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星野源と荻上チキ『みらいめがね』を語る

星野源 友人・荻上チキを語る 星野源のオールナイトニッポン
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荻上チキさんが2021年9月21日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんと著書『みらいめがね』について話していました。

(星野源)そこで、チキさんが書いた本なんですけども。そのエッセイ集で……いろいろチキさんって本を出されてますけど。各その分野……たとえば、いじめについてだったりとか、その他にも校則の本を出されていたりとか。

(荻上チキ)そうですね。学校校則に関する本を出していたり。あとは文学とかディズニー映画について書いた本とか、いろいろですね。

(星野源)いろいろあると思うですけど。この『みらいめがね』というエッセイ集は多岐にわたっているじゃないですか。このエッセイはどういう理由というか、経緯で書くことになったんですか?

(荻上チキ)『暮しの手帖』という雑誌があって。その雑誌の編集者の方に「チキさんにぜひエッセイを書いてほしいんです」っていう依頼を受けたんですね。僕は評論家なので、評論ってたぶん皆さん、国語の教科書では触れたことあると思うんですよ。『水の東西』とか、なんかいろんな評論あったと思うんですね。

(星野源)それが僕は中学以降、勉強を全くしてなかったので。小学校でやることなのか、わからないですけども。

(荻上チキ)中学校かな? 山崎正和という方が書いた、なんか西洋文化は噴水とかで水が動く様を楽しむけれども、日本だと鹿威しとかで音とか流れとかを楽しむんだっていう風に書いている評論で。今読むと相当評論としては雑なんですけど。比べるものが恣意的に選ばれてしまっているので。とはいえ、「何かを比較しながら考える」っていうことを与えてくれる代表的な評論ですね。ともあれ、教科書に載るのってだいたい現代文は小説、物語か、あるいはその評論か、随筆か。あと俳句とか詩歌とかなんですけども。僕は割と評論を書いてきたので、随筆と言われるエッセイはあんまり書いてないんですよね。

(星野源)やっぱりそうですよね。で、この作品を読んだ時に「チキさんってどんな人なんだろう?」って思っている人。『Session』という番組を聞いてる人も、だからその日々更新されるニュースのことについて語っていたり、その時にチキさんが気になっていることについては語っていたりはするけども。でも、自分のことをお話しするのって結構少ないじゃないですか。だから「チキさんってどんな人なんだろう?って僕は気になっていた時に、この本を読んで「ああ、なるほど」っていう。その、たぶんお題っていうか、その時に書くものついても、もしかしたらその出版社の方からお題があるんじゃなくて、自分で選んでたりするんじゃないかな?って思って。そうなると、書くことがランダムになっていくので、そのチキさんという人の像みたいなものがすごく浮かんでくる本だなと思うんですけど。

(荻上チキ)うんうん。自分丸裸っていう感じになりますね。エッセイは。

(星野源)やっぱり、そうなんですね。

エッセイは「自分丸裸」という感じになる

(荻上チキ)評論はなんか複雑な社会をよりわかりやすくシンプルにぎゅっと圧縮するイメージなんですけど。エッセイとかだと小さな日常で起きたことというもの。本当に一瞬、起きたものというのを数百字とか数千字に膨らませるというイメージのもの。でも、そうするとその人の人間味というか目線というものがそのまま出でるんですよね。星野さんのエッセイをお書きになった時に、これを書こうとすると書きすぎて止まらない。だから恥ずかしいからやめとこうとかっていう、なんかそういった葛藤って出ませんか?

(星野源)僕は最初の1000字ぐらいまでは「書けないな」ってなるんですけど。その雑誌だったり連載の既定文字数が4000字だったとすると、3000字まで行くと「あと2000字、書きたいんですけど」みたいな(笑)。なんか、そのプラス1000字、書きたいみたいになることがよくありますね。で、あとは「ちょっとここまで書いても伝わらないかしら?」とか。あと「自分のことを書き過ぎかしら?」とか、どうしてもなんか、なっちゃいますね。

(荻上チキ)そう。自分を出すことについて、エッセイは考えさせられます。当然、これは僕が書く、評論家が書くエッセイなので、世の中の見方っていうもののヒントをちょっとでも得られれば……というコンセプトはあるんですけど。でも、世代もあると思いますし、自分の性別もあると思いますが。あと、そのいじめの経験とか、いろんな差別の経験とかを経て、自分を丸々出せるか?っていうと、否定されるかもしれない。否定されると、めっちゃ怖い。死にたくなるっていう、そういう恐怖感があるんですよね。で、たぶん恐らく中年以上の男性の方にはそういったような懸念がよりあって。

たとえば昔、あった2ちゃんねるとかだと、女性が何かの趣味に没頭する様をすごいバカにするカルチャーがあったんですよね。たとえば「スイーツ(笑)」っていう風に言って。「自分へのご褒美(笑)」みたいなこと言って、セルフケアをすることをすごくバカにする。でも、それは結果的に自分たちが美味しいものを食べに行こうか、とか。ちょっと疲れたから一緒にただただダラダラしようか、とか。そういうなんにも生産性がないかのように思われるムダな時間……でも、大事な時間を過ごすことはかっこ悪いものだっていう風にしがちだったんですよね。

