星野源と米津玄師 ラブソングを語る

星野源と米津玄師 ラブソングを語る 星野源のオールナイトニッポン

米津玄師さんが2021年6月8日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんとラブソングについて話していました。

(米津玄師)『菅田将暉のオールナイトニッポン』は……俺、あんまりそのプロモーションとかでも表に出てこないというか。そんなに、他の人に比べていっぱいやるタイプじゃないので。前までは1年に1回、生存報告をしに行くみたいな感じだったんですけども。

(星野源)今回は出ないんだね。

(米津玄師)今回はちょっと……やっぱりね、「ラブソング」っていう共通点が今回はあったので。

(星野源)僕とね。そうだね。

(米津玄師)で、なんか、個人的には源さんの方に出たいなって……(笑)。

(星野源)アハハハハハハハハッ!

(米津玄師)ちょっとね、これ若干のあれなんですけど(笑)。

(星野源)これ、今ちょっと菅田くんが聞いていたらバーン!って立ち上がって「なんだとっ!」ってなっていると思いますけど(笑)。そうか。それはちょっとでも嬉しい。俺としては。菅田くんになんか、唯一今、上から目線で行ける(笑)。

(米津玄師)本当にすごいいいタイミングだなって思ったので。

(星野源)そうだね。本当に。同じTBSのドラマ。僕は火曜で米津くんが金曜。どちらもラブストーリーで、どちらもラブソングという。そうだね。今日、来てくれているメイクさんが『リコカツ』のメイクをしてる人で。今日はちょうど撮休だったみたいで、来てくれて。だから意外と縁もあるという。なので今日はですね、新曲『Pale Blue』の話もしっかり聞きたいと思っております。じゃあ、早速行ってしまいますかね。米津くんへの質問はいろいろ来てはいるんだけども。ちょっと後ほどということで。今回、ラブソングっていうことで。最初は「ラブソングをお願いします」みたいなオファーがあったの?

(米津玄師)そうですね。でもなんか、ラブソング自体は去年、アルバムを出したんですけど。そのアルバムを作る前から、なんかがっつりラブソングっていうものを作りたかったんですよね。今までもラブソングって結構作ってきてはいるんですけど、「ラブソングを作ってやるぞ!」みたいな、そういう気持ちで作ったことが1回もなくて。で、なんか「今、自分がラブソングを作ったらどうなるのかな?」みたいなことをなんとなく考えてる時に、その『リコカツ』のお話をいただいて。「ああ、これは非常に良いタイミングだな」と思って作り始めたっていう感じです。

がっつりラブソングを作ってみたかった

(星野源)僕も全く一緒で。ラブソングは書いてきたけど、「ラブソングを書くぞ!」ってなって書くのって、あんまりないよね? なんか自然となるものじゃない? ああいうのって。あとは、詞先か曲先かはわからないからあれなんだけど、僕は曲が先のことが多いから。曲の雰囲気ができてきて。「ああ、なんかラブソングになりそうな気がする」っていうことでラブソングになっていったりとか。そういうのはあるよね。

(米津玄師)わかります。そうですよね。

(星野源)僕の場合は「ラブソング、お願いします」と言われて「ああ、なるほど。でも『ラブソングを作るぞ!』って思ってラブソングを作ったことないから、やってみよう。なんか楽しそう」みたいな。なんかそういう感じではあって。じゃあ、米津くんは自分の中でそのタイミングがあったんだね? 「やってみたい」っていう。

(米津玄師)そうですね。なんとなく思ってたんですけど。で、実際に作り始めたら「恋愛ってなんだっけ?」みたいな感じになって。

(星野源)すげえわかる(笑)。

(米津玄師)袋小路に入って。「うん? 恋愛ってどういう……はて?」みたいな感じになって。そこですげえ悩んじゃって。なんか本当に締め切りを飛ばすか、みたいな感じになっちゃって。本当、後半は……本当にレコーディングの1週間前ぐらいまでほとんどできてないみたいな状態になって作ってましたね。

(星野源)そのさ、ドラマってさ、絶対に期限があるじゃない? 自分のリリースだけだったらまだなんとか、押したりとかできるかもしれないけど。確実に初回放送に間に合わせないといけないから。あの、なんていうか、圧迫感というか、切迫感というか。たまらないものがあるよね(笑)。

(米津玄師)本当にね、俺はマジで本当に「飛ばすな」って思いましたよ。「初回、主題歌、なし」っていう(笑)。「やってまうな」ってちょっと思っていて。でも「1コーラスだけなら行けるな」とは思って「1コーラスだけでどうにかなりませんか?」みたいな。「いや、フルがないとダメです」みたいな。

