その横にいきなり近道できたりしたりするからね。だから本当にわかんないもんですよね。最初から計画して、完璧完全な人生なんてあるのだろうか? 自分はもう、本当に行き当たりばったりで来れたっていうのが、運がいいなと思いますけど。そんな感じで、こんなメールもどんどんお待ちしております。「ラジオ業界やりたいよ」みたいな人のメールもね、ちょっと読んでいこうかと思います。

<書き起こしおわり>

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