星野源『異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)』制作時の心霊体験を語る

星野源『異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)』制作時の心霊体験を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年7月19日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)』制作時に起きた心霊体験を紹介していました。

(星野源)はい、どうもこんばんは。星野源です。皆さんはおばけを見たことがありますでしょうか?(笑)。いや、僕ないんすよ。僕はおばけを見たことがなくて。でも、「いる」と思ってて。なんでかっていうと、ちっちゃい頃から「何かに守られてる」みたいな感覚があって。1回、自転車乗れたての頃。1人で遊びに行って自転車をすごい全力でこいでいて。で、そこが砂利道だったんですよ。で、砂利道ってすごい頑張らないと止まっちゃうから、すんごもう立ちこぎで一生懸命こいでたの。

で、それが結構細い道で、その細い道の先がT字路になっていて。そこが車道だったの。で、そこの車道を左に曲がると俺の家みたいな感じで。で、一生懸命走って帰ろうってやっていたら、もう曲がる直前にもう目の前に……左に曲がろうとしたら、右から車がバーッてきたわけ。「うわー!」って思って。それでもう、転んじゃって。でも、そこからパッと記憶がなくなって、目が覚めたらその車輪と車輪の間に自分がいたの。前車輪と後ろ車輪の間にいて。でも、なんかよよく考えたら、よっぽど車乗ってた方が急ブレーキをめちゃめちゃ早く踏んでくれないと、たぶん俺はその間に入れないと思うんだよね。その、タイミング的に。

だからもう、その目の前に車が来たってところでワーッて転んでるから。だから、ちょっと不思議なんですよ。あれで全くケガしなくて。で、「うわー!」って泣いて、近所のおばちゃんが「大丈夫、源ちゃん!」みたいな感じで来てくれたのをすごい覚えてて。だから何かの調整があったんじゃないか?っていうような感覚がいまだにあったりとか。

あとその後、僕は母方のおばあちゃんが早くに亡くなってて。そのおばあちゃんに守られてるみたいなイメージがあって。で、僕は全然勉強ができなかったんだけど、中学受験で中学校に入ったんですよ。その受験番号がおばあちゃんの命日だったとか、そういうのがあって、なんか「守られてる」みたいな感覚もあったんですよ。でも、それ以来全然見なくて。でも、普通にやっぱり子供の頃っておばけとか、怖いじゃないですか。普通に「怖いな」とか思ってて。でも、見たことないから。「なんか守られているみたいな感覚があるけど、おばけはいないかもな」と思っていた時に、『引っ越し大名!』っていう映画で僕、主演させてもらったんですけど。

それの撮影が京都の太秦なんですよ。で、京都にもう1ヶ月以上、丸々いるみたいな。で、その「京都っておばけが出る」ってなんか、いろんな人が言うんです。その業界の人。俳優仲間とか、先輩とか、スタッフの人とか。「出ないところはないよ」って言うんですよ(笑)。「嘘でしょう?」と思って。それでその時、インして。で、たぶん最初にまず現場かなんかに行ったんですよと。ホテルに泊まる前に。そしたら國村隼さんが別の現場で入ってて。「お久しぶりです。『地獄でなぜ悪い』以来ですね」みたいな……ああ、違う。『LIFE!』以来かな? なんか、いろいろタイミングは忘れちゃいましたけども。

「お久しぶりです。お元気ですか?」なんて話してて。「源くんはどこに泊まるの?」みたいな。「○○です」って言ったら「あそこは出るよ」って言われて。「マジっすか!」みたいな(笑)。國村隼さんにすっごい脅されて(笑)。「夜中にこういうことが起きるよ」みたいなことをすごい言っていて。「マジっすか! やめてください! 僕、霊感ないんで大丈夫です」みたいに言っていたら、その日の夜。もう夜中にパッて起きちゃって。でも、起きているんだけどもそのまどろみみたいな。それがまた微妙なんですよ。夢なのかどうか、よくわかんないんだけど。すっごい遠くの方から叫び声が聞こえて。

だから「これ、誰か酔っているスタッフさんとかなのか、マジもんのおばけなのか、わかんねえ……」と思って。でもそれで、「ああ、でもやっぱりいるかも……」ってなったんすよ。でも、それ以来はなかったんですよ。もう、そのホテルも超すごししやすくって。全然大丈夫で。で、最終的に「ああ、本当にいるんだ」って思ったんすけど。今日、この後じっくりいろいろお話しようと思いますけど。『異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)』っていう曲をね、今回『ゴーストブック おばけずかん』という映画の主題歌をやってくださいと言われて。「ああ、やります」って言って。もうかなり前にオファーいただいて。それで、数ヶ月かけて作ったんですよ。

自宅での打ち込み制作

(星野源)で、その作り始めの頃に、どうしてもやっぱり……まず家で打ち込みを作って。それをたとえば生楽器を弾くならそこを生楽器に差し替えて。打ち込みのままのところは打ち込みのまま。アナログシンセに変えるところはアナログシンセ、生に変えるみたいな、そういうのをやるんですけど。まずは家で打ち込みで作るわけ。で、『喜劇』と並行してたんで、ものすごい大変だったんすよ。いわゆる家にいるだけでは、アイディアみたいなものが出にくいなと思って。で、ビクタースタジオの会議室とかを貸してもらってね。そうすると、ちょっと気分が変わるじゃないですか。だからなんかアイディアが出るかもって思って。