(星野源)フハハハハハハハハッ! あるある(笑)。俺もそれ、頭の中で算段をしたことある(笑)。「ここだけでちょっと、行けないですか? もしくは1番だけの弾き語りバージョンとか、どうですかね? アレンジとか、とりあえずあれなんで……」みたいな。そういうの、いろいろと考えたことある。

(米津玄師)ありますよね。

(星野源)でも、意外とギリで行けるもんだったりするよね。

(米津玄師)そうですね。

(星野源)「えいや!」っていう。そうだったんだね。特にやっぱり自分でやろうと思って立ち上げると、なんというか最初からハードルがたぶん高いんだと思うんだよね。自分がなんとなく作ってみたいなっていうか、やりたいことって相手側からもらうオファーのハードルよりも、たぶん自分の志ってとにかく自分で越えなきゃいけないっていうか。人が判断するものじゃなくて、自分自身で判断するものじゃない? だからそれはどうしても厳しくなるよね。

(米津玄師)そうですね。この曲にたどり着くまでも2、3曲、ボツにした曲があって。それも、個人的にはいい曲ではあるなとは思うんですけど。それこそ、本当に仰ったように「自分の中で更新してないな」って感じとか。「ドラマにも合ってないな」みたいなのとか、いろいろと折り重なって。

(星野源)いろんなことを同時に達成しないといけないもんね。そうだったんだね。そういう、なんか紆余曲折がありつつも、ここにたどり着いて。で、CDシングルをリリースするじゃない? それは元々、これで出したいっていうのはあったの?

(米津玄師)そうですね。まあ、がっつりポップソングとして……それこそドラマの主題歌っていう外にも届くようなものとしてやりたいっていう気持ちがあったんで。だから、それは自ずとシングルっていう形になるだろうなって感じではあったんですけど。源さんはすごい久しぶりですよね。シングルって。

(星野源)そうそう。僕はもう3年ぐらい……『ドラえもん』という曲以来で。CDシングルに関しては。だからものすごい間が空いちゃったのもあって。で、僕のそのマネジメントをしているみんなとかも「そろそろ出したいですよね」って言っていて。僕も「そろそろ出したいね」みたいなのがたまたま重なって。いい機会だなってことで「よし、がっつりやろう」って。

あと、さっき、「アルバムの作業の前からラブソングをなんとなく」って言っていたけども、アルバムの時ってさ、そのアルバムの世界観があるから。逆に自由に書けなかったりするよね。そこに、今までできてきたシングルたちを入れつつ、そのアルバムの世界観をしっかり表したいって思うと。だから、その前からためていた思いなわけじゃん? やっぱりそれはそれだけ思いが強くなるよね。

(米津玄師)うん、うん。強くなりすぎたっていう……。「恋愛とは?」って。なんか中学生、高校生が考えるようなことをずっと考えないと。

(星野源)それってどうやって見つけていったの? その「恋愛とは」っていうのを。

(米津玄師)もう、いろんな本とかを読むみたいな。恋愛のストーリーとか漫画とか……少女漫画って言っていいんですかね? そういう恋愛の漫画だとか。そういうのを見ていて「こういうことかな?」みたいな感じで作っていったら「ああ、なるほど」みたいな。自分で作っていったものに引っ張られてより……「この言葉はこういうことなのかもしれない」みたいな。どんどん転がるようにできていくみたいな、そういう感覚があったかもしれないですね。

(星野源)そうかそうか。僕はアニメをずっと見ていた。

(米津玄師)本当ですか?

(星野源)僕、火曜10時のそのドラマの枠が「○キュン」みたいな枠で。だから「キュンをお願いします」って言われて。「キュンってなんだ?」って思って。「キュンを求められた!」って思って。で、その同じ枠でドラマに出ていて、役者としてそのキュンを体現するっていうのはやったことあるけど、自分の歌として、ひとつの作品としてそれをやるってなった時に、やっぱりこう、全く同じで。「愛ってなんだ? 恋とはなんだ?」っていうことにぶち当たって。で、僕はあの『中二病でも恋がしたい!』っていうアニメと、あとは『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』っていうのを……曲を作って、止まったら1話見て。また作って……っていうのでキュンを補完しながら(笑)。

