佐久間宣行とジェーン・スー「得意なこと」の見つけ方を語る

佐久間宣行とジェーン・スー「得意なこと」の見つけ方を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

ジェーン・スーさんが2021年5月12日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』にゲスト出演。佐久間宣行さんと自分が得意なことを見つけることについて話していました。

(佐久間宣行)最初、ラジオを始められた時って2時間ですか?

(ジェーン・スー)最初、『ザ・トップ5』は2時間か2時間半だったかな? クールによって違ったと思うけども。

(佐久間宣行)悩み相談って、もうその時からやってましたよね?

(ジェーン・スー)悩み相談はやっていないんですよ。悩み相談は番組のコンテンツで、すでに解決してる発言小町とか、昔の相談とかを持ってきて。勝手にそれを紹介して、頼まれてもいない回答をするっていう謎のコーナーをやっていて。

(佐久間宣行)ああ、元々そういうちょっと……正直、ちょっと意地悪目線もあるみたいな?

(ジェーン・スー)そうそう。それをやっていたら、「あれが面白いから、その番組をやろう」っていう話になって。それで『相談が踊る』ができたんですよ。

(佐久間宣行)そうなんだ!

(ジェーン・スー)だから『ザ・トップ5』の時には相談コーナーとか、やってないんですよね。

(佐久間宣行)その「相談」って、僕もたまにちょっとだけやるけど、ラジオでは怖くてできないんだけど。それをずっとやってるってやっぱりすげえなっていう……。

(ジェーン・スー)いや、不遜なんですよ。不遜で無責任なんだと思いますけどね。自分で。人の人生、決められるわけないし。だから相談って早くて前日。下手したら当日にもらうので、それにその場で答えていくっていう感じになるんですけど。

(佐久間宣行)えっ、あれって全部その場で答えているんですか? へー!

(ジェーン・スー)そうです。だいたい当日の朝に来たりしますね。メールが。「これ、いらなくない?」っていう(笑)。

(佐久間宣行)当日の朝に来て、それからあの悩み相談をやるんですか?

(ジェーン・スー)そうです。

(佐久間宣行)へー! すげえな!

(ジェーン・スー)でも、自分の得意なことってやっぱり自分じゃわかんないんですよね。

自分では自分の得意なことはわからない

(佐久間宣行)ああ、そうか。元々、だってそんな人生相談が……今も「得意」って言ったら失礼かもしれないけど。その、こんな職業になるなんて思ってなかったわけですよね?

(ジェーン・スー)思っていない。

(佐久間宣行)元々、人生相談はされる方だったんですか?

(ジェーン・スー)全くないですね。人と愚痴を言い合ったりはありますけど。みんなから相談を受けるとかいうことは全くなかったですね。でもそれが、なんか人がやっぱりそういうのって見つけてくれるから。「じゃあ、人が得意だって言うのなら、やってみようかな」って。

(佐久間宣行)そうか。そうだよな。だってよく考えたら、前にアトロクを聞いていたら、宇多丸さんも「映画評なんて絶対に嫌だ」って言っていたらしいですもんね。

(ジェーン・スー)そうそう。

(佐久間宣行)「『映画なんて点数をつけるものでも、評価するものでもないから、絶対やりたくない』ってずっと言ってたのを説得されて、説得されて、やってみたらこういう状態になった」って言っていたから。そうなんでしょうね。

(ジェーン・スー)なんか自分のやりたいことと得意なことってやっぱり全然一致しないから。でも、35を過ぎたら体力なくなってくるので、得意なことやった方がいいなと思って(笑)。「苦手の克服とか、もう一切しないぞ」って思って。

(佐久間宣行)ああ、わかります! 正直、本当に俺もこれ、自分の中のテーマにあるんですけども。大人になってから短所がよくなるなんてことはないですよね。

(ジェーン・スー)ない! 私、逆上がりできないもん(笑)。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ! いや、そうなんですよ。時々、俺も仕事の後輩とかにいろいろ相談されるんですけど。みんな、自分のダメなところをちゃんと直そうとするんですけども。でも、その自分のダメなところが平らになることなんて、ないんですよ。大人になったらね。

(ジェーン・スー)ない! あと、平らになったところで、何もいいこともないと思う(笑)。

(佐久間宣行)そうですよね(笑)。丸い人間になっちゃう。個性がなくなっていくだけですもんね。

(ジェーン・スー)調書と短所は背中合わせだったりするので。ねえ。だから、やっぱりそこはもう、しょうがないかなって。

(佐久間宣行)そうですよね。俺も昔、ADからディレクターになりたての頃って、マジで総合演出もプロデューサーも両方やりたがって。全部、自分で決めたがっていたんですけど、その時に俺、気づいたですよ。俺は圧倒的にビジュアルのセンスがないから、俺のやってる番組が全部、同じパッケージだっていうことに(笑)。

(ジェーン・スー)アハハハハハハハハッ!

