宇多丸 Creepy Nuts(宇多丸チルドレン)と語り合う

宇多丸 Creepy Nuts(宇多丸チルドレン)と語り合う Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

宇多丸さんがニッポン放送『オールナイトニッポン0』にゲスト出演。宇多丸チルドレンのR-指定さん、DJ松永さんとエゴサーチやこれ以上努力をしないでほしい件、褒められ下手なことなどについて話していました。

(DJ松永)メールが一通、届いております。「宇多丸さん、こんばんは。ここで宇多丸さんにお伝えしなければならないのですが、先週までの放送で松永さんは宇多丸さんに向かって『目の上のたんこぶ』『365日賢者モード』『雨の多い季節だからてるてる坊主……いや、チェケチェケ坊主を呼んじゃったぜ。窓際に吊るすよ』などとほざいておりました。どうかそこの恩知らずの始末のほど、よろしくお願いします」(笑)。

(宇多丸)「始末のほど」(笑)。

(DJ松永)なんで俺がこれを読んでるんだよ!

(一同)フハハハハハハッ!

(宇多丸)でもさ、一通りさっきから言ってたじゃねえかよ?

(R-指定)これ、ホンマに言ってましたからね(笑)。

(宇多丸)あなたね、そんなもの、Twitterだのなんだの、後からだってすぐに出てきちゃうんだから!

(DJ松永)フハハハハハハッ! マズい!

(宇多丸)もう即時性で耳に入ってますからね。そんなもんは。

(DJ松永)それは事前チェックっていうか、耳に入っていたんですか?

(宇多丸)入ってますよ、そりゃあ!

(DJ松永)怖っ!

(宇多丸)なんだと思っているんだ、その現代の情報社会をさ。

(DJ松永)やっぱりSNSに舞い降りないと思っていたから。そこはチェックしてないのかって……。

(宇多丸)バーカ! 俺のエゴサ力、半端ねえぞ! ちょっとやそっと字を変えたぐらいじゃあキャッチすっからね!

(R-指定)宇多さんのパンチライン、ありますからね。「お前ら、見てっからな!」っていう(笑)。

(宇多丸)お前ら、全部見てっからな! 俺関連のツイート以外の、お前らのその生活全般をチェックしてるからな、この野郎! 深淵をのぞく時は深淵からも見返されているんだぞ!

(DJ松永)フハハハハハハッ! クソッ、わかるっ!(笑)。やってる!

(R-指定)松永さんもね、エゴサーチャーですからね。

(宇多丸)やっぱりガソリンを入れたくなるタイプでしょうからね。

エゴサーチャー・宇多丸&DJ松永

(DJ松永)そうなんですよね。Twitterは結構いいことしか……そんな悪いこと、意外とつぶやかれてなかったりしますよね。

(宇多丸)えっ、松永に対して? それはお前、検索の仕方が下手なんじゃないのか?

(DJ松永)えっ、マジっすか?

(宇多丸)俺が見つけてやろうか?(笑)。

(R-指定)フハハハハハハッ!

(DJ松永)いい、いい! 全然いいですよ!

(宇多丸)掘れるよー! いいところをね。いいガソリン、いっぱいあるよ。

(DJ松永)いまので十分です(笑)。

(宇多丸)ああ、本当? そんなことよりも俺にとってにガソリンはお前だよ! だからそのいちばん点火してんのはさ。そんな「チェケチェケ坊主」とかはさ、ぶっちゃけラッパー全般に対するディス感もあるじゃないですか。

(R-指定)そうなんです。で、不思議なことにね、我々のラジオね、毎週「チェケ」っていういじり方をされるんですよ。「もうアカンぞ」って言ってるのに。

(DJ松永)2019年に1周目のいじり方をされるんです(笑)。

(宇多丸)1周目のね(笑)。で、あと前にさ、俺はRに言ったよね。松永がさ、「いやー、まあ僕はみなさんみたいなポエマーとは違うんで。ポエムを書く連中とは違うんで」って。

(DJ松永)フハハハハハハッ!

(R-指定)松永によるラッパー全般ディスというね。

(宇多丸)作詞家とかも。すげえな、こいつ!って思って。

(DJ松永)いやー、リスペクトしてますよ。リスペクトしてます。

(R-指定)無理無理無理!

