東野幸治と永野『カセットテープ・ダイアリーズ』を語る

町山智浩『カセットテープ・ダイアリーズ』を語る 東野幸治のホンモノラジオ

永野さんが2022年2月11日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』に出演。東野幸治さんが永野さんがおすすめした映画『カセットテープ・ダイアリーズ』を見た感想を話していました。

(東野幸治)さあ、それではここでゲストを紹介しましょう。ABCラジオ2度目の登場、永野くんです!

(永野)ありがとうございます! 早く呼んでいただいてありがとうございます。

(東野幸治)大晦日以来なんです。今日もホンモノラジオのアイアンメイデン風のTシャツ、着ていただいて。ありがとうございます!

(永野)着てきました。本当にありがとうございます。

(東野幸治)あの時は本当に楽しかったですよね。洋楽とか、僕は邦楽でしたけども。リクエストをしあって。

(永野)もうあっという間に終わっちゃって。

(東野幸治)だから全然まだしゃべり足りなかったんで。

(永野)全然ですね。なんか事故にあったような……で、ちょっと否定された記憶だけあって。年末に。

「年末、ちょっと否定された記憶がある」(永野)

(東野幸治)年末に(笑)。いや、でもあれから永野くんを注目してると、なんかその本の番宣も兼ねて、そういうアーティストの方とお話したりとか。ラジオの方も行ったりとか、洋楽の仕事も増えてきてるって何となく僕は思ってるんで。よかったなって思ったり。

(永野)まあまあでも、それも呼ばれるのはFMに呼ばれてマウントされるっていうか。はい。「ラッセンのやつなんかそういう深いとかを出す……なにそれ? 事務所の売り? 付き合ってあげようか」みたいな。

(東野幸治)ああ、「2個目のエンジン」って(笑)。

(永野)「髪色も俺の知っているのと違うな?」みたいな。それで屈辱を味わって、よりニルヴァーナを聞く、みたいな。

(東野幸治)ああ、そうなんですか(笑)。で、なぜ呼んでほしいと言ったかと言いますと、ちょっと謝らないといけないことがあって……。

(永野)なんですか?

(東野幸治)いや、もう知っていらっしゃるでしょう? 今日の俺の服、見たらわかるでしょう?(笑)。

(永野)そうだ、そうだ(笑)。まあ、でもそれ、かっこいいよなー。もうちょっと……これはかっこいいでしょう? 東野さん、別に(笑)。

(東野幸治)一応、聞いてなかった方に説明をしますと、洋楽のお勧めがいろいろあった時に、僕がちょっと軽い気持ちで……まあ僕の好みなんですけど。「ブルース・スプリングスティーンはダサい」と。

(永野)びっくりして。

(東野幸治)「ブルース・スプリングスティーンはダサい。もうあんなダサい人、おれへん。あんなわかりやすい歌なんか俺は嫌や」っていうことをちょっとね、僕はもう、浅いですから。

(永野)「年末のストレスなのかな?」と思って。

(東野幸治)で、永野さんの前でそういう風に言ったら、「はあ? 何を言ってるんですか、東野さん? ええっ? ああ、そんな東野さんに一番いい映画がありますよ」「えっ、なになに?」「『カセットテープ・ダイアリーズ』を見てください。東野さんと全く同じことを言ってるやつがいますから。僕、その映画が一番好きで。めちゃめちゃ泣きますから」って言ってて。「ああ、わかりました、わかりました」って。

まあ、それを軽く受け止めていて。で、それを聞いてから1月後なんですよ。だから、あんまり響いてなかった。こっちもね、見るやつがあるし。そんな、そのカセットテープなんたらなんて見ている時間が正直ない。「俺にはもっと、Netflixの今をときめくきらきらした作品を見なあかんのに、そのカセットテープなんたら? 知らん知らん!」みたいな。

(永野)そうですよね。

(東野幸治)で、ジャケットを見たんですよ。「ダサいやん? なんや、これ! 誰がこんなん……タイトルも悪いし、なんかおもろなさそうなやつやな。知らない人やし……なに、なに?」と思って。で、まあとりあえず、Netflixにあったから、見たんですよ。号泣しました。

(永野)ありがとうございます!

(東野幸治)ごめんなさい。ホンマにごめんなさい!

(永野)本当に号泣したんですか?

「ホンマに号泣」(東野)

(東野幸治)ホンマに号泣して。ホンマにね、俺みたいなやつ、おった(笑)。あの、なんかあれはロンドンの1980年代後半の安っぽいテクノポップみたいな感じ。MTV全盛の……まあ、俺はそれが好きやったのもあるけども。あんな、放送部の人間みたいな感じ。「なんでブルース・スプリングスティーンの曲なんかかけなきゃいけないんだよ?」みたいな。

(永野)ホンモノラジオみたいでしたよね。あの放送部。本当に(笑)。

(東野幸治)ホンマにそうなのよ。まんま、そうで。で、見てない方に言いますと、言うたらパキスタン系の移民家族がロンドンというか、イギリスに住んで。そこですごい差別というか、つらい目に遭いながらも頑張る家族。その長男、高校生の話なんですけど。その高校生がイスラム系の友達から「これ、聞いたら?」って渡されたカセットテープの中にブルース・スプリングスティーンがあって。でも、その1980年代の後半、みんなはもう「ブルース・スプリングスティーンっていうのはお父さんが聞くものだ」みたいな感じ。

だから、我々で言うと郷ひろみさんとか西城秀樹とか、いきなり「野口五郎の曲、聞いたら?」「えっ、なんで? 『私鉄沿線』? そんなん、知らん知らん!」っていう感じから始まるんですけど。そこから、その主人公がブルース・スプリングスティーンにドハマリして。当時、ブルース・スプリングスティーンが着てたデニムのセットアップも真似して着だしてってやるんですけど。僕もね、東野デニムっていうYouTubeをやってるから。たまたまセットアップあったし。で、やってて。ほんでつらい思いとか、いろんなこと……差別とかがあって。もう号泣して。なんやったらこの1月、2月で見た映画の中でナンバーワン!

(永野)ありがとうございます!

(東野幸治)ほんで俺、ホンモノラジオで流したもんね。ブルース・スプリングスティーン、レコードで流しましたよ。

(永野)ありがとうございます(笑)。なんで俺、「ありがとうございます」って言っているんだろう?(笑)。でも、嬉しいですね。

(東野幸治)いや、めちゃめちゃよかって。で、だからそういうのも、時代を関係なく音楽っていいなっていうのがあって。だから俺は何をしたいか考えた時に、「まず永野くんに謝ろう。俺はホンマになんてことを……」って。もう大晦日に上から、東京のFMのDJみたいな感じで。「音楽、好きなんだ?」みたいな(笑)。

(永野)もう鼻で笑われて。「ブルース・スプリングスティーン?」とかって言われて。「じゃあ、ポチッとしておきます。カセットテープ、何でした?」みたいな(笑)。

(東野幸治)「ええと、ダイヤなんとか? えっ?」って。いや、ホンマに申し訳ないなって思って。

(永野)いや、本当に嬉しいな。

(東野幸治)ラジオを聞いてる方で知らない方がいましたら、Netflixに入ってる方がいましたら、『カセットテープ・ダイアリーズ』をぜひぜひ見ててほしいと思います。

(永野)嬉しいですね。

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』予告編

<書き起こしおわり>

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