R-指定 般若『土砂降りでも Remix feat. Benjazzy, MACCHO』を語る

R-指定 般若『土砂降りでも Remix feat. Benjazzy, MACCHO』を語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんが2021年3月30日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中で般若『土砂降りでも Remix feat. Benjazzy, MACCHO』を紹介していました。

(DJ松永)じゃあ、Rさんの日本語ラップ紹介コーナー、行きますか?

(R-指定)はい。紹介、行きますか。今日はそれこそこのグッズが販売される番組イベント。日比谷の野音にも来てくださる般若さんの曲を。これ、ずっとかけたかったんですけども。出たのもちょっと前なんで、なかなかタイミングが合わなくて。般若さんの『土砂降りでも』っていう曲のリミックスが配信されて、YouTubeでも公開されているんですね。

(DJ松永)オリジナルの方っていつ出たの?

(R-指定)オリジナルも割と最近。

(DJ松永)そうか。般若さんが独立をして。そのタイミングで……。

(R-指定)そのタイミングで二発目に出たのが『土砂降りでも』。で、そのリミックスがその後に投下されて。それにはBAD HOPのBenjazzy とOZROSAURUSのMACCHOさんがフィーチャリングされているんですけども。この2人のバースも含めてかなりいい曲っていうか。般若さんのバースも今までの歩みみたいなのと、今のその独立した現状みたいなもの含めて1バースにギュッと込めてあって。そこからBenjazzy のまさしく今、BAD HOPとして成功を手中に収めていっている。でも、その仲間たちとずっとやってきたことは変わらないっていうのを基本的には最先端のトップスピードのラップのフロウ。そういうので、声色を変えたり、変化をつけたりしながらカマして。そしてこの曲の山というか、俺の大好きなところは3バース目のMACCHOさんなんですよ。

(DJ松永)MACCHOさんな!

(R-指定)MACCHOさんは誰もが認める日本の天才ラッパーですよ。それこそ般若さんと同い年で、デビューも早いし。ファーストのクラシック『ROLLIN’045』を出したのは21歳の時。その時にクラシックアルバムを作って、そこからも3年とか4、5年に1回、アルバムを出すんですけども、ことごとく全てが名作なんですよ。

(DJ松永)うんうん。

(R-指定)しかもどんどん、そのスタイルも年を経て変わっていっているし、進化していっている。ライブパフォーマンスもすごい。リリックもエグい。ラップのフロウも……もうめちゃくちゃ勉強になるっていうか。どうやってリズム、取っているの?っていう。

(DJ松永)同業が全員、口を揃えて言うんだよね。「ヤバいラッパー、誰?」って聞くと全員がMACCHOさんの名前、絶対に挙げるもんね。

(R-指定)ライブの時……『人間交差点』っていうRHYMESTER主催のフェスでOZROSAURUSのライブがあった時、MACCHOさんがバッと出てきて「イエーッ!」って一声出して。その映像を見ていた俺と宇多丸さんが「はあ、こういうことか……楽器としてすごいんだよ、この人は」っていう。そのぐらいの天才ラッパーなんですけども。その天才ラッパー、MACCHOさんの葛藤がこのバースにものすごく収められていて。そこも含めて、ちょっと聞いてほしいなと思って。それでは般若で『土砂降りでも Remix feat. Benjazzy, MACCHO』。

般若『土砂降りでも Remix feat. Benjazzy, MACCHO』

(DJ松永)ヤバすぎるね! これ、マジで。

(R-指定)リリックとしてはすごい内省的やねんけども。あふれ出る才気というか。ラップ、リズムに対してね。この始まりのずらしかたとかも。「いい加減マジで個、性も超えたこれ、コンプレックスとエゴで肯、定していく」っていう。これ、普通に人がやったらね、めちゃくちゃリズムを外すんですよ。こんなのは。で、その後の……リリックもすごいですよね。「歴史 14から42の割に少ない作品」とか。そこも今っぽい乗せ方をしていたり。「特に客演なきゃいない 半ば都市伝説に」ってそんぐらい……でも、これってね、やっぱり客演で毎回、食っているからなんですよね。ゲストとしてバーン!って出てきた時に「MACCHO、ここにあり」っていうのをずっと知らしめ続けてきたからやし。少ない作品でインパクトを残し続けているんですよ。

(DJ松永)たしかに。でも本当に絶対に呼ばれ続けるしさ。あの人のマイクリレーで外しているところ、見たことないしさ。

(R-指定)そう。そんな人でもこんなに悩む。でも、この悩みこそがフロウにそのまま、今のMACCHOさんのアップデートのフロウになってしまっているっていうのもラップの才能以外の何者でもないんですよね。この「別に才能がねえのかとか思いがたりねえとか」っていう。このちょっとメロディーして落ちていくみたいな。

(DJ松永)あそこ、ヤバいよね!

(R-指定)これもMACCHOさん……トラップのね、若い子がこういう風に落としていくメロディーをするんやったらわかるんすけど。このベテランのMACCHOさんがこういうのを……別に研究をしてやっているわけじゃないと思うんですよ。たぶんあふれ出ているもんなんやろうなって。

(DJ松永)なるほどね。

(R-指定)でもやっぱりね、「必死にダラダラと終わりを始める」っていうのもね、リリックとしても。で、「同世代でも最初 最年少だったけど いつの間に1人 今じゃ迷路を迷走」みたいなことを言って、最後に「遅いカメが見た長い旅 夜の美しき朝」っていうこの、ちゃんとした文章っていうよりかは散文的なんやけど、ものすごい詩的な表現っていうので頭にパチンと残るようなフレーズもあって。やっぱりMACCHOさん、ラッパーの能力の5角形、えげつないっすね。

ラッパーの能力の5角形がえげつない

(DJ松永)えげつない。すごいね! ベテランが更新し続けるなんて、本当にとんでもないことだもんね。

(R-指定)ホンマに。

<書き起こしおわり>

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