(DJ松永)いや、好き、好き、好き(笑)。

(R-指定)なんや、「好き」って?

(宇多丸)すごいよね。

(DJ松永)いや、リスペクトがあった上で……。

(宇多丸)ああ、そう。うん。なるほど。

(DJ松永)土下座はミックスチャンネルで。残りのところでやるんで。

(R-指定)あとでまとめて?

(DJ松永)放送終了後にミックスチャンネルで。

放送終了後にミックスチャンネル

(宇多丸)ああ、本当? でも土下座だっていま、だいぶ土下座はハードルが上がっているからな!

(R-指定)ああ、たしかに(笑)。

(宇多丸)ちょっとやそっとの土下座じゃあちょっとさ。あれだけのことをやられちゃあさ……。

(DJ松永)土下寝かな?

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(宇多丸)土下もかなり来てるからな。歴史もあるからさ。そんな簡単にいかないぞ。俺もだって土下はかなりイケるからね!

(R-指定)宇多さんなんか俺らCreepy Nutsと会うたびに「いやいや、俺なんか、俺なんか……」っていうのでお互いに土下座しあうみたいな。謎のノリがあったじゃないですか。

(DJ松永)そうそう。そうなんすよ。

(宇多丸)あと、さっき藤井隆さんもこの土下合戦ではどんどんどんどんとね、やっぱりすごいんですよ。俺よりもはるかに早く下にいくから。だから土下寝とかは全然藤井さん、上にいってるから。ゴリゴリに頭をすりつけているから。

(DJ松永)藤井隆さんに土下座されたら、こっちはどうしたらいいんすか?

(宇多丸)だからどうにもならないな。お手上げだよ。

(DJ松永)フフフ、こっちですよ。そのマウントの取られ方をするのは。恐ろしい。

(宇多丸)これ、不毛な戦いはやめようぜ。

(R-指定)まあ、なにを隠そう我々Creepy Nutsはホンマに言っていた通り、宇多丸チルドレンですから。

(DJ松永)いや、本当です。

(宇多丸)なにを言っているんですか。本当にね。

(R-指定)まあ、何度も同じようなことを言っちゃいますけども、本当にRHYMESTERを……。

宇多丸チルドレン・Creepy Nuts

(宇多丸)松永、いまモジモジしだしましたよ。だってラジオに職人として投稿をしていて。なんだっけ、ラジオネームは?

(DJ松永)そ、そ、そこは! そこは!

(宇多丸)なんでそんな恥ずかしがるの? いいじゃねえか、別に。

(DJ松永)神秘性、神秘性……。

(R-指定)神秘性なんかあるか、お前に!

(DJ松永)みんな、俺の神秘性を信じているから(笑)。だからラジオも聞いて、ヒップホップも好きになって……(笑)。

(宇多丸)お前、全然本気で言っているように響いてこねえんだよ!

(R-指定)だって19の時の松永さんが「はじめてCDを出す」っていうメールを……。

(DJ松永)おいおいおい! やめろやめろ!

(R-指定)RHYMESTERの『WANTED!』に送っていたやつを俺、後聞きで聞いて。「これ、松永ちゃう?」って本人に問い詰めましたからね。「あれ、松永さんやろ?」「そう」って言っていたんで。

(宇多丸)いや、これはいい話だよ。

(R-指定)で、松永さんは『WANTED!』。俺はホンマに『タマフル』で。俺、言うたら映画の見方とかも、音楽の聞き方とかも全部宇多丸さんに教わりましたからね。

(DJ松永)全部です。

(宇多丸)もうね、伝えるものはなにもないです。

(DJ松永)いやいやいや、伝え続けてるくせに!

(宇多丸)「くせに」?

(R-指定)「くせに」ってなんや!(笑)。

(宇多丸)まあまあね、がんばっていて。目の上のたんこぶとしてね。でもさ、こんなのはお互い様で。我々からしたら逆に若手が出てくると「ああ、この芽は早めに摘んでおかないとな」とかさ。あるわけですよ。

(DJ松永)えっ、摘む対照に入っていますか?

