安住紳一郎 2019年・卒業式定番合唱曲を語る

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安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で卒業式で歌われる定番の合唱曲を紹介。『旅立ちの日に』「桜ノ雨』『大地讃頌』などについて話していました。

(安住紳一郎)2018年度も終わりということで。4月になりますと新元号も発表されますし。新しいスタートだなという感じがいたしますが。一方、出会いの前に別れもということで、卒業式ですね。都内の小学校は明日、月曜日が卒業式というところが多いようですが。中学校は公立の中学校は先週の水曜日かな? 卒業式が多かったようで。私の住んでいる家の近所の区立中学校も卒業式をやっていまして。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)近くで卒業式やってますと、ちょっと足を止めて見てしまいますね。やっぱりね。なんか関係ないとはいえ、嬉しい気持ちになりますね。さて、『卒業ソング音楽祭2019』という番組を一昨日、私はテレビでやってたんですけれども。自分で司会をしておきながら、自分の卒業式の歌が1曲も出てこなくて悲しい気持ちになりましたが。

(中澤有美子)アハハハハハハッ!

(安住紳一郎)最近はね、そうなんです。「ファミリーコアを意識した番組作り」ということで、世帯視聴率ではなく、そうなんですよね。若い人の視聴を獲得せよという表題のもとに行っていますので。会議などでも「安住は何かアイデアある?」なんていうと「やっぱり柏原芳恵の『春なのに』でしょうかね!」みたいなことを言うんですけれども、瞬殺されますですね。

(中澤有美子)アハハハハハハッ! ああ、そうですか?

(安住紳一郎)これはこれでね、もちろん需要ありますし、私たちの世代ドンピシャなんてございますが、まあ10代の皆さんにとってはちんぷんかんぷんですものね。

(中澤有美子)そうかー。

(安住紳一郎)そうですね。「中島みゆき先生の『わかれうた』、いかがでしょうか?」みたいな。「違いまーす!」みたいなことになりますね。ええ。そうでーす。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)皆さんは卒業式に聞いた歌、なんでしょうか? よくね、こういうアンケートありますけれども。前も何度もお話ししていますけれど、実は世代……特にいちばん重要なのは1985年生まれ。昭和60年生まれの方、いま33歳ですか。ちょうどこの33歳の人を境に両側で決定的に感覚が違うということを前もお話ししたと思いますが。「卒業ソングのルビコン川」と言われていますが。ルビコン説ですか。うん。

私たちは当然上の世代に入りますし、多分聞いていらっしゃる方もほとんど上じゃないかなと思いますが。多分、年配の方は『蛍の光』『仰げば尊し』が定番ソングだと思いますけども。実は33歳以下の皆さんは『蛍の光』あるいは『仰げば尊し』はほとんど聞いたことがない。知らないという人たちが多いということですね。いま、私立とか伝統的に意図して選んでいる場合を除けば『蛍の光』を歌ってるところはゼロのようですね。

(中澤有美子)ゼロですかー。

(安住紳一郎)うん。なので33歳以下の人たちは『蛍の光』を聞いても、別にお別れのニュアンスを感じないという。ただのスコットランド民謡として「ふーん」って聞くという感じになっちゃうということですね。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)「ああ、スーパーの終わりの歌ですね」みたいな、そういうことですね。

(中澤有美子)ああー、信じられなーい!

(安住紳一郎)信じられませんよね。それで、多分皆さんも知ってると思いますが、33歳以下の人たちは卒業式と言うと『旅立ちの日に』という歌が一択になるわけですね。もう間違いなくこれということで。だいたいアンケート取りますと92%ぐらいで『旅立ちの日に』という曲が卒業式の歌だということになるということなんですね。なのでいまからあと30年ぐらいすると、パチンコ屋さんとかスーパーマーケットとか「そろそろ帰ってください」という時には『蛍の光』ではなくて『旅立ちの日に』がかかるということで、私たちの世代はこの曲を知っていないと「早く帰ってくれ」ってお店側が暗に示しているのに気付かずに「うーん」ってまだお買い物をしちゃうという、そういう迷惑をかけてはいけないので……。

(中澤有美子)フフフ、そういう老人になるんですね(笑)。

(安住紳一郎)そうです。なので、『旅立ちの日に』という曲をしっかりいまのうちに覚えておきましょうねという啓蒙活動を15年ほど前から繰り広げておりますが。もう皆さん、覚えましたか? 子供がいらっしゃっとね、学校で聞いたりしますけども。ねえ。いい歌ですけどもね。

(中澤有美子)そうですよね。はい。ちょっと慣れてきましたよ。だんだん。

(安住紳一郎)そうですか。埼玉の中学校の先生が作ったという曲で、徐々に広まっていったということなんですけどね。栗友会アルカディア・コールという大変に上手な合唱団の歌った『旅立ちの日に』をお聞きください。

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栗友会アルカディア・コール『旅立ちの日に』

(安住紳一郎)多分33歳以下の皆さんは「そう、これなんですよ。これなんですよ」っていう気持ちに浸ってると思いますし、多分ルビコン説から上の人たちは「う、うん、うん、あ、あ、うん……」ってなっているのかな?