で、やっていくんだけど、時間かかってしまって結局、深夜になるんですよ。で、ふと思い出したんだけど、ビクタースタジオって「おばけが出る」っていうことでめちゃくちゃ有名なんですよ。そうなんですよ。で、僕は見たことないし、全然そういう目にも遭ったことないんだけど。もう本当に有名なんですよ。音楽業界で。「あそこはもう必ず出る」みたいな。でも「全然、そんなことないしな」と思って作っておて。で、何回か、その「家で作る」「ビクタースタジオで作る」の往復があって。その何回目かで、ちょっとずつできてきて。家で作った時にその「うらめしやー♪」っていうところがあるんですけども。それを思いついて、もう爆笑して。「これ、最高じゃん!」と思って。

でも、ただこれをを採用するかどうか、とりあえず置いとこう。実際に入れるかどうかはまだわかんないから「うらめしやー♪」っていうところだけ。とりあえず、全部の歌詞とかメロディーとかできる前に、まずそこができたんですよ。そこがすげえ面白いと思って。まず、仮歌で自分で「うらめしやー♪」って入れといて。で、今度ビクタースタジオでもうちょっと詰めようと思ってやっていた時に、何回かプレイバックを、もう何回もするんですよ。打ち込んで、もう1回、もう1回。消して、もう1回……みたいにやっていく時に、その「うらめしやー♪」のところじゃないのに、「うらめしやー♪」って高い音で聞こえて。

音は僕が入れた音なんですけど、でも僕が入れた音階じゃないんですよ。それが流れてきて、「出た……本当にいるじゃん!」と思って。で、何回やっても別のところから出るの。「うらめしやー♪」が。そのタイムライン上は違うところにあるの。俺の音声ファイルは。でも確実にその音声ファイルの音が別の場所から流れるわけ。「おばけが(うらめしやー♪)」「そこじゃない!」みたいな(笑)。「出たー!」って思って(笑)。で、見たら夜中の2時なの。「うーわ……」って思って。

意図しない場所で「うらめしや♪」が聞こえる

(星野源)でも、それで思ったんだけど。やっぱり実感として「遊んでるな」って思ったの。そのおばけが「うらめしやー♪」の位置をずらして「あっ!」とかなっている俺を見てなんか笑っている感じがしたんですよ。なんか、いたずらしてる感じがしたんですよ。なんかそれがね、「そりゃこういう曲、作ってるもんね」って思って。で、なんかあと、それがね、すごい嬉しくなっちゃって(笑)。その「怖い」とかじゃなくて、なんかそばで一緒に画面を見てるやつがいるんだなと思って。で、ちょっとなんか動かして遊んでるみたいな。

それって、俺がこの曲でやりたいと思ってるっていうか、表現したいと思ってるおばけ像と全く一緒で。だから「おばけはいるぞ」って歌詞を書くんだけど。それは本当にそう思って書いてるっていう。なんかそれは確実に「ああ、本当にいるんだな」って思った出来事がこの曲を作っている瞬間だったというお話です。で、もう1個、この曲の中で自分が録音してないのに入ってる音っていうのがあるんですけど、それは後ほどお話させていただきたいと思います(笑)。

(中略)

(星野源)なんか寺ちゃんが「怖い話がいっぱい来るんですけど……」って(笑)。メールを一度、確認しながら「なんかみんな、怖い話を送ってくるんですけど」って言っていて(笑)。大阪の19歳の方。「高校時代の話なのですが、部活の練習をしようと音楽室に行くと、教室の後ろの方におばけっぽい生き物がいたことがあったんです。もちろん、みんな見えなかったんですが、唯一幼なじみで同じパートの先輩だけ『えっ、見えるの? 私だけやと思ってた』と共感したんです。おばけって本当にいるんだと確信した瞬間でした。源さんが感じたおばけさんもレコーディングに参加したかったんですね。超かわいい」。

そうそうそう。そうなの。超かわいいっていう感じがね、したんすよ。そうそう。そうなの。わかるー! 続いて。「ニッポン放送でも綾小路翔さんのANNで過去に心霊スポットで撮った音源をサンプリングして遊んでたら、ブースの電気が急にバツンと切れた有名な事件がありましたね」。ああ、そうなんだ。ダメよ。そんなことしちゃダメなの(笑)。だから、そうなんだよね。なんて言えばいいんだろうね。そう、ちゃんと敬意を持ちたいなって思ってます。だから、おばけを使ってなんか……これの実際のあれがわかんないですけど。

そうそう。「ビクターでもおばけが出るのは驚きです」と書いてあるけど。そうね。僕はなるべくやっぱりなんか、ちゃんとしたいなって思いながら作ってはいましたね。あと、なんだろう。ちゃんとお祓い、行きました。作る前に。ミュージックビデオの監督の皆さんとも。なのでね、そういうところはちゃんとしつつ。でもやっぱりなんかその後ね、家でも「うらめしやー♪」のところがずれたりとかして。「ふぅーっ!」って思ったりして。だからなんか、でもね、マジで怖くないんだよ。たぶん、そういう時ってヤバかったら「怖い」って感じると思うんだけど。楽しくなっちゃって。そうなんです。

愛知県の方。「ビクターでのおばけ体験を怖がることなく話す源さん。『しに』が怖くてシャワーを42度に設定できない人と同人物とは思えない」。フハハハハハハハハッ! そうでした! 俺、そうでしたー。たしかに。あれ、今はあんまり気にしてないな? 今、42度かも。なんでだろう? なんか変わったのかしら? いや、すごいですね(笑)。

星野源『異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)』

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました