T-PABLOWとYZERR 地元川崎にレコーディングスタジオを作った話

T-PABLOWとYZERR 地元川崎にレコーディングスタジオを作った話 Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

T-PABLOWさん、YZERRさんが2021年10月19日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』にゲスト出演。Creepy Nutsのお二人と地元川崎にレコーディングスタジオを設立して、若手ラッパーに無料で貸し出すようにした話をしていました。

(DJ松永)後輩とかって、いるんですか? その、下の世代の……。

(YZERR)めちゃくちゃいますね。若い子は今、みんなやってますね。本当、暴走族になるか、ラッパーになるかみたいな感じっぽいですよね。

(R-指定)ホンマにリリックのまんまやん!

(DJ松永)暴走族ってだいぶ減りましたよね?

(YZERR)減りましたね。僕たちの世代でも、やっぱり、そうですね。全然いない。

(DJ松永)全然……やっぱり川崎って結構特別ですよね? 俺、初めて川崎に行って、なんかフェスの誘導のバイトみたいなのをしたんですよ。そこで初めて行ったんですよ。それ、川崎競馬場の近くのバスを停めるようなところ、あるじゃないですか。そこらへんで誘導のバイトしてて。初めて競馬場の近くに行って、競馬場にいる人たちの様子を初めて見て。「えっ、こんなことあるの?」と思って。ちゃんと、まあ普通じゃなく歩いてるというか。ちゃんとワンカップ持って、とか。ちゃんとこう、なんか……俺の知っている自分たちと違う世界みたいのが広がってて。「ああ、こういうところがあるんだ」とか思って。

(YZERR)まあ、川崎は治安が悪いとか、そういうことも別に特にないんですけど。なんか街がギュッと凝縮されてるんですよね。川崎区っていう場所が僕たちの出身なんですけど。そこがちょっと、競輪と競馬があって。風俗街があって、いろんなものが……繁華街があって、みたいな感じで。それがすごいまとまってるっていうだけです。

(R-指定)だからもう、いろんなビジネスで、裏と表もギュッとなっていて。

(YZERR)工場地帯もあるんで。で、いろんな人がギュッとなっていて。だから、そうなんですよ。横浜と東京にも本当5分、5分で入れちゃうんで。幅が4キロとかしかないんで。細長いんで。だからめっちゃ狭いんですよね。

(DJ松永)川崎も違う……なんか高級住宅っぽいところもありますよね?

(YZERR)そうですね。それこそ川崎南部・北部って言われますけど。その北部の方は結構、緑豊かな……。

(T-PABLOW)住みやすい街ランキングの結構上位に入りますよね。

(R-指定)でも、あれやんな。後輩で言うと、スタジオをなんか川崎に建てたみたいな?

(DJ松永)ああ、そうだ。一軒家の。

(YZERR)そうですね。はい。設立しましたね。

(R-指定)そこで川崎の若い子らもそこにRECしに来たりとか、ラップの練習しに来たりとかできるみたいな。

(T-PABLOW)そうですね。今、県外からも何人かは来たりはしてるんですけど。それは知り合いのラッパーとかなんですけど。それは無料で全部貸し出すっていう。

(DJ松永)すごい! 無料って……だってスタジオってまあ、金がかかるじゃないですか。

(YZERR)金かかるんすよね。維持費が本当に。

(DJ松永)半端ないですよね。なんかそもそも普通に家を建てるのと違うから、防音とか、機材入れたりとかするのって結構すごい金がかかるし。たぶん壁を作るとちょっと部屋が狭くなったりもするし。

(YZERR)そうですね。はい。

BAD HOPレコーディングスタジオ

(R-指定)でもさ、言ったら若いラッパーたちをもっとレベルを上げたりとか、育成しようみたいな考えがあるからそのスタジオがあったりとか。その今回の『ラップスタア誕生!』の審査員を引き受けるとか。そういう意識って、いつぐらいにできたの? 俺が覚えてるのは、『フリースタイルダンジョン』が流行り始めた頃のインタビューみたいなんで、俺とたぶんパブロが横に並んでいて、インタビューされていて。「なんか目標みたいなの、あります?」って言われて。俺は何も思いつかんかったから普通に「死ぬまでラップ、上手くなりたいですね」みたいなことを言ったら横でパブロが「人気絶頂の時に辞めて、裏方に回って若手育成したいです」みたいなビジョンがめっちゃちゃんとしていて。

(T-PABLOW)ああ、そんなこと言ってました?

