安住紳一郎 ロシアのウクライナ侵攻に対するラジオリスナーのメールを紹介する

安住紳一郎「1時間弱・強」の世代ギャップを語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2022年2月27日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でロシアのウクライナ侵攻についてトーク。リスナーの方々から届いたメッセージを紹介していました。

(安住紳一郎)さて、今日はメールを紹介していきます。まず女性の方からいただいています。ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。

(安住紳一郎)「年明けからウクライナのニュースが続いています。先々週、ウクライナ人の友人が心配になり、久々に連絡したところ『大丈夫』との返事。彼女と知り合ってから20年以上。彼女は今でも日本語の勉強を続けていると聞き、大変驚きました。話は進み、ZOOMでの日本語レッスンを週に1回することになりました。彼女の言語への学習欲はものすごく、私は日本語の教師の有資格者で実務経験があるものの、現役から退いて随分経つので質問を受けた場合は後日まとめて回答。先日、『面白いコンテンツがあったら教えて』と言われていたので開設間もないこのラジオのYouTube動画を勧めました」。ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。

(安住紳一郎)この方は日本に住んでるんでしょうね。「2月13日分の動画を流しながら、分からない箇所で動画をストップさせて、字幕を見ながら彼女の質問を受け付けます。質問はその日のメッセージテーマ『ズルしちゃったこと』の赤福の話でした。『赤福とは何か?』から始まりました。友人は来日経験ゼロのウクライナ人なので日本人なら誰もが知っている伊勢名物の説明から必要です。というか、その土地土地に名物というものがあるという説明から必要です。さらに『子供は食べる数が決まっている』という日本の家庭の習慣もどうやら理解の範疇外らしく『決まっている? 子供の数が? なぜと?』質問が来ます。

加えて赤福特有の箱への詰め方もズルのキモとして省略するわけにはいかず、私の説明は日本語と英語のちゃんぽんなのですが、ZOOM通話の時間が限られているので結局『後で答えます』と私の宿題になりました。レッスン後に赤福と専用のヘラの画像を送り『ほら、隣のソースも少し取れちゃうでしょう? これがチートなんだよ』と教えたら彼女も納得がいったようで、『このメッセージのエピソード自体が非常に印象的です。面白いです』との感想をもらい、私まで嬉しかったです」。ありましたね。赤福を取るときに隣の餡をちょっとズルしてたくさん取っちゃうっていうので「ズルしちゃったこと」。これがなかなかウクライナ人に伝わらなかったという。

(中澤有美子)そうか!

(安住紳一郎)世界は広いんだから狭いんだか……。「この4日後にロシアの侵攻が始まり、私の心配するメッセージへの返事が12時間後にやっと来た時は本当にほっとしました」。よかったですね。「戒厳令下での列車での移動を強いられたようですが、出張帰りに乗るキエフ駅発の列車の運行に支障はなかったようで。『今、故郷行きの列車を待っている』と最後に記されていました。友人が無事に家路につき、これから起こるであろうさらに厳しい状況を何とか乗り越えられることを願ってやみません。

彼女が学生時代に志した松尾芭蕉の『奥の細道』の研究は日本へのビザが下りず、かなわなかったけれど『いつか一緒に行きたい日本の名所に伊勢が加わったね。一緒に赤福を食べに行こう』と話しました。コロナ禍に戦火とは何ということでしょう。悲しくてやりきれませんが、いつかはかならずお互い行き来ができるようになると信じ、毎日を大切に過ごしていこうと心に強く決めた次第です」。女性の方からメールをいただきました。ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。

(安住紳一郎)ウクライナに友人がいらっしゃるということで。心配な毎日を送っているようです。

ズルしちゃったこと「赤福の話」

(安住紳一郎)続いて、文京区からいただきました。36歳女性の方、ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。「以前番組で『薄いつながりの重要性』を語っていらっしゃったことを思い出しました」。そうですね。あれは東日本大震災の時ですか。あとはダイヤモンドプリンセス号の時にね、薄いつながりね。「ここ数日、ウクライナのニュースを見る度に涙が出ます。私は中学の頃、ひどいいじめにあっていました。個人レベルではありますが居場所を失い、自由が奪われた日々を経験したことで人の自由や権利、居場所を奪うようなことはどんなことでも絶対に許せないのです。私自身も大人になってからも当時のトラウマに苦しむことがあります。

だからこそウクライナに生きる子供たちにそのような苦しみを与えていいはずはないのです。今、この状況に対する憤りをどうしていいのか、しがない独身会社員の私に何ができるのかと悩みました。思いつく限り、私にできることは『こんなことは間違っている』と声を上げること。そしてわずかばかりの寄付をすることだけです。でも、声をあげようにもSNSは使っていないし、普段から政治経済や歴史の話をするような間柄の人もおらず、伝える相手が見つからないので番組へメールをした次第です。唐突に当たり前の幸せを奪われたウクライナの方々を思うと、息が浅くなるほど心が痛みます。

日常の延長にある地下鉄に逃げ込まねばならない状況なんて間違っていると思います。世界中で聞くことができるラジオなら、もしかしたらウクライナで聞いている方がいるかもしれません。どうかご無事でいてください。スタンド・ウィズ・ウクライナ。心は側にいます。どうぞ皆さん、ご自愛ください」という。文京区の女性の方からいただきました。ありがとうございます。優しい方ですね。

(中澤有美子)ありがとうございます。

(安住紳一郎)薄いつながりね。そうですよね。話しましたね。こういう時は親兄弟、知人というよりも知人の知人であるということが何かすごく役に立ちますという話でしたけれども。ちょうどね、家族とか子供ですと「もっと力を尽くさねばならない」という。本人の負荷も強く限界もありますし、かなりきつい。限界もあるし……ということですけれども。知人の知人……なんとなく同じ番組を聞いている1人がつらい思いをしているということに対して、非常に心を寄せることができるという特徴がありますよね。

(中澤有美子)そうですね。

「薄いつながり」の重要性/h2>
(安住紳一郎)元々は40年ぐらい前の社会学者の研究なんですけど。最近、またつとに感じますよね。ウクライナのニュース、目にしますけれども。こうして同じ番組を聞いて赤福の話で一緒に笑っている人があの空の下にいると思うと、また何か私たちにもできることが……という気持ちになると思います。

(中澤有美子)そうですね。

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<書き起こしおわり>

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