(中澤有美子)そうですね(笑)。

(安住紳一郎)でも、いい歌ですよね。ただ「老いては子に従え」的な……違うか。フフフ、なんだ? 『旅立ちの日に』で「若い、若い」とおごってはいけないわけですね。これも前、話しましたけども。もうその下が来てるわけですよね。時代は早いわけですよね。今度、いまの小学生とか中学生ぐらいは「『旅立ちの日に』はもう古い」と言ってる、その新しいニューカマーたちがいるということですね。

(中澤有美子)ええ(笑)。

(安住紳一郎)その下に来るのが今度、『桜ノ雨』っていう歌なんですが。なんてったってこれ、驚くのは誰が歌ってるか?っていうと、あのボーカロイドの初音ミクが歌ってるっていうことですからね。もう実在しないロボットが歌っている歌。音声合成技術ソフトが歌ってる歌をもういまの10代の皆さんは卒業式に歌うという。もともと合唱曲風に作られていたものをボーカロイドで公開して人気を博したという経緯もあり、そういうことになってるんですけれども。いまの小学生、あるいは中学校2年生ぐらいまでの皆さん方は卒業式はこっちの『桜ノ雨』を歌いたいという。

アンケートを取ると35%ぐらいの人が卒業式というと『桜ノ雨』になるということなんですね。これはもう皆さん、聞いたことありますか? どうですかね? まあニコニコ超会議の最後に合唱したりもするんで、ちょっとそっち方面の皆さんにも人気の曲なんですけどもね。で、この歌の聞きどころは前もお伝えしましたが歌詞のいちばん最初の歌い出しですね。「それぞれの場所へ旅立っても友達だ。それは聞くまでもないじゃん」っていうね。

(中澤有美子)そうそう(笑)。

(安住紳一郎)「十人十色に輝いた日々が胸はれと背中を押す」。うん。これ、間違いじゃないんですよ。「聞くまでもないじゃん」っていう(笑)。

(中澤有美子)「じゃん」(笑)。

(安住紳一郎)「聞くまでもないさ」じゃないんですよ。「聞くまでもないじゃん」っていう、その「じゃん」というね。

(中澤有美子)アハハハハハハッ!

(安住紳一郎)横浜住民でもないのに、卒業式に大きな声を出してみんなで「ないじゃん」って言うことに対しての違和感を感じるか感じないかという。その世代の違いっていうのもまあ、分かれ目ということですね。

(中澤有美子)そうですね。やっぱり「ないさ」の方が私たちはしっくり来ますよね。

(安住紳一郎)そうですよね。うん。卒業式で校長先生やね、市長が臨席のもとで「聞くまでもないじゃん」って。それでいいのかな?っていう……だからそれが古い世代なんだっていう風に言われるわけですよね。

(中澤有美子)フフフ、ごめんなさい。ごめんなさい。そうですよね(笑)。

(安住紳一郎)だから、いまの小学生にしてみれば『仰げば尊し』って……「なに? 『とうとし(尊し)』って?」みたいなことなわけですよね。「『わがしのおん(我し師の恩)』って誰ですか? えっ? 街に感謝……『我が市』? 『いざさらば』って言うんですか?」みたいな(笑)。

(中澤有美子)「聞いたことがない」っていう(笑)。

(安住紳一郎)「ええーっ? 『あけてぞけさは(開けてぞ今朝は)』ってなんですか? 枕草子ですか?」みたいなことじゃない? 「『いまこそわかれめ』……分け目じゃなくて別れ目?」とか。「『いざさらば』……時代劇?」みたいなことですよね。

(中澤有美子)そう思いながら歌ったのよ、私たちも(笑)。

(安住紳一郎)ですよね? もうほぼ呪文のように覚えているんでね。

(中澤有美子)そうです。そういうもんだって言われたから。

(安住紳一郎)そうですよね。「ふみよむつきひ(書読む月日)」とかもあれ、完全に「楊貴妃」みたいな感じで覚えていたよね?

(中澤有美子)どこで分節が区切れるか、わからずに歌っていましたね。

(安住紳一郎)「どの世代がいい」っていう話をしてるんじゃなくて、それぞれの世帯でのその楽しさっていうのがあるわけですけれどもね。『桜ノ雨』。今度はレガーロ東京という合唱団。BS-TBSで『日本名曲アルバム』などもやっているお姉さん方の合唱団ですが『桜ノ雨』をお聞きください。

レガーロ東京『桜ノ雨』

(安住紳一郎)特に女性の合唱ですと、なんとなくこう、ちょっと華奢な女の子が手を振ってるような、そんなようなイメージになるでしょうか。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)なんとなく小学生や中学生に人気という感じが、またアニメなどに親しんでる世代にとってはとってもいいのかなという風に思いますね。『旅立ちの日に』、そして『桜ノ雨』と卒業式の定番ソングが変わってきてるという話です。まあ、いまの若い世代の卒業式の別れの歌はわかったと。ただ、自分たちはちょっと違うんだなという皆さん、お待たせいたしました! やはりちょっとね、こういう明るい未来だけではなく、何か得体の知れない薄暗さ。そんな不安とも何とも理解し得ない運命的な怖さみたいなものが私たちの世代の卒業式には付き物だったというところは正直あるんですね。

