渡辺志保とDJ YANATAKEが選ぶ2021年ヒップホップ年間ベスト大賞

渡辺志保とDJ YANATAKEが選ぶ2019年ヒップホップ年間ベスト大賞 INSIDE OUT

(渡辺志保)というわけで今年、これも……っていうか、もうヒップホップの名曲なんてコラボぞろいじゃないですか。だいたい、もう。もはや。だからこれもすごい決めるのをどうしようかな、どうしようかなと思って。私も第1希望、第2、第3、第4希望ぐらいまでブワーッと書き出して決めたんですけども。私、というか、『INSIDE OUT』が選ぶ今年のベストコラボレーション・オブ・ジ・イヤーはまず、USバージョンはタイラー・ザ・クリエイター『WUSYANAME feat. YoungBoy Never Broke Again & Ty Dolla $ign』。この三者のコラボソング、やはり……これは本当によく聞いたし。

(DJ YANATAKE)俺もよく聞いた、これ!

Tyler, The Creator『WUSYANAME feat. YoungBoy Never Broke Again & Ty Dolla $ign』

(渡辺志保)これ、すごい「好き」が詰まってるって言ったらなんかすごい薄っぺらいけども。やっぱりこうネタ元の90年代R&Bの感じであるとか。で、もっと言うと今回、今年出したタイラー・ザ・クリエイターの『CALL ME IF YOU GET LOST』というアルバムは私もリアルタイムで大好きだったDJドラマを呼んで、その当時の2000年代半ば、初期ぐらいのミックステープの風合いをタイラー的に再構築したみたいなテーマがひとつ、あると思うんですけれども。そこにまた更に、甘酸っぱいこの『WUSYANAME』。

で、もちろんタイ・ダラー・サインの素晴らしさも十分に出されているし。で、プラス、そこにちょっと破天荒なヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインをギュッと差し込むところもタイラーならではだなっていう風に思いましたので。その参加アーティスト3名の素晴らしさプラス、DJドラマの良さも光っているという風に思いましたのでこの曲を、悩んだけどね。ベストコラボソングかなという風に思いました。

(DJ YANATAKE)でもタイラー、やっぱりアルバムとしても本当に海外の評価、高かったんですよね。

(渡辺志保)そうなんですよね。だからこういった作品……今年は後でまた話すけど。アルバムイヤーだったなってすごく思いますので。もうタイラーもこんな素晴らしい作品をありがとうっていう。

(DJ YANATAKE)全然違うものを聞いてるみたいだけど、面白いよね。やっぱりね。

(渡辺志保)本当ですね。っていうような感じで選びました。

(DJ YANATAKE)じゃあコラボレーション・オブ・ジ・イヤーはタイラー・ザ・クリエイター『WUSYANAME feat. YoungBoy Never Broke Again & Ty Dolla $ign』でした。国内のコラボレーション・オブ・ジ・イヤー。これも異論はないんじゃないかなと思うんですけども。行ってみたいと思います。国内は、これ! JP THE WAVYで『WAVEBODY (Remix) feat. OZworld, LEX & ¥ellow Bucks』でございます。

JP THE WAVY『WAVEBODY (Remix) feat. OZworld, LEX & ¥ellow Bucks』


(渡辺志保)でもこれもめちゃくちゃ悩ましい選択というか。

(DJ YANATAKE)まあ他にももちろんいっぱいあるんですけども。これね、まずDJ的にもかけやすかったっていうのがすごくあって。あの「チャララララッ、チャラッチャラッチャラッ♪」っていうイントロでさ、いろんな入れ方ができたりするっていうので。本当にDJのみんな、「使い勝手いいよね」っていう話をよくしていました。そして、WAVYくんはもうどこの部門に入れてもいいぐらいの大活躍でしたね。海外の『ワイルド・スピード』のサントラに参加したり。LEXもそうですけど『GQ』のあれとかも素晴らしかったですね。

(渡辺志保)アーティスト・オブ・ジ・イヤー、ブレイクスルー・アーティスト・オブ・ジ・イヤーに選ばれたり。

(DJ YANATAKE)ツアーも成功させたりさ。いろいろ頑張っていらっしゃって、もちろんどこに入れてもよかったんですけど。この曲、やっぱり特に引っ張ってたなっていう意味と……それとまず、人選がやっぱり本当によかったですね。OZworld、LEXとかがオリジナルバージョンで出て。で、話題になったところで、これは普通に出しただけだったんだけども。でも、今年これも1個、象徴的なことですかね。デラックス盤ブームっていうことですかね。で、『WAVY TAPE 2』のデラックス盤が出まして。それになんと、ここに¥ellow Bucksを入れるのか!っていう。もう、北海道のいくら丼に「よいしょ! よいしょ!」みたいな(笑)。「よいしょ! まだまだ、よいしょ! まだ盛るぞ!」みたいな。もう、盛り盛りですよ。このメンツに誰がケチをつけられようか?っていうね。で、どこを切っても素晴らしいコラボということで選ばさせていただきました。

