オークラ おぎやはぎ矢作が佐久間宣行の編集を認めた瞬間を語る

オークラ おぎやはぎ矢作が佐久間宣行の編集を認めた瞬間を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

オークラさんが2021年7月21日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』に出演。おぎやはぎ矢作さんが『大人のコンソメ』で佐久間宣行さんの編集を認めた瞬間について話していました。

(佐久間宣行)あれだよね。前回、オークラさんが芸人を続けたいと思った時にバナナマンと会って1回、諦めた。裏方でやろうって。東京03と会って、「このトリオを売りたい!」と思ったっていう。それぐらいの感じのところでオークラさん、構成作家になってるわけじゃないですか。

(オークラ)そうですね。

(佐久間宣行)今までは芸能・オークラの青春期だった。で、構成作家になった時の最初の仕事は何だったんですか?

(オークラ)構成作家で一番最初にやったのはたぶん、ちゃんと自分の番組やってるなと思ったのはガレッジセールの『すれすれガレッジセール』。

(佐久間宣行)そうかそうか。マッコイさんの番組か。加藤浩次と。

(オークラ)加藤さんと『とび蹴りゴッデス』をやっている時に、ロンドンブーツの番組をやっていて。その時にゴリさんとたぶん仲良くなったんですよ。そこで初めて、「ゴリ」っていう名前はあの人がつけたんですけども。そこで吉本からたぶん『すれすれガレッジセール』っていう番組をやってくれないか?って頼まれて。それでマッコイ斉藤さん演出として。ほぼほぼ『とび蹴り』と同じぐらいのデビュー作で始めて。それに僕、呼ばれたんですよ。矢作さんが紹介してくれて。

(佐久間宣行)そうだよね。だからやっぱり矢作さん、すげえなって思うのは俺も、『大人のコンソメ』っていう番組があって。それはおぎやはぎ、劇団ひとり、ダイノジ、スピードワゴンとかの番組なんだけど。それは俺、雇われの演出で後で入ったのね。で、オークラさんも雇われみたいな感じで後で入ったんだよね?

(オークラ)番組立ち上げの時からは入ってるんですけど。でも、入った時期は佐久間さんと一緒で。

(佐久間宣行)だから同じタイミングで、メインじゃないスタッフとして入ったんだよ。1回。そこでオークラさんとはじめて会ったんだよね。

(オークラ)そうですね。その前まではその『ガレッジセール』とか『はねるのトびら』とか『トリビア』とか。そういうのはやってたんですけれども。結局……『トリビア』はちょっと若手と同じ世代で作ったんですけど。『はねトび』とかそういう番組って、やっぱり先輩がいて。その先輩の下で僕らが作家としてやるって感じだから。やりながらもネタ出しとかしてるんですけど。ちゃんと仕事をしてるんですけど、「自分の番組なんだ」って感じがあんまりまだ、してなくて。「後輩だな、子分だな」って感じがしてたんですね。

(佐久間宣行)要は演出の子分だなっていう。

(オークラ)その時に、やっぱり自分もこの同じ世代の演出家と一緒に番組を作りたいなってずっと思ってた時期だったんですよ。で、その時に『大人のコンソメ』が始まったんですよ。その『大人のコンソメ』っていうのはいわゆるおぎやはぎ、劇団ひとり、ダイノジ、スピードワゴン。このメンバーでやるんですけれども。佐久間さんも初演出ですよね?

(佐久間宣行)初演出。

(オークラ)なんなら、ディレクターデビューと演出がほとんど同じぐらい?

(佐久間宣行)同じぐらい。1回だけプロデューサーで深夜番組をやったんだけど。その後、チーフADとディレクターの間ぐらいの仕事をゴールデンでやっていて。それが急に「深夜で総合演出をやってくれ。芸人番組だ」って言われて、呼ばれて行ったの。

(オークラ)あれ、2003年に始まってるんですよね。『大人のコンソメ』って。で、2003年っていうと、『エンタ』がネタとか芸人だけの番組になり始めて。第五世代のお笑いブームが始まるぐらいの年なんですよ。

(佐久間宣行)エンタ芸人たちがね。

(オークラ)だからみんな、もう肩に力が入っていて。「俺らが一番面白いんだ!」ぐらいの。

(佐久間宣行)力、入っていたよ。そうそう。あの頃の芸人さんって、『オンバト』が終わったか、まだ『オンバト』もやってるぐらいか。だからもうネタに自信がある芸人さんたちが「ディレクター、ナンボのもんじゃい?」っていう空気、あったよね。

(オークラ)ありました。で、ディレクターもディレクターで「俺ら、面白い番組、撮りますよ」みたいな。もう、そんな中で若造の演出家がいて。

(佐久間宣行)そう。しかもね、ディレクターが全部、俺より上だったの。年齢がね。

(オークラ)それで俺も、そういうマッコイみたいな武闘派の演出家のところでもやっていたし。『はねトび』みたいにフジテレビの直系バラエティとかもやってたから。「えっ、この若い演出家、できんの?」みたいな目線で佐久間さんを最初は見ていて。

「この若い演出家、できんの?」

(佐久間宣行)ああ、そうそうそう。俺は覚えてるよ。これはまあ、言わないけど。入ったところでまず、ディレクターたちが……その『あちこちオードリー』とかを一緒ににやっている斉藤さんとか、そのディレクターってみんな俺より2歳ぐらい上なんだけど。その1個前の特番ではヘルプで俺、ADで行っているのね。手伝いだったから。「いいっすよ。ADで行きます」っつってADで行っていたやつが3ヶ月後に「お前らの上司の総合演出です」って現れたから。で、みんなね、そのNAVIっていう会社だったんだけど。

