R-指定 Creepy Nuts『土産話』を語る

Creepy Nuts フルアルバム『Case』完成までの道のりを語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんが2021年8月31日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でCreepy Nuts『土産話』について話していました。

(R-指定)じゃあ曲紹介へ行きますか。今日はまあね、リリース日なんで。手前味噌ですが我々の楽曲を聞いていただきたいなっていうのもあるわけですよ。で、今回のアルバム『Case』。去年の『かつて天才だった俺たちへ』を出してからいろんなタイアップとかもあったりとかで出してきた曲たち。そういうのをひとつのアルバムにまとめ上げたという作品なんですけども。その中でも、今回のアルバムの意味合いはさ、『かつ天』を出した曲たちが割と今の俺らの変化やったりを如実に表した曲たちが集まっていたやん?

それをもう1回、アルバムにガッとしようとした時にどっちかと言うと俺はその自分の過去と向き合う、ファイトポーズを取った状態で書き始めて。それで結構しんどなってしまったんやけども。その流れで「ああ、でももう、これまでに出した曲で今の俺たちの変化は表わされてるんや」みたいなことに行き着いて。それでもう1回、アルバムの止まっていた筆が進むようになったんやけども。

それで最終的にこのアルバムを締めくくるのって何やろう?っていう時にできた曲と言うか。ラッパーの歌詞っていうのは結構、自分と向き合うから。自分の過去とか。だから必然的にバックインザデイ物っていうのが多くなるんですけども。Creepy Nutsとしてのバックインザデイ物っていうのはなかなか少なかったんじゃないか。というか、初めてかな? こんだけがっつり、ちゃんと立ち返って。

(DJ松永)そうだね。自分たち……というか、Rさん、人生をもっと遡った話はしていたけど、Creepy Nuts以降の音楽活動に対して振り返ったことはないわな。

Creepy Nuts以降の音楽活動を振り返る

(R-指定)それはないんですよ。で、Creepy Nutsというひとつの人格として振り返った時にどうなんか?っていう。それで結構俺の中ではラッパーとしてその特殊なバックボーンとかがないことがある種、ラップを始めた当初はコンプレックスやったりして。自分は破天荒な人生を送っていないっていう。だから「何もないや」とか「俺は普通や」っていうことを常々、歌い続けてきて。で、気持ち的にはなんやったら今、やってるこのヒップホップ、ラップの活動でみんなが語っているような武勇伝を今、作っていってる途中やっていうぐらいの認識があったんですけども。

まあ、この段階に来て1回、「いや、ちょっと持って? お互いに特にそういうバックボーンはなかったけども、ラッパー、DJを始めてからの音楽人生というものを今、まだ短いけど。ちょっとだけ後ろをパッと振り返ったら……あれ? だいぶ結構カマしてきたっぽいぞ、俺ら?」みたいなことは思いまして。で、そこを一旦……俺はこれ、デモの段階では『踊り場』というタイトルやったんですけど。

階段を登っている途中でちょっと振り返ってみるみたいなこともいいんじゃないかと思って。最終的にはそれでこのタイトルになったんですけども。松永さんが言ってくれていたのは、あれじゃないかな? 打ち上げ的な……ちょっと打ち上げというか。

(DJ松永)常にアルバムは前を向いて終わっていたけど。1回、立ち止まって後ろを振り返って。「なんか俺ら、ちょっと頑張ってきたっぽいね」って。それでチビチビやってもいいかもねって思えたっていうね。

(R-指定)労をねぎらうみたいなね。

(DJ松永)そうそう。全然、前進じゃないっていうけども。

(R-指定)そうですね。そういう意味でも、だからラッパー仲間たちにも聞かせても、「ああ、なるほど。こういう形や。めちゃくちゃヒップホップやな」みたいな。この……。

(DJ松永)あ、ちょっと。曲が始まってます……。

(R-指定)じゃあ、聴いて頂きましょう。我々の新作アルバム『Case』から『土産話』です!

Creepy Nuts『土産話』

(番組終了後のミクチャ配信限定アフタートークで……)

(DJ松永)よかったね、フル尺でかけれて。

(R-指定)よかったですね。

(DJ松永)これ、作れたのが結構大きいよね。なんすかね。自分たちの今まで頑張ってきたこと、自信みたいなもの。確実にやってきたんだけどもさ。曲として形に残るとまた変わってくるからね。より、自信になるよね。「ちゃんと曲で残せた」みたいな。あの感動って1回1回、感動をしていたじゃん? 「うわっ、すごいありがたいことになったな」って毎回、思っていたもんね。

(R-指定)やっぱりいろんな始まりがあるけども。組んだこともそうですけど。お互いの状況がよくなりだしてからがホンマに怒涛のように1個1個、噛み締められへんかったから。だから1個、ここで自分らのやってきたことを誇ってもいいやろっていう。

(DJ松永)こんな曲が作れるようになればいいなって思っていたけどね。それこそ、RHYMESTERの曲とか聞いてさ、「ああ、こんな曲を作りてえな。でも、これをするにはこれぐらい頑張って、これぐらいキャリアがあって、これぐらい積み重ねないと……」みたいな。いろいろと考えるじゃないですか。いろいろ組む時にRHYMESTERの武道館セットリストとかを見ながらああだこうだとしゃべったりとか。

(R-指定)ホンマ、そうよ。

(DJ松永)そんな時に「うわっ、すげえな。それで数年越しにこのテーマをもう1回、書くのね」みたいなのとか、さんざんやってきたけども。まあちょっとね、少ないながらも、短いながらも自分たち的にはかなりやってきたなっていう風に思ったんでね。

(R-指定)そんな感じはします。で、なんというか、ちょうど……やっぱり俺らのことを近くで見てくれている人とかも結構この曲とかは来たみたいで。梅田の仲間とかもすごい響いてくれたみたいで。うん。そうっすね。で、ちょうど「アルバム、どんな曲を作ろうか?」って言っていた時にテークさんとかが「シンプルなビートでシンプルなラップも聞いてみたいよ」みたいなことを昔、チラッと言ってくれていたのを思い出したりして。そういう、いろんな意味ですごい直球なというか。俺らのど真ん中な……しかも、結構俺的には勇気がいったんやけども。あんまり細かい複雑なラップとかはしていないわけですよ。

(DJ松永)そうなんだね。

シンプルなビートとシンプルなラップ

(R-指定)結構シンプルにライムして話を進めていくというスタイルを取っているので。そういう意味でもホンマに起きた出来事だけでアートにすることができたんやなっていう。

(DJ松永)そうだね。まあ、シンプルビートとシンプルなラップみたいなことはね、試されるもんね。正直。他のところがね。

(R-指定)本当にね、削ぎ落とした要素だけなんで。地肩というか、そういうのが試されますね。

(DJ松永)それを、事実を並べて。Rさん、歌詞で言っているけどもこういうアートになったっていうのは……まあなかなかね、1日や2日でできるようなものじゃないというか。ここまで頑張ってきた全部がコミコミでこれ1曲できたっていうのは本当に周りに感謝ですね。ありがたい。

(R-指定)ありがたいです。

<書き起こしおわり>

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