(渡辺志保)これも本当に異論なしだし。このミュージックビデオもすごく素晴らしかったし。

(DJ YANATAKE)リミックスでミュージックビデオが出たっていうことでね、このコラボレーション・オブ・ジ・イヤーにはリミックスを選んでみました。

(渡辺志保)ありがとうございます。というわけでベスト・コラボレーション・オブ・ジ・イヤーは『WAVEBODY (Remix) 』でした。

(中略)

(DJ YANATAKE)そうそう。ここらへんで言っておきたいんですけども。我々の好みというか、それはもちろん存分に入っているんですが。なんか今、SNSでね、これは毎年言ってますけども。いろんな自分の好みのさ、個人個人のベストを発表できることになったじゃないですか。だからそれはそれでいいんですよ。なんですけど、一応10年やってるメディアとしてですね、ちゃんと1年に1回、「今年、こういうのが流行っていたよ。こういうのがベストだったんじゃない?」っていうのをちゃんとすごい俯瞰した視点も持って、こういうのを残しておきたいなっていう意味で、画像も作ってやっております。

(渡辺志保)そうなんですよね。やっぱり今、ヒップホップの専門メディアっていうのがどんどん減って、枯渇している中で、やっぱりあとで振り返った時に「2020年ってどんな曲が流行っていたんだっけ?」とか「2021年ってどんなアルバムが出てたんだっけ?」みたいな。ふとを思い返した時に何かしらの指針になればいいなというところもありますし。で、あと我々が選ぶっていうことはやっぱりヤナタケさんもずっとね、クラブの現場の一線でずっとDJをしていらっしゃるわけだし。やっぱりそこの観点なんかもね、鑑みながら、選出しております。

(DJ YANATAKE)過去のももし見たい人がいたらですね、僕のあのインスタとかを頑張ってさかのぼるとかちゃんと全部、残ってますので、チェックしてみてください。

(渡辺志保)そういったものも参照していただければと思います。じゃあ、次は?

(DJ YANATAKE)プロデューサー・オブ・ジ・イヤーにしときますか。これはもう、US、日本を合わせてっていう感じにしておきますかね。行きましょう。『INSIDE OUT』が選ぶベストプロデューサー。プロデューサー・オブ・ジ・イヤーは……トリル・ダイナスティ!

(渡辺志保)トリル・ダイナスティさーん! いや、でもこれも文句なしなんじゃないの?っていう感じがしますけどね。

Trill Dynasty

(DJ YANATAKE)もちろんね、海外の相変わらずのメンバーはもう大活躍ですよ。で、国内もKMくんもさ、いろいろおもしろい企画をたくさんやってらっしゃったし。

(渡辺志保)アルバムも素晴らしかったしね。

(DJ YANATAKE)あと、もちろんBACHLOGICも素晴らしかったですよね。フックアップも含め、ああいうBRIZAとかともやっていたりとか、素晴らしかったんですが。でもとにかく、一旦話題をかっさらったのはトリル・ダイナスティかなっていう気がしますね。

(渡辺志保)本当にね。しかも、気付いたらもう地上波のテレビ番組とかにも取材されちゃっていて、すっかり我々の手の届かない存在に……。

(DJ YANATAKE)でもね、インスタライブなんかたまにやると、フッと入ってきてくれたりするんだよね。そこらへんは変わらずに、なんですけども。まあ、改めてね説明しますけども。トリル・ダイナスティは茨城県出身で、茨城県に住みながらですね、なんで全米ビルボードチャート1位を取るっていうね。

(渡辺志保)すごいですね。リル・ダークですからね。しかもね。

(DJ YANATAKE)リル・ダーク、本当に今を代表するラッパーの1人でございますけども。彼のアルバムのタイトル曲だよね。しかもね。『The Voice』。そのプロデュースに参加して。で、その瞬間はもちろんね、話題にもなったんですけども。でもプラークっていうんですか? あの盾みたいなのが届いて、その写真がバズッたおかげで、ねえ。本当に民放のマツコ・デラックスのところにまで行くっていうね。

(渡辺志保)いや、すごいことですよね。しかもそのスピード感もすごかったですしね。

(DJ YANATAKE)いや、本当に。なので、またいろいろと話すと、これから海外のプロジェクトもいっぱい控えてるみたいだし。たとえば国内ももうね、いろいろと、ELIONEのビートをやったり。あと地元のラッパーの子とやったり、『ラップスタア誕生!』のビートをやったりとか。いろいろと活躍してて更に来年、もっと活躍するじゃないかなっていうことで。もちろんね、国内他にもたくさんね、いいプロデューサーがいるんですけども。今年はトリル・ダイナスティの活躍というか、1個すごい記録があったので。そこは異論なしかな?っていう風に思います。

(渡辺志保)いろんなね、話題をもたらしてくださったということで、プロデューサー・オブ・ジ・イヤーはトリル・ダイナスティさんに決定です! そして毎年、DJを決めていますけどね。この番組ならではだと思いますけども。

(DJ YANATAKE)DJ・オブ・ジ・イヤー。これ、国内のDJの方をいつも選出させていただいております。特に今はコロナだしね。海外のDJもほぼ日本に来なかったしね。

(渡辺志保)本当ね。なんかもう、懐かしいですね。何だったんだろう? また見れる日が来るのかな?っていう感じがしますけどね。

(DJ YANATAKE)まあ1名、選びました。『INSIDE OUT』が選ぶはいDJ・オブ・ジ・イヤーは……DJ TATSUKI!