(宇多丸)「そろそろ本気でやらないといけないな」みたいな。だからそのMummy-Dさんが「ポンポン……そろそろスランプの時期じゃないかい?」って。

(R・松永)フハハハハハハッ!

(宇多丸)「そろそろ、これこれこういう理由で君なんかはスランプになるころじゃないかい?」って(笑)。

(DJ松永)なんでスランプの確認をするんすか!?(笑)。

(宇多丸)実際にそれでDJ CELORYとか一時期スランプになったからね!

(DJ松永)マジっすか? そんなに歳の離れていない後輩を(笑)。

(宇多丸)だから僕らが「ああ、いいね、いいね」なんて言っているうちはまだダメなんですよ。「チクショー! 不愉快ですね!」って……Creepy Nutsに関しては言っているじゃないですか。「いやですねー」って。

(R-指定)あれね、光栄です。

(DJ松永)本当、光栄ですよ。

(宇多丸)だから本当、努力はやめてくださいよ。

(R-指定)フハハハハハハッ! なんですか、それは?(笑)。

(宇多丸)いやいや、だって現状いいわけだし。いいところつけているし、いいものも持っているし。これで努力とかキモいじゃん?

(R・松永)フハハハハハハッ!

(DJ松永)えっ、俺、努力したらキモいっすか?

(宇多丸)キモい、キモい。

これ以上の努力はキモい

(R-指定)でも宇多さんの「努力、キモい」はありがたいっす。AKLOさんも言われていますからね。

(宇多丸)またね、後輩がね、SKY-HIとかも言ってるんですよ。「君なんかもう全部持っているんだから。努力とかキモいよ」なんて言ってるんだけど、一向に努力をやめないわけですよ。だからね、後輩としてはちょっとダメだなってね。君らは言うことを聞くね?

(DJ松永)フハハハハハハッ! なに? この新しい圧?(笑)。

(宇多丸)「宇多丸チルドレン」と言うならば、これは君らは言うことを聞いて努力をやめていただけるね?

(DJ松永)キモくなりたくないもんな?

(R-指定)まあまあ、たしかに……。

(宇多丸)じゃあ、いますぐ思い上がっていただいて。もう次のシングルなんかはダセえ曲をバーンと出していただいて。

(DJ松永)うわっ、難しい!

(宇多丸)一気につまずいていただくなんて、ねえ。

(DJ松永)だったらね、こちら側としてもね、全然……まあ、早めの早期引退とかもあるよって。

(宇多丸)あれだろ? 「早めの引退、シブいっす!」だろ?

(DJ松永)逆に言うと、そういう先輩像はイケてるよね? みたいな。

(宇多丸)それはさ、稼ぐだけ稼いで早めの引退したいものですけどもね。なかなか貧乏暇なしでね。

(R-指定)いやいや、なにを言うんすか?

(宇多丸)だってほら、あれだろ? 死ぬまでに2000万だか稼がなきゃいけねえんだろ?

(DJ松永)フハハハハハハッ! ねえ。恐ろしいこと言っていましたけどね。

(宇多丸)全然だよ。だからがんばらなきゃいけないよね。

(DJ松永)宇多さん、いまだに歩みを止めなさすぎでしょ?

(R-指定)俺は気になるのが、もう宇多さんはいつ寝てて、いつ情報を仕入れて、いつ曲を作って……どんな生活リズムなんすか?

(宇多丸)でもたぶんですけど、世の中のみなさんの方が長時間働いたりしてるんじゃないんですか?

(DJ松永)いやいや、何を言ってるんすか?

(宇多丸)いや、本当、本当。

(DJ松永)宇多さんのやっている仕事って普通の稼働時間プラス、インプットが必要な仕事じゃないですか。

(R-指定)準備も必要なんすよ。映画評とか。

(宇多丸)まあ、そりゃあね。

(DJ松永)そうなってくると、なんか睡眠と計算が合わない。24時間じゃ足りないぞってなってきちゃうんですよ。

(宇多丸)いやいや、それはがんばってやりくりしていますよ。ご飯を食べながら排便しながら自慰行為をしながら……いろいろとそういう同時進行ですよ。

(R-指定)いや、これは怪しいな……これ、もしかして宇多さん、1人じゃない可能性あるよな。

(DJ松永)1人じゃない……なんか、「こうやって煙に巻け」ってインプットされている?

