星野源さんが2021年7月6日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で出演した『あちこちオードリー』の反響を紹介。番組出演時に感じた春日さんや佐久間宣行さんの役割について話していました。
(星野源)はい。いろんなことがありましたけれども、やっぱりあれですかね。『あちこちオードリー』という番組に出させていただきまして。前に『YELLOW MAGAZINE』という僕のイヤーブックに若林さんに出ていただいて。そこで対談をさせていただいたりしたんですけども。で、その流れでまたどこかでお話をしたいなと思っていたら、ちょうどこの『星野源のオールナイトニッポン』が今、火曜の深夜1時からやってるんですけど。この時間に元々は『あちこちオードリー』って放送されていて。僕の番組とかぶっていたんですよ。なので、若林さんがこの番組に来ることもできないし。裏かぶりだったので。で、僕が『あちこちオードリー』に出ることもできないという。
で、そもそも芸人さんがたくさん出てる番組だから、あんまり自分が行くっていう感じでもないのかなとは思っていたんですけれども。でも、すごく好きで。この番組内でも僕、言いましたけども。この『星野源のオールナイトニッポン』が終わって、家に帰って、お茶を飲んだりとか、あとは夜食とかを食べながら「エヘヘヘ」とか笑いながら夜ふかしをして。自分がラジオ生放送をやった2時間をちょっと収めるというか。やっぱり興奮して寝れないんだよね。帰っても。だからそれを収めて、「面白かった」っていう気持ちで寝るっていう、いつものルーティンがあったんですけど。
で、今年から『あちこちオードリー』の時間帯が変わりまして。水曜日の夜11時台になったんですよ。しかもね、1時間弱に放送時間を拡大して、さらに楽しみな番組になったんですけど。その枠が移動したということもあって、普通にオファー的な感じもいただきつつ、僕からも「もしそういう機会があったら、ぜひ出たい」という話もしていたので。「じゃあ、調整しますね」みたいな感じで調整をしていただいて実現したという感じですね。なので、あれなんですよ。今まで、1人ゲストだった人が結構少なくて。
やっぱり芸人さんのレジェンド的な人ばかりだったので、「俺1人で大丈夫かな?」ってちょっと心配ではあったんですけど。収録時間自体は1時間半ぐらいで。もうあっという間に過ぎちゃって。すごい楽しくて。なんだろう? すごく充実した時間を過ごしてテレビ東京を後にしたという感じでしたね。なので、若林さんが本当にたくさんいろんなお話を引き出してくださって。「そういえばこういう話、あまりしてないな」みたいなことも話したし。あと、「久しぶりに話すな」みたいなことも話せたし。すごく楽しかったですね。
あと、その番組を見て思っていたこととか、オードリーのお二人について僕が思ってることも言えたので、嬉しかったですね。なんかね、本当にすごい反響で。「感動した」っていうものから、普通に「たくさん笑った」っていうものから。なんかやっぱり僕、星野源のイメージっていうものが、それこそあそこで阿佐谷で1人暮らしをしてて、世の中の全部を憎んでいたみたいな話をしたんですけど。「クソがっ!」みたいなことを言いながら自転車をこいでいたみたいな。そういうイメージのない方もいらっしゃったみたいで。メールとかでもいただいてるんですけど。「ああ、なるほどな」と思って。
だから僕ね、その阿佐谷に19歳ぐらいから住んでいて。そこから5年ぐらいかな? 阿佐谷住所の時代と、荻窪住所なんだけど一番近い最寄りの駅は阿佐谷みたいな時があって。その後に江古田に行くんですけど。それは放送でも言いましたけども。だからその阿佐谷時代に僕は中野でバイトしてたりしたので。あとは阿佐ヶ谷のパール商店街の中のお惣菜屋さんとかでバイトしたりとかしてたんで。たぶん俺、絶対に春日さんとすれ違ってるんだと思うんですよ(笑)。
絶対にすれ違っているし、たぶん同じ本屋とかに同じタイミングでいたりした時とか、あったんじゃないかなとか。あとはスーパーとかね。だからそう思うとなんか、阿佐谷トークができるとは予想してなくて。「ああ、そうだよな。春日さん、そういえば阿佐ヶ谷だし。あそこのガード下でオードリーが漫才の稽古していたっていう話もあったし。そうだよな」って思って。だから意外とその共通点とか、若林さんとシンクロする瞬間みたいなところがすごく多くて。いちいちすごく面白かったし、感動しましたね。なんかね。
学生の頃、私もここ、よく歩いてました。#あちこちオードリー pic.twitter.com/ywEHkwOUfE
— 隠れおひさまん (@kakure_ohisaman) June 30, 2021
