吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。最近インタビューした小室哲哉さんのあまり知られていない音楽キャリアと、その魅力について話していました。
(赤江珠緒)さあ、そんな豪さんが取り上げるのが、今日は音楽プロデューサーの小室哲哉さん。
(吉田豪)そうですよ。本来だったらあれですよ。今日、僕の単行本の発売日で。普通、単行本の話、しますよ。持ってきました。『人間コク宝サブカル伝』っていうね。TBSラジオ色がだいぶ濃い本なんですけど。ねえ、普通だったらこの話するのが、数字取るために小室哲哉さんにしたんですよ!
(赤江珠緒)(笑)
(博多大吉)本当に、お気遣いありがとうございます。あれ?今回品川くんいるんですか?品庄の。
(吉田豪)そうなんですよ。
(赤江珠緒)『アクの強い文化人のこじらせインタビュー集 人間コク宝』。
(博多大吉)珍しいですね。品川祐くんが。
(吉田豪)珍しいパターンですよ。でも、読むと好きになるかもしれないですよ。
(博多大吉)あ、清水健太郎さんがいらっしゃる。
(吉田豪)いますよ。サブカルじゃねーだろ!っていう人ばっかりですけど(笑)。
(赤江珠緒)安東アナウンサーもいらっしゃいますね。
(吉田豪)安東さんも最高ですよ。そういう本を出したわけですが、今日発売なのに・・・小室さんです。小室さん、1958年生まれの現在、55才。妻はKEIKOさんというね。最近ニュースになったんですよね。小室さん。1月31日に車で移動中に衝突事故にあって。頚椎捻挫で全治1週間というね。で、それを受けて、かつて小室さんと音楽ユニットV2を組んでいたYOSHIKIさんがtwitterで『大丈夫ですか?いま日本に来てます。なにかあれば連絡ください』っていうのを飛ばして。それに小室さんが『ありがとう。無事今日、取材を受けたよ。V2の話、懐かしかった』って返したんですけど。これが僕の取材なんですよ。
ありがとう!無事今日、取材うけたよ
V2の話,
懐かしかった。RT
“@YoshikiOfficial: ' @Tetsuya_Komuro 大丈夫ですか..? 今、日本に来ています、何かあれば連絡ください。。”
— Tetsuya Komuro (@Tetsuya_Komuro) 2014, 2月 3
(博多大吉)おー!
(吉田豪)これがニュースになったんですけど。このやりとりが。『俺、俺!』って思って(笑)。『V2、俺が聞いた。これ』って。2月22日発売の『ヘドバン』っていう。世の中をヘッドバンギングさせる本という、シンコーミュージックから出ている本で。
(赤江珠緒)音楽カルチャー雑誌ということでよろしいでしょうね。
(吉田豪)不思議なメタル雑誌みたいなのがあるんですけど。それで小室さんにV2の話を聞くみたいな企画だったんですが。まあ、それだけじゃないですね。もっと全般です。いつも聞かれない話ばかりするのがテーマで。ただ、インタビューしたのが事故の3日後だったんですよ。2月3日で。で、事故翌日のライブは中止になってたんですね。『取材も飛ぶんじゃないかとハラハラしましたよ』って伝えたら、小室さんが『車は飛びましたけどね』って(笑)。
(赤江珠緒)結構、そういうお茶目な返しをするんですね。
(吉田豪)すんごいお茶目です。とにかくかわいいんですよ。かわいらしい人。そしてなんでも答えてくれます(笑)。想像以上に。イメージ、ガラッと変わりましたね。
(赤江珠緒)へー!
原点 SPEEDWAY
(吉田豪)元々小室さんにはすごい興味があって。本もだいたい読んでるんですけど。それこそ謎本とかまで読んでるんですけど。原点というか。SPEEDWAYというバンドがありまして。それの『Rockin’ On the 月光仮面』っていうシングルも持ってるんですけど。SPEEDWAYはご存知ですか?
(博多大吉)いや、ちょっと初めましてですね。SPEEDWAY?
(吉田豪)ですよね。これが79年から82年に活動したバンドで。後にTMのメンバーになる宇都宮隆さんとか木根尚登さんとか小室さんも在籍してて。小室さんがこのシングルから加入してるんですよ。
(博多大吉)へー。そういうユニットがあったんですね。
(吉田豪)もっと大人数のバンドなんですけど。この3人がここで出会っているっていう。で、『Rockin’ On the 月光仮面』っていうは『月光仮面』のカヴァー曲で。小室さんがアレンジしてるんですけど。どんな曲に仕上がっているのか、まずオリジナルの月光仮面を聞いてみましょう。
(赤江珠緒)あの月光仮面?
