空気階段・鈴木もぐら 大阪の思い出の味 銀座鮨の銀座巻きを語る

空気階段・鈴木もぐら 大阪の思い出の味 銀座鮨の銀座巻きを語る 空気階段の踊り場

空気階段の鈴木もぐらさんが2021年2月6日放送のTBSラジオ『空気階段の踊り場』の中で大阪の思い出のお店を巡った話をしていました。

(鈴木もぐら)今週は日曜日にね、京都の祇園でライブがあったんですね。

(水川かたまり)祇園花月っていう劇場で。

(鈴木もぐら)我々、行かせてもらいまして。日曜日に京都でライブがまずあって。1日あいて火曜日に大阪で『マルコポロリ!』の収録に……。

(水川かたまり)大阪のお昼の番組。東野さんがMCで。それに出させてもらいまして。

(鈴木もぐら)なので、水川はちょっと合間に……。

(水川かたまり)そうですね。僕は月曜日にちょっと東京で仕事があったので一旦、帰って。

(鈴木もぐら)戻っていったんですけども。まあ、俺はなにもなかったので。1日、止まらせてもらって。日曜、京都でライブが終わった後、月曜は丸1日、大阪にいたんですけど。で、なかなか丸1日、大阪にいるってことがなかったじゃないですか。だいたい、もうずっと大阪に行ったら昼から夕方、夜と出番があって。合間の時間はちょっとあるけど、そこはご飯を食べるぐらいになっちゃって。

それで夜、ホテルで寝るみたいな。次の日の朝に帰るみたいな感じだったので。非常にちょっと時間があるなと。まあ、単独のネタとかも詰めたりとかしてたんだけど。でもちょっと休憩がてらね、フラフラしようかなと思って。昼間、大阪散歩を。で、俺がデリヘルで働いてたのが22とかまでだから、12年前とかなのかな?

(水川かたまり)第二の故郷、大阪ね。

(鈴木もぐら)なのでちょっと思い出の場所を巡ってみようと思ったんですよ。まず、昼前ぐらいかな? 寿司を食べに行ったんですよ。というのも、ミナミの相生橋筋っていうところがあるんだけども。そこにね、銀座鮨っていうお寿司屋さんがあって。そこの「銀座巻き」っていう巻物。太巻きがすごく俺、好きで。よくドライバーさんが買ってきてくれてたのよ。俺、ずっと電話受付だから中にいなきゃいけないから。あのへん、宗右衛門町とかそういう風俗街があるんだけども。

あのへんで女の子をドライバーさんが運んだら、そのついでに「翔ちゃん、これ好きだから」っていうことでよく買ってきてくれてたのよ。太巻きなんだけども。ゲソと玉子ときゅうりとマヨネーズみたいな。それが安いの。1本600円、700円ぐらいで。それで腹がいっぱいになる。で、まずはそれを食べに行ったの。それで、行って銀座巻きだけ食べて。美味くてさ。「ああ、これこれ! すごいひさしぶりに食べた。この味……デリヘルの味だ!」って思って。

(水川かたまり)「デリヘルの味」(笑)。

銀座鮨の銀座巻き

(鈴木もぐら)俺にとってはデリヘルの味なのよ! うん。で、今度は毎日のように通っていた喫茶店があって。そこは当時、俺が22ぐらいの時に行っていて、32、3歳ぐらいの夫婦でやっていた喫茶店だったの。で、デリヘルの業務が終わって。だいたい7時、8時なんだけども。モーニングを食べに行ったりとか。ちょっと早めに起きたらランチ食べに行ったりとかしてたところで。日曜とかになったら競馬新聞を持って、そこで予想して。

マスターと一緒にさ……マスターも競馬をやる人だったから。「マスター、なにが来ると思います?」とかって言って。「いやー、俺は……やっぱりダイワスカーレットかな?」「ああ、そうですか。まあ、僕はウォッカですかね」みたいな。そういう思い出の詰まった喫茶店があるんで。そこに行こうと思って。そこはハンバーグが美味しい喫茶店なんですよ。だから「あのハンバーグ、ひさびさに食べたい!」って思って。で、行ったわけ。

(水川かたまり)うん。

(鈴木もぐら)「うわー、懐かしいな!」って思って。それで入っていったら、結構人気店というか。繁盛していて。1席しか空いてなかったの。で、もうてんやわんやなわけよ。マスターと奥さんが。で、「いらっしゃい!」っていうけど、俺の方なんか全然見ていないわけ。で、俺はこっそり入ってさ。もう2年間、毎日通っていたところよ。それで座って。マスターもさ、その当時からすると、ちょっと痩せているんだけどもさ。元々、渋くてね。ヒゲが生えていてちょっとダンディな感じの。ちょっと肉付きがよかったんだけども、今はもうシュッとしていて。なんかいいおじさんになっているわけ。40代の。

