DJ YANATAKE『関ジャム』宇多田ヒカル特集出演を振り返る

DJ YANATAKE『関ジャム』宇多田ヒカル特集出演を振り返る INSIDE OUT

DJ YANATAKEさんが2022年4月11日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中で出演したテレビ朝日『関ジャム』宇多田ヒカル特集について話していました。

(渡辺志保)ヤナタケさんはなかなかお忙しい日々をお過ごしなんじゃないですか?

(DJ YANATAKE)はい。ヤナタケでございます。もうね、予想もしてない、いろんなことが起きまくってるんですけども。

(渡辺志保)そうですか、そうですか。

(DJ YANATAKE)まずね、昨日テレビ朝日の『関ジャム』に出演させていただきまして。本当にたくさんの方に見ていただいたみたいで。リアクションもうすごい、尋常じゃないですね。

(渡辺志保)そうなんですか。しかもだってね、『関ジャム』ウに出演された。かつ、『関ジャム』の主題というか、テーマはあの宇多田ヒカルさんということで。これまたね、前にも言ったけど強強に強強が重なっているみたいな。

(DJ YANATAKE)本当にただの大ファンでずっとやってきただけなんですけど。まあ、こんな大役を命じられるとは……というところで、まず、そういう機会をね与えていただいただけでも本当に感謝してますし、ずっとファンやってきてよかったなと思える瞬間で(笑)。

(渡辺志保)だって、紹介のされ方もね、DJミックスのことも触れられていたりとか。「宇多田ヒカルに関する論評などを執筆してきた」とかね。そんな風に紹介をされていましたよね。

(DJ YANATAKE)まあ、ちょいちょいですけどね。

(渡辺志保)「そりゃそうよ」って思いながら拝見をしていました。

(DJ YANATAKE)でも概ね……正直、もっとディスられるかなと思ったんですけど。でも概ね、すごい皆さん、評判の良いコメントとかいただけたことが嬉しかったですし。やっぱり本当に影響力があるんだなと思ったのは放送後、すぐに……もう結構前に出たアルバムですよ。言っても1月19日とかに出てるアルバム『BADモード』がまたiTunesのトップチャートの2位に。で、『初恋』が7位。で、『Fantome』が11位。近年の3作にクローズアップしようっていう企画だったんですけども、それがもう見事にチャートにも現れていて。そういう結果もすぐに伴うって、やっぱりすごいことだなと思って。

(渡辺志保)本当っすね。

(DJ YANATAKE)ほんのちょっとだけですけども。そこで一役担えたんだったら嬉しいなと思うのと、改めてこのテレビ番組の難しさみたいなものも非常に感じましたよ。

(渡辺志保)ああ、そうですか。番組自体は約60分。50分弱の尺って感じだと思うんですけども。

(DJ YANATAKE)だけど収録は2時間以上、やったんじゃないすかね。

(渡辺志保)ええっ? すごい! マジか……。

(DJ YANATAKE)で、やっぱり改めて言うのもなんですけど。1時間で宇多田ヒカルを語ることなんて全く無理なんですよ。だからどこを切り取って話すかっていうのを事前にもちろんミーティングするんですけど。プラス、その場で出る新しい意見とかもどんどん言ってクロストークをしてください、みたいな打ち合わせがあるわけですよ。で、「そういうのを間に入ってどんどん言っちゃって」みたいに言われてるから僕、頑張って喋ったんですけど。もう何を喋ったかも覚えてないところも結構ありますけど。

で、そういう長い収録も経て、しかもテレビの編集の人たちが「テレビ的にどこが面白くなるか」っていうので切り取って編集をしてくれるわけじゃないですか。だから、もちろんみんな「もっとこういうことを言ってほしいよ」「ああいうことを言ってほしかった」みたいなのもあるとは思うんですけども。まあ、我々としては今、できることをやったと思うし。なによりね、一緒に出た佐藤千亜妃さんとPORINさん。