(吉田豪)オリジナルですね。
(吉田豪)みんな知ってるこの歌。これをカヴァーしてるんですよ。TMのメンバーが。はい。続いてじゃあ、カヴァー曲。SPEEDWAYの『Rockin’ On the 月光仮面』。歌っているのは宇都宮隆さんですね。聞いてください。
(赤江珠緒)テイスト、変わりますね!
(吉田豪)ぜんぜん変わりますね。っていうね。これを出すようになった経緯っていうのがまた面白くて。SPEEDWAYはデビューしたものの、正直ぜんぜん売れなかったんですよ。で、レコード会社側から2枚目のアルバムを出すために出された条件っていうのが、月光仮面の著作者である老作家の作曲でシングルを作ることだったんですよ。
(赤江・大吉)ええっ!?
(吉田豪)このへんを木根さんが詳しく本とかに書いてるんですけど。『老作家』としか書いてないんですけど、つまりは原作の川内康範先生の作詞作曲でシングルを作ること。
(博多大吉)へー。
(赤江珠緒)川内康範先生!
(吉田豪)森進一さんとの騒動でおなじみの。
(赤江珠緒)耳に毛で有名な。
森進一とケンカした「耳毛おじさん」こと川内康範。 pic.twitter.com/6CLe7epxl4
— けんぼー (@kenbonw) 2015, 2月 7
(吉田豪)もう亡くなりましたけどね。ドーナツ盤でね、A面が月光仮面のカヴァーで。B面は打ち合わせで、当時小室さんが川内先生との打ち合わせに行ってるんですよ。で、小室さん曰く、『面白かったです。いま思ったら、コントですね』って言ってたんですけど。どういうことか?っていうと、川内先生が『2曲あるから、まず聞かせてあげよう』って言って。披露した曲のタイトルが『ジーパン履いた赤とんぼ』だったんですよ。
(博多大吉)へー。
(赤江珠緒)えっ!?ジーパン履いた赤とんぼ!?
(吉田豪)もう用意してあって。川内康範先生が『赤とんぼ』みたいなフレーズを歌ってくれて。なんとかそれを却下して。もう1曲、川内先生が用意してたのが、『山あり谷あり』っていう曲で。『これだったらまだいいか』ということで、それを小室さんが大幅に作りかえて。『ダンシング・ライダー』っていう(笑)。『山あり谷あり』っていう歌詞はは言ってるんですけどね。大幅に作りかえて。かなり変えたらしいんですよ。アレンジから何から。
(赤江珠緒)変えましたねー。
(吉田豪)ただ、『かなり変えた』っていう話を聞いて、思い出すのが森進一さんの『おふくろさん騒動』なんですよ。あれはかなり変えたことで大変な騒動になったじゃないですか。
(赤江珠緒)モメましたもんね。
(吉田豪)冒頭に違う歌い出しつけちゃって。大丈夫だったのか?と気になったら、小室さん曰く、『川内先生がなぜか気に入ってくださって』ってことで。で、実は『Rockin’ On the 月光仮面』っていうのは、プラッシーっていう『お米屋さんからもからもどうぞ』でおなじみジュースのタイアップ曲で。小室さんにとって初のCMタイアップ曲だったんですよ。
(博多大吉)へー。
(赤江珠緒)ここからスタートですか?
(吉田豪)そうなんですよ。
(博多大吉)『Rockin’ On the 月光仮面』?