それで1個、思ったのは僕はもちろん春日さんも好きなんですけど。春日さんって、なんて言うんだろう? やっぱり、いじられるじゃない? 「大きなゲストが来るほどしゃべらない」とか。それですごい思ったんだけど。俺、ずっといろんな番組に出ているのを見る中で、春日さんが振られて。面白い、もしくはたとえばちょっと不思議な空気になるっていう。それを助ける若林さん。で、爆笑するみたいな。そういうのは見たことあったけど。「『あちこちオードリー』では春日さんが拾う側なんだな」と思うんですよね。
『あちこちオードリー』では春日さんが拾う側
だからそれが若林さんと僕がずっとガーッと組んで。プロレスっていうか、格闘技みたいな感じで組んで、ずっとワーッ!ってやっているところでこぼれた球だったり言葉を拾って。それを春日さんが一言言うことで印象深くしたりとか。あとは春日さんが笑顔でいるとか(笑)。で、番組のカラー的にも苦しかった時期の話とかをする時も、そこをなんか重過ぎないようにしてくれたりとか。そういう時に若林さんがまた振ったりとか。だからなんか、結構「全然しゃべってなかったじゃないか!」っていう風に若林さんはもちろん言っていいんだけど。それはボケっていうか、ネタだから。
だからやっぱりあれは3人で作っていたんだなっていうのはすごいと思いましたね。あの空気っていうか。僕がいろんなガードを外せて話せたのは春日さんが笑顔でいたからで。で、僕は何かたとえば1個、ワードを言った時にそれを強調ししてくれる春日さんがいるからこそ、あんまりそこの「はっきりとしゃべらなきゃ」みたいな……テレビ用にいろんなワードを咀嚼して。僕はどうしてもラジオをやっていたりとか、しゃべりの人間じゃないから。1個の説明が少し長いんですよ。でも、それをテレビに出る時には短くした方がいいんだろうなって思うから。「テロップに出しやすい」とか、そういうことを考えなきゃいけないとかって思うと「ああ、大変だわ」ってなるんだけど。そういう心配を特にせずに、ここでは自分の好きなようにしゃべっていいんだろなっていう場所だったので。ものすごくリラックスできて。
だからそこをみんなで作っているというか。前にも言いましたけども、すごい広いスタジオの中に端っこの方にすごい狭いセットを組んでやっているっていうのも、やっぱりその人の温度感みたいのが伝わるっていうか。そこだからこそ、普段のテレビで大きいスタジオで大きい声で聞かれる質問ではない答えだったり、テンションにゲストの人がなれるっていうのはすごい思いましたね。
で、あと1人、一緒に作っていたのはやっぱり佐久間さんだなと思うんで。その佐久間さん、プロデューサーだけどフロアディレクターとしてカンペを出すんですよね。僕、1個面白かったのは春日さんの奥さんのクミさんの話になった時に、クミさんの話を……詳細は覚えてないんだけど。カンペで「クミさんの『Family Song』」みたいなカンペを佐久間さんが出したんだけど。そのクミさんのことを「93」ってそこにも書いてあって(笑)。「やっぱりカンペの中でもクミさんは93番なんだ」って思ってすごい面白かったんですけども。
だからその、佐久間さんがいることによって、僕も佐久間さん側を見て話したりとか。僕も佐久間さんとは何度かお会いしているので。そういうのもあって、なんか全方向に信頼できる人っていうか、安心できる人がいて。だからすごく話していて楽しかったし。すごい嬉しかったですね。で、またそれを放送したのが……もちろんリアルタイムで見ていたんですけども。いろんなところで話題になってるようで、すごくよかったですね。もちろん、一番最初のメールテーマみたいなのがあって。そこで来たのが「最近、褒められますか?」みたいなので。その中で若林さんも春日さんも「おじさんになってから、褒められないね」みたい。
で、「佐久間さんが全然褒めてくれない」みたいな話があったじゃないですか。で、僕も番組の中で「佐久間さんは俺のハードファンだって言ってるのに、ラジオで全然俺の名前を出してくれない。ズルいぞ!」とかっていう話をして。で、佐久間さんが「いや、本当にいいものは言葉にできないじゃないですか」って言っていて「ズルいぞ!」とかって(笑)。放送の中では割とあっさり済んでいたけども、実際はもっと「ズルいぞ!」っていう話を若林さんとしていて。
それで……佐久間さんがね、その番組が終わった直後にTwitterで上げたのが「言葉にできない回です。」っていう、もうズルいよね? フハハハハハハハハッ! 「ズルいぞ!」って思って。
ズルい佐久間さん
言葉にできない回です。#あちこちオードリー
ゲスト:星野源
https://t.co/XplHEbTmSj— 佐久間宣行 (@nobrock) June 30, 2021
(星野源)それで、その時に佐久間さんの伏線まで回収されたと思って。そのもう1個前のツイートを見たら、僕の曲とSAKEROCKの曲が『あちこちオードリー』の中でよくBGMで流れていて。で、それを番組を見て知ったみたいな話をした時に、それと同じぐらいの時間に佐久間さんがまたツイートをしていて。それがね、「勝手に流しとくもんですよ SAKEROCKも化物も」って書いてあって(笑)。「おいっ!」って思って(笑)。
