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高橋芳朗 ITZYのジェンダーロールからの解放ソングを語る

高橋芳朗 ITZYのジェンダーロールからの解放ソングを語るアフター6ジャンクション
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高橋芳朗さんが2021年2月16日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で欧米ポップスとK-POPのフェミニズムについてトーク。ITZYの楽曲のジェンダーロールからの解放というメッセージについて話していました。

(宇多丸)今のMAMAMOOはルッキズムとボディポジティブというテーマでした。そして2つ目は?

(高橋芳朗)2つ目のテーマはこちらです。ジェンダーロール。まあ、ジェンダーロールからの解放みたいな。固定化された性役割からの脱却・解放をテーマにした曲ですね。これ、欧米だと去年を代表する楽曲……まさに火曜日のこのコーナーで特集したカーディ・Bとミーガン・ザ・スタリオンの『WAP』もまさにそういう曲だと思います。

(宇多丸)ああ、そうか!

(高橋芳朗)女性が性的に客体化されることを拒否する曲というか。主体的に性を楽しむことを主張した曲でしたよね。

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(高橋芳朗)で、このテーマでも欠かせないアーティストというと、やっぱりリゾになるんですよ。で、今、後ろでかかっているのは彼女が2019年に発表した『Like A Girl』っていう曲なんですけども。これ、「女の子」らしくという意味のタイトルですけど。そのタイトルに反して、一般的に「女の子らしいない」とされていることをひたすら挙げていく歌詞なんですね。で、曲の出だしの歌詞は「今朝は気分よく起きられたから、大統領選にでも出馬しちゃおうかな? 女性大統領の前例がなくたって知ったことじゃない」っていう、そういう歌詞で始まるんですね。

Lizzo『Like A Girl』

(高橋芳朗)あとはリゾに加えてアリアナ・グランデも結構こういう題材はよく扱っていて。彼女はラブソングを装ったメッセージソングっていうか。特にその女性の地位向上を題材にしたメッセージソングを作るのがすごく上手くて。去年のアメリカ大統領選に合わせて発表した全米ナンバーワンにもなった『positions』もまさにそういう名曲だし。

2018年に発表した『God is a woman』もその『positions』にすごい似た構造を持った曲なんです。両方ともミュージックビデオを見るとアリアナが訴えようとしていることがよくわかると思うんですけども。


(高橋芳朗)で、中でも特筆したいのが今、後ろでもかかっている2019年に出した『NASA』っていう曲で。これ、アメリカ航空宇宙局のNASAなんですけども。この曲はさっきのカーディ・Bの曲と同じように女性が主体的に性や恋愛を楽しむこととか、あとはパートナーとの距離感みたいな話なのかな? それを星とか宇宙をメタファーにして歌ってるんですけど。

曲のオープニングが初めて月面着陸に成功したニール・アームストロングの名言をもじった独白で始まるんですよ。「これは1人の女性にとっては小さな1歩だが、女性たち全体にとっては大きな飛躍である」っていう。たぶんこういう題材を扱っていることを指しているのかもしれないですけど。

(高橋芳朗)で、面白いのはさっきのリゾの『Like A Girl』とこのアリアナ・グランデの『NASAの』は両方とも先日、そのアメリカ女性初の女性副大統領に就任したカマラ・ハリスがお気に入りの曲としてプレイリストに入れてるんですね。

(宇多丸)また出ました。選曲魔が。ナイス選曲魔が……(笑)。

(高橋芳朗)大統領の要素として「選曲が上手い」っていうのが今後、要求されてくるかもしれないですね(笑)。

(宇多丸)センスがね(笑)。

(高橋芳朗)Spotifyにもカマラ・ハリスのプレイリストが上がっているので。

(宇垣美里)へー! それ、探そう!

カマラ・ハリスのプレイリスト

(宇多丸)ああ、プレイリストがあるんだね。カマラ・ハリスさんにとってはそのリゾの歌詞は全く絵空事じゃないわけだからね。

(高橋芳朗)本当にそうなんですよ。だからこれ、もし彼女が4年後に大統領選に出馬したら、この曲がテーマ曲になるかもしれないんですよね。

(宇垣美里)うわーっ!

(宇多丸)かっこいいね!