(水川かたまり)ナイスミドルになっている。

(鈴木もぐら)そうそう。で、奥さんもすごい爽やかで感じのいい人で。上品なエプロンが似合う、笑顔がきれいな……。

(水川かたまり)なんかすごいな、もぐら放浪記(笑)。誰かマジで漫画描いてほしいわ(笑)。

(鈴木もぐら)それでね、奥さんもものすごいきれいな大人の女性になっているわけ。それで「うわっ、変わっていないな!」って。変わっているんだけども、いい変わり方をしていて。で、俺はちょっとこっそり、顔を隠して。それでさ、奥さんがこっちをパッと向いて俺が座ったのを見て会釈して。で、俺の方にすぐに来てくれたの。

(水川かたまり)おおっ。

(鈴木もぐら)で、俺は普通にハンバーグを食べたかった。絶対にハンバーグをたのもうと思って。それで奥さんが来たから「すいません。ハンバーグをください」って言おうとしたら、奥さんがね、「いらっしゃいませ。うちのおすすめはハンバーグです」って……。

(水川かたまり)フフフ(笑)。まあまあ、うん(笑)。

(鈴木もぐら)そう言うのよ……。俺、もう固まっちゃって。「じゃあ……ハンバーグ、ください」って言ったんだけど……俺、信じられなくて。自分の中で。「忘れているはずがない!」って。

(水川かたまり)そうだよね。たしかに。2年間、ずっと通っていて……。

(鈴木もぐら)毎日通っていたんだから!

(水川かたまり)いろんな会話をしてて。しかも大阪っていう土地柄だから、お笑いとかね、なんか文化としてあるから。俺らが出たりしてるのとか見てくれたりとか、あるのかなとか……(笑)。

(鈴木もぐら)でも、たしかにあんまりテレビとかは見ないようなご夫妻だったの。それは当時から、そんな感じだった。なんか「うちらちょっと見ないからわからんのやけど」みたいな感じだったから。そういう話題とか、ニュースとかもそうだったんだけど。でも、さすがにね、俺は当時からもうヒゲも生えてたし、太っていたから。まあ、一発で思い出さなくても徐々に思い出すだろうと。仕方ない。そんな10何年ぶりに。しかも忙しい日にさ、混み合っている中で。

あれもこれもやらなきゃいけないのに、そんなの気づくわけがないわと思って。それでハンバーグを持ってきてくれて。「あ、ありがとうございます」って言って。全然気づいてないの。「どうぞ。これ、おすすめで。本当にうちのマスターもね、ハンバーガーは1から仕込んで作ってるから。美味しいから食べてね」とかって言われて。「ありがとうございます」って。

(水川かたまり)スーパー一見スペシャル(笑)。

(鈴木もぐら)で、食べて。食べ終わって、しばらくタバコを吸っていて。それで、店内も空いてきたの。空いてきたんだけど、やっぱり何もないわけ。で、すごいもう寂しくなっちゃって。でも俺の中では諦めきれなかったわけよ。

(水川かたまり)やっぱり10何年ぶりに来た思い出の店だから。

「帰り際に全部、言おう」

(鈴木もぐら)そう。だから帰り際に全部、もう言おうと思って。それで「お会計、お願いします」って言ってお会計をしに行って。それでマスターが「1000円です」「どうも」って。もう全然気づいてないの。まあ、それは仕方ない。で、お金を払って。「ありがとうございました。まいどあり」って言われた時に「いや、マスター。実は覚えてないですかね? 12年前ぐらいに僕、毎日のようにここに来ていたんです。ここに来て。競馬新聞を持って朝に来て。『何が来るかな?』とかいろいろ話したりしていたんですよ!」って言って。

(水川かたまり)21、2の時の話だろ?(笑)。55、6の人がやることだけどな、それ(笑)。

(鈴木もぐら)「いやー、あの時は本当にお世話になって。久しぶりに大阪に来たので、寄っちゃいました!」って言って。そしたらマスターがさ、「はっ! わざわざそうですか。まいどおおきに! ありがとうございます!」って俺に言ったんだよ。もう完全に俺のこと、忘れているんだよ……。

(水川かたまり)フハハハハハハハハッ!

(鈴木もぐら)俺、いまだに引きずってるんだよね。もう心に穴が空いちゃって……。

<書き起こしおわり>

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