勝手に流しとくもんですよ
SAKEROCKも化物も#あちこちオードリー— 佐久間宣行 (@nobrock) June 30, 2021
(星野源)いや、でも実際にね、それでたくさん流してくれて、僕がゲストに来ることがあって。それで「僕の曲なんです」って言えるのはちょっと面白いですよね。それでその後に『化物』の歌詞の話とかもしたんですけど。佐久間さんが「化物の歌詞の話、はからずも聞けて嬉しかったなあ 主題歌だから、この番組の。」って書いているんだよ。それを読んで思ったんですけど……だったら、エンドクレジットにクレジットしろよっ!(笑)。
化物の歌詞の話、はからずも聞けて嬉しかったなあ
主題歌だから、この番組の。#あちこちオードリー— 佐久間宣行 (@nobrock) June 30, 2021
(星野源)その放送でも何も書いていなくて。これはちょっとね、入れてもらいたいですよね。主題歌だから。この番組の(笑)。いや、だからあれなんですよ。音楽っていうのは本当にね、はかないものでね。バラエティ番組っていうのは勝手に使ってOKなんですよ。いわゆる著作権料みたいなのがね、本当にテレビ局と著作権管理団体のところで繋がってるから、もう普通に自動的に支払われられるようになるから、許可は別にいらなかったりするんだけども。でも、たとえば親切なテレビの方とかはちゃんと許可を取ってくれたりするんだけど。別に基本的になかったりするんだけど。やっぱりここまで言っていただけるのであれば、ねえ(笑)。「主題歌:星野源『化物』」はちょっと行きたいですよね。いいんじゃないですかね(笑)。
そう。だから番組が1時間になった時も「僕の曲じゃなくなったら佐久間さんをいじろう」って思っていたけど。でもやっぱりね1時間だとね、やっぱりSAKEROCKって楽器が基本的には変わらないから。やっぱりバリエーションがなかったんだろうね。やっぱり半分ぐらい違う人の曲になっていて(笑)。だから、そういうのもしょうがないとは思いつつ。でも、僕が出た時は結構意識してたぶん使ってくださったんだと思います。ありがとうございます。
だから、あれですよ。それで佐久間さんのオールナイトニッポンを聞いて。「ここですよ、佐久間さん。褒めるタイミング! 若林さんを褒めるタイミング、今だ!」って思って聞いていたんだけど。そしたら「テロップを入れなかった自分を褒めて」っていう話をしてました(笑)。若林さんを褒める話をしてたんだけど、自分を褒める……「俺のあれ、よかったでしょう? 俺を褒めてほしい」っていう話をしていて。「くっそー、ズルいな」って思って。
(星野源)でも、そこも素敵でしたね。だから、そういう番組があるんだなって思うと……そのテレビでも僕も言いましたけども。本当に希望ですよ。日本テレビ界の希望ですよ、本当に。だからなんか、いつかね……その時はクミさんとは電話は繋がらなかったですけど。いつか、あるんですかね? それもちょっと楽しみにしていきたいと思います。ちょっと、ごめんなさい。感想を読んでなかった。感想を読みたいと思います。東京都の方。「『あちこちオードリー』、拝見しました。最初から最後まで面白くて素敵な話が詰まっていて。あっという間の50分で何度もTVerで見ています。『らしさは俺が握っている』とか『感情は道に焼き付く』などの名言が出つつ、『若林さんは日本テレビ界の希望』からの『どうも、希望です!』の流れは本当に最高でした」。いやー、最高でしたね。
「いつか『星野源のオールナイトニッポン』のゲストにオードリーのお二人に佐久間さんも交えて、もっといろんな話をじっくり聴きたいなと思っていました。佐久間さんが仰っていたんですが、松重さんのお話とかもされたとのこと。いつか未公開などで見れることを期待していますが、オンエアーがなかった裏話などがあれば教えていただきたいです」。ああ、そうですね。そうそう。松重さんのお話とか、したんですけども。でも、割とお話してる話ではあったんですけどね。別の場所でも。
でも、やっぱりそうですね。1時間半話して、1時間弱、ほぼ。だから結構カットはあんまりないっていうような感じだったんですよね。でも、なんかちょこちょこ……なんかあったっけな? うーん。春日さんがAVを買わないでサンプルでしか見ないっていうのを僕と若林さんが責めるっていうくだりはありましたけども(笑)。「なんで買わないんだ!」っていう(笑)。そういうのはありましたけども。あとは、でも割とそうだな。いろんな話をしたな(笑)。もし未公開などあれば、お楽しみにということで。ここで1曲、お送りしたいと思います。『あちこちオードリー』の主題歌です(笑)。星野源で『化物』。
星野源『化物』
<書き起こしおわり>