(高橋芳朗)かっこいいよね。で、この2曲と同じ2019年にはテイラー・スウィフトが『The Man』っていう曲を出しているんですけどもこれもすごいインパクトがあって。

(宇垣美里)これ、覚えている! あのミュージックビデオで男性になって。めっちゃ最悪な男の人に……。

(高橋芳朗)そうなんですよ。テイラーが特殊メイクで男性に扮して。まさに宇垣さんがおっしゃった通り、「有罪な男らしさ」的な振る舞いをやり尽くすみたいな。

(宇垣美里)すっごく足を広げて電車に乗ったり。

(高橋芳朗)地下鉄の席で足を広げて座ったり。で、歌詞は全編が「もし自分が男だったら」っていう仮定で占められているんですよ。歌詞の一部を抜粋すると「もし私が男だったら、もっと成功も早かっただろうし、今頃『男の中の男』として称賛されていただろう」とか。あと「もし私が男だったら、たとえどんな服を着ていようと、自分が築き上げてきた功績と切り離して考えてもらえただろう」とか。そういうのがずっと続いていく歌なんですよ。

(宇多丸)ああー……。

Taylor Swift『The Man』

(高橋芳朗)で、テイラーというとやっぱり保守的なカントリーミュージックの世界でいい子でいることを強いられてきたという歴史があるから。そのキャリアを踏まえて聞くとすごい重みのあるメッセージソングだし。まあ、あのNetflixドキュメンタリーの『ミス・アメリカーナ』。あれをご覧になった方なら、彼女がどれだけその男社会の中で苦汁をなめてきたか、よく分かると思いますし。あのドキュメンタリーと重ね合わせて聞くと、曲の聞こえ方が変わると思います。

(宇垣美里)だからこそ、どんな気持ちで今、それを表明しようとしているのか。どれだけの覚悟で……っていうのがすごい伝わってきますよね。

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(高橋芳朗)あのドキュメンタリーは本当に素晴らしいので。ぜひ皆さんにも見ていただきたいんですけども。で、この欧米の流れを踏まえて、そのジェンダーロールからの解放をテーマにしたK-POP作品を紹介したいんですけど。ITZYというグループの『Not Shy』という曲になります。これは去年、2020年のヒット曲で。この曲、アメリカのビルボードワールドデジタルソングチャートで8位に入っています。はい。で、ソングライティングとプロデュースにはNiziUでおなじみのJ.Y.Parkが関わっている曲です。

で、ITZYは2019年にTWICEの妹分としててレビューした5人組で結構、デビュー当時からエンパワーメントとかフェミニズムを題材にした曲は歌ってるですね。たとえばデビュー曲の『DALLA DALLA』という曲。今、後ろでかかっている曲ですね。これは韓国語で「違う、違う」っていう意味なんですけども。「あなたの基準に私を当てはめないで。他人の視線なんて重要じゃない。私は私。ありのままの自分が好き」っていう歌詞で。

(高橋芳朗)で、これに続いて出した『ICY』っていう曲も「あなたの考えに私を合わせるつもりはない」っていう歌だったり。

(高橋芳朗)それから去年、ヒットした『WANNABE』っていう曲も「誰がなんて言おうとも私は私。私はただ自分になりたいだけ」という。だから結構一貫して旧来からの性役割の押しつけだったり、客体化されることに「NO」を突きつけてきたような、そういうエンパワーメントソングを歌ってきたグループなんですけども。

(高橋芳朗)で、これから聞いてもらう最新シングル『Not Shy』もこういう路線を継承する曲で。歌詞は「私の気持ちは私のもの。あなたの気持ちはあなたもの。ためらわずに自信を持って表現してみて」っていう、そういうメッセージの曲になっています。この曲も本当にめちゃくちゃかっこいいので、聞いてください。ITZYで『Not Shy』です。

ITZY『Not Shy』

(高橋芳朗)はい。ITZYで『Not Shy』を聞いていただいております。これもかっこいいでしょう?

(宇多丸)かっこいいね。

(宇垣美里)かっこいい!

(高橋芳朗)ITZYは今年1月22日に欧米マーケット向けの英語バージョンをEPを出したんですけども。それが4曲入りで今、話した『Not Shy』『DALLA DALLA』『ICY』『WANNABE』が入っているんですよ。だから完全にそのストレートなエンパワーメントソングで固めてきたので。

(宇多丸)だからモードとして、曲調。曲の作りとかもそうだけども。やっぱりすごいその先の世界みたいなものを見据えたモードを最初からやっているんでしょうね。世界に通用しうるっていうところで。アティテュードから、最初からちゃんとブレずにやっているというか。

(高橋芳朗)たしかにITZYはそうかもしれないですね。最初からそういうコンセプトのもとに結成されたところはあるでしょうね。

(宇多丸)曲調、映像、ダンスみたいなのが全部……ドメスティックな要素の入れ込み方もすごく、ちゃんと狙いがある感じがする。さすが。

(高橋芳朗)ちょっとタランティーノっぽい感じで。

(宇多丸)そうだね。映像はそうでしたね。かっこいい。

<書き起こしおわり>

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