東野幸治 大森靖子『Rude』MV出演を語る

東野幸治 大森靖子『Rude』MV出演を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2021年5月21日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で大森靖子さんの『Rude』ミュージックビデオに出演した経緯について話していました。

東野:そしてこちら。メールを読みましょう。大阪府堺市の方。「東野さん、本家の皆さん、こんばんは。東野さんが出演している大森靖子さんのミュージックビデオ『Rude』が情報番組『スッキリ』でも紹介されていました。東野さんの演技を見た天の声さんが『確実にカメラの横の監督の指示を待っているんです』と笑い、また天の声さんの友達の山里亮太さんがラジオ『不問な議論』でも『東野さん、絶対に演技が下手だと思うんだけど、マジでできてなかった。カメラの横の監督をすごく見てた。東野さんもこれ、NGカットだろと言ってみんな笑ってました』と。あのミュージックビデオで東野さんはどんな演技プランを与えられたんですか?」。

この曲、なぜがこの大森靖子さんのミュージックビデオに出てるかと言いますと、このディレクターが昔、TBSの関東ローカルの深夜で『その他の人に会ってみた』っていう番組の何人かいるディレクターのうちの1人で。で、なんかおもしろい、いろんな本流じゃない、ちょっと変わったその他の人を追いかけて。そのVTRを毎週2本から3本、見るんですけども。そのディレクターが面白いVTRを作って。僕らがゲラゲラ笑ったりとか、しゃべったりとかして、スタジオで盛り上がっていたら、それになぜか知らないけど、いたく感動をされたみたいで。その番組が終わった後、インスタのDMが届いて。「ちょっと相談したいことがあるんで、ご飯を食べに行きたいんです」って来たんですよ。フリーのディレクターからいきなり。

で、「これはヤバいな。頭、おかしいやつや」と思って。で、とにかくよく一緒に出ていた準レギュラーのノブシコブシの吉村にこの事情を説明して。「一緒にご飯、食べ行けへん?」って言ったら「やめましょうよ! 頭おかしいですよ、そいつ!」って(笑)。そう言うけども、俺は「なんかプラスもあるかもわからんやん」って言って。「じゃあ、行きましょうか」って言って3人でご飯を食べに行ったら「今、YouTubeで『街録ch』っていうのをやっています。とにかく新宿とか渋谷とか池袋で1日中、カメラを回して。変な人にインタビューをして。『何してるんですか?』って聞いて。変わった人生を歩んでる人をピックアップして配信していくんです。それが評判がよくて……」っていうことで。

それで「もし、チャンネルが評判がよくて。登録者数が10万人、20万人、30万と行ったらインタビューをさせてもらえませんか?」って言われて。「ああ、ええよ、ええよ」って言って。それがきっかけでまた吉本興業の複雑な家庭事情の芸人さんとか、そういうのもインタビューするようになって。どんどん膨れ上がっていって、数がすごく増えて。で、その街録chの中で大森靖子さんもピックアップして。で、ぜひぜひ音楽を使わせてくれとか。

街録ch・大森靖子


東野:それで大森靖子さん側もこのディレクターに『Rude』っていうミュージックビデオの監督をやってくださいっていう話やったんで、吉本を通じて僕に「ミュージックビデオに出てくれませんか?」っていうことで。それでマネージャーに言われたから「いや、やめとけ。アーティストが作った大事な自分の作品、子供を愛情のない幼稚園の先生に預けるようなもんや。もっと作品を大事にした方がええん違うか?」って突き返したら、「いや、もう芝居は結構です。とにかく、歩いてください。歩くだけでいいんで」ってなって。「ああ、歩くだけやったらいいよ」っていうことで、行ったんですよ。

ほんだらな、とにかくずっと歩くんですけど、歩いていくいろんなところにその「街録ch」に出た名物さんみたいな人を配置しているので。それが編集ではこういう風にピックアップされて、一番最後に大森靖子さんが歌ってるっていう演出で。「ああ、わかりました」って言ってやろうと思ったら、1回その「街録ch」のスターの人が全員、集められて。順番にそのディレクターが僕に説明をするんですよ。「この方が女性でSMの緊縛師さんです」って。俺もしょうがないから「ああ、よろしくお願いします」って言って。

で、変な間が開くから、「女性って珍しいんですか?」みたいなことを聞いて。「ああ、そうですね」って。で、「この女性はレズビアン専門の風俗嬢です」「ええっ? 1日に何人ぐらい来るんですか?」って。「なんやねん、この時間?」みたいなのがずっとずっとあって。で、あとは「今から夜勤に行くお笑い芸人の若井おさむさんです」とかね(笑)。「いや、そんな説明いらんわ!」とか、そんなんを言いながら、いざ始まって。2回だけ、そのルートを歩くんですよ。で、1回目はちょっと、普段は早歩きだから。「もっとゆっくり歩いてください」って言われて。で、2回目ゆっくり歩くんですけど。

それで大森靖子さんがマジで歌ってるですよ。歌っている手前で、俺の役の設定は首つり自殺をしようとして、場所を探しているおじさんですね。なんでそんな設定なのか、わからんけども。で、コンビニの袋の中に首つり用の紐を持っているんですよ。で、それを持ってずっとゆっくり歩いていく。で、その大森靖子さんに会う前に、その女性緊縛師の方が立ってるから俺がその人にロープが入っているコンビニの袋を渡すように言われていて。ほんだら、ディレクターが言っていたのは「僕の持っているカメラを取り上げて、僕が縛られるのでそれを映してください」って言われて。で、「ああ、わかりました」って。だからもう、ずっと笑っていたんですよ。俺も「なにやってんねん?」って思って。

で、そうやって縛られて。最後に振り返ったら大森靖子さんが歌ってるんですよ。歌っていて、ちょっと俺、笑っていたと思うんですけども。なんで笑っていたか?っていうと、たぶんそこの部分は使っていないと思うんですけども。大森靖子さんの向こうからおまわりさんが2人、歩いてきたんですよ。「街で変なことをしてるやつがいる」って。ほんで、だんだんだんだん近づいてくるんですよ。俺も心の中で「とにかくディレクター、パトカーに捕まれ! これはパトカーに入れられて警察に行った方が面白いな」と思って。

「どうかディレクター、撮影許可を取っていないでいてくれ」って思っていたんですけども。そのおまわりさんが2人、来たところで、その撮影に関係のないスタッフがやってきて、何か説明していて。「はい、OKです」ってなって。それで縛られながらカメラを持っておまわりさんのところに行って、説明して。それでパトカーに乗せられずに済んだんですけど。乗せられてほしかったですよ。「こいつ、アホやな」って思って。縛られて。で、こういう縁で今、ちょっといろんな街とか、いろんなラジオとか、YouTubeで流れておりますので。ぜひぜひ大森靖子さんの『Rude』を聞いてほしいと思います。とてもいい歌でございますから、よろしくお願いします。

大森靖子『Rude』

<書き起こしおわり>

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