(R-指定)ああ、言ってた、言ってた。

(T-PABLOW)けどなんか昔からちょっと、そういうのがあったのかもしれないですね。そういう気持ちは。

(DJ松永)なんかやってることがアメリカっぽいですよね。チームを作って、スタジオで自分たちでってやって、後輩も……みたいな。

(YZERR)海外にはまあ、ありますもんね。そういう風に無料で貸し出してるスタジオとか、結構いっぱいありますよね。

(R-指定)そういうのを日本でも……っていう。

(T-PABLOW)結構、俺らも遠回りした世代なんで。結構遠回りを……レコーディングひとつとっても。まあそこは近道できた方がいいなっていう。

(YZERR)「お金がない」っていう理由でできないみたいなのはちょっと嫌ですよね。才能ある子たちが。それでなんか違う変な……なんか変な非行みたいなのに走ったりしても。それだったんなら、ここに閉じこもって本気でやってほしいなと思いますよね。

(DJ松永)結構ね、アメリカのプロデューサーとかと丸々1枚アルバム作ったりとかしていたじゃないですか。で、ちょっと前にSNSで見たけど。21サヴェージと写真を撮ってるみたいなのとか。あれ、どういう流れでああいう風になっていったんですか?

(YZERR)ええと、それはアップルの……AppleMusicの代表の方なんですかね? それこそ、もうカニエのA&Rとかをやってる人とかが「日本の今の音楽、どういう感じ?」みたいなことをこっち来た時に話してて。その時に僕たちの名前が挙がって。で、なんかその映像を見た時に「彼らはどこのレーベルに所属してるの?」「いや、彼らは自主みたいだよ」って話になって。そしたら1回、「それはないだろう?」みたいになって。その時、たぶん武道館の映像を見たみたいなんで。

それで1回戻って「確認してます」ってなって。アップルの人から連絡が来て。「ああ、僕たちでやってます」って言ったら、「マジか。それをやるんだったら、もう本当に応援したいわ」ってなって、僕たちのライブを見にもう1回、戻ってきてくれて。で、「やりたいプロデューサーの名前を挙げてほしい」って言われて。最初は1人、マーダー・ビーツっていう人だったんですけども。そしたら、向こうに行ったらもう6、7名……。

(T-PABLOW)もう毎日、代わる代わるいろんなプロデューサーを連れてきてくれて。

(DJ松永)しかも全員、有名どころっていうね。

(YZERR)そうですね。やっぱりそういうのをしてもらってるから、スタジオとかでそれを返してるっていうのもありますね。やってもらったんで。やっぱり。自分たちが。

自分たちがしてもらったことを返している

(DJ松永)でもたしかに自主感、ないですよね。やってる規模……その、見せ方。そのアートワークひとつ取ってもその見せ方。グッズしかり、ジャケもしかり、ライブのフライヤーもしかり……もう完全に全部、自分たちの見え方がわかっていて。全部、デザインに落とし込んで、統一感があって。で、全部……もう一気に武道館みたいなのって、なんかすごいプレイヤーたちが自分たちで考えられる感じの戦略じゃないな、みたいな。

(T-PABLOW)まあ、それはYZERRがいろんなことを考えたりするのに強いんすよね。まあ、アートワークとかはみんなで話し合ったりとかはあるんですけど。

(R-指定)でも、フライヤーを書いていたりとか。

(T-PABLOW)そうですね。逆に……聞いていいですか?

(R-指定)もちろん、もちろん。

(T-PABLOW)お二人はどのぐらい自分たちで考えます?

(R-指定)でも、結構ジャケを考えたりするのは松永さんが……。

(DJ松永)とか、グッズとか。そうそう。ラップ以外のことを……なんかラップに集中してもらうっていう分担がいいだろうなとか思って。で、俺は全部、自分が思う通りにコントロールしたいって思っちゃうタイプなんで。全部、やりますね。グッズひとつからして。

(YZERR)基本的に全部、行き渡ってますもんね?

(DJ松永)いやいや、全然、全然(笑)。

(YZERR)本当、すごいですよね。

(R-指定)急な褒められに対応できない(笑)。

(YZERR)いや、さすがだなって思って。

(DJ松永)たしかに、自主だっていうのはびっくりするよね。向こうの人もね。

<書き起こしおわり>

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