声優の豊田萌絵さんが2021年8月24日放送のSHOWROOM『豪の部屋』に出演。矢沢永吉『成りあがり』を小学校の朝の読書の時間に読んでいた話など、大好きな矢沢永吉さんについて吉田豪さんと話していました。
#豪の部屋 ありがとうございました〜!色々語ってたら一瞬で終わったびっくり!!!豪さんから興味深い話たくさん聞けて楽しかったー!!是非またお邪魔させて下さい☺️? pic.twitter.com/0SnEYdkgPq
— 豊田萌絵 (@toyotamoe) August 24, 2021
(豊田萌絵)(吉田豪の本棚を見て)これ、全部読んだっていうことですよね?
(吉田豪)全部、読むわけがないんですよ。
(豊田萌絵)読んでないんですか?
(吉田豪)とりあえず、買っているだけです。
(豊田萌絵)じゃあ、読んでない本も中にはあるんですか?
(吉田豪)いつか、興味が出て読むはずだと思って買っているのばかりで。だからそれこそ『成りあがり』とかも買ってから読むまでに時間かかってますよ。「これはいつか絶対、僕が好きになるはずだろう」って思って。初回の長細いバージョンで買って。
(豊田萌絵)私、朝の読書で読んでいましたよ。小学生の時。
(吉田豪)本当に名著。素晴らしい。
(豊田萌絵)「こうやってハングリー精神って生まれていくんだ」って思って。誕生日にケーキを投げつけられたりとか。お尻が痛くなりながら広島から神奈川に行って。チャイナタウンでバイトをして。張り紙をしてメンバーを集めて……っていう。
(吉田豪)ヤマトを組んでね。
(豊田萌絵)ヤマトを組んで。それを小学生の時に読んで感動しました。
(吉田豪)小学生が読むようなもんじゃない下ネタもありますよ。エグいですよ。
(豊田萌絵)いや、だから結構そういうことを通ってきているから、寛容です。ゲラゲラ笑えちゃう(笑)。
(吉田豪)エグい話も含めて、最高ですからね。あんな赤裸々に女性の話やお金の話をする本、ないですから。
(豊田萌絵)本当に「男」っていう。男じゃないですか。あの本ってまさしく男の中の男像が書かれているから。「男とはこういうものだ」って思って育ちました。
(吉田豪)本当、昭和の男子アイドルとかをインタビューする時は想像以上にみんな、『成りあがり』を読んで上京をしているんですよね。女性アイドルとの違いはやっぱり不良上がりが多くて。みんな、永ちゃんなんですよ。
(豊田萌絵)たしかに。でも、「きっかけは誰ですか?」って聞かれて永ちゃんって答えている人が多いイメージ、ありますね。
(吉田豪)女性のインタビューは深くなるんですよ。みんな、メンタルをやられたりしながらっていう深みのある話になるんですけども。男のインタビューは浅いんですよ(笑)。
(豊田萌絵)「永ちゃん、かっけー! 憧れて状況してやったぜ!」って(笑)。
(吉田豪)そうそうそう。
(豊田萌絵)たしかに、女性アイドルとかだと家庭環境とか生い立ちからなにから。
(吉田豪)ブルージーな話が全然出てこなくて。その結果、単行本にはならなかったという(笑)。
(豊田萌絵)あんまりネタにならない(笑)。
(吉田豪)女子編は2冊になったのに。男編はなんか深みがないなって。
(中略)
(吉田豪)(コメントを読む)「朝の読書で『成りあがり』」。
(豊田萌絵)読んでましたね。みんなが絵本とかを読んでいるのに。
(吉田豪)えっ、学校で? なに?
(豊田萌絵)学校です。
(吉田豪)学校に持って行ってたの?
(豊田萌絵)学校に持って行ってました。10分間読書っていうの、ありました?