NAVIのディレクターたちは全員、千原ジュニアの直系だったのね。「千原ジュニアの番組やってました」っていう人たちだから。「はあ? こっち、ジュニアの番組をやってるんすけど?」みたいな(笑)。「おう、お笑いやったことあんのか? 『TVチャンピオン』のチーフADが演出で来たのか?」みたいな。あと、元吉本の芸人の作家のね、今はめちゃくちゃ仲がいいけども。くらなりさんっていう作家がいるのよ。が、一番敵対心を剥き出しだったよね(笑)。

(オークラ)みんな、すごかったんですよ。ゴリゴリで(笑)。

(佐久間宣行)ゴリゴリ。会議の空気がすごかったんだからね。俺のしゃべる一言一言をなんか試している空気で。

(オークラ)斉藤さんなんてね、今でこそあんないい人ですけど。あの頃、前室からスタジオに行くまでたぶん矢作さんに肩をバーン!って組んで。「笑いで天下、取りましょう」みたいな感じで言ってましたから(笑)。で、矢作さんはそれを聞いて「あいつ、なんだ?」って言っていて(笑)。

(佐久間宣行)矢作さんは矢作さんでそういうことを言うやつが嫌いだから(笑)。ディレクターと演者もピリピリしているみたいな(笑)。

(オークラ)で、そんな最中始まったあの番組の中で、ブルードラゴンっていう企画があったじゃないですか。青汁を最初に飲んだやつが負けっていう。それで、お笑いの駆け引きで相手に飲ませようっていうもう、お笑い若手が作りそうな……。

(佐久間宣行)そうそう。たぶん最初、相澤さんっていう作家さん。『Numer0n』とかそういうのを作っている結構優秀な作家さんなんだけども。その作家さんが結構めちゃくちゃな企画で持ってきたのよ。目の前にいるある青汁を説得だけで。「どうぞ、どうぞ」だけで飲ませる企画で。「乱暴だけど面白そうだから試しに撮ってみよう」みたいなね。

(オークラ)若手だったし。なんかそういう尖った企画とかをやったら……現場とかはやっぱり混乱を極めて。何が面白いか、よくわからない状態になって。

(佐久間宣行)そうそう。収録、1時間ぐらいかかって。

(オークラ)それで、なんかよくわからない状態になったんだけど。「なんか面白いところもあったな」ぐらいだったんですけども。それを佐久間さんが1人で編集して、オフラインしてやった完パケを見た瞬間に、あのグチャグチャだったものが1本のお話になってるんだよ。それも、ナレーションで人の機微とか心の流れを作ったりとか現場状況を作ったりとかして。「えっ、あんなめちゃくちゃだったものがこんなドラマになってるんだ!」っていうのを見た瞬間に、矢作さんから「あいつ、やべえな!」って言い出して(笑)。

矢作さんが「あいつ、やべえな!」と言い出す

(佐久間宣行)それね、嬉しいんだ。俺も今でも覚えているんだよな。とにかく結構混乱の……番組が半年で終わるっていうことになって。それでDVDを出せるって言われた時。『大人のコンソメ』っていうDVDがあるんだけども。そのDVD、番組が半年で終わるのは悔しいから。ポニーキャニオンさんは「面白い企画があるから。それをまとめて出せばいいじゃない? ゲストも豪華だし」って言っていたのを……その時、頭がおかしかったのかもしれないけども。終わる番組のDVDなのに「たのむから、全部新撮でやらせてくれ」って言って。

で、その新撮の中にそのブルードラゴン・レギュラーメンバースペシャルっていうのを撮って。それ、結構面白かったんだけど。「でも、どう伝えるんだよ?」みたいなやつだったのね。それを俺が「じゃあ、俺に編集をやらせてください」って言って、全部編集をして。それで俺はわからなかったんだけど。それを後でオークラさんと矢作さんがわざわざ連絡くれて。「あれはヤバい出来だから、『あれを作った人間だ』って言った方がいい」って言われたんだよね。オークラさんに(笑)。

(オークラ)だから矢作さんが「天才を見つけた!」みたいな感じで。番組が始まって何ヶ月か経っているのに。「これはヤバいな」って思って。で、俺もそれを見た瞬間に「ああ、この人とだったらもしかしたら……」って。俺はやっぱり自分世代の『ガキの使い』とかを作りたいなって思っていたところがあるので。「ああ、そういう番組を作れるんじゃないかな?」と思って。そこでベットして。矢作さんとかも「やろう!」っつって。それで『ゴッドタン』が始まるんですよね。

(佐久間宣行)そうだね。俺は矢作さんから……矢作さん、たまに褒めてくれるけど。はじめて褒められたのは編集の間で。矢作さんもこんなこと言われたら恥ずかしいと思うんだけども。小木さんと岩佐真悠子がめちゃくちゃケンカしてて。飲んだら落ちるみたいなところでその飲む間を何回か調整して。小木さんが飲んでいる瞬間に落ちるっていうのを作った時に、その時の矢作さんがね、「0.1秒がジャストだ」って言い始めて(笑)。

(オークラ)矢作さん、間が好きですからね(笑)。

(佐久間宣行)「これがジャストだ!」って言って。それで、なんて言ったらいいんだろう? 「編集が信用できる」と思ってくれたのか。それを……しかも矢作さんってすごいのはさ、各所に言うんだよね。で、それまで関西芸人とガッツリやってきたディレクター陣とかで俺をまだ「ナンボのもんじゃい」って思っていた人たちが、矢作さんが褒めているから「まあ、信用してみるか?」っていう空気になったっていうね(笑)。

<書き起こしおわり>

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