(吉田豪)のカップリングの『ダンシング・ライダー』。どっちかな?たぶん『Rockin’ On the 月光仮面』ですね。ちなみにSPEEDWAYは木根さんがリーダーだったんですけど。小室さん曰く、『その頃はとにかく木根さんのパワーゲージみたいなのがまだフルだった。それがだんだん減ってきて、TM結成時にはパワーゲージがカラに近かった』って。
(博多大吉)(笑)。言いすぎでしょ。
(吉田豪)木根イジリをすごいするんですよ(笑)。木根ギャグをいっぱい入れてきてね。小室さん、ちなみに2月6日にはこんなつぶやきもしてますね。twitterで。『マークも頑張っている、宇都宮くんも日々ボーカルトレーニングをしている。KEIKOも僕のココロのサポートをしつつだんだん自分の楽曲を更に愛おしく感じてきている。木根さんも何か頑張っている。僕も、、ほんの少しくらいは役にたってる、かな(*^_^*)』っていう感じでね。
マークも頑張っている、
宇都宮くんも日々ボーカル
トレーニングをしている。
KEIKOも僕のココロの
サポートをしつつだんだん
自分の楽曲を更に愛おしく感じてきている。
木根さんも何か頑張っている。
僕も、、ほんの少しくらいは
役にたってる、かな(*^_^*)
— Tetsuya Komuro (@Tetsuya_Komuro) 2014, 2月 6
(博多大吉)具体的なのはなにもない。まあまあ、頑張っているんでしょうね。
(赤江珠緒)なにか(笑)。
(吉田豪)この話から僕が聞いたのが、小室さん実はブレイクするまで結構な紆余曲折があった人なんですけど。裕也ファミリー出身なんですよ。内田裕也さんのね。1983年に大ヒットしたホタテマンこと安岡力也さんの『ホタテのロックンロール』のアレンジを担当していて。
(博多大吉)えー!そうなんですか。
(吉田豪)っていうか、白竜さんのバックバンドをやってたんですよ。裕也ファミリーの。その関係で、ニューイヤーロックフェスにも4・5年ずっと出てるんですよ。実は。
(赤江・大吉)へー!
(吉田豪)で、当時キーボード担当が少ないから、その場でジョー山中さんとかに呼ばれてバックバンドをやったりとか。引っ張りだこだったんですよ。かなりの裕也ファミリー。
(博多大吉)対極にいるイメージ。
(吉田豪)対極ですよ。
(赤江珠緒)そういう経緯、全く存じ上げなかった。
(吉田豪)デビューして早々に、川内康範先生と裕也ファミリーに。すごい荒波にもまれてきた人なんですよ。大変な。で、ホタテのロックンロールは基本的にはロックなんですけど、裕也さんがその上になにか変わった音を乗っけたいと。シンセを使おう!と言い出して、小室さんが呼ばれて。シンセには昔でいうUFOみたいな音がプリセット音源で入ってるんですけどね。当時裕也ファミリーでシンセ使える人がいなかったので呼ばれて。そんな関係があるから、裕也さんや力也さんは小室さんのことを『ピコピコ』って呼んでたんですよ。
(赤江・大吉)(笑)
(吉田豪)『おい、ピコピコ!』って(笑)。
(赤江珠緒)ひねりが・・・もう少し(笑)。
(吉田豪)裕也さんはUFOみたいな音を聞いて、『イントロはこの音から入ろう』って言い出したんですけど。そしたら、どう考えてもピンクレディーみたいになっちゃうんですよ。
(赤江珠緒)ああ、まさにUFOだね。
(吉田豪)なので、『もうちょっと後にした方がいいんじゃないか?』とかいろんな話し合いがあって。出来上がったのがこの曲ということで。じゃあちょっと、小室さんがアレンジを担当したホタテのロックンロール。UFOみたいな音に注目して聞いてみましょう。
(吉田豪)で、このレコーディングなんですけど。シンセは最後で、歌はさらにその後なんですよ。だから小室さんがやっていた仕事っていうのが、UFOみたいな音を入れるのと、あと力也さんの相手だったんですよ。レコーディングの順番を待つ。
(赤江珠緒)(笑)。結構、大変じゃないですか?