(渡辺志保)ねえ。すごい熱が入ってらっしゃいましたもんね。

(DJ YANATAKE)そう。彼女たちも「本当に大ファンなんです」みたいなのがめちゃくちゃ伝わってきたし。初対面だったんですけど。で、逆にお会いできて僕も彼女たちのすごいファンになったし。CDなんか、いただいちゃったりして、聞いてるんですけど。なんかそういう出会いみたいなのもすごく良かったですし。やっぱりそういった中で、テレビの編集の人たちってやっぱりすごいなと思いましたね。よくまとまっているな、みたいな。

(渡辺志保)私も拝見していて、ヤナさんからチラチラとその収録の時の話なんかも伺ってたから。一体、どういう風にまとめているんだろうか?って勝手にいろいろ考えを巡らせながら拝見してましたけど。やっぱりすごいメリハリというか。すごいですね。

(DJ YANATAKE)もちろん俺的にも「この部分、使われなかったな」みたいなのもあるんですけど。でも、「逆の立場でお前がこの2時間以上収録したものを編集しろ」って言われたら、俺はラジオの編集とかもやるからさ。でもやっぱりスタッフの数もすごいんですけど。すごいなって思って。だって何分何秒までぴったり合わせて作らなきゃいけないんだから。

(渡辺志保)そうですよね。結構がっちり台本があって、それに沿って?

(DJ YANATAKE)ありました。打ち合わせもすごい長いのを1回、僕はZOOMでやったんですけども。あと、当日ちょっと。ただ……スタジオに個入っていくじゃないですか。で、俺は台本を持っていっちゃってさ。そこにメモとかいっぱい書いていたんだけど。ギリギリまで。そしたら、そこで台本を持っている人なんて、たしかに1人もいないんだよね。それでパンッて取り上げられてさ。それで「はい、じゃあ写真を撮ります」って写真を撮ったら「はい、本番スタート!」だからさ。もうスタジオの空気に慣れるまでもなく……。

(渡辺志保)おおー、そうか。私も改めて、『関ジャム』を久しぶりに拝見したんですけど。ヤナさんたちが誰も、その資料的なものを何も持ってない、手ぶらの状態で椅子に座って話してるのがマジで半端ねえと思って。しかもだから放送されてるのは1時間だけれども、収録は2時間あったわけじゃないですか。だから2時間、何も手元にないまま喋るのってめっちゃめっちゃプレッシャーというか。私だったら途中で泣いてると思って。見てました。

(DJ YANATAKE)そう。それもそうだし。「ああ、持ってかれちゃった」っていうのでちょっと動揺してる間にさ、「どうしよう?」って思っている間に本番が始まってさ。まだスタジオの空気にも慣れてないまま、もうスタートだからさ。

(渡辺志保)だって芸能人、芸能人、はい、芸能人みたいな……ねえ。しかもヤナさんたちの座っているところって見られるところじゃないですか。レギュラーの方たちからも。めちゃくちゃ緊張しますよね?

(DJ YANATAKE)めちゃくちゃ緊張した。慣れるまでに1時間ぐらいかかったんじゃないかな?(笑)。で、まあそんなのもありながら……でも、ザキヤマさんがすごいなって思って。テレビでアルバムの曲を流してるのをあれ、現場でもやっているんですよ。1曲1曲。

(渡辺志保)ああ、そうなんだ。実際に皆さんで聞きながらっていう感じなんですね。

(DJ YANATAKE)ザキヤマさん、曲の間とかも本当にずっと喋ってるの。それがね、マジでミーゴスの合いの手感、ガヤ感があるのよ(笑)。

(渡辺志保)アドリブ(笑)。なるほどね。ガヤだ。

(DJ YANATAKE)みたいなのをもう一言一言、パパッてて面白いことをずっと言ってるの。

(渡辺志保)すごいね! プロですね!

MIGOS並のザキヤマさんのガヤ

(DJ YANATAKE)あれは本当にプロフェッショナルですよ。で、ちゃんと邪魔んならないんだけど、面白いところは使われるんだろうな、みたいなさ。

(渡辺志保)そうよね。数打ちゃ当たるじゃないけども、とりあえず言っておかないと……っていうことなのかしら?