で、僕にもその価値観がすごくあって。そういったような自分が感情を丸出しにして。なおかつ、セルフケアの話を書き続けるっていうのは、やっぱりある種の呪いを解く作業ですよね。だからすごく呪いについて考えさせられる3、4年かな? この本の連載してから、それをずっと考えてますよね。

(星野源)そうですね。帯にも「日常と、世の中から、呪いを解いていこうじゃないか。」って書いてありますけども。その、チキさんが自分でかけた呪いとか、生きていく上でかけられてしまった呪いとかをいかに解いてきたかっていう話だったり。書きながら、恐らく少しずつ解けていったのかもしれないっていうようなエピソードとか。いろんなエピソードが書かれていると思うんですけど。これを読むと、なんていうか今、一生懸命生きている人たちっていうものが……たとえばこれを指南書的な感じのものとして見たら「なるほど。こうやるのか」っていうので。自分の中でその方法だったり、ものとして取り入れて自分で実践するんだと思うんですけど。

(荻上チキ)生活の知恵みたいなね。

(星野源)でも、この本の中にはもう当事者がいて。自分でどうしたのかってことも書かれているので。どう乗り越えたか、だったり今はどういう状態である。で、日々こういうケアをしているとか。なんかすごく、人間がそこにいるので。読んでいて、すごくほっとするというとあれですけど。なんか解決した様を見れるような、そんな感じがあるんですよね。

(荻上チキ)そう。生活応援っていう感じというよりは、やっぱりその社会から生活を邪魔されている何かがあるので。それに対するプロテストリリックを書いてるみたいな、そんな感覚で自分はエッセイを書きますね。

(星野源)なるほど。すごく……先々週にオードリーの若林さんが来てくださった時にいろいろと話したこととかで響く人は、すごくこの本でいろいろな響きがあるじゃないかとすごく思うので、ぜひ読んでいただきたいんですけど。『みらいめがね』というタイトルでございます。荻上チキさんとヨシタケシンスケさんの共著でございます。で、最新刊として『みらいめがね2』も出ております。なんか『みらいめがね』の『1』と『2』で違うものとかあったりするんですか? 引き続き、続いているという感覚ですか?

(荻上チキ)そうですね。まあ、書いてる時期が違うというのもあって。たとえば『みらいめがね1』の方だと、ヨルダンとか、ドイツ・ポーランドとか、海外に行ったエッセイをいろいろ書いてるんですけど。『2』には香港に行った話は書いてるんですが、他の国にあまり行かなかった1年半だったんです。コロナ禍なので行けなかったんですね。なので、より国内の内的な側面というものをあてたっていう。だから内面について考えつつ、社会……この身近な社会について考えたものが多くなっていると思います。

(星野源)ありがとうございます。で、ちょっとこの『みらいめがね』を読んでてもチキさんがいろいろわかるんですけど。今回、なんかこういう……あ、すごいお腹が鳴った(笑)。

(荻上チキ)鳴ってますね(笑)。

(星野源)今、すごいお腹がすいてるんですけど(笑)。

(荻上チキ)「生きている」っていう感じですよね。

(星野源)「生きてる」って感じ、しますよね。で、今日は十五夜だったんで。月見バーガー的なものを食べまして。いいですね。やっぱりそういう、季節的なことをするのは(笑)。

(荻上チキ)そうですね。さっきね、星野さんに「今日は月がきれいですよ」って言って。「見ました」って返事をいただいて。「会えるのを楽しみにしています」って。

(星野源)それもなんか、いいですよね(笑)。寺ちゃんがニコニコしてますけども(笑)。「素敵な2人の関係だな」って(笑)。

(荻上チキ)でもただニコニコする時間って大事だと思いますよ。

(星野源)なんかいいですよね。で、チキさんのパーソナルの部分をいろいろ知りたいなということで今回、選曲をお願いしたいなと思ってまして。なので、ちょっとチキさんのかけたい曲を……これ、かけたい曲なのか、聞いてほしい曲なのか。そんな感じのって、ありますか?

(荻上チキ)好きな曲を選ぼうということで。私、ミュージカルが好きで。ミュージカル映画とかが好きで。本当にディズニープリンセスのようなアニメのミュージカルも好きですけれども。『レント』とか、最近だと『イン・ザ・ハイツ』とか。そうしたようなミュージカルをいろいろ見るんですね。で、そうした中でミュージカルを見始めるひとつのきっかけになったのが大学時代に見た『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』という映画がありまして。この映画を見た時にその映画学という分野とか、映画の世界そのものにも興味を持ったり。いろんな人たちがこの世界に存在していることを映画経由、物語経由で知らされた、すごくパワフルな作品なので。そこから曲をかけたいなと思います。

(星野源)じゃあ、曲紹介をお願いしてもいいでしょうか?

(荻上チキ)ヘドウィグ・アンド・アングリーインチで『Wig In A Box』。

『Wig In A Box』

<書き起こしおわり>

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