安住紳一郎さんが2022年2月20日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でリスナーから届いた鮫洲運転免許センターでの学科試験に不合格だった方が帰り道で経験したエピソードを紹介していました。
(安住紳一郎)これは2月6日の放送……ですから先々週のですね、運転免許の学科試験の鮫洲運転免許センターの話のお便りをくださってますね。40代の女性の方、ありがとうございます。この話、覚えてますか?
(中澤有美子)ええ、ええ!
(安住紳一郎)鮫洲運転免許センターで最後の学科試験ですよね? そこで合格じゃなくて不合格になった人が前の扉から出ていくっていう。なので、不合格の人たちが他の人たちに晒されながら帰らなきゃいけないっていうね。うーん。「鮫洲さらし首」ってやつだよね。「ああーっ!」っていうね。
(中澤有美子)「はい、落ちた方々ですよ」って。
(安住紳一郎)「前の方から行ってください」っていうことでしょう?
(中澤有美子)つらい。つらすぎる……。
(安住紳一郎)つらいよね。鮫洲さらし首! パワーワードだね! これもぎりぎりかな? わかんないけど。「その昔、鮫洲運転免許センターでさらし首になったものです」っていう(笑)。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
(安住紳一郎)すごいね! もう天界からお便りが来たみたいになっちゃってるよね(笑)。
(中澤有美子)そうですね(笑)。
(安住紳一郎)そうだよ。だってさらし首になっちゃった人から来てるんだもの。すごいよね!(笑)。ちょっと『ステキな金縛り』みたいなさ。映画のストーリーみたいだけど。「落ち武者が出てきた」みたいなこと? 「その昔、鮫洲でさらし首になったものです。おっしゃるように交通法規を理解していない準備不足の我々なので、前の扉から出る私たちにふりかかる軽蔑のまなざしを感じないわけではありませんでした」。そうだよね。「しかし、さらし首になったものだけが知るハートウォーミングな後日談があることはご存知ないかと思い、お便りいたしました」。すごいね。本当になんか、うーん。本当に戦でさらし首になった人みたいな、いい文章を書くね!
「しかしさらし首になったものだけが知るハートウォーミングな後日談があることはご存知ないかと思い、一筆啓上いたしました。さらし首になった私は、とぼとぼと鮫洲運転免許センターを後にしました。免許センターの立地柄、駅までの道すがらには証明写真が撮れるカメラ屋さんが何軒か軒を並べています。そこの軒先に座り、井戸端会議をしているカメラ屋のおばちゃんたちは、この時間帯にここを通る者たちがどんな状況に陥ったのか。また、それによって受けた仕打ちと傷ついた心情を誰よりも深く理解しているため、うつむいて歩く私たちに『はい、次もあるよー。またおいで』と励ましの言葉をかけてくださるのです。どうですか? 知らなかったでしょう? 準備をしっかりしていて一発合格した大勢の方々には知り得ない、こんなあたたかな出来事があったんです。以上、私だけが知るさらし首エピソードでした」。素晴らしい!
(中澤有美子)素晴らしい!
(安住紳一郎)素晴らしいか?(笑)。
(中澤有美子)泣きそうになりますね(笑)。
(安住紳一郎)泣きそうになる? そうね。
(中澤有美子)傷ついたものに染みわたる、声がけですよね。
不合格者に寄り添う声がけ
(安住紳一郎)要は、あれですよね。早い時間にまず第1陣で出てくる人は学科試験で落ちた人たちなんだということは、カメラ屋の方たちはよくわかっているわけだもんね。残念だよね……そうか。
(中澤有美子)面白すぎるー!
(安住紳一郎)面白いね。むしろ、逆にいたたまれないだろうね。会釈しながら帰るのかな? 「ありがとうございます。無念でございます……自分の準備不足で。申し訳ございません。お恥ずかしい……ありがとうございます」ってね、一礼をしてね。
(中澤有美子)面白いなー(笑)。
(安住紳一郎)本当ですよね。「試験官に、礼!」なんてね。「カメラ屋さんに、礼!」「代書屋さんに、礼!」「ありがとうございました!」って。
<書き起こしおわり>