RHYMESTERのMummy-Dさんが2021年4月20日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』に出演。RHYMESTER『敗者復活戦』についてR-指定さんらと話していました。
Creepy Nutsのオールナイトニッポン0、今週もありがとうございました!
ゲスト・RHYMESTER( @_RHYMESTER_ )から、Mummy-Dさんでした。<radikoタイムフリー>https://t.co/JIEMiLX5Xu#cnann0 pic.twitter.com/VKGESYeNbU
— Creepy Nutsのオールナイトニッポン0 (@cnann0) April 20, 2021
(DJ松永)メールです。「ラッパーが自由帳を渡された結果、蛍や武道館のカードが生まれたということですね?」。
(Mummy-D)また蛍?(笑)。蛍はもういいよ!
(DJ松永)「ラッパーの自由度」ってそういうことじゃない(笑)。
(R-指定)俺はただ、オールナイトニッポンの台本に落書きをしていて。何やったら、リスナーのお前たちがわけのわからんことを言うから。そのわけわからんっていうのを頭でちゃんと描きたいから絵にしていたら、それがカードにされたっていうだけやから。
(DJ松永)ラッパーの自由度の範囲外です! Dさんの言っていることはそんなことじゃないから! これ、違うんですよね(笑)。ちょっと罪深いなって。
(Mummy-D)カードは知らないよ(笑)。
(DJ松永)すいません。本当に……あっ、イベントについてですね。「僕が日比谷野音で見たいコラボは、サッカー部だったMummy-DさんとDJ松永さんのリフティング対決です!」。
(Mummy-D)フハハハハハハハハッ! さっき聞いたよ、スタッフに。「バカヤロー!」っていう(笑)。
(DJ松永)「僕は日比谷の地に赴き、Mummy-Dさんに1万円をベットします!」。負けられねえな、これは……。
(Mummy-D)これはね……だって、聞いたけど松永ってリフティングだったら永遠に続くんでしょう?
(DJ松永)5000回できたんですよ。
(R-指定)フハハハハハハハハッ! Dさんは何回ぐらいできたんですか?
(Mummy-D)俺は……あのね、リフティングって、法則があって。小学校のうちにサッカーを始めてないと、その後でいくら練習しても続かないのよ。小学校のうちにやってると、無限リフティングになるの。でも中高で初めてもね、絶対リフティングが続かないの。
(R-指定)えっ、Mummy-Dさんは?
(Mummy-D)俺はね、最高で24回ぐらいじゃない?(笑)。
(DJ松永)フハハハハハハハハッ! 皆さん、聞いてください。これは……ド下手です!
(Mummy-D)フハハハハハハハハッ!
(R-指定)お前な! 大先輩やぞ! これは失礼ですよ!
(Mummy-D)いや、いいけど……いいけど(笑)。あのね、俺はね、サッカーが本当にセンスなかったのね。
(R-指定)でも、こんなことを言っているこいつも試合に1回も出たことないんですよ。
(Mummy-D)でも、リフティングだけ上手いんでしょう?
(DJ松永)意味不明です(笑)。
(Mummy-D)そうなんだよね。だからタッチが柔らかい人はね、ずーっとインステップの左右、左右、左右でずーっとできるの。
(DJ松永)でも、本当にこれはDさんの言う通りで。中高で始めた、でもめっちゃ上手いやつがいたとしても、その人はリフティングはあんまりできなかったんだよ。運動神経で持っていくタイプ。
(R-指定)ああ、それはもう別なんや。
(DJ松永)なんかね、不思議なもんで。実際にそうなんだよね。
(Mummy-D)そうなんだよ。でもね、そのサッカーが下手だったというか。サッカーで実力を発揮できなかった、その悔しさを俺は音楽にぶつけているだけだから。
(R-指定)これがそうで。それこそ、RHYMESTERの『敗者復活戦』という曲がありまして。その『敗者復活戦』という曲の1バース目のMummy-Dさんの歌詞がそのサッカー部としてベンチウォーマーである。最後の試合、試合に出ていないけどもチームは負けた。でも、そこで泣くこともできない謎の心境。自分は試合に出ていないから……みたいなことを言っていて。でも、その悔しさを胸に自分はサウンドのグラウンドにてかならず勝つっていう……。
(Mummy-D)すごいね! 人の歌詞がすごい出てくるね(笑)。
RHYMESTER『敗者復活戦』
(R-指定)それ、俺はちょうどリアルタイムで。バスケットボール部だった中学生の時に僕も試合に全く出られなくて。別に試合が勝とうが負けようが「なに、この気持ち?」と思っていて。それでちょうどヒップホップも好きで。そんな時にRHYMESTERの『敗者復活戦』のDさんのバースを聞いて「これは俺だ!」って思ったんですよ。俺も3年間、試合に出れんかったけども。でも、「ラップを頑張ろう!」みたいな気持ちになったんですよね。あのバースで。
(Mummy-D)そうだね。でもね、Rね。そっち側の方が人数が多いから。俺たちはもう、勝者だよ!