(佐久間宣行)それでもう、やめたんです。ビジュアルのセンスがないっていうことに気づいて。「よく考えたら俺、服ですら『かっこいい』って言われたことがないのに、なんで俺は自分の番組のデザインを自分で決められると思っていたんだろう?」って思って。それを人に任せるようになってから評判が良くなりましたもんね。だから、できないことを早めに認めるとすごい楽になるなと思いました。

(ジェーン・スー)そう思います。だからもう、「得意なことしかやらないぞ!」っていう。

(佐久間宣行)で、得意なことってスーさん、いろんなお仕事をやられたじゃないですか。その中で、一番の自分に向いてるなと思ったのが、そのしゃべることだったんですか?

(ジェーン・スー)それはびっくりですね。書くのが好きで書いていたっていうことはあったんですけども。でも、しゃべるのが得意とかっていうのは完全にたぶんプロモーターだったからだと思いますよ。レコード会社のプロモーターで入って。

(佐久間宣行)宣伝と営業に近いことをしていたから?

(ジェーン・スー)そう。で、こうやって忙しいディレクターの人たちとかに、完全に「お前ら、邪魔!」っていう顔をされながらも「どうもーっ!」ってCDを持っていって。それで1分1秒でも話を聞いてもらうみたいなことをずーっとやっていたんで。

(佐久間宣行)その頃、一番売ったというか、押していたのは誰だったんですか?

(ジェーン・スー)私はセンチメンタル・バスをめちゃめちゃ押していましたね。

(佐久間宣行)センチメンタル・バス!

(ジェーン・スー)その時にね、CDバブルですごかったですよ。エピックはジュディマリがいて、ドリカムがいて。

(佐久間宣行)ああ、94、5、6ってジュディマリがドカーンって行った時だ。

(ジェーン・スー)ジュディマリがいて、ドリカムがいて、PUFFYのデビューと私の入社が一緒ですから。もうそれで一生懸命やっていたんですけども。それで、何年化して落ち着いた時にセンチバが出てきて。で、それの宣伝とか、頑張ってましたね。

ジェーン・スー センチメンタル・バス NATSUをアフロヘアーにした話
ジェーン・スーさんが2021年3月16日放送のSHOWROOM『豪の部屋』に出演。かつて、レコード会社勤務の際にセンチメンタル・バスを担当し、NATSUさんにアフロヘアーにするよう勧めた話をしていました。

(佐久間宣行)へー! すげえな。だから、その時の経験が回り回って、そのラジオでしゃべるとか人生相談とかに?

レコード会社での経験がラジオで活きる

(ジェーン・スー)そう。だからその時、私はラジオの局担をやっていて。新人アーティストのゲスト、何とか頭を下げて枠を取ってくるわけじゃないですか。「ここ、5分だけ宣伝やっていいよ」とか「10分やっていいよ」とか。それで「やったー!」って新人を連れていくじゃないですか。でもその新人が全然しゃべらないんですよ。「なんで真面目にやらないんだ?」ってずっと思っていて。「歌うだけが仕事じゃないぞ!」って。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ! ラジオにプロモーションでね。「この枠を取るのがどんだけ大変だったか!」っていうね。

(ジェーン・スー)そう。「それがあるのに、なんでパンパンッ!って返せないんだ?」って思っていて。それで後で私がしゃべる側に入ったら「ああ、私が得意なだけだったのかも」って思って。

(佐久間宣行)わかる。僕も『ゴッドタン』とかやっていて、たまに……頼まれてグラビアアイドルを入れるとかはないんですけども。たとえば、立ち上げたばっかりの事務所とかで。「佐久間さん、どうしても……この子、面白いから! この子、売れるから!」って。そういう営業ってほとんど受けることってないんですよ。『ゴッドタン』ってオーディションだから。お笑いだから。でも、たまに「いいかな」って思って声をかけて。頼まれて入れたグラビアアイドルがマジで「いや、なにも興味ないんですけど?」っていう顔をしている時に……なんて言ったらいいんだろう? そのグラビアアイドルっていうか、その奥にいる、うなだれている社長の顔を見ちゃうんだよね(笑)。

(ジェーン・スー)アハハハハハハハハッ! わかる(笑)。

(佐久間宣行)「お前をここに連れていくるためにおじさんがどれだけ頑張ったと思っているんだ?」っていう(笑)。

(ジェーン・スー)本当にそれ。まあでも、得手不得手だったんだなって思いますけどね。今にして思えば。

(佐久間宣行)いやー、そうですよね。

<書き起こしおわり>

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