宇多丸 DJ松永の東京五輪・閉会式出演を語る

ファーストサマーウイカ DJ松永 東京五輪・閉会式出演を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2021年8月10日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でDJ松永さんが東京オリンピック閉会式でDJルーティンを披露した件について話していました。

(宇垣美里)ちなみに、メールが来ております。「日曜日のオリンピック閉会式、アトロクファミリーにしてRHYMESTERチルドレンのDJ松永さん、カマしてましたね。自分を含むぴーなっちゅのみんなもタイムラインで歓喜。興奮していました。日頃の言動で薄れていますが、改めてこの人、DMCチャンピオンなんだ。すげえ人なんだと再認識しました(笑)」。

(宇多丸)「日頃の言動」(笑)。

(宇垣美里)「日頃、ラジオを聞いている身からしたら、だいぶ遠くに行っちゃったなと思いましたが、サブチャンネルに切り替わったタイミングだったのがちょっとらしいなと思ってしまいました。宇多丸さん、見られていたら感想もお聞きしたいです」ということですが。

(宇多丸)ねえ。ということで、まさに昨日、熊崎風斗アナウンサーが4週間ぶりに帰ってきて。

(宇垣美里)そうですね。久しぶりに風斗さんの声を聞いて私、嬉しかった。

(宇多丸)そうそう。しかもこれさ、ちゃんとたくましくなって帰ってきている感じがあるのよ。やっぱり。あの男、やっぱり大舞台を経るとしっかり、なんか変わってくるんだよね。

(宇垣美里)ええっ? 風斗さんが成長しちゃったの?

(宇多丸)また、そういうことを……(笑)。

(宇垣美里)あのかわいいところが好きなのに(笑)。

(宇多丸)いや、かわいいところはそのままに。だから熊崎くんには昨日は主に……だからちょっとイレギュラーな放送状態っていうのもあったので。熊崎くんのオリンピック土産話みたいなには放送中にはあんまり聞けなかったので。ポッドキャストでたっぷり聞いたの。

(宇垣美里)金曜日配信ですね。

(宇多丸)めちゃくちゃ面白いから! これ、本当にオリンピックの内側、特に実況アナウンサーという立場で経験した人でないとわからない、まあ晴れ舞台、檜舞台の部分と、「ええっ? ちょっとそんな状態なの?」みたいな。

(宇垣美里)なんか「大変そうだな」っていうのは安住さんのラジオとかを聞いていても……「大変そう」って思いながら聞いていましたけども。

安住紳一郎 東京五輪中継の舞台裏を語る
安住紳一郎さんが2021年8月1日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で東京オリンピックのテレビ、ラジオ中継の舞台裏についてトーク。中継を行う体制やシステムなどについて、裏話を交えながら話していました。

(宇多丸)なんだけども、でも熊崎くんにとっては大きな成長の舞台だったのは間違いなかったみたいで。めちゃくちゃ内容、面白いんで。皆さん、金曜日の夜9時から配信の別冊アフター6ジャンクション、お楽しみに。たぶん他のメディアではこういう話をたっぷりするところ、あんまりないと思うんで。

(宇垣美里)あんまりそういう機会もないでしょうから、楽しみですね。

(宇多丸)めちゃくちゃよかったんですけど。ということで、あんまりオリンピックの……だから熊崎くんの話すら、そんなに入ってない中で、閉会式ね。松永が出て、活躍をしたということで。あの、いろんな方からメールをいただいて。「宇多丸さんはどうご覧になりましたか? 宇多丸さんの感想はいかがでしょう?」って。

(宇垣美里)はい。

(宇多丸)見てなかったんですよ。

(宇垣美里)あらっ……。

(宇多丸)見てなかったです。

閉会式は見ていなかった

(宇垣美里)まあ、その始まる時に比べると「ああ、もう終わっちゃったの」みたいなところもあったりして。

(宇多丸)あと、すごい……すいません。皆さん、出られた方個々人はよかったとかね、頑張られたと思うんですけども。あの、これ以上しょんぼりしたくなくて……見なかったっす。

(宇垣美里)なんかもう、わかる……。

(宇多丸)で、実際に見た人の感想を聞くと「割としょんぼりした」っていう声も多かったんで。

(宇垣美里)私はちょっと宝塚の皆様が出てきた瞬間にちょっと胸がいっぱいになってしまって。

(宇多丸)そういうね、パートパートの……。

(宇垣美里)いや、違う。「この方々がどれだけのものを犠牲にされたか、わかって!」って思って。ちょっと、私には時間が必要だと思って止めてしまいました。

(宇多丸)やっぱりそういう感じが去来した方もいるし。で、松永が出たんだってねっていうことはそれこそ翌日の……それまで、あんまりテレビとかも見ていなくて。翌日のスタジオで「昨日のダイジェスト映像です」みたいなのをやっていて。「あれ? あ、松永じゃん」って。

(宇垣美里)ああ、そのタイミングだったんですか?(笑)。

(宇多丸)そんな感じです。なので……いや、ただね、これ松永はもちろん、彼は正真正銘、DMCという世界の非常に権威あるDJコンテスト。本当にDJにおけるオリンピック的な大会。競技別にあるんですが。で、日本人はかなり金メダル級のをいっぱい取っている。本当にチャンプ中のチャンプがいっぱいいるんですが。この番組にも来てくれたDJ IZOHとか。まあ、そういう種目別の中でも彼はバトル部門で正真正銘の1位ですし。なので、ここに出る資格というか、なんというかはある男なのは間違いない。そしてパフォーマンス、いざ本気を出せばね、先ほどのメールにもありましたが。日頃のキャラクターのせいもあってついついね……。