(中澤有美子)はい。そうですねー。

(安住紳一郎)そう思わずにいられない……私のデータでは52歳から35歳の世の中から取り残された皆さんがいらっしゃるわけです。『蛍の光』でも『仰げば尊し』でもなく、『旅立ちの日に』でもなく、『巣立ちの歌』でもなく、『桜ノ雨』でもない取り残されてしまったこのぽっかりとね、取り残された世代があるわけですけれども。もうね、皆様もう言葉に出ちゃってますよね? そうです!

(中澤有美子)もしかして?(笑)。

(安住紳一郎)もしかして、あれですあれですよ。

(中澤有美子)来る、来る、来る?

(安住紳一郎)来ますよ。『土の歌 第七楽章 大地讃頌 ロ長調』でございますね!

(中澤有美子)フハッ!

(安住紳一郎)はい。この話をする時は少しちょっと声が高鳴っちゃうっていうね。

(中澤有美子)アハハハハハハッ! 本当ですね(笑)。

(安住紳一郎)私、いいCDを見つけてきましたんで。この後、バチンとかけますんでお待たせいたしました!

(中澤有美子)正式名称、そうなんですか?

(安住紳一郎)は『土の歌 第七楽章』ですからね!

(中澤有美子)そうだったんだ。フフフ(笑)。

(安住紳一郎)私たちの世代は卒業式に『土の歌』を歌ってましたからね!

(中澤有美子)フハハハハハハッ!

(安住紳一郎)はい。そうです。『第七楽章 ロ長調』ですからね。うん。昭和の終わり、平成の初めくらいですけれども。まだソビエト連邦があった時代ですね。東ドイツがありました。なんとなくソビエト連邦が怖かった時代ですね。東西冷戦、社会党が元気だった。うん、これは関係ないけど。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)なんかちょっとね、いまとは違う、何か少しちょっと世の中の行く末が小学生、中学生なりに心配だったという。

(中澤有美子)そうですね(笑)。そうだったかもね。

(安住紳一郎)怖かったよね? オリンピックはどっかが拒否したり、どこかが出なかったりしていたもんね。こんな時代が来ると思わなかった。特に私は北国の荒れた中学校で育っていたので、なんかその中学校の体育館のその暗幕を張った薄暗い感じ。そして外につながる重い鉄製の中扉の向こうから暴走族のOBが卒業生を迎えに来てる単車のマフラーの音なんかブンブン覚えてる中での『大地讃頌』で。ピアノの伴奏だけになった時にその音が「ブーン、ブブブブブンッ!」って聞こえる感じの中で聞いた『大地讃頌』。

(中澤有美子)アハハハハハハッ! そうですか?(笑)。

(安住紳一郎)っていうのがものすごく心に迫る感じで、その「晴れやか」とか「伸びやかな」とか「軽やかな」とは無縁の感じの……「ブーン、ブブブブブンッ! ブブン、ブブンッ! (『ゴッドファーザーのテーマ』の)パラーラーララララー♪ ブブン、ブブンッ!」みたいな感じの。

(中澤有美子)フハハハハハハッ!

(安住紳一郎)そのマスターホーンみたいな感じのと合わさる『大地讃頌』の感じがとてもイメージがね。いや、本当に私ね、いまだに『大地讃頌』を聞くとあのピアノの伴奏だけになった時にね、口でね、「ブーン、ブブン、ブブンッ! ブルン、ブルン、ブルン! (『ゴッドファーザーのテーマ』の)パラーラーララララー♪」って。ずーっとやっているんですよ。

(中澤有美子)アハハハハハハッ!

(安住紳一郎)で、黒いサージの学生服とね、紺色のセーラー服のその在校生と卒業生の感じが黒い、黒い海のようで怖かったっていう感じがありますけれども。決して戻りたいとは思わないけれども……ただ、あの時の空気がもしホームセンターに売っていたならば、もう一度吸ってみたいと思います。

(中澤有美子)フフフ、アハハハハハハッ!

(安住紳一郎)でもいい話ですか、お待たせいたしました! 50代前半、40代、30代後半の皆さんに送ります。団塊ジュニアの代表としてマイクの前に座ってる私が責任をもってこの曲をお送りしたいと思います。皆さん、その後の人生はどうなりましたか? 杉並混声合唱団です。『大地讃頌』です。

杉並混声合唱団『大地讃頌』

合唱魂
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(安住紳一郎)(曲の途中、ピアノ・ソロパートで)「ブーン、ブブン、ブブンッ! ブルン、ブルン、ブルン! (『ゴッドファーザーのテーマ』の)パラーラーララララー♪ ブルン、ブルンッ!」。

<書き起こしおわり>

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