安住紳一郎 明大ラグビー部・北島忠治の「前へ」精神を語る

安住紳一郎 明大ラグビー部・北島忠治の「前へ」精神を語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2023年11月12日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で自身の出身校・明治大学ラグビー部の「前へ」精神について話していました。

(安住紳一郎)三重県伊勢市の男性の方、ありがとうございます。「私の気分が上がるのは男子トイレで『もう一歩前へ』の注意書きを見かけた時です」。へー。これ、女性の方、わかりますか?

(中澤有美子)男性トイレにはね、あるんだろうなとは思います。「命中するように近づきなさい」っていうことでしょう? きっと。

(安住紳一郎)そうそうそうそう。ちょうどね、目線のあたりになにか書かれているんですよね。そうですね。やっぱり、ちょっと手前の方でやってしまうと汚れちゃうんで、なるべく近づきなさいよっていうことなんだけど。公衆トイレとかだとなかなか近づきたがらない人が多くて。なので「前へ、前へ」って書いてあるんですけどね。「以前は『世の中、自分を客観視できない人が多いんだな』などニヤニヤするだけでしたが、この歳(50歳)になると他人から応援や励ましの言葉をかけられる機会というのがめっきり少なくなり、気づけばいつからか自身をちょっと奮い立たせてくれる言葉としてこの注意書きを見るようになりました。中には『もう2歩前へ』なんていう力の入った応援もあったりして、その都度『よし! やります!』と武者震いをしています」。くぅーっ!

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! ああ、なるほど。日常生活全てに応用が利くってことですね。

(安住紳一郎)うん。そういうことでもあるし、この歳になると他人から応援の言葉をかけられる機会がないので、なんとなくその「もう一歩へ」とかっていう風にに話しかけられたことがやっぱりものすごく奮い立つんじゃない? 嬉しいっていうこと。だからなんか、ねえ。これまでは「ああ、そう?」なんていうただの注意書きだったんだけど、今はもう自分の魂を震わす、人生で最も潤いのある瞬間なんじゃない?

(中澤有美子)ああー、いいですね。捉え方って変わるんですねー(笑)。

(安住紳一郎)いいね。そう。この歳になると他人から励ましの言葉をかけられる機会がないからっていうことですよね。だからなんか、コインパーキングとかでもね、「前向きに駐車してください」とかあるじゃない? 排気ガスの影響で。そういうのを見ても、きっとグッとくるんじゃない?

(中澤有美子)なるほどね(笑)。

(安住紳一郎)「言われてる!」とかさ。わかるよね。前向き駐車。だから励ましの言葉をさ、男性には声をかけてあげてほしい。

(中澤有美子)女性もほしいですよ(笑)。

(安住紳一郎)女性もほしい? 私もほら、「疲れてくるとラジオ体操を聞いちゃう」ってのは、そういうところなんだよね。あのラジオ体操もさ、なんか小気味よくさ、いろいろ声をかけてくれるじゃん? 「腕を前から外へ!」とか「元気よく!」なんてさ。「首の運動! 前……そうです!」なんて言われるとさ。

(中澤有美子)ああ、そうですね!(笑)。

(安住紳一郎)そうそう。「あっ! 私のことですか?」っていう、そういう。「ええっ?」っていうね。そうね。「姿勢を正して!」なんてね。

(中澤有美子)「はいっ!」って(笑)。

(安住紳一郎)「はいっ!」なんてね。「声をかけられてる」っていう。

(中澤有美子)届いちゃう(笑)。

(安住紳一郎)届いちゃうよね。気持ち、わかります。「前へ」「もう一歩、前へ」っていうね。

(中澤有美子)ちょっと、いいなー。

(安住紳一郎)あの、おすすめはね、東京神田・駿河台に明治大学という学校がありますけども。あそこの学校の一部男子トイレにはラグビー部の北島忠治監督の字体で「前へ」っていうのが男子小便器のところに書かれてますから。あれを見るとたぶん、もっと燃えてくるんじゃないですか?

(中澤有美子)ああ、そうですか。

明治大学男子トイレの「前へ」

(安住紳一郎)ええ。明治大学ラグビー部。昭和4年から67年間、監督をした北島忠治監督っていうね。「北島イズム」って言って、ラグビーに詳しい方はもう皆さん、知ってると思いますけども。戦争中はグラウンドに芋を植えて、復員してくる学生を1人、待ってたっていうね、伝説中の監督ですけども。新宿の自宅を売り、八幡山のラグビーグラウンドを自分で開墾したんじゃないかな? たしかね。なんかそんな伝説も伝わってますけども。「ラグビーに限らず、社会全て、かわそうなんて思うな。足をすくわれる。とにかく前へ。ためらわず前へ!」っていうね。「前へ」っていうのはその北島ラグビーの真髄なんですけども。明治大学のポスターにはね、その北島監督の言葉の「前へ」っていうのがね、非常にたくさん使われてますよね。そういうことがあって、その「ここにも使うんだ!」っていうね。

(中澤有美子)そこにもね(笑)。

(安住紳一郎)一瞬ね、「いいのかな?」とも思うんだけども。

(中澤有美子)ありがたいお言葉をね。

(安住紳一郎)北島御大はここで使われることを意図してたかな?っていうさ。それで、あれだよ。小便器のところに「前へ By 北島」っていう。「ええっ?」って。

(中澤有美子)お名前まで(笑)。

(安住紳一郎)「北島先生は男子学生のトイレまで面倒を見てるの?」みたいな感じだけど。やっぱり「前へ とにかく前へ ひたすら前へ」っていうね。北島監督、面白いよね。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)亡くなった時の最後の一言は「明治、前へ」だったっていうからね。やっぱりね、そう。私もそこの学校の出身なんですけどもね。OBとしてはもうね、本当に……前に行くしかありません(笑)。という、OBからの率直な一言もね、申し伝えたいと思いますね。後輩の皆さんには。

(中澤有美子)含蓄がありますね(笑)。

(安住紳一郎)ちょっとね。実際のOBの言葉、どうですか? 受け止めきれますか! 行くしかねえじゃない!っていう。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)そうですよ。横なんかに展開できるようなポジションにはありませんよ! 行くしかねえだろ!っていうさ。本当ですよ? あんまり、よくない。こういうこと、よくないね。よくない。

(中澤有美子)いやいや、いい。いいと思います。

(安住紳一郎)ええっ、そう?

(中澤有美子)すごく今、なんか励まされている。

(安住紳一郎)励まされている? うん。そういうことですよ。「前に進むしかないんだよ!」っていうねことですよね。

(中澤有美子)わかりました。

(安住紳一郎)「社会の香車となれ」っていう、そういうことですね。

(中澤有美子)ああ、将棋の香車ね。

「社会の香車となれ」

(安住紳一郎)そう。前に行くしかないからね。そんなの、銀とか金みたいな感じのところには置かれないよっ! うーん、吠え散らかしておりますね。はいっ!

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)皆さんからのメッセージをお待ちしています!(笑)。

<書き起こしおわり>

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