安住紳一郎さんが2021年11月7日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で野生動物についてトーク。秘境の温泉に行く途中で出会った野生のカモシカの思い出を話していました。
(安住紳一郎)入間市の46歳女性の方。ありがとうございます。「玄関の外に人感センサーのついた防犯カメラがついているのですが、夜中になにかを感知して録画を始めることがあります。カメラの角度から庭の方向が映っているのですが、大抵は風に揺れる木の枝だったり、そこを抜け道にしているにゃんこだったりします。それでも時折、猫にしてはしっぽのふさふさのものが茶色く、ちらちらと映りこんでいる時があって。
そんな時にはそっとベランダに出て、何頭の狸が庭を闊歩しているのかを数えてみるのです。動物園にいても立ち止まって見ることはない狸ですが、今目の前にいるのは野生動物。夜中、警戒オーラをガンガン飛ばしながら、ひたすらに食べ物を探し野生を生き抜く狸。防犯カメラに映る野生動物に1人、気分が高揚するのです」。
(中澤有美子)そうですねー。
(安住紳一郎)そうね。たしかにね。最近は、ねえ。まあ、この間も都内で猿が出ていましたけども。野生動物、野生で生きている哺乳類たちのあの覚悟というか、凛とした感じを見ると、うん。気分、あがりますよね。
(中澤有美子)そうですよね。面構えがなんか違いますものね。
(安住紳一郎)全く違いますよね。やっぱりペットとかね、動物園のをずっと見ているしかないですからね。別にジャングルがあるわけでもないので。野生動物、たしかに。私、前に栃木の方の山間の温泉に行った時。「これは春先だけど熊が出たら嫌だな」っていうような道を……秘境の温泉に私、行っちゃったもんですから。秘境温泉好きだから。私。で、「近道」って書いてあった、駐車場から崖を上るような。
秘境の温泉への近道
(安住紳一郎)40分弱ぐらいの「ここから行くと近いです」みたいなところを上っちゃったのね。その時に「いやー、栃木、群馬だと2月、3月なら熊は出ないんじゃないかな?」って思ってネットで調べたら「出ます」って書いてあったから。「いや、これはピンチだな」って思って。で、スマートフォンからガンガンに音楽を流しながら進んでいったら、出会い頭にカモシカ先生に会っちゃって。
(中澤有美子)ええっ、すごいすごい!
(安住紳一郎)カモシカがさ、香箱座りみたいな感じで……本当にカモシカって山の斜面に正座して座っているのね。びっくりしたよ。俺、北大路欣也さんがいるのかと思ってさ!
(中澤有美子)あら、お行儀がいい(笑)。
(安住紳一郎)で、最初は木かなと思ったんだよね。一瞬、木かなと思って。「なんか人の顔に見えた気が……」って思ってもう1回、パッと見たらカモシカだったのよ。あの白いラインが入っていて。「うわっ!」って思ったらカモシカがこっちをジッと見てるの。で、後で調べたらカモシカって結構人の目を見るらしいんですけども。「はっ!」って思って。「ええっ?」って思ったもんね。だから全然、生物としての格は遥かに向こうの方が上なんだよね。堂々としているわけ。
(モノマネで)「北大路でございます」みたいな感じでドンとしているわけ。(モノマネで)「近道を行ってらっしゃるんですね?」「はい……お邪魔しています」みたいな(笑)。本当にいるのよ。山の斜面にあの、香箱座りってわかります? 猫が前足を揃える、スフィンクス座りみたいなのをして山の斜面に。「えっ、そのまま前に滑るんじゃないかな?」みたいな感じで座っているのよ。つんのめっちゃってさ。「ええっ? なにそれ? ソリに乗ってるの?」みたいな感じで。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
北大路欣也さんのような存在感
(安住紳一郎)しずしずとね。ああ、カモシカ、よかったわ。野生動物、すごいなと思いました。
(中澤有美子)いいですね。じゃあ、そーっと通過していったんですか?
(安住紳一郎)そーっと通過していった。むしろ、怖かったけどね。今は笑っていられるけども。すごい怖かった。はあ……思い出しちゃった。
<書き起こしおわり>