(吉田豪)ないです、ないです。
朝の10分間読書で『成りあがり』
(豊田萌絵)なんか、世代なのかもしれないですけども。朝、10分間読書をするっていうので毎朝、朝の読書時間があって。好きな本を読んでいいっていう。だからみんな、小学生の低学年とかだと『ねずみくんのチョッキ』とかそういうのを読んでいる中で私は『成りあがり』を持って行って(笑)。
(吉田豪)フフフ(笑)。
(豊田萌絵)高学年になってくるとみんな、『ハリー・ポッター』とかを読み始めるんですけども。
(吉田豪)分厚いけど、読みやすい本をね。
(豊田萌絵)私はずっと、そういう本ばっかり読んでました。アイドル雑誌とか。
(吉田豪)岩城滉一自伝とかも最高なんですけどね。
(豊田萌絵)ああ、ちょっと読んで、途中までで止まっちゃっているな。
(吉田豪)いや、たぶんそれじゃない、70年代の。めちゃくちゃいい本があって。いろいろとおすすめしたい本があるので。
(豊田萌絵)ぜひぜひ。教えてください。
(吉田豪)僕、永ちゃんのインタビュー、ビートルズ特集でやった時も最高でしたもんね。ビートルズを語る永ちゃん、ビートルズの音楽性じゃなくて、ビートルズのお金の儲け方の話しかしないっていう(笑)。
(豊田萌絵)あれですよね。ミュージックビデオっていうものを最初に作ったのがビートルズって言われてますよね。
(吉田豪)そうなんですかね。
(豊田萌絵)なんか、忙しすぎて歌番組とかに出られないから、もうPVという動画にしてしまって発信する宣伝方法みたいなものは最初はビートルズなんじゃないか、みたいなのをなんかで見て「へー!」って思いました。
(吉田豪)永ちゃんが言っていたのは「ビートルズで何に衝撃を受けたってね、これで本当に稼げるんだよ!」みたいなことしか話してなくて(笑)。
(豊田萌絵)お金のこと(笑)。
(吉田豪)「これだ!」っていう(笑)。
(豊田萌絵)永ちゃんってなんか友人に騙されていろいろと借金とかしていたじゃないですか。
(吉田豪)ものすごい騙され方、しましたよ。
(豊田萌絵)すごい額、あったじゃないですか。それを返済できて……だからすごい信用されているっていう話で。金融業の人からすごい信頼が厚いっていう。
(吉田豪)僕が思い出した永ちゃんエピソード。永ちゃんに裏を取ったことがあって。ジョニー大倉さんのインタビューでジョニーさんに聞いたことがあって。キャロルで当時、極真空手を習うっていうのがあったんですよね。パリに行ってイッセイミヤケかなんかのショーに出るっていう時に空手着を着る。それが極真だっていうことで、極真のトレーニングをしたらすごい小さな極真の選手に飛び蹴りかなんかで永ちゃん、すっ飛ばされて。永ちゃんがぶち切れて。「こんな空手なんかより、金の方が強いんだ!」って言って極真をやめたっていう話を聞いて。「最高だな!」って思って。
(豊田萌絵)すごいエピソード(笑)。
噂が1人歩きする永ちゃんエピソード
(吉田豪)で、それを永ちゃんに振ったら「そんなこと、ないよ。噂が1人歩きしちゃってんだよ」って言って。「この前もね、ラーメン屋で言われたんだよ。矢沢永吉がラーメン屋で『お会計』って言ってドルを払ったっていう。でも、違うんだよ。その時、アメリカに行っていて帰ってきて、まだドルの両替をしてなくてお金がなかったからドルで払っただけなんだよ」って言っていて。「払ってるんじゃないかよ!」っていう(笑)。
(豊田萌絵)何ひとつ、嘘じゃない。実話じゃん(笑)。
(吉田豪)そう(笑)。困ってないよっていう(笑)。
(豊田萌絵)やっぱりじゃあ、噂って、あるんですね(笑)。
(吉田豪)理由があったっていうだけなんですよ(笑)。「常にドルを持ち歩いて払っているわけじゃないんだよ」っていうだけだったという(笑)。
(豊田萌絵)でもエピソードとして、受け取り手は一緒ですからね。すごいな。永ちゃんのお金のエピソード(笑)。「ほうら、明るくなっただろう」みたいなエピソード(笑)。
(吉田豪)(コメントを読む)「哀川翔さん」。そうだ。哀川翔さんから聞いた話もあって。哀川翔さんと永ちゃんが飲み屋かなんかではじめて会った時。握手をしたまま、お互いに引けなくなって。ずっと握手をして顔を見たまま30分ぐらい、ずっとこの状態だったっていう(笑)。
(豊田萌絵)ええっ? そんなこと、あります?(笑)。ええっ! 伝説すぎる! お互いに一歩も引けない。引いたら負けの世界。
(吉田豪)意味がわからない(笑)。
(豊田萌絵)手汗、すごいことになってそう(笑)。
(中略)
(吉田豪)(コメントを読む)「合っているけど、『成りあがり』、読んでいた人はいないよ」(笑)。
(豊田萌絵)間違いない(笑)。いなかったもん。先生にびっくりされたもん。中学生の時は放送委員とかをやっていて。私の趣味全開の曲を流していたんですよ。
(吉田豪)どのへんですか?