(吉田豪)大変だと思うんですよ。話の接点なんか、ほぼないじゃないですか。『大丈夫だったんですか?』って聞いたら、生カラオケに近いっていう感じで。力也さんから『ちょっとプレスリー弾いてくれよ』って言われると、小室さんピアノで『ラブ・ミー・テンダー』とか『愛さずにはいられない』とかを弾いてあげて。それを歌うっていう(笑)。
(博多大吉)へー。
(吉田豪)せっかく弾いてあげてるのに、力也さんから『おっせーな!』とか『キー、たけーよ!』とか『低いよ!』とかね。『まあ、楽しそうにしてたんでこれもいい思い出ですけど』っていう感じで。そういう縁もあって、披露宴には裕也さんとか力也さんとか白竜さんとか吉本のみなさんとかね。不思議な感じで行われた結婚式、あったんですけど。そういうチョイスになり、誰も近寄れなかったというね(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(博多大吉)付き合いが元々、あったんですね。
(吉田豪)そうなんですよ。なぜ!?って思いましたからね(笑)。
(博多大吉)ぜんぜん意味がわからなかったですもん。
(吉田豪)そんなホタテのロックンロールが83年。TM NETWORKのデビューが84年。87年にリリースした『Get Wild』が初のオリコンベスト10入りというね。そういう流れになるんです。
(吉田豪)ちょっと話、ちょろっと戻っていいですか?僕が小室さん、かわいいなと思った話が、ニューイヤーロックフェスっていう裕也さんがやっている大晦日のフェスに何年か連続で出ていたって言っていて。それが80年ぐらいから84年ぐらいまでって言ってて。それって、いちばん凶悪なパンクバンドとかがいっぱい出てた時期なんですよ。
(博多大吉)ほう。
(吉田豪)『そんな時に出てたんですか?』って言ったら、『そうなんですよ。だから・・・なんて言ったっけな?お米投げるバンドがいましたよね?』って言い出して。『もしかして、ザ・スターリンですか?』って聞いたら、『そうですそうです!それと一緒に出ました』って言ってて。ザ・スターリンっていうのは、ブタの生首とか残飯とかを投げるバンドなんですけど。それを『お米を投げる』って。すごいめでたい表現をしてて。ライスシャワーみたいな(笑)。かわいいなー!って。
(博多大吉)昔話の世界。
(赤江珠緒)本当。本当(笑)。
(吉田豪)もっと凶悪ですよっていう(笑)。そういう人なんです。そしてね、ブレイクして。この後に、僕が衝撃を受けたのがTM NETWORKからTMNに改名。90年にしてるんですけど。その理由なんですよ。当時小室さんはガンズ・アンド・ローゼズがかっこよくて。『ガンズがGNRっていう名称を使っていたから、TMNにしました』って言っていて。えっ!?と思ったんですよ。当時。そんな単純な理由だったんだ!っていう。で、今回改めて聞いたら、B’zとかXとか若手のすごいバンドが出てきて、危機感があったと。バンドブームがあったしで。そっちに乗っかろうかな?という気もあったと。正直に応えて。
(赤江珠緒)すごく赤裸々に答えてくださってますね(笑)。
(吉田豪)そうですよ。で、アルファベットのそういうバンドがかっこいいなって感じですよね。短いやつ。
(赤江珠緒)素直な方ですね。
(吉田豪)素直です。だからガンズよりもYOSHIKIの影響が大きかったという話で。『久しぶりに日本人のミュージシャンで尊敬する感じの人だったと。ピアノからドラムに行って、またピアノ弾けるの?っていう感じで超尊敬してたと。普通、指つって無理だし、ドラムで足をあれだけ動かしたら、ピアノのペダルを繊細に踏んだりとか、まず無理なはずだけど、それをやるっていうのはよっぽどのことだと思って、後にYOSHIKIさんに話を聞いたら、ラーメンを食べる時もずっと足が16分音符で。なにする時も踏んでいたと。訓練の賜物なんだなと思いました』っていう感じで。
(赤江珠緒)へー。足が16分音符。
(吉田豪)そうですね。そういう尊敬の思いもあって、2人でユニットV2を組むんですよ。92年に『背徳の瞳 Eyes of Venus』をリリースという。『2人は似た部分があるんですか?』って聞いたら、『あそこまでは面白くないです』って言ってて。まあ、それはそうなんですよね。YOSHIKIさんは短気で有名で。ほとんどの人がぶつかって、ほとんどの人が崩壊っていうパターンだったんですけど。小室さんはYOSHIKIさんを尊敬して。『彼もどこか敬ってくれるところがあったと思う』っていう感じで。『ぶつかり合うことなく、いい距離でやれた』って言うんですけど。
(博多大吉)うん。
(吉田豪)たぶん、僕が考えるにデビュー早々に裕也ファミリーとかで揉まれてきているから、ある程度の人にはたぶん対処できるんですよ(笑)。
(赤江珠緒)たしかに。相当な荒波でね。
(博多大吉)裕也、力也、白竜ですからね。この3人に囲まれてね。
(吉田豪)そうです。川内康範先生にまで、揉まれてきているわけだから。YOSHIKIさんも大丈夫!っていう感じで(笑)。っていうことなんですよ。で、V2は1回だけライブをやってるんですけどね。YOSHIKIさん、当日のリハまで来なかったんですよ。これって、オーケストラ呼んでて。リハとか大変なはずなんですけど、それをぜんぶ小室さんがやって。それで当日まで来なくて。でも、そうやってライブを作る側に回って、それが後のプロデューサー人生に活きたみたいなんですね。面白い!裏方に近いスタンスで関わるっていう。
(赤江珠緒)でも、ただただその時は苦労されてたっていうね。
(吉田豪)苦労してたみたいですけど、それでもぜんぜん大したことないぐらいの感じですよ。面白話、大量に出ました!このへん。でもそのへんはちょっと本を読んでいただければ。せっかくなので、その『背徳の瞳 Eyes of Venus』を聞いてください。
(吉田豪)まあ、ライブも1回きりで。
(赤江珠緒)1回きりなんですか?