(R-指定)そうですよ!(笑)。
(DJ松永)そうか!(笑)。
(Mummy-D)だってさ、ねえ。グラウンドで縦横無尽に光れる人ってスターだけど、全体の1割もいないわけじゃない? 僕らは9割側だから、もう声が届く人がすごい多いんだよ!
(R-指定)そうか(笑)。ほとんどの人が実は経験をしているっていう。
(Mummy-D)だから、負けるが勝ちなんだよ(笑)。
(R-指定)フハハハハハハハハッ! 「負けるが勝ち」(笑)。
(DJ松永)それを理解しながら。結局、「しめしめ」と思いながら『敗者復活戦』を(笑)。
(Mummy-D)まあ、そこまで考えていたわけじゃないけどね。
(R-指定)でも、俺はあれに救われましたね。中学の時、あのバースには。
(DJ松永)実際、Rさんも『ベンチウォーマー』っていう曲を作ったりしていたからね。でも、あの時代、90年代とかで日本語ラップで、ああいう日本人ならではの内省的な歌詞を歌う人って、いなくなかったですか? なんでああいう作詞になったんですか? 当時から。
(Mummy-D)なんでだろうね?
(DJ松永)当時から歌詞、ずっとRHYMESTERですよね。
RHYMESTERの歌詞の特殊性
(R-指定)すごい特殊というか。まあ、海外のヒップホップのブリンブリン感とかボースティングみたいなものをそのままやるんじゃなくて、日本人の自意識っていうところに。ヒップホップの持つゲットーのマイノリティーみたいなところを日本人の普通に生活してる自意識というものにそこを置き換えて、反骨精神とかをそういう意味で出していたみたいなのがすごいRHYMESTERの場合、特殊やなと思うんですよ。日本のヒップホップシーンというか、世界のヒップホップシーンの中で見ても特集やし、俺ら的にはそこに影響を受けてるなって思うんですよね。その自意識というところに言及をしていくというか。言葉の力でもってというところでね。
(Mummy-D)うんうん。うん……? それはなんでか?
(R-指定)なんでそうなっていったかを……。
(Mummy-D)「なんでか?」って、そういう人でしかないからだよね。
(DJ松永)しかも、当時の曲を聞いても全く今の自分に当てはまったりとかが平気でするというか。全く古くなっていない。「結局、同じことで悩んでいるんだな」とか思っちゃうとかね。
(R-指定)そうなんですよね。
(Mummy-D)でも……そうね。だってまあ、急にそんなハスリングの話なんか僕らはできないし。
(R-指定)そうですね(笑)。
(DJ松永)でも、そこに最初、抵抗はなかったですか? いきなり等身大でやるのって。やっぱり、「こういうのが雛形だ。こういう風にやるべきだ」みたいなのがヒップホップが輸入された当時はもっといろいろあったような気がしたんですけど。縛りというか。
(Mummy-D)でもね、俺と宇多さんが歌うわけだから、基本的にはやっぱり自分たちと同じようなやつに届けたいって思っていたから。
(DJ松永)当時からそうだったんですね。
(Mummy-D)当時から。そこだけはブレていないね。
(DJ松永)すごいな。へー!
(Mummy-D)すごくないよ。すごくない。それしか歌えないんだから。
(R-指定)でも、逆にそれを聞いて、僕も言ったら不良性がない状態でヒップホップが好きになって。「ああ、別に今のままの自分の、そのしんどいこととかホンマに思って葛藤してることを歌えば、それがヒップホップになる。自分のアートフォームになるんや」っていうのはめちゃめちゃ、やっぱり影響を受けましたね。言うても、ラップ始めてから悪くなるやつとかもいるので。
(Mummy-D)ああ、そうなの?(笑)。
(DJ松永)います。めちゃくちゃいます。
(R-指定)それは悪い意味じゃなくて、頑張ってそういうちゃんと海外のヒップホップをそのまま体現しようと思って。ラップを始めてからそういうヤンチャな道に足を踏み入れるやつとかもおるんで。
(Mummy-D)なるほどね。
<書き起こしおわり>