(DJ YANATAKE)すごくて。あと、我々めちゃくちゃ緊張して終わってホッとしたというか、なんかフワフワしたところにね、村上信五さんが……みんなさ、終わった慣れっこの人たちは「じゃあ、お疲れ様です」ってピューッと出ていっちゃったりして。それはそれでもちろんいいんだけどさ。村上さん、残ってくれて。佐藤さんとPORINさんと俺と4人でしばらく話してくれて。で、その日の俺らが言ったことの感想とか、「宇多田ヒカルさんは本当にすごいね」みたいな話を結構してくれて。しばらく4人で話す時間とかもあって。いや、めっちゃいい人でしたよ。本当に。

(渡辺志保)そうなんだ! いやいや、すごいね! なんか私もテレビのこちら側で拝見していて。私の方までちょっと最初、緊張しちゃって。「ヤナさんが出る。ヤナさんが出るぞ……」みたいな感じでね、ドキドキしながら見ていました。

(DJ YANATAKE)もちろんさ、俺もなんかTwitterとかもいろいろ見てたんですよ。

(渡辺志保)ああ、ハッシュタグを追って、とか?

(DJ YANATAKE)やっぱり宇多田さんの今のさ、改めて発言したこととか。多様性の話っていうか。そういう観点からお話したんですけど。特にそういうことって僕は志保さんからすごく学んできたので。

(渡辺志保)いやいやいや、とんでもない……(笑)。

(DJ YANATAKE)いや、でもそれは本当で。それが今の世界の……。

(渡辺志保)スタンダードにはなりつつありますね。

(DJ YANATAKE)やっぱりそういうのを宇多田さんが歌でずっと昔から言っているっていうのも何か改めてまた、昔の曲を聞きなおすと大人になってわかる歌詞とかもあったりして。改めて、自分でも話しながら「やっぱり本当にすごい歌詞を書ける人だな」って思っていたし。それでちょっと放送に乗らなかったことを最後、1個だけ言っていいですか?

(渡辺志保)はい。聞きたいです。

(DJ YANATAKE)これね、俺も話的にオチに持っていってて。僕の見つけた話じゃないんですけど、ヒップホップっぽくて面白いなっていう話があって。宇多田ヒカルさんのアルバムで、『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』っていう曲があるんですよ。今、バックに流れていますけども。

(DJ YANATAKE)『BADモード』にy入っているなんと12分のアシッドハウスなんですけども。とんでもない曲なんですけども。放送でも言ったでんすけど、歌詞の8割、9割が英語なんですね。でも思いっきり1ヶ所、日本語っぽくなるところがあるんですけど。最後とかも歌い方が、これは放送に乗っていたんですけども。日本詞なんだけども、英語っぽく聞こえるから。シレッと聞いてると英語っぽく聞こえてそのままハウスの邪魔ならないみたいな感じなんですけども。そもそも、『BADモード』ってコロナ禍のこととかも表してますよと。

で、宇多田さんはロンドンに住んでて、おそらくお友達がパリにいて。コロナが明けたらお互いが行きやすいマルセイユあたりで会おうよっていう歌で。その最後のところで日本語で歌ってるんだけど英語に聞こえるみたいな部分があるんですけど。曲の最後で「オーシャンビュー、予約」っていうところがあって。「マルセイユにあるホテルのオーシャンビューの部屋を予約して……」っていう歌なんですけども。これを文筆家のつやちゃんさんが……志保さんも対談したこと、ありますよね?