(吉田豪)1回きり。作品も実はシングル1枚しか出してなくて。アルバムを作るのはさすがに無理だろうっていう(笑)。まあ、YOSHIKIさんは大変なんですよ。レコーディングでも。僕が聞いて爆笑した話が、『世界一のドラを叩きたい』って言い始めて。YOSHIKIさんが。『世界一巨大な、すごいドラをなんとか取り寄せてくれ!』って言って。ドラを取り寄せて、1週間スタジオに置いていたらしいんですよ。もう本当、巨大なやつ。スタッフもどう叩いていいかわからないやつ、置いていたんですけど。1週間たったら、『あ、やっぱいいわ』ってことになって。だからキーボードで作ったっていう。その音を(笑)。
(赤江珠緒)えーっ!?このドラは?みたいな。
(吉田豪)このドラは?みたいな。小室さんがかわいいのが、『本当、ドラの気持ちになるとかわいそうで・・・』みたいな(笑)。ドラの気持ちになるんですよ。『わざわざ世界から呼ばれたのに』っていう。かわいい人だなっていうね。
(赤江珠緒)へー(笑)。
(吉田豪)まあ、V2が活動できなくなった大きな理由っていうのが、ヴォーカルが最後まで見つからなかったっていうのがあったみたいですね。ライブ1回で、そのままどっちからも『次、やろうね』って言うこともなく。『YOSHIKIも疲れたと思うし、僕も疲れたと思うんですよ』っていう感じで終わっちゃって。『もし仮にあの時期にGACTみたいなのがいたら続いてたかもしれないけど、その時はちょうど誰もいなかった』と。『TMの宇都宮さんどうだ?っていう話もなく?』って聞いたら、『なかったです』と。『基本、暗黙の決まり事で自分のバンドから誰も出さないってことだし。お互いのバンドで誰も興味を持っていなかった』っていう。V2のライブには、XからもTMからも誰も来なかったらしいんですよ。
(赤江珠緒)普通、駆けつける感じじゃないんですか?
(吉田豪)『なにするんだろう?』って興味持ちますけど。なかったっていうね。そんな小室さんを。僕が小室さんのことを信用できる!と思った瞬間があるんですよ。TM NETWORKの最初の写真集かな?大判の本があるんですけど。それにメンバー全員のアンケートコーナーがあって。好きな雑誌とか、好きなアーティストのことが書いてあるんですけど。小室さんがアイドルの話ばっか書いてたんですよ。
(博多大吉)へー。
(吉田豪)愛読書が『ORE』と『投稿写真』と『BOMB』っていう、80年代のアイドル誌ですね。
(博多大吉)投稿写真は・・・あんまり言わない方がいい感じですよ。
(吉田豪)とかをアルファベットで書いていて。ローマ字だ(笑)。
(博多大吉)投稿写真はあんまり口にしちゃダメでしょ。読んでるって。
(吉田豪)いまつっこんだら、『真ん中のはヤバいですね』って言ってて。でも、信用できるじゃないですか。小室さん、そっちなんだ!って。で、いわゆる小室ムーブメント的なもの、あったじゃないですか。小室さんがプロデュースした。その時って僕、遠峰ありささん。華原朋美さんって遠峰ありささんっていう、元々B級アイドルだったんですけど。dosの西野妙子さんもそうですけど。基本、僕そういう人たちのファンだったんで。小室さんが復活させてくれた!っていう感謝もあったんですけど。『小室さんがプロデューサーとしてやってきたのは、アイドルをアイドルとして売るのが困難になった時代に、そう呼ばれていた人たちをアーティストに作りかえる作業だと思ってて』って小室さんに伝えたら、『そうなんですよ』っていう感じで。
(赤江珠緒)うん。
(吉田豪)小室さん曰く、菊池桃子さんがラ・ムーっていうバンドを始めたこと、あったじゃないですか?当時、なんで?みたいな感じで叩かれたりとかもしてたんですけど。『ビジュアルから考えたら、バンドの真ん中の人がかわいくて美形な方がいいに決まってるんですよ。それで演奏がいいっていうのはアリだなと思って』って。
(赤江珠緒)考え方、本当にシンプルな方ですよね。
