DJ松永『文學界』エッセイ連載「ミックス・テープ」を語る

DJ松永『文學界』エッセイ連載「ミックス・テープ」を語る ACTION

DJ松永さんが2020年6月10日放送のTBSラジオ『ACTION』の中で『文學界』にて自身がスタートしたエッセイ連載「ミックス・テープ」についてトーク。リスナーから届いた反響ハガキなどを紹介していました。

(DJ松永)そんなところでハガキを読みましょう。「松永さん、幸坂さん、こんにちは。『文學界』の松永さんの新連載ミックス・テープ、読みました。DJという職業。そして執筆することに対しての悩みや葛藤が熱く綴られていて、感動しました。松永さんの普段のオラつきもなく、とても読みやすい文章でした」。フフフ、ふざけんなよ?(笑)。オラッ! まあ、ありがとうございます。先週も話しましたけれど。『文學界』で連載が今月からスタートしました。すいません。私事です。

(幸坂理加)読みましたよ。

(DJ松永)えっ、読んでくれたんですか?

(幸坂理加)はい。なんか純文学みたいな感じで……。

(DJ松永)フフフ、バカにしてませんか?(笑)。

(幸坂理加)いえいえ。本心でございますよ。でも皆さん、「読んだ」っていうリアクションがたくさん届いていて。

(DJ松永)そう。ハガキがいっぱい届いていて。本当に……。

(幸坂理加)先週、呼びかけましたからね(笑)。

(DJ松永)本当に恥ずかしいよね。その連載が始まって感想を別のラジオで呼びかけるって(笑)。

(幸坂理加)でも皆さん、熱いメッセージをいただいて。

オラつきのない文章

(DJ松永)いや、嬉しいです。本当に……たしかに普段、オラつきはね、ラジオ上でしゃべっているノリみたいなのはね、冷静に考えたら文章で同じオラつき文章を書けるかっていうと違うのでね(笑)。冷静になって書きましたよ、本当に。ありがとうございます。そしてもう一通。「松永さん、幸坂さん、こんにちは。毎週楽しみに聞いています。松永さんの『文學界』でのエッセイ、ミックス・テープ、拝読いたしました。ヒップホップ界から執筆を担当するのは『文學界』創刊以来初だそうで、ファンとしても鼻高々です。前回の単発のエッセイも拝読しましたが、今回もとても読みやすく、松永さんの考えがとてもよく伝わってきました。ところでミックス・テープというタイトルはご自身で決めたんですか?」(笑)。恥ずかしい……。

(幸坂理加)どうなんですか?

(DJ松永)俺が決めましたよ(笑)。

(幸坂理加)どういう意図で?

「ミックス・テープ」の意味

(DJ松永)今、恥ずかしいことを聞かれている……(笑)。恥ずかしいメールを読んだな。でも、深い意味は全くなくて。連載を始めるにあたって、何を書いたらいいのかが全く分からなかったんですよ。で、何を書くかを全く決めてないんで、何か方向性が決まるようなタイトルを書いてしまうたらマズいような気がして。で、ふわっとした、何を書くのかが全く伝わらないやつにしようと思って。で、ミックス・テープって、まああのテープですね。ヒップホップとかの文化である言葉なんですけど。

既存の曲をDJが曲を繋ぐというか、ミックスするじゃないですか。それを録音したもので。昔はCDとかじゃなくてテープだったから。まあ、それが元なんですけれども。そのミックス・テープっていう言葉の捉え方、定義ってどんどん広がってきて。ミックスCDとか、また別のメディアの形になっても、そういうのをまとめて「ミックス・テープ」って言ったりもするし。あとは、楽曲のアルバムじゃなくて、ラッパーとかのアーティストが自分の曲をいっぱい作って。それをまとめたものもなんか「ミックス・テープ」って呼ぶよう担ったんです。アルバムじゃなくて……まあ、そこの定義もなんかアーティストによって曖昧なんですけれども。

たとえ既存の曲、有名な曲のインストというかカラオケを使って、自分がそのオケの上にオリジナルの歌詞を乗っけて……だからもうカバー曲みたいな。カバー曲のオリジナル版みたいなやつをいっぱい並べて。それを10曲、20曲と作って。それを詰め合わせたものみたいなのもミックス・テープって言ったりもするし。それが、全部まるっと自分のオリジナル曲でも、そのアーティストによってはミックス・テープって言ったりもするんですよ。で、そのミックス・テープを発売するタイミングで……最近はあまりないですけど。

ちょっと前だとデビュー前のアーティストがファーストアルバムをリリースする前に試供品みたいな感じで、ハードルを下げるために「ミックス・テープ」って言ってアルバムっぽい作品をリリースしていたりしたんですよ。しかも、それをフリーダウンロードとかでリリースしたりしていたので。まあ、「試供品」的な意味でもミックス・テープだし。まあ、1話1話書いていくにあったって、1話1話書いていって最終的にまとまって作品になるっていうのもミックス・テープっぽいいなと思って、そういうタイトルにしたんで。なんか別にそれに深い決意とか込められてないんで……(笑)。

(幸坂理加)えっ、深いじゃないですか?

(DJ松永)えっ、深いかな? めちゃくちゃ恥ずかしいですね、こういうのを説明するの(笑)。めちゃくちゃ恥ずかしい!

(幸坂理加)いや、素敵、素敵。

(DJ松永)本当ですか? めちゃくちゃ恥ずかしいから……今週も……このDJ松永がお送りする『ACTION』、スタートです(笑)。

(幸坂理加)顔、真っ赤(笑)。

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<書き起こしおわり>

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