(米津玄師)フフフ(笑)。

「キュン」を補完しながら制作する

(星野源)だから全く一緒。「たしかにこれはキュンだな。キュン!」ってして曲を作るみたいな。

(米津玄師)へー! すごい面白いですね。なんか、でもかと言ってアニソンって感じでも全然ないし。

(星野源)そうだね。だからそのキュン成分を……。

(米津玄師)成分だけ抽出して。

(星野源)そうそう(笑)。自分にパッと与えて。そう自分がなっている状態で曲を作るみたいな。だから、自分の……結構ラブソングを同じタイミングで作っていて、同じタイミングでプロモーションしてると思うんだけど。もしかして聞かれているかどうか、わからないけども。俺がすごい聞かれるのが「実体験ですか?」みたいなことなんですよ。で、僕は全然違くて。やっぱりそういう成分から言葉を紡いでいくみたいな感じが……自分の今までの経験もあるけど。それを普通に全部書くんじゃなくて、その時に動いた心の機微みたいなところから言葉を紡いでいくみたいな。だから、米津くんはどうなんだろうなと思って。

(米津玄師)俺もそうですね。まあ、なんだろうな? 実体験というより、「恋愛」っていうものを解体していって。他のものに置き換えて、それを自分の中で納得行かせるみたいな。だからまあ、ミュージシャンなんで。音楽を作ってるのも似たようなもんだなとか思ったりして。

(星野源)音に生まれ変わらせている。

(米津玄師)恋愛対象っていうものが、まあ違うは違うんですけど、音楽っていうものに代替しても成立はするっていう。で、そこからじゃあ自分に対する音楽の気持ちだとか、そういうものを……「じゃあ、これが果たして音楽さんだったらどうなんだろう? 人間になったらどうなんだろう?」みたいなことをすごく考えながらやってましたね。

(星野源)そう言われると、この歌詞が人でもちろん成立するんだけども。音楽っていうところで言うと、またちょっと奥深い歌詞になってくるね。米津くんがこう、音楽さん……音楽さんに振り回されているというか(笑)。花束を持って音楽さんにひざまづいているみたいな感じがするね。

(米津玄師)本当にそれはすごいありますね。「音楽さんの奴隷だな」って思う時もすごいあって。「俺、なんでこんなに奉仕しているんだろうな?」みたいな。

(星野源)アハハハハハハハハッ!

(米津玄師)「こんな苦しい思いをしながら……」って思うけども。

(星野源)わかる。わかる。

(米津玄師)それでも結局、それが一番楽しいというか。

(星野源)じゃあ、ちょっとここで新曲を聞いていただきましょうか。では、曲紹介をお願いしてもいいでしょうか?

(米津玄師)米津玄師で『Pale Blue』。

米津玄師『Pale Blue』

(星野源)来週16日(水)にリリースするニューシングル。米津玄師で『Pale Blue』でした。

(中略)

(星野源)今、新曲の『Pale Blue』を聞いていただきましたけれども。いつも思うんだけど、ジャケットも書くじゃない?

(米津玄師)はい。

(星野源)大変じゃない? その、なんていうかいわゆる1アーティストの作業がひとつ、多いわけじゃない?

(米津玄師)そうですね。だから、なんかやっぱ制作があって。デモを作って、レコーディングして、ミックス、マスタリングっていう流れがあるじゃないですか。その流れをもう本当に「うわーっ!」ってやって。「ミックス、マスタリング……終わり! ああ、よかった。あれ? まだあるわ?」みたいな感じで(笑)。

(星野源)「終わってなかったー!」みたいな(笑)。

(米津玄師)そうそう(笑)。毎回、なりますね。

(星野源)そうだよね。だから、なんていうか、米津くんも僕も自分でプロデュースをしてて。自分で作詞、作曲、編曲もやってるじゃない? それって、たとえば編曲を誰かに任せているとか、プロデュースで誰かがついてるとかっていう人と作業量がたぶん倍以上あるんだよね。その、やることが。音楽だけでとりあえず。で、俺はそれだけでもすげえ大変なのに、さらにそこからアートディレクションの方までやるって、相当だなと思って。

(米津玄師)まあでも、最近は共同で編曲してくれてる坂東くんっていう子とかがいたりしつつ。まあ、だから最近は結構慣れてはきましたけどね。だから今回も『Pale Blue』をずっと流しながら結構無心で。で、結構その時間も好きだったりはするんですよね。

(星野源)なんかそれって、最後にちょっと丸をつけるみたいな。ピリオドを打つみたいな感じなのかな?

(米津玄師)結構ご褒美的な感覚も若干ありつつ。

(星野源)なんかわかるな。うんうん。

(米津玄師)そもそも絵を描くのが音楽よりも先だったので。なんか、楽しい。まあ大変……締め切りには追われつつも、楽しいひとときではあるかもしれないですね。

(星野源)なるほどなー。なんか絵を楽しく描ける人に非常に憧れがあって。僕はもうめちゃくちゃなことになってしまうから(笑)。そうですか。じゃあ6月16日リリースということで。ぜひ、皆さんジャケットも含めて手に入れてください。

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<書き起こしおわり>

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