(宇多丸)フハハハハハハッ! こう、ブレーンがいてな(笑)。

(DJ松永)「宇多さん、大変じゃないっすか?」って言うと、いつもこの人、はぐらかすの。本当に。

(宇多丸)いや、だってそれはさ、ねえ。恥ずかしいじゃないけどさ、もっと大変な仕事をしている人がたくさんいますから。

(R-指定)あとは宇多さんとか、ラッパーとして歌詞もあんなに緻密な歌詞とかをこのスケジュール感で書けるっていうのは……。

(宇多丸)Rに褒めてもらえるのは嬉しい。わかってくれている。これはね。なかなかわかってくれないよ、世の中ね。ありがとうございます。ありがとうございます。……お疲れ様でした。

(DJ松永)フハハハハハハッ!

(R-指定)なんでなんすか!(笑)。あの、やっぱり我々と同じ系譜というか、我々がそのRHYMESTERの系譜というか。褒められ下手というかね。

(DJ松永)そうなんですよ。褒められたら弱いっていうね。『WANTED!』の頃から言っていたもん。「褒められ慣れていない」って。

褒められ慣れていない

(宇多丸)そうね。だっていろんな番組とかに君らさ、ゲストで言ったりするじゃん? で、まあグイグイ持ち上げられて……ああいう時、どうするの? ただ「ああ、どうもありがとうございます」なんつって?

(R-指定)って、なっちゃいますよね。

(DJ松永)なんかすげー褒められて、意気揚々とエピソードがどんどんと出てくるっていう風にはならないですよね。

(宇多丸)他の人ってどうやって受けているの?

(DJ松永)意外とちゃんと真正面から受けたりするんすよね。「健康的だな!」って思って。

(R-指定)俺、この間ね、まだこれは公開されていないんで名前は言えないんですけども、すごい尊敬しているラッパーの先輩と対談させていただいたんですけど。その先輩に俺が「ここがすごいです!」って言ったらちゃんと「ありがとう!」って言って話しはじめてくれるんです。でも、逆にその人が俺のことをめっちゃ褒めてくれたらホンマに嬉しすぎて「ああー、いやー、それはそうと……」とかって話を変えちゃうんですよ。

(宇多丸)ああー。

(DJ松永)で、俺はその映像をまだ公開前なんですけど、見たんですよ。その超大先輩がRさんのことを褒めたのに、全部ほぼ無視してるんですよ。

(R-指定)フハハハハハハッ!

(DJ松永)「えっ、なに、こいつ?」って(笑)。

(宇多丸)ああ、逆に失礼になっちゃっているんだ。そうなんだよなー!

(DJ松永)なんかね、「ありがとうございます」も言ってないんすよ。

(R-指定)嬉しすぎて(笑)。

(DJ松永)なんか「気まずい」みたいな顔してるんすよ。あと、相槌もしなかったんすよ。話が盛り上がりすぎて、たぶんRも言いたいことがポンポン出てきちゃったから、あっちが話したらそれに対して相槌を打つんじゃなくて、もう自分の言いたいことをかぶせているから。

(宇多丸)ああ、前のめりにね。

(DJ松永)「ああ、本当に話が盛り上がりすぎてる時って、こうなるよな」ってすげーわかったんだけどね。

(R-指定)褒められは下手ですね。

(宇多丸)でも、あれだな。卑下がいきすぎてちょっと失礼になっちゃうみたいなのも、これは避けたいところですもんね。いかんな。RHYMESTERから学んじゃいけないところだぞ、それは。本当は。

(DJ松永)フフフ、めちゃめちゃ学びましたよ?

(宇多丸)そこじゃねえぞ(笑)。

(DJ松永)あの、「ここはいい/ここはダメ」っていう判断をつけないで、「RHYMESTER=正義」だから。全部吸収。頭の先からつま先まで全部吸収でしたから。

(宇多丸)すいませんねえ。あ、またやっちゃった。「すいません」ってね。

(R・松永)フハハハハハハッ!

(DJ松永)もう治らないっすよ、これ。ここまで来たら。

(宇多丸)俺たちはこの道で生きていこう。

(R-指定)そうですね。

<書き起こしおわり>

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