(吉田豪)原点、ラ・ムーだったんですよ(笑)。小室サウンドって(笑)。なるほど!っていうね。で、フジテレビでそのころ深夜にやっていた『TK MUSIC CLAMP』っていうのがあって。歌を出したことがないアイドルや女優さんたちがTMの曲を歌っていて。そこからなんかね、次にプロデュースする人を探してるんじゃないか?って言われてたんですけど。『あの人選は実は僕じゃないんですよ。ぜんぶスタッフ任せで。僕が決めてたら、たぶんもうちょっと歌唱力が上の人を選んだと思います』っていうね。『野球の佐々木主浩さんの奥さんの榎本加奈子さんとか、ああいう子は絶対歌、やらない方がいいなと思ってましたね』って(笑)。
(赤江・大吉)(笑)
(吉田豪)1分ぐらいの曲で3時間ぐらいかかったらしくて。小室さんは榎本さんの関係者に、『お芝居に行かれた方がいいと思います』ってね。そんな状況もあって、いまだに佐々木さんや榎本さんは、『あの時のおかげで歌に進まなくてよかった』って言ってるっていうね。
(赤江・大吉)はー!
(吉田豪)まあ、1枚出してるんですけどね。シングルね。榎本さんもね。
(赤江珠緒)あ、そうなんですね。ちょっと小室さんの伝説として、知っているのとはぜんぜん違うところに。いろんな話があるんですね。
(吉田豪)そうなんですよ。TMのちゃんとした話とか、ぜんぜん聞いてないですからね。この後で聞いたのも、角川春樹の話ですから(笑)。
(赤江珠緒)そっかー。でも最近は小室さん、バラエティーに出られているのを見させていただいたんですけど。手持ちマイクを持ってまして。1回1回、ポケットにマイクをしまうんで(笑)。話しかけられると、いつもポケットからマイクを出してるっていう姿がね。かわいかったんですけど。
(吉田豪)それ、あれですか?リリーさんとかと一緒にやってました?
(赤江珠緒)それは、いつの時かな?結構いつもしまわれてるんですね。
(吉田豪)僕の師匠がリリー・フランキーさんなんですけど。いま、リリーさんと友達なんですよ。一緒にテレビとか出ているぐらいの関係で。で、僕の取材の直後にリリーさんにメールしたらしいんですよ。『吉田豪さんにインタビュー受けました。吉田豪さん、僕のことを面白いと思ってくれたみたいです』って感じで。で、リリーさんに聞かれたんですよ。『小室さん、どうだった?』って聞かれて。『かわいかったですねー!』っつったら、『だろ!』っていう(笑)。『本当、かわいいんだよ。小室さん』っていう(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(吉田豪)みんなの共通認識みたいですね。かわいいっていうの。
(博多大吉)今日はね、豪さんTシャツが小室さんですね。
(赤江珠緒)本当だ!あらっ!
(吉田豪)globeT着てきましたよ。
(赤江珠緒)globeTですね(笑)。小室さんとばっちり目が合いますよ。正面に座ってると。
(吉田豪)これ、どうやって入手したか?っていうと、僕、松方弘樹検索して。松方弘樹さんが昔やっていたタレントショップがあるんですよ。元気松方っていう。元気が出るテレビに自分で便乗したっていう元気松方っていう店がありまして。それの松方Tシャツがセットで出てたんですよ。僕、見たことがなくて。そんなの。ところが、松方Tシャツの黒と赤と、globeのTシャツの3点セットだったんですよ(笑)。
(赤江珠緒)えっ!?なんで?
(吉田豪)なんでこれつけるんだろう?と思いながらも、役に立つ日が来たっていう(笑)。
(赤江珠緒)不思議な方ですねー。
(吉田豪)こんなの喜ぶの、僕ぐらいですよ!
(博多大吉)そうなるとまたね、松方Tシャツも気になるところで。
(赤江珠緒)松方伝説も聞きたくなりますが。
(吉田豪)いっぱい持ってますよ(笑)。
(赤江珠緒)今日ご紹介いただきました小室哲哉さんのインタビューが掲載されているのは、世の中をヘッドバンギングさせる本、『ヘドバン』。2月26日発売の3月号ですね。
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