(渡辺志保)そうですね。一度。はい。

(DJ YANATAKE)つやちゃんさんがTwitterとかで言っていてハッとしたんですけども。「この歌詞、ただ『予約』って言っているんじゃないんじゃないか。歌い方も『よーやーくー♪」って言っていて。『ようやく』と『予約』がかかっているんじゃないか?」みたいな。

(渡辺志保)おお、ダブルミーニング的な。

(DJ YANATAKE)ダブルミーニング的に。そういうのとかが実はいっぱい散りばめられていて。

(渡辺志保)そうか。だから、変な意味じゃなくて勘ぐりというか、深読みしちゃう余白がたくさんあるっていうことですね。

(DJ YANATAKE)そうそう。まだ気づいていないことがたくさんあると思うんですよね。

(渡辺志保)うんうん。本当ですね。

深読みできる余白がたくさんある

(DJ YANATAKE)いつかね、この『INSIDE OUT』でも1ヶ月ぐらい特集がやれればもっと話せるんですけど(笑)。でもまあ、そういう発想も本当に面白いし、表現していることも……やっぱりJ-POPの中でトップアーティストとして攻めてると思うんだよね。

(渡辺志保)本当にね。でも、だから本当にヤナさんもおっしゃってましたけども。J-POP、日本のポップスシーンのトップにいる方がこういうことを発信してるっていうのはすごく励みになるっていうか、頼れるっていうか。

(DJ YANATAKE)我々のお知り合いと言ったら恐縮ですけど。星野源さんとかも、そういうところがあるじゃないですか。

(渡辺志保)ああ、恐縮ですね!(笑)。非常にね、「私の知人」と言ってしまうと恐縮ですけども。

(DJ YANATAKE)でもやっぱり宇多田さんと星野さんとかのちょっと攻めたことをやるところが好きっていう。

(渡辺志保)そうね、そうね。私も……ちょっと話が変わるけど先週、SIRUPさん。男性のシンガーソングライターSIRUPさんに初めてインタビューして。SIRUPさんもそういう、いろんなことに目を配っている。で、問題意識を持っているっていうことがそのままアーティスト性に出ていらっしゃるから。なんか、「すごいな。頼れるな」と思いながら話を伺いましたけどね。

(DJ YANATAKE)だからただのラブソングに聞こえるんだけど。それはそれでそういう楽しみ方をしてくれていいんだが、しかし実は……みたいな。そういうところがあるから、本当に面白いんですよね。それってさ、本当にヒップホップの歌詞を勉強したりするのと同じじゃん?

(渡辺志保)そうですね。たしかに、たしかに。どう解釈するか?っていうね。

(DJ YANATAKE)あと、本当にすげえなって思ったのは、道端で声をかけられるっていうね(笑)。

(渡辺志保)嘘!? 「昨日、見ました」みたいな?

(DJ YANATAKE)その人が俺のことを知っていたのかは知らんけども。「昨日、『関ジャム』見ましたよ」って言われたり。あとは僕、ラジオのスタジオに通っていて。そこはダンススタジオになってるんですけど。そこの受付の人も普段は挨拶だけなのに「昨日、テレビに出てましたよね?」って言われるのね。

(渡辺志保)すごい! いや、テレビって……ですよね。本当にね。

(DJ YANATAKE)そして何よりね、親孝行になったっていうね。

(渡辺志保)間違いない(笑)。

(DJ YANATAKE)うちの母親も「そんなに聞いたことなかったけど、すごい気になるし。なんかファンになったから聞いてみる」って言っていたんで。よかったです。

(渡辺志保)よかったですね。それは本当に本当になによりです。息子さんとかもね、だから今はまだ小さいからあれだけど。もうちょっと大きくなって録画とか見たら、すごい度肝を抜かれちゃうんじゃないですか?

(DJ YANATAKE)どうなんですかね?

(渡辺志保)ダディが!っていうね(笑)。

(DJ YANATAKE)まあまあ、ちょっと長くなってきたんでこの辺で。また機会があれば話したいと思います。で、TVerとかで。見逃した人とかもインターネットで見れますので。アプリとかで見れますので、ぜひそちらの方でチェックしてみて。その後に『BADモード』を聞いてみてください。

(渡辺志保)ありがとうございます。貴重なエピソードでございました。

『関ジャム』宇多田ヒカル特集

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました