R-指定 黒衣『mo’ better blues feat. atius』を語る

R-指定 黒衣『mo' better blues feat. atius』を語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

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R-指定さんが2022年3月22日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中で黒衣の『THE SIGHT』を紹介。『mo’ better blues feat. atius』を選曲していました。

(R-指定)今日、紹介するのは黒衣というグループがあるんですよ。

(DJ松永)あら、大阪・浪速の。pekoさんが所属している黒衣じゃん。

(R-指定)そう。梅田サイファーにもいるpekoさんとラッパーのKENTさん。この2人組の黒衣というグループがいまして。この黒衣がアルバムを出しまして。『THE SIGHT』っていうアルバムで。これが「視点」とか「光景」っていう意味やったり。「眺め」みたいな意味もあったりして。だから上手に2MCであることの視点の使い分けとかで運んでいくアルバムなんですね。1個のテーマに対してちゃんと2MCが別々の視点から描き出す。この2MCであることがすごい必然性がある。ホンマにちゃんと地に足のついた大人の日本語ラップアルバムというか。まあ、素晴らしいんですけども。

(DJ松永)はいはい。

(R-指定)その中でも紹介したい曲がいっぱいあるんですが。視点がうまいこと絡み合っている『ともすれば』っていう楽曲とか、『線』っていう楽曲もいいんですけども。今日、紹介したいのは『mo’ better blues』っていう曲で。これ、フィーチャリングがatiusさん。

(DJ松永)ああーっ! 『空想フリーウェイ』の?

(R-指定)そう。1回、その曲でもやったことがあるんですよ。その、言わば鉄板コンビですよ。同じ高槻のatiusさんっていう先輩ラッパー。Lion’s ROCKのatiusさんを客演に迎えた『mo’ better blues』。まずは聞いてください。

黒衣『mo’ better blues feat. atius』

(R-指定)ねえ。今、謳っているのがatiusさんなんですけどね。

(DJ松永)素晴らしいね。

(R-指定)素晴らしい。これね、リリックもすげえヤバいんですよ。atiusさんのフックの。「血液も踊り出すくらいのビートを叩け ルールも普通も塗り替える宇宙ごと Uh Ah ふわふわ浮かぶはくすぐるAnswer」っていう。この「Uh Ah」にからみつくように「う」の音と「あ」の音をすごい上手にやりながら。創作の喜びみたいなものを書いているんですよね。「憧れも焦がし切るくらい鳴らせる 燃えカスも撒き散らし 世界は既にもうお前に夢中なんだ」っていう。「World is yours」みたいなフレーズってよくヒップホップで使われますけども。それをこういう解釈にして「世界は既にもうお前に夢中なんだ」って歌っていて。

(DJ松永)へー! しかもこの2人が結構ロートーンだから余計にatiusさんのサビが映えるよね。相性がいいよね。黒衣とatiusさんは。『空想フリーウェイ』もYouTubeに上がっているからみんな、聞いてほしいね。

(R-指定)ぜひ聞いてください。

黒衣『空想フリーウェイ feat. atius (Lion’s ROCK)』

(放送終了後のミクチャ阪神限定アフタートークで……)

(R-指定)黒衣なんですけども。さっき、曲を紹介した。さっきの曲とかでも紹介しきれんかったんですけども。創作していく流れみたいなのはさっきの『mo’ better blues feat. atius』とかでも言っていて。はじまりはKENTさんなんですけども。「借りてきたテープと お下がりのデッキで この場所と時間を飛び越す 腰にぶら下げた偽のウォークマンで 新しい興味を注ぎ込む FMとケーブルテレビのプッシュでフレッシュな衝動を取り込む 借りてきたサンプラー 切り刻んだループで 荒っぽいアイデアを押し通す」っていうところで「創作の曲ですよ」っていうことを頭できれいにライミングで筋を通しながら伝えるっていう。

(DJ松永)しかも、すごいアナログ時代の時の話だね。やっぱり本人が当時、やり始めた時の。

(R-指定)で、黒衣のすごいところっていうのは2MC、pekoさんもKENTさんもめちゃくちゃラップの基礎がちゃんとしている。

(DJ松永)ああ、そういうイメージがあるな。

(R-指定)ちゃんと小節のケツでライミングしながら、ちゃんと意味のわかることを粋な言い回しで言う。で、2人ともその声がまずめちゃめちゃかっこいい。この2人がやっぱりいろんな視点、2つの視点から1個の物語をブワーッと紡いでいくっていうのがこのアルバムなんですけども。さっき紹介したやつはそこにatiusさんが入ってきてやっていくんですけど。これ、3バース構成なんですけども。3バース目でpekoさんとKENTさんが掛け合うんですね。掛け合う中で「アドリブと小手先でどうにかなると 冷めた考えは妙に『大人(アダルト)』」っていう。この「大人(アダルト)」、なにかっていうと東京事変のアルバムのタイトルで。だから、そういうのがこの3バース目には散りばめられていて。

(DJ松永)ああ、なるほど。

(R-指定)「壊れても再生 また『Ressurrection』」とか。「『導』となった数々のリリシスト」。これはたぶん漢さんの『導〜みちしるべ〜』ね。

(R-指定)それで「背中を見て駆け出した 『The Beginning』」って、これはロマンクルーやったり。いろんな……。

(DJ松永)名作が。なるほどね。

(R-指定)自分らが影響を受けたやつを最後、紡いでいって。「頭ん中の『BIG BANG THEORY』」。これはGAGLEとか。それでつながっていって。

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(R-指定)で、そこも黒衣ならではで。ヒップホップの名盤を並べるだけじゃなくて。「夢追い人 『ロマンチストエゴイスト』」って。これはたしかポルノグラフィティのアルバムやったかな? とか、そういうのも。

(DJ松永)へー!

(R-指定)だから影響を受けた全ジャンルのものが散りばめられていて。でも「音楽 それはまさに『The Low End Theory』」みたいなのがあったり。

(DJ松永)なるほどね。しかもいわゆるそれがヒップホップだっていうことですよね。

(R-指定)で、atiusさん。Lion’s ROCKのところも絡めて「『FIVE』から数えて『No.17』」っていう。『FIVE』はRIPSLYME。で、『No.17』はLion’s ROCKの名盤で。

(DJ松永)なるほどね!

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(DJ松永)『キャラメルキャラメル』が入っているやつね。

(R-指定)あれ、ヤバいんやから!

(DJ松永)『キャラメルキャラメル』、すごいんだよな!

(R-指定)だから黒衣と合わせてこれ、客演したatiusさんのLion’s ROCK。atiusさんの天才っぷりも……。

(DJ松永)もうね、ただの天才。天才って作品、出さないからなー。なんでだろうなー。

(R-指定)でも出せば毎回……。

(DJ松永)毎回いいのよ。あれ、なんなんだろうな? あの天才現象。

(R-指定)いやー、だからこの黒衣のアルバムは全編に渡ってちゃんと渋く2MCである意味が伝わってくるいいアルバムでした。

(DJ松永)しかも当時、ジャジーヒップホップがすごい流行っていた時期だったじゃん? その中でラップがすごい骨太だなって思ったのが印象に残ってるんだよね。

(R-指定)まあ、ちゃんとその雰囲気もまといつつ、腕っぷしもちゃんとあるっていう。

(DJ松永)だからジャジーヒップホップって正直、雰囲気勝負だったからさ。当時、流行っていたやつは。

(R-指定)黒衣はちゃんとそこをずっと今も磨き上げつつやっているっていう。

(DJ松永)素晴らしいですね。

黒衣『THE SIGHT』

<書き起こしおわり>

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