(豊田萌絵)それこそ、クールスとかも流していましたし、昭和歌謡曲のザ・王道。『異邦人』とかもそうですし。まあ割とオーソドックスな曲を流していたら、放送室にバーン!って先生が入ってきて。「誰だ? このセンスのいい曲を流しているのは?」って。めちゃめちゃ褒められました。
(吉田豪)先生の世代ですからね(笑)。
(豊田萌絵)「顔が見たくて来ちゃったよ! お前だったのか!」って言われました(笑)。
(吉田豪)「なんで俺たちの趣味がこんなわかってるんだ?」って(笑)。
(豊田萌絵)「ご飯どころじゃなくなったよ!」って。殴り込みに来たっていう。怒られるかなって思った(笑)。
(吉田豪)20年、30年、ずれているっていうね。(コメントを読む)「なか卯の話とか」。そうなんですよね。僕の大好きな永ちゃんの娘さんの話ですけども。永ちゃんの娘さんがお父さんから「ものすごく美味い親子丼の店、見つけたんだよ! 食べたいか?」って言われて。「食べたい」って言ったらなか卯を持ってきたっていう(笑)。
(豊田萌絵)かわいい!(笑)。
(吉田豪)「ものすごい美味いんだよ!」って(笑)。
(豊田萌絵)なか卯ってやっぱりすごいんだなー(笑)。かわいいなー。すごい。はじめてファーストフードを食べたお嬢様が「シェフは誰?」って聞くような感覚ですよね(笑)。
(吉田豪)漫画ですよね(笑)。
(豊田萌絵)漫画のような話。すごすぎ(笑)。
矢沢永吉とジョニー大倉
(吉田豪)(コメントを読む)「矢沢がジョニー大倉をひそかに褒めたのがいい話」。そうなんですよね。永ちゃんとジョニーさんって完全に決裂していたけども。それでも「英語と日本語を混ぜたあの歌詞はジョニーの発明。日本の作詞家はジョニーに金を払わなきゃダメだよ」みたいなことを言っていたっていう記事があるんですよ。
(豊田萌絵)私もそれ、読んだ気がします。
(吉田豪)で、それをジョニーさんに伝えたら、ものすごい嬉しそうな顔をして。「ええっ? そうなの? 矢沢くんがそんなこと、言っていたの? 矢沢くんが、マジで? ええっ?」みたいな。
(豊田萌絵)かわいい! キュン!
(吉田豪)だから、モメてはいたけども、本当にね、ジョニーさんは永ちゃんに構ってほしかったんですよ。
(豊田萌絵)うわあ、萌えるエピソード!
(吉田豪)そう。構われたくて、永ちゃんが嫌がるようなこともやっていたんですよ。
(豊田萌絵)なんか小学生男子みたい! 好きな子をいじめちゃうみたいな。
(吉田豪)そうそうそう。自分だけ成功して先の方に行っちゃって。「永ちゃん、俺のことも見てよ!」っていうあがきだったんですよ。絶対に。でも、見てくれていたことがわかった時の喜びみたいな。たまらなかったんですよ。
(豊田萌絵)かわいい! なんか『NANA』みたいな世界観(笑)。
(吉田豪)そう(笑)。だからね、僕もでも、永ちゃんの前でジョニー大倉さんの話はまだできていないんですよ。ずっとその話がこのへんまで出かかるんだけども。「でもこれ、言ったらマズいかな?」みたいな感じで。「ジョニーさん、喜んでましたよ」をどこかで伝えたいんですよ。
(豊田萌絵)それは伝えたいですね。キュンキュンエピソード。好きな子をいじめたくなっちゃうみたいな感じですね。
(吉田豪)あんだけ「キャロルの名前でビジネスをするな」みたいなことを。キャロルの権利を永ちゃんが取って。そんな時、ジョニーさんが歌舞伎町で焼肉屋を始めて。店名が「キャロル」でしたからね。「永ちゃん、一番怒るよ、それ! なんでそういうことをするの?」っていう。まあ、怒るでもなんでも、コミュニケーションを取りたかったんですよね。
(豊田萌絵)なんとしても関わりたかった。ゆがんだ愛情ですね。
<書き起こしおわり>