星野源『生命体』日本語歌詞と英語歌詞の違いを語る

星野源『生命体』楽曲制作と歌詞に込めた思いを語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2023年9月19日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『生命体』の日本語歌詞と英語歌詞の違いについて話していました。

(星野源)千葉県の17歳の方。「源さんの公式Xで上げられていた『生命体』の英語歌詞を翻訳にかけながら読みました」。ああ、なんかいいですね、それ。「すごく印象に残ったところは『君の為と引かれた線路 進めと』の英訳部分です。私は英語の歌詞を読むまで『『君の為と引かれた線路』とは『1位や自己ベストへの自分だけの道』のようなポジティブなものだと思っていました。ですが英語歌詞(『“Head down the track we laid for you,” they said』)を読んでみると『自分の理想や期待を押し付けてくる外野』みたいなことなのかなと考えが変わりました。その考えのもと、『選ぶのは生き様と地平』に繋がるのだと思い至った瞬間は脳汁ドバドバでした」(笑)。いいですね。

「英語歌詞のおかげで私の中のこの曲の解像度がすごく上がりました。今度は翻訳にかけなくても英語を理解できるよう勉強、頑張ろうと思います」。ああ、いいですね。これはいいですよ。こういうことをするのは、すごいいいですね。で、まさにそうですね。で、一番最初の「気が付けば競ってるの」っていうところもそうですけど。あれは、なんだろうな? やっぱり「競技」のことじゃないんですよね。いわゆる人間っていうのは、生まれた瞬間から競争社会の中にいるっていうのが……歌詞が読める人とかっていうのは、それをなんていうか、言葉を言葉の意味のままただ、受け取るんじゃなくて。その前後だったり、「この言葉の連なりで何を言おうとしてるのか?」っていうのが……「あれ? この言葉の連なりになると、これは競技の歌じゃないぞ?ってもう2行目ぐらいで気づくんですよね。それが歌詞というものだと僕は思っていて。

「歌詞が読める人」の読み方

(星野源)というか、僕はそういう歌詞を書きたいし、僕はそれが歌詞だと思っています。で、「君の為と引かれた線路 進めと」っていうのも、言い方としてすごくネガティブな書き方はしてないんだけど、「この言葉とこの言葉の次にくるとすごくつらい言葉になる」っていうような。で、それが世界を表しているっていうような、そんな感じですよね。で、英語の歌詞って、なんて言うんだろうな? もっと直接的に書かないと、全く意味が伝わらなかったりするんですよ。でも……だから割と日本語歌詞よりかは説明として書かないと、文章として成立しなかったりするんですよね。

でも日本語って……もちろん、英語にもそれはあるんだけども。日本語って主語とか……「私が」と「I」とか「You」とかを書かなくても、なんとなく伝わったり。意味が繋がるし。めちゃめちゃアバウトな言葉なんですよ。アバウトだし、アバウトに使っていい言葉っていうか。だから、詞としての広がりとか、意味の含める度合いのを度量が半端ないっていうか。だからなんか、なんだろうな? 英語を理解できるように勉強っていうのもぜひ頑張っていただきたいんだけど、日本語の歌っていうか、日本語の歌詞っていうものが……特に僕の歌に関しては言葉通りではないっていう視点で見てみると面白いと思います。

で、僕はそういうのが歌詞ですごい面白いところだし。歌詞っていうか詩、ポエムとしてやっぱりおもしろいことだと思うし。それってやっぱり俳句とか、短歌とかの、そういうの面白さにも繋がってくる部分だとは思うので。それはもちろん、小説とかね、文章表現の大元に繋がってることだとは思いますけど。そういうのをぜひ、17歳で思い至ったりするのはすごい面白いんですよ。で、その「脳汁ドバドバ」っていうのは非常にわかりますね。「うわっ、こういう意味か! やべーっ!」みたいな。

CHAGE and ASKA『LOVE SONG』の歌詞

(星野源)あれですよ。CHAGE and ASKAのね、もう何回も話してますけども。『LOVE SONG』っていう曲の歌詞が、ただのラブソング……「人間の、恋人的な人への歌なのかなと思ったら全然、違うじゃん! 大人になって読んだらこれ、リスナーとファンに向けての……しかもラブっていうか、ディスってもいるじゃん! すげえ面白い!」みたいな。

だからなんか、「君が思うよりも 僕は君が好き」っていう歌詞はラブソングっていうか、恋愛として考えると「うん?」ってちょっと……まあ、でもあの時代には全然いけてるパンチラインなんですよ。だけど、現代的な考えでいうとちょっとだけナルシズムなんだけど。でも、いやそうじゃなくて。その歌詞を今みたいなSNSがなくて、自分の意見とかを言うことが全然なかなか難しくて、自分の真意みたいなものをファンに伝えることがめっちゃ難しい時代にアーティストがファンへの思いを曲の中に込めたって考えると……みたいな。しかも、それが『LOVE SONG』っていうタイトルで、みたいな。そういうのね、めっちゃ面白いんで。ちょっと歌詞はぜひ読んでいただきたいなと思います。

星野源『生命体』

<書き起こしおわり>

星野源 CHAGE and ASKA『LOVE SONG』を語る
星野源さんが2021年3月30日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でCHAGE and ASKA『LOVE SONG』を選曲、紹介していました。
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