(渡辺志保)おめでとうございます!

DJ TATSUKI

(DJ YANATAKE)たっちゃん! おめでとうございます! ねえ。名誉だけなんですけども。あ、でも今度、お昼ごはんぐらいはごちそうしましょうかね。

(渡辺志保)ああ、私もおごらせてください(笑)。

(DJ YANATAKE)あのですね、タツキくんにした理由は実はすごくたくさんあって。もちろんね、DJ CHARI & DJ TATSUKIでこのコロナ禍でも本当に休みなしで、毎週末どこぞでDJでいろんな都市に出掛けていくぐらい、まず超売れっ子。で、もちろんCHARIはDJ、めちゃくちゃ上手いんですよ。テクニックだけで言ったらめちゃくちゃ上手いんですけども。CHARIは最近、前に出て歌ったりとかするから(笑)。

(渡辺志保)そうね。パフォーマンスがね(笑)。

(DJ YANATAKE)DJしているのは実はタツキみたいな(笑)。

(渡辺志保)ああ、後ろで控えて……みたいな。

(DJ YANATAKE)で、毎週WREPの方でDJプレイを俺、間近で聞かせてもらってるんですけど。まあ、これを言ったら上からみたいになっちゃうんで申し訳ないんですけど。どんどんDJが上手くなっているような気がするんですよ。あと、他のクラブとか行くとね、たとえばLAURELのDJ SHINくんとか、いろいろ話すけど。今年、たとえばそういう……SHINくんも結構いっぱいブッキングする人だからさ。ゲストで呼ぶ人のキーワードはもう絶対的に日本語ラップをうまくかけられる人じゃなきゃダメなんですって。

(渡辺志保)おお、もうそういう時代に突入している?

(DJ YANATAKE)そう。本当に日本語ラップ、すごいから。マジで盛り上がっていて。クラブDJももうバンバンかけていて。だから洋楽ももちろんかけるんだけど、やっぱり日本語ラップをうまくかけられないと……っていう意味ではタツキはね、本当にすごいですよ。その日本語の引き出しが。

(渡辺志保)へー! すごい! さすがね。

(DJ YANATAKE)で、今っぽいのももちろんバンバン行くんだけど。たとえばあの子が強いのは、本当はマジですごい不良っぽいヒップホップが大好きなわけですよ。だからそっち側もすごい強いし。かつ、ZORNのバックDJですから。今年の頭はさっき言った武道館公演を経験して。横浜アリーナのステージにも立ってるDJなわけですよ。

(渡辺志保)たしかに、言われてみれば。本当ですね。

(DJ YANATAKE)さらにバイオリンなんか弾いちゃったりして(笑)。

(渡辺志保)だってオーケストラの一員としても立っているわけですからね。

(DJ YANATAKE)さらにですよ、戦極MCBATTLE24章のオープニングではDJ CHARI & DJ TATSUKIとしてですけども。武道館でDJもしている。ライブの武道館も立って、DJの武道館にも立って、横浜アリーナも経験しているDJが今年、いるんだろうか?

(渡辺志保)たしかに。前人未到の域に達しているDJ TATSUKIさん。そうかそうか。たしかに。

(DJ YANATAKE)それでたぶんDJとして今、キャリアが相当いい……なんというか、モチベーション高くやってるっていうか。で、毎週ミックスを聞いてるんすけど。なんていうか、たとえば同じ曲をかけても同じにならないっていうかな?

(渡辺志保)おおっ! まさに名DJの鏡っていう感じがしますよね。

(DJ YANATAKE)本当に日本語をかけるのが上手いし。今、一番上手いんじゃないかな? 本当に日本語ラップをかけさせたら。と、思うぐらい素晴らしいDJですね。

(渡辺志保)なるほど。じゃあ『INSIDE OUT』の今年のDJ・オブ・ジ・イヤーはDJ TATSUKIさんに。

(DJ YANATAKE)(コメントを読む)あ、今、「カオリン」さんっていう方が毎週、そのタツキのWREPのミックスも聞いてくれていてね。その方のTwitterの様子がいつもおかしくなるんですよ。なのでタツキくんには今度、ランチをごちそうします!

(渡辺志保)いいなー。私もジョインさせてくださいっていう感じです(笑)。

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