(宇垣美里)実は上手いんですよね。DJがね(笑)。

(宇多丸)まあ、すごい男なんです。で、大舞台慣れもしていますしね。なかなか神経が図太いと言いましょうか。ああいうところに映える男でもあって。だからそこはよかったねっていうことですけども。ただね、皆さんね、これ私の心情というものがおわかりいただけるかわからないですけども。なんていうか、知り合いがどこか大舞台とか、知り合いが急にテレビとか、知り合いが急になにかに出ていても、あんまり驚かなくなっちゃっていて。というぐらい、僕の周囲は……僕じゃないですよ。僕の周囲にはすごい出世株がいっぱいいて。今更もう驚かないんですよ。そのオリンピックの閉会式くんだりでは。これ、表彰式で表彰台の上に立っていたらびっくりしますけども。

(宇垣美里)「いつの間にスポーツを?」って(笑)。

(宇多丸)「どうした、どうした?」っていうことになりますけども。出し物として出て来うるっていうのは、それこそスカパラが出たりしているわけですから。これは別に可能性としてはそれは全然考えられるわけで。違う。「知り合いの中で誰か、来てるんじゃねえの?」なんて言ってて。松永とは予想してなかったけども。まあ、当初は三浦大知くんなんて話もあったぐらいですから。

(宇垣美里)そうですね。見たかった。

(宇多丸)ねえ。来たところで、たぶん言えないでしょうから。しかもいろいろ情報が……ほら。開会式がメンツが事前にわかっていたっていうあれもあって。だからこうなったのもあるのか、閉会式に関しては全く知らないままボンと出されたっていう。だから熊崎くんも言っていたけども。あそこでNHKの閉会式のアナウンサーがいろいろと知らないままやらないといけないっていう。開会式と違って。

(宇垣美里)いやー、大変ですよね。

(宇多丸)そう。知らないまま、初見でいろんなことを言わなきゃいけないから。ご本人も知らないものをコメントしなきゃいけないから、それは必然、あんまり芯を食ったことを言えない瞬間も出てきがちで。そこで非難をされるのは本当にかわいそうだっていうことはね、おっしゃっていましたね。だから、それもこれも全て、そのガワの段取りとか、いろんなことの悪さの問題であって。だから、末端で頑張っている人たちが悪いなんてことは思ってない。あと、いい場面もいっぱいあったしね。だから松永もそのひとつかもしれませんね。

(宇垣美里)そうですね。

(宇多丸)私が考えたのはやっぱりギャランティーっていうのはいくらほどなのでしょうか?っていう。

(宇垣美里)お聞きしたいですね。

(宇多丸)たぶんですけど。大したことないと思います。

(宇垣美里)そうでしょうね(笑)。

(宇多丸)あの人数……要するに、「オリンピックに出るという誉れの方を取りなさい」というような。

(宇垣美里)どうしてもね、財政的にも逼迫してそうでしたしね。

ギャランティーが気になる

(宇多丸)それか、もう閉会式のこの期に及んでは誰も出たがらないから。札束でほっぺたを引っ叩いてっていうような……。

(宇垣美里)やめてよ。それで松永さんが出たみたいになったら、それはそれでなんか……(笑)。

(宇多丸)いや、でもその札束の金額次第では、ほっぺたを叩かれて。それは人としてね、「それは転ぶよね、君!」っていうね。「しかもこれ、課税はしませんので」なんて言われたら……。

(宇垣美里)ありがてえ!

(宇多丸)それはもうホイホイと、ありとあらゆること、出てきますから。引っ叩かれる金額によっては私はもう巣鴨学園伝統の白フンで国立競技場の中に出ていって……っていうことは全然やぶさかではありませんので。

(宇垣美里)ええっ……。

(宇多丸)金額次第ですよ。金額次第。その尊厳の全てを捨てても構わないという(笑)。まあ、その点松永はね、ここでアピールすることのあれもありますからね。だから、よくやったんじゃないですか。ただ私個人はリアルタイムで……それはだから、松永の野郎から一報もないですから。あ、これ、怒っていいやつかな? お前、なにを……しかも、ことあるごとに「RHYMESTERの影響を」って言っているけど、オリンピックにでは言わなかったな、お前?

(宇垣美里)一言も発してなかったですよ、たぶん(笑)。

(宇多丸)いやいや、あいつならできるはず。お前なら、音ネタを仕込んで。「RHYMESTER、を、そそそ、尊敬、尊敬……」みたいなことはできたはずじゃないの?

(宇垣美里)「なんでしなかったんだよ?」って(笑)。

(宇多丸)「お前、やってなかったな、あれな」って今度会ったら言おう(笑)。

(宇垣美里)怖い先輩(笑)。

閉会式でRHYMESTERに言及しなかった問題

(宇多丸)散々言ってもらっているのにね(笑)。いやいや、まあまあ、それはそんな感じですよね。まあ、いろんな……でもいろいろ演じ手というか。日本で一応エンターテイメント業界に関わっている身としては、ある種自分のやってきたこととかも含めていろいろと考えさせられるというか、ちょっと身につまされるというか。ちょっともう1回、ふんどしを締め直すべきなのかもとか、いろんなことを我が身のこととして考えましたね。うん。日本のエンターテイメントというもののある種の……あとはここの人はそれはそうだけど、やっぱり仕切りね。仕切りが本当に、こうなるとね。まあ、あちこちで言われていることなので、ここでは愚痴はこれ以上は申すまいっていう感じですが。ということで松永、お疲れ様でした。そういうことです。

<書き起こしおわり>

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